地方財政審議会議事要旨

日時

平成22年9月14日(火)10時00分〜11時30分

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  佐藤 信  木内 征司
       中村 玲子  松本 克夫

(説明者) 自治財政局地方債課 理事官 大井 潤

議題

名古屋市の建設地方債に対する許可について

要旨

標記について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な質疑内容)

 今回の名古屋市の建設地方債の申請についての許可の理由は何か。
 名古屋市は、当初予算策定以降、さらなる行革に取り組んでいることに加え、行革推進債や通常充当率分の建設地方債の発行を抑制していること等世代間負担の公平に一定の配慮がされていることから、今回申請分の建設地方債の発行は許可したいと考えている。

 減税の財源を行革で捻出しているとあるが、行革による効果は、まずは借入金を縮減するのがあるべき財政運営のはずではないのか。

 平成16年度の改正時は、課税自主権を活用し、地方税の充実確保を図る観点から見直しが行われているが、標準税率を下回ることについてはあまり想定していなかったのではないか。

 標準税率はシャウプ勧告において、「公正な負担分」を引き受けなければならないために設定されているものであり、このように地域の住民が公平に負担することを前提に「国としての統合」を確保する観点から、地方共有の財源として地方財政調整制度である交付税制度が設けられているものと考えている。

 交付税制度においては、標準税率による税収に基づき算定されるので、減税分が補てんされるわけではない。しかし、交付税の交付団体であるのに、最低の税率を徴収していないことは、他の地域との公平の観点から、適当といえるか。地方の自主性を尊重する一方で、このような事例が他の団体にも広がっていくと、「国家の統合」を阻害するのではないか。したがって、地域間の公平という観点も必要となるのではないか。

 現行制度下においては、地方債の許可制により地方団体が減税競争(tax competition)に陥らないよう制度設計されている。今回のような事例が他の団体に波及することも考えられるので、地方交付税制度も含めて制度設計の見直しを検討しておく必要があるのではないか。

 なお、フランスにおいては、住民が負担する税(住居税等)が全国平均を上回る課税を行っている場合、交付金の配分額がその分だけ増加する仕組みとなっている。

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