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地方公共団体の入札に総合評価方式が導入されたのは何時で、どのような背景があったのか。 |
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地方公共団体については、平成11年2月の地方自治法施行令の改正により導入された。国では、スーパーコンピューター、医療機器等の調達で総合評価方式が採用されていたが、日米政府調達レビュー協議等で、地方公共団体における総合評価方式の導入について強い要請が行われていたこと、平成9年12月の行政改革委員会最終意見において、「地方公共団体においても、総合評価方式の導入が可能となるような環境整備を行っていくべきである」との提言がなされていたことによる。
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総合評価方式を行わなければならないものは列挙されているのか。総合評価方式の対象にならないものにはどのようなものがあるのか。 |
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法令上具体的に列挙されているものはないが、公共工事については、平成17年4月から施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(議員立法)で、公共工事の品質は、経済性に配慮しつつ価格以外の多様な要素をも考慮し、価格及び品質が総合的に優れた内容の契約が締結されることにより、確保されなければならないとされており、特に小規模な工事で技術的工夫の余地がないものや、災害復旧等緊急性の高い防災工事等、総合評価方式を活用する必要がない工事を除き、原則として総合評価方式によることとされている。また、公共工事以外の調達については、地方公共団体の任意ではあるが、技術的要素等の評価を行うことが重要であるものについては、総合評価方式によることが要請されている。
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総合評価方式の学識経験者からの意見聴取はどういう単位で行うのか。 |
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個別具体の契約案件ごとに行うこととなる。
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落札者決定基準の内容について、法令上の定めはあるのか。具体的にどのような評価項目があるのか。 |
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地方自治法及び地方自治法施行令では、落札者決定基準の具体的な内容については定めておらず、地方公共団体に委ねられている。価格以外の評価項目の要素としては、企業の技術的能力、環境への配慮、地域貢献度などがあり、体制が脆弱な市町村向けの特別簡易型では、企業施工能力として、過去の同種工事の施工実績や過去の工事成績評定点の平均点、配置予定技術者の能力として、過去の主任技術者の施工経験の有無、一級土木施工管理技士等主任技術者の保有資格、地域貢献として、営業拠点の所在地、防災協定等に基づく活動実績の有無等がある。
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価格以外の要素の評価と入札価格の評価は、どういう形で行われるのか。 |
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入札価格を一定のルール(例えば予定価格に対する入札価格の割合)により点数化した価格評価点と、価格以外の要素を点数化した技術評価点を加算することで評価値を算出する方法などがある。
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総合評価方式に対する業者の認識はどうか。 |
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価格のみで落札者が決定されると、技術力を持っていても価格で勝負できないという面があり、技術力をきちんと評価してもらえるという部分で総合評価方式は評価されている。
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市町村で総合評価方式が進んでいないのは、どのような理由からか。 |
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事務量の増大や、契約までに時間がかかること、専門的な知識・技術を有する職員の不足、落札者決定基準の作成が技術的に難しいこと等が挙げられる。
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指名停止では、国や他の地方公共団体で問題を起こしたところも停止されているようだが、今回改正された一般競争入札参加停止の場合はどうか。 |
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指名競争入札における指名停止については、中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデルを参考に、各地方公共団体において要綱等を定めて運用しており、御指摘のように、国や他の地方公共団体における案件での問題事案について、指名停止措置を講じている団体がある。
一般競争入札の参加停止については、国の場合、契約が各省庁で行われており、一般競争入札参加停止事由に該当すると認められる者があったときは各省庁の長が財務大臣に報告し、財務大臣は当該報告を各省庁の長に情報提供する制度が設けられていることから、他省庁における事案を根拠に入札参加停止にすることができるが、地方公共団体の場合には、法人格がそれぞれ異なり、また、国のような相互通報制度が設けられていないことから、国や他の地方公共団体における事案を根拠に参加停止にすることはできないものと考えている。
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予定価格の事前公表は、どのような理由から行われているのか。 |
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国の場合は、予算決算及び会計令で予定価格の事前公表が禁止されているが、地方公共団体の場合は、法令上の制約はないことから、事前公表を行っているところもある。事前公表を行っている理由としては、業者が職員に接触することによる不正発生の防止、業者の積算の容易性等が挙げられる。なお、予定価格の事前公表は、予定価格が目安となって競争が制限され、落札価格が高止まりになること、業者の見積努力を損なわせること、談合が一層容易に行われる可能性があること等の弊害が生じうるところから、事前公表の適否について十分検討した上で、このような弊害が生じることがないように取り扱うことを要請している。 |