地方財政審議会議事要旨

日時

平成22年6月18日(金)10時00分〜12時00分

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  佐藤 信  木内 征司
       中村 玲子  松本 克夫

(説明者) 自治行政局地域政策課地域情報政策室 課長補佐 西潟 暢央

議題

自治体クラウドについて

要旨

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な質疑内容)

 自治体クラウドは、地方公共団体の情報システムを外部のデータセンターに集約し複数の地方公共団体による共同利用を推進する施策であるとのことだが、情報セキュリティの面で例えば情報漏洩等の可能性が大きくなるのではないか。
 自治体クラウドは、総合行政ネットワーク(LGWAN)という地方公共団体間を接続する閉域網を介して情報システムの共同利用を推進するものであり、共同化することにより情報漏洩等のリスクが高まることはないと認識している。

 自治体クラウドが、今後は各団体が判断して導入していくものだとすれば、実証実験の後は総務省は何をするのか。複数の地方公共団体による情報システムの共同利用を国が推進する方策としては財政支援ぐらいしかないのではないか。
 実証実験の成果を踏まえての話として、今後は、自治体クラウドのような情報システムの集約と共同利用に向けた取組を全国的に展開していくため、本年5月に発表した原口ビジョンIIにおいては、例えば地方団体等と新たな連携の枠組の構築やインセンティブの在り方の検討等に取り組むこととしている。また、こうした自治体クラウドの円滑な展開を進めるための法案の作成についても検討する予定である。

 自治体クラウドの導入にあたって地方公共団体は業務の見直しや標準化が必要とのことであるが、地域活性化の観点からはむしろ行政が地域の多様なニーズに対応できる体制を整備することが必要なのではないか。
 地域活性化の観点からは、それぞれの地方公共団体が人口規模や地域特性等を反映した多様な行政サービスを提供することが必要であることはご指摘の通りである。そのような行政サービスの提供を実現するためにも、法定受託事務をはじめ地方公共団体間のばらつきが少ないと考えられる行政サービスについては、より効率的な提供を実現する観点から、情報システムの集約と共同利用が必要であり、これらを円滑に行うためには、業務プロセスの共通化のための取組が必要としている。

 クラウドコンピューティング自体、言い出されてからそんなに時間が経っていない中で、今から地方公共団体に対して全国展開の議論までする必要があるのか。自治体クラウドを導入して経費の削減はできるかもしれないが、実際は使い勝手が悪い等の不具合を被るのは多くの場合規模の小さな団体であり、今後の展開においてはそうした配慮も必要と考える。

 小さい団体ほど自治体クラウドの導入による効果が見込まれるとのことだが、一つのクラウドの共同利用の規模はどの程度が適切か、調査やヒアリング等で把握しているのか。
 共同利用の規模については、業務プロセスの共通化のための調整作業と割勘効果による費用削減効果のトレードオフが想定されるところであるが、当方の調査やヒアリングの結果としては、一つの目安として、人口10万人以下の規模の団体を中心に複数の団体が情報システムの共同利用を行い、結果的に人口数十万人程度の規模のクラウドを構築できれば費用削減効果が見込まれるのではないかと想定しているところである。

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