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第3回独立行政法人評価制度委員会議事録

日時

平成27年8月5日(水)15時30分から17時30分まで

場所

中央合同庁舎第2号館8階 総務省第一特別会議室

出席者

(委員)
野路國夫委員長、樫谷隆夫委員長代理、岡本義朗、梶川融、栗原和枝、関利恵子、橋伸子、土井美和子、原田久
(事務局)
上村進行政管理局長、長屋聡官房審議官、新井管理官、深澤管理官他

議事

  1. 独立行政法人評価制度委員会名で処理する事務の評価部会への付託について(改正案)
  2. 平成27年度の組織・業務全般の見直し対象法人の主な論点について
  3. その他

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議事録

【野路委員長】  本日は、お集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 ただいまから、第3回独立行政法人評価制度委員会を開会いたします。
 まず、初めに、村岡委員から辞職願が提出され、8月4日付でご退任されましたので、ご報告させていただきます。
 次に、事務局に人事異動がありましたので、ご紹介をお願いいたします。
【坂井調査官】  それでは、ご紹介いたします。最初に、独法評価担当の高野大臣官房審議官が異動になり、後任として長屋大臣官房審議官が着任されました。
【長屋審議官】  よろしくお願いいたします。
次に、独法評価総括担当の竹中管理官が異動になり、後任として新井管理官が着任されました。
【新井管理官】  よろしくお願いいたします。
【坂井調査官】  次に、農林水産省担当の山野管理官が異動になり、後任として斎藤管理官が着任されました。
【斎藤管理官】  よろしくお願いします。
【坂井調査官】  以上でございます。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 それでは、審議に入りたいと思います。本日は、議題1で独立行政法人評価制度委員会名で処理する事務の評価部会への付託についての改正案。議題2は平成27年度の組織・業務全般の見直し対象法人の主な論点の2つについてご審議いただく予定としております。
 まず最初に、議題1の独立行政法人評価制度委員会名で処理する事務の評価部会への付託についての改正案について、事務局から説明をお願いします。
【新井管理官】  それでは、議題1につきまして、私、新井のほうからご説明させていただきます。
 お手元の資料1−1をごらんください。こちらは、独法評価制度委員会名で処理する事務の評価部会への付託についてというものであります。これは、27年4月9日に委員会決定で一度定めたものを本日、改定するということをお願いしたいというものであります。
 本文のほうをごらんいただきますと、委員会のこの政令に基づきまして、評価部会の議決をもって委員会の議決とするという事項を定めるということができるということになっておりますが、これについて、そこの追加を今回お願いしたいということであります。もともと1番のほうは既に4月9日の際にあらかじめその付託について決定いただいたものでありまして、その内容というのは通則法に基づきます中長期目標の変更につきまして、この委員会が主務大臣に意見を述べるということになっておりますが、これについては評価部会のほうに既に付託するということになっておりました。
 今回、さらに追加としまして、2番にあります、独立行政法人、それから、特殊法人及び認可法人の役員の退職金について、閣議決定に基づきまして、この委員会として主務大臣が定めましたその独法の役員の退職に係る業績勘案率についての主務大臣の通知に対しまして意見を述べるということになっておりますが、これについて今回、部会のほうに付託していただく。いわば下ろしていただくということにお願いしたいと思っております。
 次の、資料1−2のほうに新旧対照表をつけておりますが、今、申し上げましたように、右側が現行でありますけれども、左側にありますように、この赤字の下線部で追加しております2番の項目をそのまま追加するということでお願いしたいというものであります。
 参考1のほうに、先ほど申し上げました独法の役員の退職金についての閣議決定、27年3月24日に最新の改正が行われておりますが、そこの1番の(2)の2段落目です、主務大臣が業績勘案率を決定した場合には、これを総務省の独法評価制度委員会、当委員会に通知するということで、この委員会が主務大臣に対して意見を述べることができる。これが根拠規定になっているものとなります。
 ということで、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【野路委員長】  それでは、ただいまの説明についてご意見、ご質問等、どなたからでも結構ですのでございませんか。ご質問等ございませんか。よろしいですか。
 それでは、本件について、案のとおりにさせていただくことでご異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【野路委員長】  ありがとうございました。それでは、そのように取り扱わせていただきます。
 次に、議題2の平成27年度の組織・業務全般の見直し対象法人の主な論点について審議を行います。
 まず、評価部会の各ユニットにおける論点整理を事務局から説明いただき、各ユニットの委員から追加でご説明をいただいた後、ご議論いただくこととします。審議については、対象法人数が多いため、ユニットごとにご議論いただくこととし、3回に分けたいと思います。
 まず、最初に、第2ユニットが担当する見直し対象法人の主な論点について、事務局から説明をお願いします。
【平池管理官】  担当管理官の平池でございます。すみません、私の予定がこの後ございまして、先に第2ユニットからご説明させていただきたいと思います。
 第2ユニットは、総務省、財務省、国土交通省の3省12法人を審議しております。お手元の資料の28ページをごらんいただけますでしょうか。28ページのほうに総務省の所管法人であります情報通信研究機構の論点について、5点ほど挙げさせていただいております。
 そのうち一番重要な論点であります1番につきましては資料をつくっておりまして、たびたびで大変恐縮ですが、38ページを開いていただけますでしょうか。38ページに情報通信研究機構の論点の資料がございます。この情報通信研究機構というのは、情報通信に関する、いわゆる基礎的な研究をやっている独法でございますが、資料の真ん中の赤線枠の問題意識の1ポツにございますように、民間のイノベーションに資する研究成果の普及がこの独法に求められているのではないかと考えております。
 そういうことから考えますと、左側の下に第3期、現在の中期目標の評価指標というのがございますが、そこに評価指標で論文数とか報道発表とか何点か入れさせていただいておりますけれども、そこの赤い吹き出しにありますように、こういった評価手法ではまさにこの独法の研究成果の普及というものの観点がこういう指標では踏まえられていないのではないかと考えております。
 そういう意味で、その右側の次期中期目標期間の評価軸と指標というところでございますが、その2番目の(2)にありますように、まさにこの独法から民間のイノベーションの普及になるようどのような技術を橋渡しできたか。その結果、社会・経済的な価値がどれくらい生み出されたのか。こういうことが評価できるような目標を立てるべきではないかという、この点が最大の論点とユニットでは考えて議論させていただきました。
 時間がありませんので、次の説明に移らせていただきます。次は、財務省所管の酒類総研という独法でございます。行ったり来たりして大変恐縮ですが、29ページを開いていただけますでしょうか。29ページに財務省所管の酒類総合研究所の論点を4点ほど掲げさせていただいております。このうち一番重要な論点でございます1番目につきましては、先ほどと同様、資料をつくっておりまして、行ったり来たりで恐縮です、39ページを開いていただけますでしょうか。
 そちらに酒類総合研究所の、まず、論点というのがございますが、もともとこの独法は、研究所という名前なんですけれども、研究開発法人ではなくて、中期目標管理法人という整理をされております。そういう意味で、論点の1番目にありますように、中期目標管理法人とされた本研究所が行うべき研究とは何かというところがやはり一番大きな論点となろうかと思います。
 真ん中にあります赤線の枠の1ポツ目でございますけれども、本研究所の本来業務は酒類の高度な分析とか鑑定とか、あと、品質の評価ということであろうかと考えております。まさにこの独法は、右側の一番下に、次期重点化すべき課題というところにございますが、まさに本来業務である高度な分析とか鑑定というものに資する調査研究に重点化すべきではないか。そこの赤い吹き出しにございますが、こういった酒類総研が取り組むべき研究の方向というものをきちんと明確にした上で、これらを適切に評価できる指標等を設定すべきではないかということをユニットで議論させていただいておりました。
 私からは以上の2法人の説明でございます。
【平岩管理官】  続きまして、管理官の平岩でございます。国交省関係の10法人について説明させていただきます。
 まず、30ページのところに土木研究所の論点を6つ掲載させていただいております。6番目に、寒地土木研究所のバランスがちょっとばらつきがあるのではないかということで論点を掲げさせていただいていますが、それ以外のものについては、次の建築研究所と同じものですので、両法人あわせてご説明したいと思います。
 次のページを見ていただきますと、建築研究所の論点をまた6つ掲載しております。6番目のクロスアポイントメント制度というのは、基礎研究と応用研究の橋渡しとなるものでございまして、土木研では既に導入済みでございます。論点1については、2法人共通の論点ということで、ポンチ絵を整理させていただいておりますので、40ページをごらんいただければと思います。
 建築研と書いてありますけれども、土木研も同じですが、今後5年から10年くらいに必要となる技術に関する研究開発を重点研究と位置づけておりまして、ペーパーには書いてありませんが、大体予算の75%ぐらいを充当することを目標にしてやってきております。この点につきましては、第3期中期目標期間までの間に大体達成しておりまして、定着してきていると認識しておりますが、他方で、昨年策定されました目標・評価の指針におきましては、研究開発成果の最大化というのが新たに盛り込まれてございます。
 2つの研究所の成果というのは、国や社会に対する効果ということで、例えばよりよい公共事業の執行につなげるようなことが考えられるわけですけれども、今の中期目標を見ていただきますと、さっきの予算75%を重点研究に充てるとか、このポンチ絵の左下に書いてございます第3期の目標の状況のところに書いてありますように、成果に直結するとはあまり言えないような目標が評価指標として並んでおります。そのため、社会資本整備計画とか、いろいろな計画といったものが、国交省のほうで施策とか計画をつくっておりますので、そういったものに沿ってよりよい公共事業というアウトカムにつながるような目標を、より具体的かつ中身のある目標として立てるべきではないかという論点を立てさせていただいているところでございます。
 次に、交通安全研と車検独法の説明をさせていただきます。32ページのところに論点を書かせていただいております。統合に向けた論点がこのページ、次のページに法人固有の論点を書かせていただいておりますけれども、この2法人につきましては、その時代ごとの技術水準に照らして適切な安全基準であるとか、環境基準を満たした車が出回るようにするのが主な目的でございまして、来年統合する予定でございます。
 論点につきましては、国や民間との役割分担も含めて、ここのところに多々整理させていただいておるところですけれども、一番重要な統合関係につきまして、またポンチ絵を作らせていただいておりますので、41ページをごらんいただけますでしょうか。41ページですが、真ん中の問題意識のところに書いてございますけれども、今回、統合の目的といいますのは、設計から新車、使用の段階の業務を総合的に実施し、新技術の導入や不具合発見等への迅速かつ確実な対応を実現するというものでございます。
 ということで、論点の1ポツのところにつきましては、マネジメント体制を整備した上で、現場や管理部門でのシナジーを発揮してほしいというものでございます。また、問題意識の2つ目のところにも書いてありますけれども、交通研は、技術面での研究を通しまして、自動車の国際標準獲得であるとか、鉄道のインフラの海外展開、こういった使命を統合後も引き続き担うということになります。このため、論点の2ポツのところでは、建築研と同様、アウトカムを踏まえた目標の設定ということについて掲げさせていただいているところでございます。
 たびたび恐縮でございますが、前に戻っていただきまして、34ページをお願いします。34ページは3つの研究所、海技研と港空研、それから電子航法研についてでございます。こちらもまた来年統合するわけですが、これらの法人が行っている研究業務については、統合しても大きなシナジー効果を見込めるかというと、なかなか少ないといいますか、難しいかと思いますけれども、統合を契機に研究企画部門を強化していただいて、社会のニーズに柔軟に対応できる業務を運営してほしいことなどを論点として掲載させていただいております。
 次のページに行っていただきまして、35ページですけれども、こちらは航海訓練所と海技教育機構についてでございます。こちらは船員さんの養成を行っているところですけれども、とりわけ内航船、国内のほうですけれども、船員が今後不足していくことが懸念されているという状況にございますが、船員の育成については、海技教育機構で主に内航船向けの船員を養成しておりまして、あと、文科省系の大学や高等専門学校で外航船向けの船員を養成しております。来年、座学メーンの海技教育機構の学校と、それから、乗船実習がメーンの航海訓練所が統合するんですけれども、論点の1ポツのところにありますように、座学・乗船実習カリキュラムの重複排除であるとか、教育訓練の重点化・効率化等に取り組んでいく必要性であるとか、あるいは管理部門のシナジーも生かしながら、将来船員になりたいという若者の掘り起こしであるとか、確保にも工夫すべきという論点を掲載させていただいております。
 最後に、2ページめくっていただきまして、航空大学校でございます。格安航空会社のLCCの参入などによりまして、パイロットの需要が急速に高まっている一方で、ベテランパイロットが一斉退職していくというような状態で、パイロット不足が懸念されております。今のうちから安定的にパイロットを養成しておく必要がございまして、その際、国がどこまで責任を持つのかが悩ましいところでございますけれども、そうした観点も踏まえまして、4つ論点を掲げさせていただいております。
 このうち、1つ目の論点につきましては、安全に関するものでございまして、重要でございますので、ポンチ絵を作成させていただいております。42ページをごらんいただければと思いますけれども、今の中期目標期間の初年度であります23年7月には、訓練中に死亡事故が起きてしまっております。こういうことだけで今の訓練のカリキュラムを見直すべきとまでは言えないと思うんですけれども、この事故を受けまして、中期目標自体を変更されておりますし、あと、法人内部でさまざまな安全に対する取り組み等が行われております。今般、それらを総点検した上で、今のカリキュラムによる訓練の効果を検証するべきではないかということを論点として挙げさせていただいておるところでございます。
 第2ユニット関係の見直し法人については以上でございます。
【野路委員長】  それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、第2ユニットの委員から追加して説明していただくことがあれば、お願いしたいと思います。では、岡本委員。
【岡本委員】  第2ユニット担当の岡本でございます。
 今回は、国土交通省系の幾つかの研究所及び総務省系の情報通信研究機構に訪問させていただきました。それで、いつも感じることでございますが、やはり現場に行くと、我々にとって新たな気づきといいましょうか、各業務の重要性についてよくわかったと改めて感謝いたしますとともに、やはりそういうことをちゃんと踏まえた上での評価というのは、非常にプリンシプルだと改めて感じました。
 現場で皆さん、いろいろな業務で、私なりには非常に一生懸命真摯に取り組んでいらっしゃると思いますが、文字になって評価書で上がってくると、なかなかそれが伝わり切れない。それを我々はどのように含みとっていくのか、また、そうはいっても、ちゃんと指摘すべきことは指摘すべきだと思います。
 その中で1つ私が気になっていますのは、やはり主に研究所ですが、統合機関。その統合をどう評価するのかが、必ずしも現場に行ってもよくわからないというのが正直ございまして、なぜこの2つの法人が統合されなければいけないのか。統合が現状とどう変わるのかというのがいまいち説得できていないところが幾つかあったように思いますので、そのあたり我々としてどう評価していくかだと思うんです。
 特にそのときに、管理部門のスリム化というのはよくあるわけですけれども、研究所における統合というのは果たしてどういう意味があるのかといつも疑問に感じます。別に法人が別であっても、研究所は共同研究でありますとか、いろいろな共同の形での研究はできるので、なぜそれが統合されなければいけないのか、これは実は、現場の人に聞くと、そんなの決めたのは私たちでありませんという答えがやはり返ってくるわけです。私もそういう場にもいたものですから、やはり独立行政法人あるいは国立研究開発法人の統合とは、もう少し現場というか、業務に即したもののあり方があるべきなのではないか。あえて言うと、結局、1つの省の中での傘下の法人の統合にやはりとどまっていますので、そういう観点からも、我々としてもどう見ていくかは考えないといけないと、本当に思います。
 それから、もう1点は、やはり研究所を含めての実施部門だというのは独立行政法人の立ち位置だと思いますので、政策部門とどのような連携といいましょうか、シナジーといいましょうか、そういうものがあるのかは、やはり見なければいけないか。いつも議論になりますが、やはりそこは政策にどこまでこの審議会が立ち入ることができるのかということだと思いますけれども、やはり第三者の国民の目線というんでしょうか、そういう形からの目線というものは、やはり私なりに持っていかなければいけないかと思いますし、実際に、例えば今回、国土交通省あるいは総務省において、いろいろな上位計画がございますけれども、その上位計画が何々審議会で決められましたということなんでしょうけれども、そこをどのようにこの審議会として見ていくのかということは、その立ち位置というのか、視点というのか、そういうものをしっかり見ていかなければいけないと考えておるわけです。
 それから、おそらく今後、私も文部科学省の委員をやっておるんですけれども、中期目標期間終了時の評価が出てまいるかと思いますけれども、そこで1つ論点なのは、今後の、特に研究開発法人なら研究開発の最大化をどう捉えるか。どういう視点でそれを見直していくかということですので、そこをちゃんとした目線で、この審議会として意見を述べていく必要があると考えておりますので、そういう観点から今後、業務に真摯に取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
【野路委員長】  では、続いて、関委員。
【関委員】  今、岡本委員からのご発言にもありましたように、実際に視察に伺っていきますと、どの法人も与えられたミッションのもとで最大限の努力をしていることはよくわかったんですけれども、ただ、活動の成果が必ずしも適正な、活動の成果を具体的に示すための適正な指標のようなものがまだ絞り切れていないようなところもあって、なかなか外部としてその法人自体が一生懸命努力していることが見えづらい部分があるのではないかと感じました。
 今後、いろいろと議論を重ねていく中で、適正な評価というものを実施することができればと今回思いました。
 以上です。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまご報告いただきました12法人につきまして、ご意見等お願いいたします。
【土井委員】  すみません。40ページのところで、今、岡本委員もご指摘されたどうやって評価していくかということで、そのアウトカムを明確にしてというお話があったのですが、私も現場に行ってみて思ったのは、業務をどういう形で定量的に評価していくのはすごく難しいと思います。長期的なものもありますので、5年間なら5年間の間で必ずしも大きな成果が出るものでもないので、淡々とやっていくのも重要ですし、民間との競争もありますし、あるいはグローバルな研究として競争もあるわけです。それをその40ページのところに書いていただいているように、確かに重点事項として決められたものに関してはできるかもしれないのですが、ミッションとして、業務としてやっていかないといけないというところをどう評価していくかというのは、もう少し議論が必要なのではないかと感じましたが、いかがでしょうか。
【岡本委員】  今、土井委員のご指摘があったのは、多分建築研究所におけます指標という意味においては、確かにここで出されているものは定量的なものをもって評価するので十分か、必ずしもそうではないと思います。
 では、それにひるがえって、どういう指標を設定していけばいいのかは、やはりこの個々の研究所のミッションなり、各研究のそれぞれの目標等々を絡めて適切な指標を、何らかの目線を持ってくるべきなんだろう。そこが定量的なということになってくると、やはりそこには一定の限界が私はあると思います。
 特にこの研究所におきましては、その研究をどう評価するかは、必ずしも論文数とかあるいは特許の数とか、それだけではないともちろん思いますので、そのあたりやはり研究に即した形で見ていくべきである。
 ただ、そのときに、本当はあるべき姿というのは、我々が、この総務省の審議会がどこまで各省の傘下にある独立行政法人の業務の内容を正しく理解できているのかというところにやはりある一定の限界があると思った上でつくっていく必要があると私は思っていますので、特に文科省の、現場のあちら側にいると、そういうこともやはり議論しておりますので、各主務省の研究開発法人審議会でどういう評価をされているかを前提にして我々は二次的に入っていくのか、ここの立ち位置はそういうことかと思っています。
【野路委員長】  ほかにございませんか。どうぞ。
【原田委員】  感想なのですが、今回、見直しの対象となった研究開発関係の法人で申しますと、中期目標期間に係る評価指標が、研究者というか、研究機関としての目標になっていて、具体的には、独法としての、すなわち政策実施機関としての政策にリンクした目標になっていないというようなご指摘が幾つかの法人であったかと思います。
 私は、前回の岡本委員の発言を思い出しながら話を聞いていたのですが、やはりユニット単位で、比較的幾つかの法人をレビューしながらも、横串がきちんと刺されているという印象がございました。同じような論点といたしましては、例えば研究所と名がついていながら、中期目標管理法人であれば、やはり何らかの業務と関連して目標が設定されるべきであろう、こういう視点で、そういう意味ではユニット単位でかなり横串が通された議論になっているかと思います。
 もう1つ思いつきましたのは、例えばクロスアポイントメントに関しては、昨年の旧政独委でも私が厚労のある法人を拝見したときにやはり出てきた議論でございますので、研究開発関係の法人では、同じように横串を刺していって、そういう任用の仕方が可能なのかどうかをほかのユニットでも考えていく余地が十分あるかと思いました。
 感想だけですが。
【岡本委員】  今の原田委員のご指摘は、ありがとうございますということなのかもしれませんけれども、横串の視点は結構重要だというのはまさしくそのとおりだと思いますが、単にユニットの中だけではなくて、この委員会全体としてのウイングで横串を刺すという検討が必要ということだと思っております。
【原田委員】  そういう趣旨でございまして、最後のクロスアポイントメントについては、ユニット単位を超えて、もう1回そういうことが可能かどうか、意義があるかどうかはやはり見てみる必要があるかと思っています。
【岡本委員】  そうですね。クロスアポイントメントだからいいという議論ではないと思います。
【野路委員長】  ほかにございますか。
【土井委員】  すみません。もう1点よろしいですか。統合に関しては、第1ユニットにもあるんですが、先ほどもどういう目的を持って統合されるのかと、現場側ではなかなかお答えもないとありました。先ほどちょっと気になりましたのが、平岩管理官が指摘された話です。海技研、港湾研、電子航法研、統合のメリットがないんじゃないかというご説明もありました。今回、私、初めて現場視察に行かせていただいて、反省点ではあるのですが、行く以上は、どういう目的で統合されるのかという、もともとの目的が何かあったわけですよね。だから、それに対してどうだったのかをもう少し詰める形で現場に行かないと、やはり統合に関しては現場視察でさらに詰めていくことが不足するのではないかと感じました。
【平岩管理官】  すみません、よろしいでしょうか。ちょっと私の説明が、誤解を生じてしまいまして申しわけございません。一応現場の視察でも、そこのシナジーの話につきましてはかなり重点的に意見交換させていただきまして、先方も3つございますので、なかなかシナジーについての検討がほかの統合法人に比べると少し出遅れるところはありましたけれども、例えば海洋調査とか海洋開発の関係でございますと、海技研というのは船とか、水中とか、海の上はできるけれども、下に潜っていって掘削したりとか、そういうことはできないということで、そういう場合には港空研が出張ってきて、一緒にできるとか。
 それから、電子航法研究所と港空研で空港の関係のよりよい整備につなげていく。今後首都圏機能の強化とか、そういったものがあるということでしたので、ちょっと時間がなくてすごくぴたっとくるようなものがなかったのでご紹介できませんでしたけれども、皆無ということではなくて、ちょっと遅まきながら、今、検討が進められているという状況でございます。
【土井委員】  あと、もう1点よろしいですか。今のお話の中で、例えば、素人考えで恐縮ですが、交通安全研と自動車検査研が統合されるということであれば、統合によって、新しい動きとしてあるロボットカーのようなところにシステムとしてきちんと取り組める体制になるわけですよね。ですから、そういうところに対してどういうウイルが述べられたのかというのは個人的には非常に興味があります。そういう意味では、次期中期に向けてこの統合でどういうものをシナジーにするかというのを、所管省庁から与えられたものがあるのでしたら、それに対してどう考えていますかというやりとりができればよかったと、自分で第1ユニットのところに行ってみて感じました。
【岡本委員】  よろしいですか。今の土井委員のご質問に対する答えというわけではないんですけれども、我々思いますのは、統合される法人という感じなんです。統合する法人じゃないような気がするんです。それは仕方ないと思うんです。彼らの発意で各法人が統合の意思決定をし、そういう戦略をとっているわけでは、正直ないんだと思います。政府側の何らかの事情による閣議決定がなされて、そこの中に自分たちの名前があって、結果的に統合された。その後でシナジーを考えます。
 これは、よく考えてみれば、統合を契機にしてシナジーを考えるというのはどうしたものなのかと普通は思いますけれども、いろいろな経緯があったことも十分わかりますから、ある程度そこは詰めるという議論は私はあるとは思いますけれども、やはり一定の限界で納得してしまうところがあったと私たちは思います。だから、そこはいいかどうかの議論は確かにあると思いますけれども、やはりそこを統合されるではなくて、統合するという感じにシナジーを考えていただかないと、何のための統合かというのが、正直わからないという観点はおっしゃるとおりだと思います。やはりそこはある程度詰める必要はあるんだろう。
 だから、甘いと言われてしまうかもしれませんが、統合されるというのが事実上として流れでしょうから、そこをあまり現場の、現場といっても経営の責任者の理事長が出てこられますので、ぎりぎりやるということは本当は必要なのかもしれません。そこをどうするかというのは、我々としてももう少し反省すべき点はあったとは思います。
【梶川委員】  ちょっと一般論的な部分と今の統合のお話に関連するんですけれども、今回の改革の中では、いわゆるPlan・Do・See機能を強化しようということで、今、独法さんご自身は統合されるという感覚があるということがはすごくわかるんですが、そうはいっても、主務省のほうはやはり意思を持ってこの統合を何らかのメリットにつなげるという、この意思が目標にどのぐらい今回反映しているか。従来の中期目標と今回の目標とに主務省、原課のご意思がどのぐらい反映し、明確化しているか。
 それは多分事後的に評価するときの参考になるような目標を原課がかなりコミットしていることが、今回、Plan・Do・Seeが効くための第一前提だと思うんですけれども、その辺は第2ユニットだけのお話ではないんですが、どんな感じかということをちょっと感じたんです。
【岡本委員】  今の梶川委員のお話で、今のこの場の審議は現地視察に行ったときの結果報告という形になっていまして、これは独法側の方々に対する現場と、それから意見交換だったものですから、主務省がどうするかということの議論は、ちょっとすみみません、入っていないというか、なので、そこは確かにご指摘のとおり、しっかり主務省側の意図を確認した上でやらなければいけないと思います。
 でも、それは政策の評価であると思うんです。独法の評価ではないはずです。建てつけの話ですけれども、政策を実施するために、この2つの法人ないしは3つの法人を統合して政策を実施するツールを使いますというのが政策の一貫する流れですので、独立行政法人の評価となってくると、それを前提にして、独立行政法人はどういう業務の実績を出したかということを本当は評価しなければいけないんだとは思います。
 ただ、そこの細かいことを言うのは、重要なことは梶川さんがおっしゃったように、主務省側はどういう意図でもってやったのかと確認する作業は必要だろう。前の話と違うじゃないかというのは幾つかあったわけです。そこをやはり詰めるという話はあると思いますけれども、それを独立行政法人の評価に直接結びつけてくるのは、ちょっとどうかと思ったので、今みたいな発言をさせていただきました。
【野路委員長】  よろしいですか。
 では、ちょっとまとめたいと思いますけれども、1つは、統合した場合の各省、各主務大臣のほうからの提案の中で、統合の狙いをはっきり話をして説明して、そしてしっかりとPDCAが回るような形に、これは多分独立行政法人というよりも主務大臣のほうでしっかりと面倒見るということでしょうね。
【岡本委員】  政策を起点にすれば、そういうことだと思います。
【野路委員長】  そういうことですよね。だから、そういうPDCAをしっかり回すような形で主務大臣の中間報告のところで、次回ですか、そういう形が出ればいいんだろうと思います。これは第2ユニットだけの問題じゃないかと思いますけれども。
 2つ目は、議論ありました成果に対する指標だとか、業務を定量化するかとか、そういう問題について、私の経験で言うと、さっきの建築研究所もそうですけれども、論文が幾つだとか、何だとかというのはなかなか国民にはわかりにくいと思うんです。やはりどれだけ民間企業に橋渡しをしたかというところがポイントだと思うんです。例えば、僕は建築研究所はわかりませんけれども、私は林業の応援をしているんですけれども、今、林業の活性化で一番国交省で問題なのは、B材、C材をCLT工法でヨーロッパみたいに使うことによって林業の活性化をしたいというテーマが国交省で出ています。
 そうすると、CLT工法が普及しないことには林業の活性化はない。間伐材はまた間伐材であるんですけれども。そうすると、そのCLT工法を研究所でやっているとすれば、要するにCLT工法がどこまで普及したんだとか、研究所で開発した研究成果がどれだけCLTをやっている民間企業に行ったのかとか、何かそういう国民から見てわかりやすい指標があったら、こういう論文の数なんかはいくら聞いてもなかなかわかりにくいんだと思うんです。だから、何かそういう工夫が1つ必要じゃないかというのがちょっと気がつきました。
 3つ目は、岡本委員も言っているように、政策に対する独立行政法人のミッションみたいなものですよね。この辺の議論は今日あまりありませんでしたけれども、これも非常に大事なポイントだろうと思うんです。だから、各省、各主務大臣のほうで抱えておられる政策、この政策がそれぞれの独法でどんな役割の位置づけかというのは、やはり主務大臣の中間報告の中で説明していただくとわかりやすいし、2番目で言った成果のほうにももっと結びつきやすいんじゃないかと私は思いました。
 以上、3点ぐらいの議論がありましたので、また次の中間報告ではそれを入れた上で論点整理させていただければと思います。
 続いて、第1ユニットについて、担当する見直し対象法人の論点について事務局から説明をお願いしたいと思います。
【斎藤管理官】  管理官の斎藤でございます。よろしくお願いします。
 私からは、第1ユニットのうちの農林水産省所管の9つの法人についてご説明申し上げます。資料の12ページをごらんください。
 まず、平成28年4月に統合が予定されております農業関係の4法人についてでございます。統合に向けた論点として4つ掲げておりますが、このうち最初の1)につきまして、資料の21ページに少し詳しく記載してありますので、21ページをごらんいただきたいと思います。統合の効果を十分に発揮し、研究成果の最大化に資するという観点から、研究部門の再編や研究ユニットの再編の仕組み、また、研究員の柔軟な配置の仕組み、さらには、管理部門の合理化、それぞれが保有する資産の有効活用、また、研究補助職員などの共用化などを検討すべきではないかという論点であります。
 次に、統合に向けた論点としてもう1点、次のページの22ページをごらんいただきたいと思います。今回対象の9つの法人のうち6つが研究開発法人、また、それ以外の3つにおきましてもさまざまな研究活動を行っております。この論点は、農林水産省が進める攻めの農林水産業や6次産業化の推進などの政策の実現に資する具体的な成果、アウトカムを見据えた研究を推進すべきではないかという論点であります。また、研究活動を推進するに当たって、研究ロードマップの活用を図るべきではないかというものでございます。
 恐れ入ります、資料の12ページにお戻りいただきたいと思います。下の方の個別法人、法人固有の論点として5)から7つございます。このうち、次のページ、13ページの6)と7)につきましては、農業・食品産業技術総合研究機構の繰越欠損金に関する論点でございます。
 恐れ入ります、資料の23ページをごらんください。下の方の表でありますが、この法人の民間研究促進業務勘定で約25億円、特例業務勘定で約273億円の繰越欠損金を計上いたしております。前者につきましては、委託先企業の売上高増加に資する助言・指導・強化をし、売上納付額の増加により欠損金の解消を目指すべきではないかという点。また、後者につきましては、既に関係会社の株式を処分済みでありますことから、今後の欠損金解消が見込まれず、何らかの抜本的な措置をとるべきではないかという論点であります。
 以上が農業関係統合4法人についてでございます。
 次に、資料の14ページをお開きいただきたいと思います。こちらも同じく平成28年に統合を予定いたしております水産関係の2法人についてであります。こちらも統合に向けた論点として3つ掲げてございますが、このうち最初の1)につきましては、先ほどの農業関係4法人と同様の論点でございます。また、こちらにつきましては、特に水産総合研究センターが保有する9隻の調査船と水産大学校が保有します2隻の練習船の効果的な相互利用や、全国に拠点を有する法人として、ICTを活用した日常的な情報交換が重要と考えております。
 次に、次の15ページをごらんください。家畜改良センターについてでございます。論点6つ掲げてございます。まず、1)ございますが、この家畜改良業務につきましては、民間での実施の可能性や、この法人でなければ実施できない理由の明確化がまずは必要であり、また、この法人で実施するとした業務につきまして、国の政策目的達成のための具体的、定量的、かつ、できる限りアウトカムに着目した目標を設定すべきという論点でございます。
 その次の2)につきましては、恐れ入ります、資料の24ページをごらんいただきたいと思います。牛トレーサビリティの中核をなします牛個体識別台帳の情報の一部は、消費者の利便のためインターネットで公表されますとともに、都道府県や関係団体に提供され、さまざまな用途に使用されております。この情報は、伝染病の対応上、大変重要な情報であり、また、それとともに生産者の氏名など、個人情報が登録されておりますことから、情報セキュリティ対策を強化しますとともに、職員等の情報リテラシーの徹底を図るべきではないかという論点でございます。
 16ページをごらんください。国際農林水産業研究センターについてでございます。まず、1)この法人は主に開発途上国における農林水産業の技術向上のための試験研究を通じ、世界の食料問題の解決と農林水産物の安定供給に資することをミッションとしておりますが、同時に、我が国の食料安全保障に寄与するという観点も重要でありますことから、こうした視点を踏まえた目標を設定すべきとする論点であります。
 次に、先ほどの農業関係4法人の統合を決定した平成25年までは、この法人と農業・食品産業技術総合機構などとの統合が予定されておりましたことから、これらの法人と統合に向け、準備を進めていた際に検討されていた事項、例えば物品、役務の共同調達や研究分野におけるより一層の協力などについて、今後の効率的な業務運営に生かすことが必要ではないかという論点でございます。
 次に、17ページをごらんください。森林総合研究所についてでございます。論点4つございます。このうち3)につきまして、25ページをお開きいただきたいと思います。旧緑資源機構の業務でありました水源林造成事業に係る財源のうちで、出資金、借入金などの要償還額の中長期的な返済計画や、将来にわたる事業の財源構造を明らかにした上で事業の評価を行うべきではないかというものでございます。左下の平成25年度評価シートをごらんください。こちらにおきましては、長期借入金や債券の償還実績を示し、長期借入金等に係る事業の収支バランスに係る試算を改めて行い、影響がないことを確認していることで「a」と評価したとの記述があるのみでありますが、今後の評価に当たりましては、債務返済計画と実績の対比や出資金、借入金、補助金、自己収入の長期的な財源構造予定額のデータを示し、当該予定と実績の対比などを実施すべきではないかという論点でございます。
 また、17ページに戻っていただきまして、4)でございますが、平成27年に特会から移管されました森林保険について、保険金支払事務の迅速化や情報の公開など、被保険者、また、国民に対するサービスの向上を図るべきではないか。さらに低迷する加入率増加に対する取り組みを強化する必要があるのではないかという点も重要と考えております。
 私からは以上でございます。よろしくお願いします。
【倉重管理官】  管理官の倉重でございます。私からは経済産業省所管の2法人と環境省所管の1法人の主な論点をご説明いたします。
 最初に経済産業省所管の経済産業研究所でございますが、引き続き同じ資料2−1の18ページをごらんいただければと思います。18ページに2つ論点がございますけれども、1つ目といたしましては、この法人は中期目標管理法人でございますが、その枠組みの中で幅広い経済産業政策に関する研究を実施しております。限りある研究資源の適時、適切な配分を通じた研究業務の重点化を図るべきであるというのが論点の1つと考えております。2つ目でございますけれども、毎年度の運営費交付金交付額のうち未執行となっている金額の割合が高いという状況にございます。この残高が生じる原因を明らかにして、例えばでございますけれども、未執行の研究プロジェクトが存在する場合には、予算額を適正な水準に下げるべきというのが論点と考えています。
 次に、同じく経済産業省所管の工業所有権情報研修館でございます。ページは19ページでございます。主な論点としては3つ掲げてございますけれども、そのうち重要な2点についてご説明いたします。最初に1でございますけれども、特許庁の職員や民間の特許関係者に対する研修など、人材育成業務を実施するに当たり、特許審査の迅速化に資する研修へ重点化した上で、次期の中期目標におきましては、研修業務の達成水準をはかる具体的かつ定量的な目標設定をすべきではないかという論点と考えております。
 この論点につきましては、26ページに若干詳細を書いておりますので、26ページをごらんいただけますでしょうか。右下の平成27年度研修計画という欄がございますけれども、下線を引いた、例えばメンタルヘルスに関する研修などは特許審査の迅速化という一番大きな目標には必ずしも必要とは考えられないということもございます。次に、2つ目でございますけれども、すみません、資料につきましては、また19ページに戻っていただければと思いますけれども、来年度になりますけれども、特許庁から知財総合支援窓口というものが移管されることになっておりますけれども、相談者である中小企業者の利便性向上に資するべく、同じ経済産業省が独立行政法人の中小企業基盤整備機構というものを持っておりますけれども、その中小企業海外展開ワンストップ相談窓口などとの連携を強化すべきではないかと考えております。
 最後に、環境省所管の国立環境研究所でございます。資料は20ページでございます。主な論点として3つございますけれども、重要と考える1つについてご説明いたします。1の部分でございますけれども、持続可能な循環共生型社会に向けた研究というふうにございますけれども、現状では、政策貢献型の研究分野については、それぞれの分野を担当する研究組織を中心に研究業務を実施しているところでございますが、今後はこれに加えて、組織横断的な課題解決型のプログラムを導入することが予定されています。
 これを踏まえまして、中長期目標には、まずは目指すべき研究開発の基本的な方向性を明示するとともに、先ほどもございましたけれども、研究ロードマップの活用による具体的な目標達成水準や達成時期の明確化、さらには国や社会に対する効果、アウトカムの観点を十分に踏まえた目標設定をすべきだと考えております。また、先ほど申し上げましたとおり、組織横断的な研究プログラムを実施するに当たりましては、報告体制の整備や責任者の明確化など、研究管理体制の整備というのも重要だと考えております。
 第1ユニット担当の法人についての説明は以上でございます。
【野路委員長】  それでは、事務局からの説明につきまして、第1ユニットの委員から追加説明をしていただくことがあれば、お願いいたします。
【土井委員】  土井です。
 今回、初めて現場視察に行かせていただいたんですが、1点感じたことは、横串を通して評価することの難しさであります。1つは、主務省庁と今回視察を行った法人との関係であります。例えば統合法人としてはどうするかというのはまた議論は別なんですけれども、非常に大きな法人で研究開発を行っている。先ほどありましたけれども、業務とか政策に絡んで行っている部分と、次の橋渡しを行えるように技術を研究開発して育てていく部分があるわけです。プラス、今、特損とかいろいろ出ていますけれども、森林研のように保険でお金を扱っている、ファンディングするということまでやっているわけです。
 一方、先ほど最後のほうでご説明のありました工業所有権のところでは、まさに特許庁からほとんど出向で来ている方が職員で、プロパーの方は数人しかいらっしゃらないということで、いわゆる法人として評価しようとしたときに、一体何をもって評価するのか。ガバナンスに関しても何をもってやるのか。例えば水産研などで、どうして水産研は国としてやらなければいけないかという話だと、この魚は国として面倒見なければいけない、この魚はそれぞれの県で面倒見なければいけないみたいに法律も絡んできて、そのあたりが、全部解きほぐしていかないとわからないという形になっているので、その横串で見るというのが非常にわかりにくかったというのがあります。
 あと、もう1点は、5年間で今、中期目標を立てるようになっていますが、先ほども野路委員長からご指摘のあった森林などは最低でも10年たたないと、どうなるかわからないんです。100年とかそういう単位で見ているようなそういうところと、あるいは特許などのような話のところとか、全くタイムスパンが違って考えているようなところをどのように考えて中期目標の目標設定を行っていくのかというところは、必ずしもほんとうに横並びで、横串をばーっと刺してできるものではないので、やはりある程度それぞれの法人の特性を加味して、この特性であればこの評価指標が適切なのではないかというような形で用意しないと評価は難しいのかというふうに感じました。
 以上です。
【野路委員長】  では、原田委員。
【原田委員】  私からも感想を含めて申し上げたいと思いますが、やはり先ほどの第2ユニットと同じように、行ってみて話を聞いてみないとわからないことがたくさんございました。特にどうしてこういう研究拠点を1カ所だけでなくて複数持っているかという説明が紙では十分なされていない。質疑応答の中からようやくそれを探り出すというか、掘り出すというか、そういう作業が幾つか必要だったという記憶がございます。
 2つ目に、個々の研究者は研究しているのでありますが、法人全体のミッションというものがどこまで浸透していて、そのためにうまいこと横の連携がとれているのかというと、やはりこれはまだまだだという法人が幾つかあったような気がいたします。
 3つ目に、やはり説明を聞いていてわかったという、また、掘り出すことができた、引き出すことができたという法人もあったのですが、いくらお話を伺ってもやはりこの法人がどちらに向いているのかという、組織のミッションの問題であるとか、あるいは、例えば運営費交付金が十分に執行されていないというのがもう少し理解できなかったりとか、あるいは、財務関係の情報公開が十分できていなかったりとか、個々の法人としては、やはりこれはきちんと説明を引き続き、これからも聞いていかないといけないところがまだまだ残されているというのが私の印象でありました。
 以上でございます。
【野路委員長】  他にございませんか。第2のところで結構議論したので、意見が出ませんか。では、岡本委員。
【岡本委員】  では、1つだけ。繰越欠損金があった法人、具体的には農業・食品産業技術総合研究機構ですけれども、この抜本的な措置が必要ではないかという論点なんでしょうけれども、これは何か手立てってあるんですか。抜本的な措置のアイデアというか。
【原田委員】  まずは抜本的な手立てが、どういう手立てが必要なのかということの前に、やはりまずはきちんとした情報公開、いつの時期にどういったものが、例えばどれぐらいお金を返さないといけないという計画になっているのか。そういった意味では、そこに至る前の一歩手前の作業がまずは必要かというふうには思いますけれども。
【岡本委員】  なるほど。ちょっと全然理解していないので、恐縮なんですが、そもそも特例業務による繰越欠損金って何なんですか。どういう状態で繰越欠損金が発生しているんですか。
【方企画官】  国から出資を受けまして、その法人が、いわゆる民間に出資した業務があります。それは、いわゆる関係会社株式として保有しておったんですけれども、関係会社株式として保有しておったんですけれども、その関係会社株式が、いわゆる評価損で全て消えているという状況でございます。
【岡本委員】  なるほど。特段何か問題があるわけじゃないですね。
【方企画官】  これ以上、普通であれば、繰越欠損金は、例えば売上納付等で解消していくということをもって業務を実施していたんですけれども、ここは、つまり、出資したら全てがもう全て。
【岡本委員】  ないんですね。
【方企画官】  ないということです。
【岡本委員】  清算されていますよね。
【方企画官】  はい、そういうことでございます。
【岡本委員】  では、会計上の処理だけという議論ですね。
【方企画官】  したがいまして、そういうことにもなります。
【野路委員長】  それは何かルールはないんですか。
【方企画官】  いわゆる会計基準上の処理は、一応会計上は可能ではあります。
【野路委員長】  すればいいんじゃないの。
【方企画官】  という判断か、するに至るまでがどうであるかということが問題かと思っています。
【野路委員長】  それはトップの問題なのかな。
【樫谷委員】  おそらく会計上の問題だけじゃなくて、債務か何かがあるんじゃないんですか。それはないんですか。
【方企画官】  債務超過にはなっておりません。現在、10億円の資産を持っております。
【樫谷委員】  そうなんですか。では、会計上の処理。
【岡本委員】  そんなに問題があるような話とは思わない気がしますけれども。
【方企画官】  要はこの勘定は法定勘定なので、当然これをなくすには法律の改正ということが必要になると思います。
【岡本委員】  ええ。でも、全て技術的な話ですよね。
【方企画官】  はい。
【樫谷委員】  森林総研なんかは少しですね。そういう債務の問題とかいろいろあるので、あそこはかなり大きくなると思います。
【岡本委員】  そういう意味で抜本的な措置が必要じゃないかという記述になるということなんですよね。
【原田委員】  そうですね。その法人の判断としては、いかんともしがたいといいますか、本省側の問題がかなり残されているということであります。
【岡本委員】  それから、これも以前担当したからということで、確認したいんですが、経済産業研究所の未執行の運営費交付金が非常に比率が高いと原田委員もおっしゃったと思うんですけれども、これはどのぐらい現実にあるんですか。
【原田委員】  ちょっと私、今。
【方企画官】  30%。
【岡本委員】  30%。30%使わないお金がずっと予算措置されているということですね、ある意味で。
【方企画官】  そうです。
【原田委員】  そうです、そういうことです。
【岡本委員】  そうすると、これは何か合理的な繰り延べの理由とかあるんですか。
【原田委員】  先方の理事長からは、震災関係の影響で執行ができなかったというようなご説明をいただきました。ただ、それが全てどこまでカバーできているのかというのは、もう少しお尋ねしてみないとわからないと思っています。
【岡本委員】  わかりました。
【梶川委員】  森林総研で重点的な論点になっていた中長期的な返済計画というお話なんですが、これは、ざっくり残高とのバランスでどのぐらいの難しさが、少なくとも独法の努力でどのぐらい難しいと感じられることが、この開示をしたほうがいいという話につながっているんでしょうか。ちょっと僕の聞き方が悪いとは思うんですけれども。
【原田委員】  数字が今、手元にありませんので、丁寧には申し上げられませんが、やはり一法人の努力だけではどうしようもないような状況はある。ただ、実際にこの法人の評価に関する情報としては、先ほども資料にございましたけれども、一見すると問題がないかのように書いてはいるんだけれども、やはりそういったところはきちんと出していく必要があるのではないか。おそらくそういった情報が出てくる次の段階として、では、どういう大胆な判断が必要なのかということが次に必要になってくるのかと思います。
【方企画官】  ちなみにご説明しますと、今の長期借入金と政府出資金を合わせて8,300億円弱ございます。大体毎年、キャッシュフローベースですけれども、いわゆる間伐材の収入とかで10億円のキャッシュフロー、インフローがございます。事実関係はこの程度でございます。
【原田委員】  木材の価格がどんと高くなればともかく、それ以外であれば、そういったことがもし期待できないとすると、一法人のいろいろな努力だけではというのがそういうことに。
【樫谷委員】  よろしいでしょうか。もともとこれは仕組みがおかしいんです。借り入れしてやるビジネスモデルがもともとおかしい。ただ、最近は変えてもらったんですよね。違いますか。最近は、多分、つまり森林というものの役割は、木を切って売却して利益を上げて借金を返済するという部分と、それは合わないので、結果的に、森林だって環境にいいことしているじゃないか。そのためのコストなんだという2つの側面があって、つまり、その環境にいいことをやるには借り入れがあっちゃいけないわけです。それは別の財源、運営費交付金等の毎年毎年の財源で手当てすべきだ。ところが、売って返せるものは極端には借入金でも構わないわけです。多分その整理はおそらく一旦されたんだけれども、過去のものについては整理されずにそのままになってしまっているので、過去のものをどうするんだという話ではないかと思います。
【原田委員】  端的に言うと、そういうことになります。
【方企画官】  補足説明をさせていただきますと、昭和36年度以降、当初は全て出資金で運営されていた事業でございます。それから財源がさまざま変わりまして、借入金が始まり、今現在は補助金も入っているという状況でございます。
【野路委員長】  ほかにございませんか。
 それでは、第1ユニットについては、今の会計上の話については、民間の、私の社長経験から言うと、きちんとリスクを先送りしないというルールを独立法人の中でやらないとだめだと思うんです。だから、要するにリスクを先送りしないということをやはり主務大臣の方で、管轄している方でしっかりと独立行政法人に伝えてあげて、トップがやりやすいようにしてあげないと。今回は予算がないから、ちょっと来年に回しておけとか何とか言っていると、いつまでもけじめつかないということですよね。それで、仕組みを変えるんだったら、その仕組みを変えるということを、会計処理上の話については一度そういうことをお願いしたいと思います。
 それと、2つ目が、土井委員もおっしゃったミッションということについては、ちょっと僕も気になるんですけれども、例えば農業関係のミッション、22ページは非常にわかりやすくて、この農業関係の研究開発法人は今、4,500億円しかない売上げを1兆円にするんだとはっきりしていますよね。こういうミッションがはっきりすると、目標がはっきりすると、それに対するここの研究法人の役割は何だということをきちんと因果関係をつけてもらいたいと思います。
 僕は、これを見ていると、一番気になるのは、農水省関係で言うと、ちょっと中身に入るかもしれませんけれども、ほとんど生産性向上の研究がない。品種改良、加工のやり方とか、そういうようなところの研究ばかりで、米にしても一番大事なのは生産性向上、競争力ですよね。だから、多分得意な人が少ないんだと思います。昔は1億3,000万人を食わせないといけないから、多収米だとかそんなのでたくさん米がとれるような品種改良が大事だった時代だと思うんです。今は米余っている。余っているんだから、あとは競争力の問題、海外に輸出しないといけないという問題があると思うんですね。そうすると、やはり生産性向上というところがあると、やはり技術屋としては化学系じゃなくて工学系なんです。だから、それをここの研究法人に頼むんだったら、それをやらんとあかんし、いや、そうじゃなくて、ほかの研究法人に頼むんだったらそうした方がいいと思うんですけれども、この因果関係をやはりしっかりすると、今、土井委員がおっしゃった組織、ミッションに対する研究法人の役割というのをもうちょっとはっきりしたほうがいいかという気はします。
 それと、これも土井委員おっしゃった中期目標に対する5年というのは画一的にやるべきじゃないという意見がありましたけれども、そのとおりだと思うんです。それと、私も産総研とかいろいろな国立法人の部会のほうの評価をやっていますけれども、そこで気がついたことをちょっと参考にお話ししますと、重要テーマに対して、今は基礎研究の段階なのか、応用研究の段階なのか、橋渡しの段階なのかを明確にした方がいいと思うんです。基礎研究の段階だったら、多分産総研なんかでも10年かかるテーマがあるんです。例えば、今、実っているテーマはSiCというパワーエレクトロニクスなんか基礎研究に15年かかっています。だけど、今できたものはすばらしいものです。世界最先端です。炭素繊維だってそうですよね。
 だから、画一的にやると、そこで働いている人たちが5年ごとに評価されるかとかになっちゃうので、研究法人についてはもうちょっと柔軟に、テーマごとに3つぐらいに分けて、基礎研究段階、それと、応用研究段階、それと、橋渡し段階。橋渡し段階ではスピードが要求される。このときに民間企業がどれぐらい入るんだということが勝負だと思うんです。
 だから、そういう3つぐらいに分けてもらって、研究者に対してよく説明してやっていただくと、もうちょっとフォローがうまくいくんじゃないかと思います。私が気がついた点はその点で、時間の関係もありますので、次の第3ユニットに入りたいと思います。
 事務局から説明をお願いします。
【北川管理官】  管理官の北川でございます。
 第3ユニットでは、文科省の11法人、厚労省の1法人について見直しの議論を進めていただいておるところでございます。全体通じての共通的な目線としまして、横断的な視点でございますけれども、目標というのは何をいつまで、どこまでということが明らかにされておるかということ、上位の政策と関連づけてこれを一層可視化していくべきではないかという点が1つ。それから、成果の普及。法人のアウトプットがアウトカムにどうつながっていっているのかということ。それから、それに関連して成果を国民に還元するための情報発信ということが十分できているかというような観点。それから、自己収入の上げ得る法人においては、より一層の上げていく工夫がないか。限られたお金、人員の中で成果を最大化していくに当たりましても、自己収入というものを拡大できるところはより工夫がないかということ。それから、4点目としまして、調達等々で共同で総務系、庶務系の事務を処理するなどといったことを推進していく余地というものはないかというような、横断的な視点で見ていただいております。
 これに加えまして、各個別の法人に特有の特徴的な事情ということについて、時間の範囲内ですけれども、ご紹介申し上げたいと思います。
 まず、65ページというところ。大学入試センターでございます。ご承知のとおり、年間50万人以上が受験します大学入試センター試験というものを実施することを中核とする法人でございますけれども、これはまさに上位の政策が大きな変革のときを迎えておる。高校と大学の接続、高大接続改革という非常に巨大な改革というのがオンゴーイングである。昨年末に中教審も答申出されまして、高等学校教育と大学教育、それから、それをつなぐ大学入学者の選抜ということを一体的に改革していくというような検討がまさに進められておるところでございます。
 そこで、その中の1つのパーツですけれども、このセンターが実施しておりますセンター試験というのを廃止する。具体的には31年から新たなテスト。31年と32年でしたっけ。高校生の基礎学力をはかるような試験と大学入学者の選抜、希望者の試験というふうに制度を大改正していくということがまさに行われているところでございます。
 そういった中で、まずは新テストに向けて文科省さんの政策形成や政策の最適な実施方法ということにどれだけ貢献していただけるのかということが1つでございますけれども、それと、ここに挙げさせていただいているのは個別の論点でありますけれども、現在、大学入試センター、入試情報の提供ということをやっております。これが65ページの右下を見ていただければでございますけれども、アクセス件数が非常に減少気味である。大学入試の情報については予備校などが非常に充実してきておる中で、この大学入試センターのなすべき情報提供というのは何なんだろうか。これは高大接続改革との関連もあると思いますけれども、この情報提供のあり方というのを見直していくべきではないかという論点がございます。
 続きまして、国立女性教育会館でございます。66ページです。目的、ミッションでございますけれども、女性教育と銘打っておりますけれども、現在、現政権も非常に力を入れて進めております女性の活躍促進というところで、女性教育という言葉から男女共同参画や企業等のダイバーシティ、女性の活躍促進というところにウイングを広げていって、対象も男性、民間企業の経営者、大学などに広げていくべきではなかろうかということ。
 それと、こちらは埼玉県の嵐山に1カ所ございますけれども、保有施設の稼働率がもう一つ、ちょっと低調であるというようなことがございます。65ページの下のほうにございますけれども、稼働率50%以下ということが幾つかございまして、これをより有効活用していく。これはウイングを広げていくということの関連でございますけれども、これをさらに一層有効活用していくということを積極的に推進していくべきではないかというご議論をいただいております。
 続きまして、次のページでございますが、科学博物館、美術館、文化財機構、3法人でございます。いずれも全国の博物館、美術館の中でトップ、ナショナルセンターというような役割を果たしておるところでございますけれども、これにつきまして、主要な論点としましては、入館者数の戦略的な目標を設定すべきではないか。このページの下の方に入場者数がございます。諸外国と比べましてもこの入館者数をさらに一層上げていってということではないかということでございます。
 これは必ず予算の差があるというような話にもなりますけれども、自己収入を上げる工夫ですとか、展示の工夫、この目標を達成するためにのところにあります所蔵品の一層積極的な展示ということ、展示手法の工夫、開館時間の弾力化、関連商品開発の工夫、それから、外国人観光客に。訪日外国人はこの数年急増しております。そういったところに非常にアピールをどんどんしていかれるのではないかということ。これらの法人は公共の使命を持っていらっしゃいますので、儲けることが第一義ではないというところではございますけれども、バランスをとりながらですけれども、所有されているもののポテンシャルというのも非常に高い。ものすごく価値のあるものを所蔵しておられる。こういったことを企業マインドを生かしてもう少し展開していかれるのではないかというようなご議論をいただいておるところでございます。
 自己収入の割合なども見ましても、我が国の博物館、美術館というのは公費、独法におきましては運営費交付金にほぼ依拠しておりますが、諸外国では寄付金やもろもろの自己収入というものの割合が相当あるということであります。ということで、より魅力ある展示や、さらに効果的な広報PR、会員制度の拡充等々の経営努力というのを一層進めていかれるのではないか。また、実際、視察に行ってみたりしましても、やはりポテンシャルというのは非常にある、本物を持っているということでございます。でありますので、そういったことを期待したりしていきたいということでございます。
 続きましてですけれども、この中の3つの中でも国立美術館につきましては、ちょっと保管施設がきゅうきゅうだという、全般的にそういう傾向はある中、ここは非常に顕在化してございます。このページの。
【坂井調査官】  68です。
【北川管理官】  68ページの下にございますけれども、京都なんかは収納率が200%になってしまっているということでございまして、収蔵庫が狭隘になっておるということでございます。ということで、そこの解決策というのを見いだしていかなければいけませんというご議論をいただいております。
 続きまして、研究開発法人です。まず、物質・材料研究機構でございます。
【坂井調査官】  69です。
【北川管理官】  69ページでございます。研究開発法人については、特に研究開発の成果の最大化ということを第一目的としてという明示する制度改革もなされました。そういう中で、研究開発成果の最大化って具体的にどういうターゲットを置いて、どういう取りかかりでもって目標管理していけるんだということで、こういった世界において、論文数やら数値的なものでは語り尽くせないということはもとよりのことでございますけれども、何らか目指し、どのような行程でということを明確化していく努力というのがなされる必要があるのではないかということであります。
 この物材なんかというのは、50ぐらいの研究領域を持っておるようでございますけれども、中には世界最高というものを競っている分野が幾つもあり、非常に研究の質の高いところで、もとは科技庁の国立の研究所が幾つか統合したものでございますけれども、独法化して非常に伸びたという例としてよく語られるところでございます。先端分野の1つでありますナノの分野ではそのユニットは半数は外国人でということでございますし、世界から人が集まってくるような状況もあるというところでありまして、こういった世界最先端を、ある種限られた資源の中で維持していくということで、選択と集中なり研究のマネジメントということを一層図っていくべきではないでしょうかということが1つ目に書いています。
 それから、特許でございますけれども、これも顕著でございますけれども、独法の研究所なんていうのは、特許なんて赤字なのは当たり前でございますけれども、これは黒字化されている非常に珍しいものです。もちろん物質、材料ということで、産業の基盤になるような研究をされておるわけでということもあると思いますけれども、産業界とのハブ機能を、もちろん今、やっていらっしゃいますけれども、一層強化してやっていっていただければいいのではないか。ページの下のほうに特許の収支を書いてございますけれども、黒字というのはほんとうに珍しい。すばらしいことだと思います。
 それから、おめくりいただきまして、研究開発法人が続きます。
【坂井調査官】  70ページです。
【北川管理官】  70ページの防災でございます。防災については、ここは何といいましても、全国に地震の観測のネットを持っている。1,000とかいう数の観測網を持っていて、地震や津波や火山やら。それから、降雨、降雪みたいなことも観測していまして、そのデータをとっていく。それを気象庁などにリアルタイムで提供しておるというところでございますが、これについて、やはり防災や減災ということについては、幾つも我が国は機関がありまして、実際には複数の機関が類似の施設を保有して、類似しているような研究というのも見られるような中で、この法人がどういう役割を防災研究の中で、どういう中心的な役割なりを担ってやっていくのか、どういう成果を上げ、それをどう伝播させていくのかというところをさらに明確化、具体的な目標として掲げていくべきではないかということでございます。
 一例として、70ページの下にございますけれども、耐震構造を調べる揺れる床みたいな施設があるんですけれども、こういったことがこちらもございますし、類似の施設が幾つかございます。我が国全体として防災、減災についての研究というのを最大化していくというためにどういった連携、共同の深化があるのか、考えるかということが主要な論点になってございます。
 おめくりいただきまして、放射線医学総合研究所でございます。これは、先ほども統廃合論がございましたけれども、28年4月から原子力研究開発機構から量子ビーム・核融合の部分が移管されます。移管されてくるもののほうが大きいという状況でありまして、今の放医研さん、449人、予算123億に対して、移ってくるのが460名、予算は415と、3倍強のものがやってくる。原研さんの方からも青森から、茨城、兵庫等とございます。こういったものが集まってきますので、1つの法人としてのガバナンスというのを早急に形づくっていく必要がありますということでございます。
 なかなか研究所の統廃合というのは、研究所の本人の方々に言わせると切ない話で、上から言われてみたいなところがあるんですけれども、政策的意義、ウイルというのは所管官庁でつくっていくということでありますけれども、一法人として有効にガバナンスを効かせて、その法人の持てる資源での対成果を最大化していくという意味でのミックスということは、そういうものが図られる体制というのをつくっていかなければいけないんだということで見てまいりたいというふうに思っております。
 それから、2点目は、重粒子線がん治療というものでありますけれども、ここが先駆けで先端として開発されておるところでございますけれども、これはまだ国内4カ所ぐらいということでございます。これがやはり1カ所普及しますと、多額の実施特許料も入ってくるということでございますので、この重粒子線がん治療を普及させていくためにさらなるペイする構造に向けた努力ということを計画的に進める必要があるのではないでしょうかというご議論をいただいてございます。
 主だった論点は以上でございます。
【野路委員長】  それでは、第3ユニットの委員から追加説明をお願いします。
【橋委員】  私どもの対象法人というのは、地域的な広がりも非常に広くて、現状把握と問題点の原因分析にかなり時間を使ってしまいまして、評価はまだこれから考えていかないとという段階にございます。
 研究開発法人4カ所とそうでないもの8カ所というところが対象なんですが、研究開発法人については栗原委員の方からお話しいただくということで、私は主にほかの8つについてコメントさせていただきます。
 他のユニットの方からもお話ありましたように、私どもも現場視察を通じまして問題点がより鮮明になったという認識でございます。やや厳しいことを申し上げるんですが、総じて言えますことは、中期目標期間終了が目前であるにもかかわらず、目標未達となることが確実な点に関して、経営サイドが対策を持っていないとか、統合が予定されているところにおいて、統合効果を追究する姿勢が見えなかったというふうなところが非常に残念だったというふうに思っております。
 私も民間企業の経営にタッチしておりますので、その立場から申し上げますと、マネジメントの意識、体制に起因するところが少なくないということでございます。計画がうまくいかないときに、目標を下げるというふうなところも散見されまして、それでは何のためのマネジメントかというような感想を持っております。
 具体的なところでは幾つかにまとめられると思うんですが、1つは、やはりスピード感に非常に乏しい。4年進んできて、民間の方が取り組みが先行しているものがかなり出ていたということで、当該法人でしかなし得ないことに対して選択と集中を効かせていくという意識がない。特に研修施設等ですけれども、ナショナルセンターとしての役割について、もっと意識を持ってもらわないと困ると思いました。地域の中での利用とか、地域から支えられている。特につくばとか地方にあるところはそういう感覚が強くて、ナショナルセンターの意識が非常に薄かったというのが視察した印象でございます。
 それから、利用者の拡大とか稼働率向上のための広報、宣伝が非常に弱かった。アンケート調査などもとっているんですけれども、例えば、一例を申し上げれば、美術館の利用、夜間に拡大するかどうかというアンケートを昼間の中高年の利用者にしかとっていなくて、それで夜間の利用の希望が少なかったですという結論を得てしまっている。このようなことがほかにもあり、もう少し内向きでなく、調査対象も広げて利用者や稼働率を向上させていく広報、宣伝が必要だと思いました。
 要は、全体的に、戦略性が乏しいということでございます。もっと外部の知恵を投入していかないといけない。広報、宣伝もそうですし、人の問題が非常に多くて、何か追及すると、人が少ないから、少ない人数ではここまでしかできませんという言いわけをたくさん聞かせていただいたんです。それであれば、例えばもっとICTを使ったイノベーションがあってしかるべきだというふうに思うんですが、文科省の対象法人に関しては、非常にICTの活用がおくれていて、施設も総じて貧弱でございましたし。
【栗原委員】  研修施設のほう。研究施設のほうではないので。
【橋委員】  私の話は研修施設のほうです。すみません。
 それで、ICTの整備をして、あるいはSNSとかもっと若い人を巻き込んで利用者の拡大を図っていくというのが今後の課題だというふうに思いました。
 それから、先ほど担当官のほうからお話がありましたけれども、共同利用とか自己収入の拡大というのはもちろん大きな課題でございます。特に共同利用に関しては、調達についてもそうですけれども、例えば国立美術館で収蔵品の管理がきちんとできていない、場所が足りないという状況になっていることに関しても、国立美術館とか博物館とか、同じようなジャンルのところでもっと共同して施設を利用していくということが必要だろうというふうに思ったんですが、どこか新しいところを建てたいとか、そういうお話だと、少し違うのかと。特に美術館に関しては、収蔵品の購入品に関しては多大な予算をとっているんですけれども、維持管理、補修のための予算というのは全く別で、後者のほうは非常に貧弱であって、今後もどんどん買い続けていくのであれば、この問題は解決しないと思いました。
 以上、研修とか、施設、美術館、博物館等々の箱の部分に関して申し上げました。
【栗原委員】  私は主に研究施設のことについてコメントさせていただきます。今、十分に紹介いただいたのですが、前半部分の研修施設とか教育施設については、初めて伺ったところで、どこも非常に少人数で一生懸命運営されているということはよく理解できましたが、施設の、特に宿舎等が活用度が低いということを繰り返し指摘されていて、それを一般利用ということを非常にプロモーションされているのですけれども、私は大学で教えているのですけれども、私たち研究者等は若手の研究者が例えば研修で集まって勉強会をやったり、そういう機会も多いので、もう少し身近なところで宣伝するというのもあるのかと思いました。例えば美術館なら美術館間協力もそうなんですけれども、同じ、近いところで活動を助け合うというような気分もあってもいいのかと思って拝見しました。これは一般論です。
 それで、研究開発法人については、研究成果の最大化ということが今回、強く言われているので、そういう部分について少し意見交換もさせていただいて出てきたそれぞれの法人で違うことをおっしゃったので、少し紹介させていただきたいと思います。
 委員長のおっしゃった基礎から展開、さらに橋渡しというのは、特に材料とかデバイスとかですと、そのとおりだと思うのですが、防災研の場合にはデータをとって関連の日本の中の、例えば気象庁とかにデータを渡していらっしゃるので、日本全体で活動が最大化することを最大化の1つの形として伺いました。ただし、そこは観測手段の開発とかもやっておられるので、それが全部ではないかもしれません。
 それから、放医研の場合は成果の最大化ということは今後考えるということでおっしゃったんですが、例えば活動として、今、ここで議論しているもの以外の手法としては、放射線影響を、動物を使って影響を調べているので、その資料は全部保管してデータベース化されて世界中と共有しているという活動もあって、これは今、議論しているような尺度には入らないような活動だと思います。
 それから、重粒子線については、私は放射線医学総合研究所の評価委員もやっているのですが、お医者さんからは、普通の医療にならなければいけないんだということでしたが、そこはハードルが高くて、今後、厚労省関係のお医者さんとの連携、普通の病院との連携が非常に望まれるということが委員会で出ておりました。治療という活動と、放射線影響とか、あるいは実際に治療するときの、例えばがんの部位を特定するためのPETという観測手段など観測機器も開発しているということで、非常に活動は幅広いものです。
 それから、先ほどの統合効果については、放射線を取り出すときの加速器についての技術が原子力機構と一緒になることで放医研の方が使えて、例えば小型の、今後重粒子線治療をする加速器をつくるとか、そういうところに生かせるのではないかという期待を伺いました。
 それから、物質・材料機構ですけれども、日本の産業において材料は非常に基盤を支えているということで、大事な研究施設、機構だというふうに理解しています。それで、繰り返し産業界から伺っているところでは、基礎研究、特に評価法とか、ここではクリープ試験もやっているのですが、そういう材料の、基礎的な評価手段の高度化とか、それから定常的な試験も非常に大事です。世界先端の研究シーズをコンスタントにつくり出していくということも大事だということで、私は、研究成果最大化ということに対して、全部均一な横串というのはとても難しいので、それぞれの法人で具体的な言葉でミッションを言っていただいて、そういう軸を踏まえて、比較的社会サービスの部分とか、法人の次の世代の活動に対する最大化とか、現状での橋渡しとか、そういう幾つかの軸で整理して考えるのがわかりやすいのかと感じております。
 大体以上です。ある理事長は、最大化は難しい、極大化は易しいとおっしゃったんです。わかりやすくても、極大化は次に行くと下がるので、極大化だけをしているのではなく、次世代ということも考える必要があるのではないかと思っています。ありがとうございます。
 以上です。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 それでは、ご意見ございませんか。
【土井委員】  事務局側に2点確認させていただきたいんですが、今のご説明の中で気になったのが女性教育会館と、あと、国博などの美術館関係なんです。説明の中でも触れられましたけれども、例えば、今、政策としてはというか、もともと男女共同参画、ダイバーシティを推進するという目標のためにつくられたはずなのに、今、ご提示いただいたものは箱物としての評価ですよね。これは間違えたメッセージを与えるのではないでしょうか。
 同じように、美術館などでもそうですけれども、面積が違うのは致し方ないので、箱物としてのお話ではなく、橋委員からもご指摘がありましたけれども、ICTなどを使って、いかに待ち行列を少なくするか、いろいろなところにみんな入りたくても、待ち行列で結局入れないという状況なんです。なので、広くしない限り入場者数は増えないという、そういうメッセージではなく、きちんと博物館、美術館としてのミッションを果たすためには何をすべきかというところがわかるようなまとめ方にしていただくべきかと思いました。というのが1点目です。
 2点目は放医研なんですが、重粒子線のがん治療は非常に重要だと思います。今、栗原委員からもご指摘ありましたけれども、小型化、低価格化に関しては、やはり研究開発法人が行うというよりは、先ほどから出ておりますが、企業が得意とするところでありますので、そこに手渡ししてやっていくべきか。日本に4つある。今の価格では、これでは多分マーケットしては十分なんだと思うんです。なので、それ以上のことをほんとうに放医研ができるのかというのをもう少し考えていただいて、先ほど4つよりもっと増やすみたいな話がありましたけれども、そういう問題ではない。それぞれの企業はドバイとかお金持ちの国にみんな売り込みいっていますので、グローバルに展開するというところは、やはり放医研だけではできないのではないかと思いますので、そういうところがもう少しわかるようなメッセージにすべきかと思います。
【野路委員長】  ほかにございませんか。
【栗原委員】  ただ、病気の治療に関しては、別に装置ができればできるというものではなく、実際にまだどういうものにどういうふうに当てたら効くかとか、どのぐらいの時間をやるかとか、あるいはどこに当てるために、より確度高く当てるための、そういう研究とか、すごく広範囲にやられていると思うんです。
【土井委員】  ですから、その部分は放医研でやるのはいいと思うんですけれども。
【栗原委員】  この部分はそう。
【土井委員】  小型化とか、そういうことも既に肺がんの治療に関しては一定の治療方法もプロトコルも確立してできているわけですので。
【栗原委員】  ここに問題意識にそう書いてあるんです。それはそのとおりだと思います。
【土井委員】  ええ。だから、小型化ということに関しては放医研がやるのではなく、企業がきちんと橋渡しをしてやるべきだというふうに思います。
【栗原委員】  それは私もそのとおりだと思います。ちょっと内側の議論がわからないので、そういうところもよく検討されるべきだと思います。
【樫谷委員】  小型化をやっているんじゃなかったでしたっけ。
【栗原委員】  小型化はやっていると思います。
【樫谷委員】  やっていますよね。何か15分ぐらいでできるようなものをつくるんだというようなことの説明を受けたような気がします。それは放医研がやるべきか、企業がやるべきか。企業はもっと安くできるかもわかりません。
【北川管理官】  ありがとうございます。4つを増やすとか、よくよく勉強しまして、あまり安直な、誤解を招くようなメッセージはならないように、企業とどういう連携をしてグローバルな普及に向けた手立てがあるのかということをもうちょっと勉強したいと思います。ありがとうございました。
【原田委員】  私もやはり気になりますのは女性教育会館でございまして、法人としての規模が小さいというのは十分承知の上でなのですけれども、施設の管理運営は民間事業者に委託しているということであれば、稼働率ということだけではなくて、もう少し企画面、研修の企画であるとか、そういったところが、多分いろいろな中期目標等があるんでしょうけれども、伺いたいという気がいたします。
【野路委員長】  よろしいですか。
【橋委員】  50ページの資料にもう少し詳しく触れてあるんですけれども、先ほど土井委員からお話がありましたような、本来は女性教育というより男女共同参画という形は、最近はそういう形になっているんですけれども、これができた当初のことを考えるとそういう状況ではなかったので、どうもそれをずっと引きずっているのではないかということを私どもは指摘させていただいて、もう少し企業の中での女性活躍とか、政府も旗振りしていることでもあり、そちらを意識してくださいというふうなことは申し上げたところでございます。
【野路委員長】  では、時間が来ましたので、私のほうから少し整理させていただきます。
 1つは、今、橋委員からあったマネジメント、今の国立女性教育会館等も含めて。今、ダイバーシティとか女性の活用で、企業側で見ると一番の課題は、これからどんどん管理職、役員になっていく人が増えているんです。今、経団連も同友会も何をやっているかというと、講演を多く実施しています。私も何回か講演に出ていますけれども。だから、今の女性の活躍をどうやってうまくやってくれるかとなると、そこの環境問題を、今、どういう環境問題があるんだと掘り下げれば、おのずと同友会とか経団連とか、そういうところに、J−Winとかね、いっぱいやっていますよ。J−Winの理事長さんなんかボランティアで一生懸命やっています。そういう人たちの団体が僕が知っているだけで3つあります。
 だから、そういう人たちと一緒にやるというようなことにしないと、ネットワークはつながらないです。それも結局は、そこで働く女性、会館のトップを誰にするかで決まってしまうので、例えばの話、そういうネットワークよく持っている人を決めればいいと思うんです。だから、マネジメントについてはもう1回、今、いろいろ宿舎がどうだとか外部の知恵を入れるのどうするかといろいろな意見がありましたけれども、そういうところを少し次回で出していただくとありがたいと思います。
 2つ目は統合ですけれども、統合についてはいろいろな議論があるかと思いますけれども、研究法人でいうと、研究成果が上がっていかないといかんわけです。だから、管理部門だけのスリム化を狙っているんだったら、そんなものは黙ってやればいいし、研究者に言う必要ないと思います。だけど、研究の一番の統合効果の狙いというのは、やはり先ほど栗原委員もおっしゃったように、設備の共有です。大学もそうだけれども、これは、俺の設備は絶対人に貸さないという日本人特有の文化です。
 沖縄科学技術大学院大学なんかに行ったらわかるけれども、OIST、ほとんどオープンです。あれはアメリカ人が経営しているから。みんなオープンです。だけど、日本の大学は東大行ってもどこへ行ってもみんなそうだけれども、みんな学際的で貸さないんです。だから、そこが非常に大きな問題なんです。だから、僕もいろいろ大学に行っていますけれども、森林研さんなんかも全くそう。だから、そこの設備の共有だとかそこは非常に大きな効果があるので、ほんとうにその効果があるんだったら、そこをしっかり言ってあげる。
 それと、研究法人の中で大学とのネットワークがどうなっているかというのが僕はものすごく気になる。ところどころ、シーズを発掘するんだとか、シーズを出すんだということをおっしゃるんです。シーズを出すんだったら、大学もものすごくやっているわけです。だから、大学とネットワークがどれぐらい持っているかが勝負であって、大学というのはグローバルネットワークです。グローバルネットワークにつながっていると、自分のところのポジションが高いのか低いのかすぐにわかるわけです。それは我々、素人がここで議論してもしょうがないんだけれども、ポイントはそこだと思うんです。そこをしっかりとネットワーク的なところのものをどうやってやっているかというのは非常に気になるというのと、もう1つ研究法人で言うと、防災もみんなそうですけれども、いわゆる研究といっても、防災でデータをどんどん出すような、モニタリングするようなところ、森林なんかも一部は、森林の見える化なんか誰もモニタリングしていない。あるいは山がどれだけ間伐がとられている。この前の広島みたいに一部間伐材が放置されているから、洪水で流されて住宅がやられちゃっているわけです。ああいうことなどがあちこちにあるわけです。
 だから、それは研究所という名前にふさわしくないんじゃないかと思うんですけれども、気象庁みたいなモニタリングということは非常に重要。ものすごく重要なテーマなんだけれども、そこは僕は今回の論点の中で入れてもらったらいいと思うんです。間伐材だって、どこがどれだけとられて放置されているかというのを誰が見ているんだ。放置されれば、洪水の後、絶対行きますし、崖崩れもそうですよ。だから、国民が、一番被災されるのはそこです。だから、モニタリングについてはもう1回ちょっと整理してもらって、研究の話とモニタリングと少し分けて論点を整理してもらうといいのかと私は思いました。
 私の気がついたところは以上なので、そこについては次回にちょっと整理していただくとありがたいと思います。
 時間が来ましたので、本日は、十分に質問できなかった先生もあると思いますので、メール等で事務局にご質問いただければと思います。また、ご質問いただいた内容につきましては、各ユニットの先生方と相談し、今後の議論の参考にさせていただくとともに、個別にご回答させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議論はこの辺で終了させていただきます。
 評価部会におかれましては、引き続き検討を深めていただきたいと思います。
 次に、事務局からの次回の委員会の日程について報告をお願いします。
【新井管理官】  次回委員会につきましては、11月17日火曜日、15時半から17時半で開催したいと思います。場所等の詳細は追ってご連絡します。いずれにしても本日いただきました横串の視点、個別の視点を踏まえてご議論進めていただきたいというふうに思います。こちらも踏まえたいと思います。ありがとうございました。
【野路委員長】  ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、第3回独立行政法人評価制度委員会を終了いたします。
 引き続き、本会場にて評価部会を開催すると聞いておりますので、評価部会所属の委員の皆様は、準備が整うまでご着席のままでお願いいたします。
 本日は、ご多用の中、ご出席賜りましてまことにありがとうございます。

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