地方財政審議会議事要旨

日時

平成21年9月8日(火)10時00分〜12時00分

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  池ノ内 祐司
       木内 征司  佐藤 信  木村 陽子

(説明者) 自治行政局市町村課 理事官 新田 一郎

議題

事務の共同処理の現状と課題について

要旨

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な質疑内容)

 事務の委託について、住民の意見をどのように反映させるか。これが難しい問題ではないか。
 委託団体と受託団体の協議に基づいて設けられる事務の委託に係る規約において、委託団体側から受託団体側に対して意見を申し立てることができる旨を規定すれば可能であると考えられ、現在、そのような仕組みを制度的に担保する改正について、検討しているところである。一方で、住民の意見を直接に反映した運営を行うよう要請が強まれば、受託団体側で事務の委託を受けることに対して消極的になるという議論もある。今後、さらなる事例研究が必要だと考えている。

 事務の共同処理に係る制度改正は、小規模団体が今後どうあるべきかという文脈の中で考えるべきではないか。また、事務の共同処理は水平方向の議論だが、現実問題として共同処理したくてもできない離島などの小規模団体は、垂直方向の議論である都道府県による補完が必要になるのではないか。
 人口減少時代になり、今後さらに小規模団体が増加していく中で、法令で義務付けられた住民生活に密接に関連する最低限の事務の処理すら困難となる団体が多数出てくる可能性がある。そのような状況の下、市町村合併、事務の共同処理又は都道府県による事務の補完を選択肢として提示し、小規模団体自身がその中から任意に選択する形になろうかと思うが、垂直補完に対しては、町村会はじめ様々な議論があるところである。

 現在の我が国は、コミュニティーの機能が著しく低下してきており、公共サービスに求められる水準が高くなってきている。そうした状況の下で、公共サービスには、ごみ処理のような「規模の利益」が働きやすいものや、保健・福祉等の対人サービスのような「規模の利益」が働きにくいものがある。また、公共サービスの一分野のみを共同処理することにより公共サービス全体の総合性を欠くこととなり、「分業の不利益」をもたらすこともあるので、これらのことを念頭において、政策を立案する必要があるのではないか。
 現在、自治体関係者も委員に入っていただいている「事務の共同処理の改革に関する研究会」においても、まさにご指摘のような議論があり、基礎自治体の担っている事務を分類し、どの事務が共同処理に適しているのか、その場合の課題はどういうものかなどを具体的に検討していただいているところである。

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