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第5回独立行政法人評価制度委員会 評価部会議事録

日時

平成28年2月3日(水)15時00分から17時10分まで

場所

総務省第一特別会議室(中央合同庁舎第2号館8階)

出席者

(委員)
樫谷隆夫部会長、岡本義朗部会長代理、栗原和枝、関利恵子、土井美和子、原田久
(事務局等)
上村行政管理局長、長屋官房審議官、新井管理官、深澤管理官他

議事

1.平成28年度から中(長)期目標期間が始まる法人の新中(長)期目標(案)の点検について

2.役員の業績勘案率の点検について≪非公開≫

3.その他

配付資料  

 ・議事次第PDF  

 ・資料1PDF  

 ・資料2PDF  

 ・資料3 PDF 

 ・府省から通知のあった業績勘案率PDF

議事録

【樫谷部会長】  ただいまから第5回独立行政法人評価制度委員会評価部会を開催したいと思います。
 なお、橋委員はご欠席でございます。
 本日は、各ユニットにおいて検討いただいております、平成28年度から中(長)期の目標期間が始まる法人の新中(長)期目標(案)の点検についてと、役員の業績勘案率についてご審議いただく予定をしております。
 役員の業績勘案率につきましては、独立行政法人評価制度委員会運営規則第3条、「会議を公開することにより当事者の権利を害するおそれがある場合には、部会長は部会に諮って非公開とすることができる。」に該当することから、非公開で行うことをお諮りしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)

 はい、ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
 傍聴者の方は、最初の議題の審議終了後にご退室いただくことになりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、議題1、平成28年度から中(長)期目標期間が始まる法人の新中(長)期目標(案)の点検について審議を行いたいと思います。
 最初に、事務局から審議の進め方について説明し、引き続き、第1ユニットが担当する見直し対象法人点検状況について説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
【新井管理官】  管理官の新井です。よろしくお願いいたします。
 それでは、今日の審議の進め方につきまして、ご説明します。27年度で中(長)期目標期間が終了する36法人の新たな目標につきましては、2月22日の委員会への諮問、調査審議に先立ち、各省に検討段階の事務的な目標案の提出を求め、事務局において内容確認を進めてきたところです。
 その目標案につきましては、おおむね昨年11月の組織業務見直しの委員会意見、あるいは目標策定指針を踏まえたものとなってはおりますが、やはり相当前倒しでの検討段階の事務案の提出を求めているということもありまして、目標の記載が不十分であったり改善を要するものが、依然、存在しております。この不十分又は改善を要する目標案につきましては、各省において具体的かつ適切な目標を設定するという観点から、ユニット、そして事務局において精査を行いまして、この委員会への諮問の前に改善を図っていくこととしたいと思います。
 各省における法人運営や業務遂行において有益と思われる事項については、委員会として何らかの見解を表明することはあり得るとは思っておりますが、できる限り諮問前に目標案の記載の改善を図っていくということでいきたいと思います。
その内容ですけれども、現時点で、これは対象法人ごとに、昨年11月の意見がどのように指摘が反映されているかということについては、○といえるのは、ある程度もう反映がなされていると考えられるもの、△といえるのは、まださらに改善の余地があると考えられるもの、×といえるのは、委員会の意見の指摘について対応する記述がなく、相当程度改善が必要なものなど、といったものであります。
 それで、やはり△が多くなっておりますが、この部会に当たって依然調整中というものが存在しますので、△のものを重点的、効率的にご審議をいただくというふうに考え、区分けの別ということで、さらに4つの(1)から(4)という区分を行いました。特に(1)、(2)を重点的に、この部会の後も、ユニットも、ご審議をいただくようお願いできればと思っておる次第です。
 内容につきましては、(1)として、11月の個別意見に対応ができていないもの、または指針上の基本ルールを満たしていないと、これが一番改善が必要なものです。(2)としては、その意見に対応した記述はあるのですが、やはり事後、適切な評価を行う上で十分な記載とは言えない、これもやはり改善が必要というものです。(3)は、ある程度個別意見について満たしておりまして、一方で、よりよく目標としていくということで指摘を行っている。(4)は、事実確認を行っているというようなものでありまして、こういった分類をしております。
 (1)につきまして、先ほどの目標の反映状況の記載が欠落、あるいは指針のルールを満たしていないものであり、これは具体的・明確な目標が定められていないということですので、部会終了後、委員会までの間に、必要に応じてユニット会議で個別に説明を求めるということも含め、各省で重点的に議論を行う必要があると思っております。
 (2)につきましては、一定の事業等のまとまりが不適切であったり、目標水準が過去の実績に比して安易である、難易度を設定するも説明が不足しているといったように、十分な記載とは言えないと判断されますので、これも部会終了後、委員会までの間に、ユニットでの議論を含めて各省と議論を行うという形で進めたいと思っております。
 一方、(3)の目標設定に当たって概念・考え方を明らかにしようとするもの、それから、アウトカム目標の記述をより具体化しようとするものなどは、ユニットにお諮りしつつ、基本的には事務局で整理をしていきたい、(4)の事実確認に関するものも、事務的に整理を進めたいと思っております。
 この後、個別法人に係る事項について、各担当管理官から説明がありますが、その際にも、できる限り、この区分を踏まえて議論の方向づけをしていきたいと思います。
 なお、共通指摘事項については、個別事項の後に、私から説明したいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、第1ユニット、お願いします。
【斎藤管理官】  管理官の斎藤でございます。
 それでは、私からは、第1ユニットのうちで農林水産省の関係の9法人の新中(長)期目標(案)等について、昨年11月の委員会の意見を踏まえたものとなっているかどうか、また、目標策定指針に沿ったものとなっているかといった観点から検討を行った結果につきまして、個別事項を中心にご説明を申し上げます。
 最初に、家畜改良センターについてでございます。本法人の家畜改良増殖業務につきましては、委員会の意見におきまして、中ほどでございますが、本法人と都道府県及び関係団体等との役割分担を次期目標において明確化をするとともに、本法人が担う業務について、種畜ごとにその理由を明確化するということを求めています。
 この業務につきましては、都道府県や民間でも行っておりますことから、この法人が担うべき業務については、やはりほかのところではできないものに特化をすべきであるし、そうした役割分担やこの法人が担うべき理由というのも種畜ごとに異なるであろうということで、これらについて明確化をすべきという意見を出したところでありますが、提出された新中期目標案におきましては、都道府県や民間との役割分担を明確にしつつ、保有する多様な資源を活用し、民間等では取り組みがたい新技術を駆使し、全国的な改良を進めるということでございまして、概括的には書いてあるところであるのですが、種畜ごとの理由をはじめ、具体性に欠ける部分があるということで、これをより明確に書いていただく必要があるのではないかと考えております。
 次に、同じくこの業務につきまして、委員会の意見では、家畜改良増殖目標で示された目標数値の達成など、アウトプットに着目をした目標を必ず定め、乳用牛の候補種雄牛の供給などを通じた目標達成への貢献などのできる限りアウトカムに着目した目標を、できる限りこれも定量的に定めるということを求めております。
 新目標案におきましては、全国的な改良に関する会議を毎年度、畜種ごとに1回以上といった、アウトプットに着目をした目標や、乳用牛、肉用牛などについて、遺伝的能力評価を実施し、その結果を年4回以上公表、あるいは、遺伝的能力評価結果を用いた交配による能力向上への貢献など、アウトカムに着目した目標が定められているところでありますが、関連指標であります乳量、枝肉重量などの評価結果の推移などについて、定量的な目標とはなっておりませんので、これらについて、できる限り数値目標の記載を求めてはどうかと考えております。
 次に、本年4月に統合を予定されております農業関係の4法人についてであります。これ以降、研究開発法人となっております。農研機構をはじめ、農林水産省所管の研究開発法人におきましては、主要業務である研究開発成果の最大化に関する事項につきまして、大課題ごとに、研究のアウトカムや必要性、具体的かつ明確な目標、研究効果をアウトカムにつなげるための方策という構成によりまして、国の政策を踏まえたアウトカムとして示し、具体的かつ明確な目標設定がなされていると考えております。
 例えば、小麦で10アール当たり500キロ、大豆で250キロの単収を目指し、農業者がみずから安定生産を阻害する要因を診断し、対策を講じることを可能にする技術開発であるとか、10アール当たり玄米重量で1.5トン程度の高い収量を持つ稲の素材開発といった、具体的なアウトカムの目標を定めておりまして、いわゆる評価時期につきましても、評価指標、モニタリング指標として設定をされる見込みでございます。
 農研機構のほか、水産総研センター、森林総研、国際農林水産業センターについても、ほぼ同様の形式で記載をされております。
 また、昨年11月の委員会で委員長からご指摘がございました、TPP合意後、農林水産業のコスト削減に関する研究は重要であるといったご指摘につきましても、低コスト、省力、高能率、高耐久な機械・装置の開発といった、コストの縮減を目指す方向性というのが明らかにされております。
 この法人は、その関係の4法人が統合、発足をすることとなっているわけでありますが、委員会からは、統合後の新たな研究課題に適応した研究部門の再編などについて意見を示したところ、新目標案におきましては、ゼロベースで組織の見直し、また新たな組織体制を構築、つくばにおいて、基礎、応用、実用化までの一貫した研究体制による研究成果の創出、社会実装の加速化といった記述をはじめとして、統合を契機とした新たな取り組みについても詳細に記述をいただいております。
 この法人の繰越欠損金についてであります。委員会においては、繰越欠損金の解消状況を随時把握し、繰越欠損金の解消計画を定め、事業の進捗状況を踏まえた計画の随時見直しを行うとの意見を示したところでありますが、これに対する中長期目標案の記述が、繰越欠損金の計画的な解消に向けた計画の策定と事業化の進捗状況を踏まえた計画の見直しとされております。いわば、そのまま書いていただいたところではありますけれども、これは、あくまで計画策定と見直しそのものが重要というわけではなくて、本来、繰越欠損金の着実な解消がその目的でありますので、解消計画に沿っていかに欠損金を解消できたかということを適切に評価すべきであるという点、また、計画の見直しに当たっても、解消のための手法が適切であったかどうかといった点を十分検証すべきであるという点、こういった点を改めて認識を共有しつつ、記述を充実していただきたいと考えております。
 次に国際農林水産研究センターであります。この法人の研究開発成果の最大化に関する一定の事業のまとまりにつきましては、例えば、開発途上地域における資源・環境管理技術の開発などの4つの事業となっております。しかしながら、新目標におきまして、産学官連携で知財マネジメント、研究成果の社会実装といった、いわば研究間接業務につきまして、一定の事業のまとまりとしてどのように整理をされるのかというのが、必ずしも明確でない状況となっております。独立行政法人会計基準におきましては、一定の事業のまとまりはセグメントとして設定すると整理されておりますので、これをどのように区分するか、一定の事業のまとまりをどう設定するかについては明らかにする必要があるのではないかと考えております。この件については、後ほど共通事項の部分で改めてご説明を申し上げます。
 次に、森林総研についてであります。この法人は、国費、財政融資の資金借入金、また造林木の販売収入などを財源に、水源林造成事業を実施しておりますが、造林木が主伐期に達していない現時点におきまして、事業費の大部分を国費、借入金で対応しているという状況であります。こうした状況を踏まえて、委員会におきましては、次期目標期間内の借入金の償還目標、あるいは償還計画、またはその計画とその実績との対比の検証などについての公表、これらを求めましたところ、目標案におきましては、それがしっかりと反映をされたものとなる見込みでございます。
 なお、水源林造成事業の部分でありますが、新規契約につきまして、重要性の高い流域内の箇所に限定をするなどの目標を掲げてございますが、これらについて具体的な数値目標がございませんので、これについて記載を求めてまいりたいと考えております。
 また、森林保険業務につきまして、パンフレット、ポスターを配布・設置をする、3,000カ所以上という目標が掲げられておりますが、これらの数値を定めた考え方についても、具体的に記載を求めたいと考えております。
 続いて、水産関係でございます。水産関係の2法人、水産総合センターと水産大学校が統合発足することになっておりますが、委員会からは、統合後の新たな研究課題に対応した研究部門の再編などについて意見を示したところでありまして、目標案におきましては、おおむね意見を踏まえた記述がされておるところでありますが、1点だけ、教育の高度化に向けた取り組みの充実といたしまして、水産大学校の学生に最先端の現場を体験させるためのインターンシップが有効であるということで、次期目標期間内において、インターンシップの充実のほか、水研センターでの研究に携わった学生に対して単位を与えること、また、学生の水研センターのプロジェクトへの参加などの取り組みについて指摘をしたところであります。
 これに対して目標案におきましては、「各研究所等へのインターンシップの充実等により、教育内容の高度化を図る」ということで、インターンシップについては明確に言及をされておるところでありますが、単位などについてはやや明確でないということで、ここも、より詳細な記述を求めてまいりたいと考えています。
 これまでのいずれの法人におきましても、政策体系における法人の位置づけ・役割について目標で明示をされておりますし、国が進める攻めの農林水産業や6次産業化、政策の実現に資する具体的な成果につても記述がなされており、また、研究開発の推進に当たっての研究ロードマップにつきましても全ての法人において明示をされておりましたことを、最後に申し添えさせていただきたいと思います。
 私からは以上です。よろしくお願いします。
【倉重管理官】  管理官の倉重でございます。引き続き、私からは経済産業省所管の2法人と環境省所管の1法人の点検結果について、個別指摘事項を中心にご説明させていただきます。
 最初に、経済産業省所管の経済産業研究所です。
 本法人は、内外の経済及び産業に関する事情、並びに経済産業政策に関する基礎的な調査及び研究をするとともに、その成果を活用することによって、我が国の経済産業政策の立案に寄与することを目的としております。
 昨年11月の委員会意見におきましては、経済環境や政策ニーズに対応した研究のマネジメント体制の構築や、民間研究機関の研究者等との連携強化について意見を述べたところでございますけれども、今回提出されている中期目標案では、例えば研究計画において、「政策的目標、期待される効果、スケジュール等のロードマップを明確かつ可能な限り定量的に定めることとする」という記述がなされておりまして、意見が目標に反映をされております。
 研究内容についてでございますが、AI、人工知能等の普及による経済、社会、法制度等への影響と課題を調査・分析することにより、世界に先駆けたAI等に関する社会科学研究拠点を目指すなど、具体的なアウトカムを見据えた目標がきちんと掲げられておりまして、業績をはかる指標につきましても、学術的成果として国際的な評価につながる査読つき英文学術誌等への掲載及び専門書籍への収録件数を中期目標期間中に150件以上達成するなど、定量的なアウトプット目標が設定されています。さらに、当該数値の目標設定及び推進の考え方についてもきちんと記述がなされておりまして、目標策定指針に沿った内容に全体としてなっております。
 続いて、同じく経産省所管の工業所有権情報・研修館でございます。
 本法人は、商標等に関する広報、工業所有権に関する情報の収集・整理及び提供を行うとともに、特許庁の職員その他の工業所有権に関する業務に従事する者に対する研修を行うこと等により、工業所有権の保護及び利用の促進を図ることを目的とした法人でございます。
 昨年11月の委員会意見におきましては、世界最速・最高品質の特許審査の実現に向けた人材育成業務の見直し、知的財産権の取得・活用に係る相談支援の強化などについて、中期目標に定めるよう求めているところでございます。
 1点目につきましては、「特許庁の目標である世界最速・最高品質の審査の実現に向け、真に必要な研修に重点化を図りつつ、研修を実施する」と記載されておりますし、2点目につきましては、「情報・研修館の各窓口は、他の中小企業等の支援拠点、特に中小企業庁が各都道府県に設置しているよろず支援拠点や、中小企業基盤整備機構が設置している中小企業海外展開ワンストップ相談窓口との連携を強化する」という記述がなされるなど、意見が目標に反映をされております。
 また、法人の業績を図る指標につきましては、知財総合支援窓口などにおける新規相談者及び新規支援者数の合計実績値を第4期中期目標期間の最終年度には、第3期中期目標期間の最終年度実績値の120%以上とするなどの定量的な目標を設定するとともに、当該指標の設定水準に関する考え方を目標上に明記するなど、これも目標策定指針に沿った内容となっていると考えております。
 最後に、環境省所管の国立環境研究所でございます。
 本法人は、地球環境の保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備、その他の環境の保全に関する調査研究を、基礎研究から課題対応型研究まで、一体的に分野間連携を図りつつ実施をしております。
 委員会意見では、研究開発成果の最大化を目指す観点から、国の政策を踏まえた、できるだけアウトカムと関連させた目標を策定することや、研究ロードマップを活用して、目標の達成時期や具体的な達成水準を明確にすることなどについて、目標に定めるよう求めているところでございます。
 1点目につきましては、例えば国の政策を踏まえた低炭素研究プログラムにおきまして、「グローバルから地域までのマルチなスケールにおける炭素観測管理技術を開発し、地域的な緩和策の効果検証を含む温室効果ガスのリアルタイムな評価システムを構築する」や、「長期的な温室効果ガスの排出削減に向けた世界の緩和・適応策などの気候変動に関する政策決定に必要な知見の提供に寄与する」など、具体的なアウトカムと関連させた目標になっております。
 2点目につきましても、各研究プログラムにおける具体的な研究課題については、「中長期計画に課題ごとの達成目標・時期及びマイルストーンを明記する」という記述がございます。研究ロードマップの活用を視野に入れた記述となっているところでございます。
 簡単ではございますけれども、私からの説明は終わります。
 第1ユニットの担当について、説明は以上でございます。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまご説明いただきました内容につきまして、ご意見がございましたらご発言いただきたいと思いますが、いかがでしょう。
 土井委員、どうぞ。
【土井委員】  ただいまのご報告の中でも言及された研究ロードマップですけれども、今回、研究ロードマップの活用に関しましては、第1ユニットが担当いたします研究開発法人の全てにおいて記述していただきまして、研究開発を管理する形ができたものと認識をしております。どうもありがとうございます。
 今後は、研究開発の進行に応じて、随時、グローバルな視点でロードマップの見直しを行っていただき、年度評価への活用など、ぜひ図っていただきたいとお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【樫谷部会長】  ありがとうございます。何か今のご意見についてありますか。よろしいですか。ご意見ということで。
 そのほかにございますか。
【原田委員】  私から、全般的な、ざっと拝見した感想で申しますと、こちらがこう書いてみてはいかがでしょうかということについては、だいぶ対応いただいているというのが、第1ユニット全体を見回してみたときの印象であります。
 しかし、もう少しご努力をいただく場面もあるかなとは思っているのですが、例えば1点目で申しますと、家畜改良センターの関係です。例えば役割分担を考えるべきですよと、お示しくださいという投げかけをして、役割分担をやりますというふうに回答をなさっている。私どもとしては、役割分担はどんな役割分担なのかと。例えば都道府県の研究機関はこんなことをします、民間はこんなことをします、それでうちはこんなことをしますというような、具体的な役割分担というのをお書きいただく場面というのが、あるかなと思っています。
 また、同じようなこととしましては、農研機構の繰越欠損金についてもそうですが、「欠損金を解消していくための計画をつくってはいかがでしょうか。書き込んではいかがでしょうか」、「では、計画を策定します」、それだけではなくて、もう少し、実際にその解消計画どおりに計画がうまくいく場合であればともかく、いかない場合には、今やっている解消の方法がいいのかどうかということをきちっと検証していただくことが必要なのではないかと思います。
 一番簡単な方法としては、解消計画を非常に長くとってゆっくりやっていくということではなくて、もしうまくいかないのだったら、ほんとうにその場合だけ計画を見直すということがあるべきではないかと思っています。そういう意味では、きちっとした業績評価につながるような評価ということを常に考えていただきたいということが1点目です。
 2点目ですけれども、例えば先ほどのアウトプットやアウトカム指標みたいなところで数値が出ているのですが、「数値を書き込んだらいかがでしょうか」ということについては、「数値を書き込みました」と。それは大きな前進なのですけれども、なぜそう考えたのかというところに、我々からすると、ちょっとかゆいところに手が届かない感じがいたします。多分、現場の独法からすると、あるいは主務大臣からすると、これはこうなって当たり前だというところがあるのかもしれないですが、我々にもうひとつ、かゆいところに手が届くようなご説明をそれぞれ頂戴したいと思います。エビデンスベースドという場合のエビデンスは、こういうエビデンスがあって、こういうことだからこうなんだと。先ほどの120%云々というのは典型的ですけど、どうしてこう考えたのかというようなご説明が伺えると、我々としてはありがたいなと思っています。
 以上です。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。何か、通じてよろしいですか。
【斎藤管理官】  今のご指摘を踏まえて、法人に求めていきたいと思います。
【原田委員】  もう1点忘れておりました。実際に下関に行った水研センター、水産大学校関係ですが、ちょうど大学も入試の時期でございまして、あるいは来年度のカリキュラムを一番考える時期になるのですけれども、インターンシップの話がございました。インターンシップについては、「お書きになったらどうでしょうか」、「インターンシップについては書いています」ということですけれども、単位化をしていくに当たっては、例えばJABEEであるとか学位授与機構との関係で、なかなか難しいというような書きぶりですけれども、大学によっては、例えば卒業要件単位をこれだけにします。しかし、それ以外の単位を用意する。卒業要件単位には含めないのだけど、単位化をするということも実際にあり得る話ですし、実際にほかの大学でもいろいろやっていることです。
 ですから、卒業要件単位に含めなくても、学生にとって非常にプラスになるようなインターンシップであれば単位化して教育を高度化する、そういうメニューを学生に見せていくということは、非常に重要なのではないかという気がしております。
 以上でございます。
【樫谷部会長】  ありがとうございます。これもよろしいですか。
【斎藤管理官】  はい。
【樫谷部会長】  確かに原田委員がおっしゃったとおり、特に役割分担などについてですけれども、目標に書く部分と計画に書く部分があるわけですね。目標は、各府省がつくる。計画は各独法がつくるわけですよね。どんな役割分担かというのは、農水省が決めることであって、勝手に独法が考えろという話じゃ多分ないと思いますので、そこは明確にしていないといけないですね。おそらくこの繰越欠損の話も含めて、こうしろと言わないといけない。おそらく自分で工夫してやればいいと言えば、幾らでも先送りできるので、ある程度制限を設けた上で目標をつくるというのは、確かに原田先生がおっしゃったとおりのことだと思いますので、今後、これからまたもうちょっと詰めるんですかね。
【斎藤管理官】  はい。
【樫谷部会長】  そのときにぜひそういう意見もあったということで、ご指摘いただきたいと思います。よろしくお願いします。
 ほかにはよろしいですか。
 それでは、時間の関係もございますので、議論を一旦区切らせていただきまして、次のユニットの議論に入りたいと思います。
 第2ユニットが担当する見直し対象法人点検状況について、事務局からご説明願います。
【砂山管理官】  管理官の砂山でございます。第2ユニットの見直し対象法人は、総務省、財務省、国土交通省の3省12法人ですが、そのうち私からは、総務省、財務省所管法人についてご説明いたします。計2法人ございますが、いずれもおおむね適切な目標設定がなされております。ただ、若干改善の余地がある部分がございますので、そのポイントだけご説明をいたします。
 まず、総務省所管の情報通信研究機構NICTでございます。昨年11月の委員会意見では、「一定の事業等のまとまりを適切に定め、その単位を基本としてアウトカムの観点を十分踏まえた具体的、明確な目標を設定し、研究内容を適切に評価できる評価軸を設定する仕組みを構築する」ということを指摘しております。
 これに対しまして、「上記の評価事項及び指標の研究開発課題に対する具体的な適用や詳細事項については、研究開発の段階等を踏まえつつ評価を行う時点までに定めるものとする」と「注」がございます。これは、うがった見方をいたしますと、法人にとって都合のよい評価結果を出しやすいような評価軸、あるいは指標の取り扱いを後づけで決めることもできるという受けとめ方もできてしまいますので、そういった疑念を払拭するためにも、あらかじめ設定していただく必要があると考えております。
 他方、研究開発法人につきましては、社会情勢、その他の諸事情、諸情勢の変化等を踏まえて、適時、迅速かつ柔軟に評価軸を見直すことの重要性も指摘されておりますので、そうした柔軟性を確保しつつ、何らかの形で事前に評価軸や指標の取り扱いを決めていただき、注を削除するということで調整したいと思っておりまして、その方向で収束できる見込みでございます。
 テストベッドに関する目標というところも、内容は同じでございます。やはり同じ注がございますので、これも同様に削除をしていただく方向で調整したいと思っております。
 それから、海外連携センターというのがございます。これにつきましては、「次期中期目標においては、本法人の研究成果の最大化の観点を十分踏まえ、海外連携センターに関する目標を定めるものとする」ということを意見として指摘しております。
 これにつきましては、「海外拠点を一層活用することで、従来の海外情報収集や人材交流、研究協力だけでなく、研究開発成果の最大化の観点を十分に踏まえ、戦略的な研究協力推進や研究開発成果の相手国・地域への展開・社会実装、日本企業の海外展開支援等に取り組む」という記述になっておりまして、これ自体、目標そのものになっていないということで、指摘してございます。
 この点につきまして、総務省のNICT担当と議論をしましたところ、研究開発成果を最大化するための業務に関する評価軸といたしまして、「取り組みが研究開発成果の国際的普及や日本企業の国際競争力強化につながっているか」というものがございまして、その評価軸での評価の中で、海外連携センターの評価についても対応が可能だということがわかりました。そういたしますと、従来の情報収集件数ですとかMOU、いわゆる覚書の件数といったアウトプット的な数値目標よりは、成果に着目した評価が可能となっておりますので、これはこれでよしとしたいと考えております。
 引き続きまして、財務省所管の酒類総研です。
 本法人は、中期目標管理型の法人でございますが、研究開発も行う法人でございますので、研究開発法人に準じまして、研究開発についても目標を明示していただく必要がございます。この点につきまして、「適切な評価軸を検討・設定し、法人内外から研究ニーズを組織的にくみ上げ、国立研究開発法人における第一の目的である研究成果の最大化に向けた中期目標を策定する」ということを指摘しておりますが、これに対しまして、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項ということで、研究ニーズの組織的くみ上げについては記載をされておりますが、その下、「(1)適正課税及び適正表示の確保」以下、項目が並びますが、ここに研究開発に関する目標が書いてございません。これにつきましては、より具体的に、どのような研究を、何のために、いつまでに、どのような成果を目指して行うのかといったあたりについて、目標の中に明記をしていただく必要がございますので、中期目標案に研究開発に関する記述を追加する方向で調整したいと考えております。
 それから、「国税局鑑定官室が行う業務との関係」というところでございます。「『酒類の分析・鑑定』や『酒類の品質及び安全性の確保』等を目的として国税局鑑定官室が行う業務との関係を示した上で、本法人がこれらの業務を行う必要性について明確にする」と書いてございますが、この違いが若干不明確な部分がございますので、その部分について、国税局鑑定官室と本法人との違いがよりわかりやすいような形で記述していただく方向で調整したいと考えております。
 それから、一定の事業等のまとまりということで、本法人では「規模が大きくないこと」等々から、一定の事業等のまとまりを施設単位で設定するということが書いてございます。これにつきましては、主要な業務・事業ごとにまとまりができないのかという議論をいたしましたが、事業間の密接な関係があって、また、それぞれの規模が小さいということで、この施設単位というのは合理的であるということが判明いたしましたので、このままでいきたいと考えております。
 以上の点以外は、両法人とも非常によく記述されております。
 総務省、財務省所管法人については以上でございます。
 引き続き、国土交通省所管法人について担当管理官からご説明いたします。
【平岩管理官】  国土交通省担当の平岩でございます。私のほうから6法人について説明をさせていただきたいと思います。
 まず、土木研究所でございます。研究業務の目標設定等ということで、一定の事業等のまとまりを適切に定めてください、それで、具体的・明確な目標を設定してくださいというのが1点目です。2点目が、研究内容について不断の見直し・重点化を行ってください、3点目が、評価軸を設定してください、4点目が研究マネジメント体制を構築してくださいというものであります。
 これらについてなんですが、未対応ということになっております、残念ながら。3つのまとまりということで、1番が安全・安心、2番が維持管理・長寿命化、3番が持続可能で活力のある社会の実現ということで、このまとまりの区分け自体はいいと思いますけれども、中身をちょっとごらんいただきますと、例えば1番の安全・安心のところ、エッセンスだけ取り出しますと、河川災害とか土砂災害等を見据えた研究開発を行うということだけの記載となっていますので、ちょっと具体的・明確な目標になっていないのではないかいったことでございまして、それ以降のところにも影響してきますので、ここはちょっと残念ながら未対応とさせていただいております。
 それから、国と役割分担の明確化ということですけれども、こちらも残念ながら現段階で記載されておりませんので、現在求めているところであります。
 それから、寒地土木研究所の関係でございますけれども、これまで北海道に特化していた寒地土木研究所ですけれども、研究成果を国土全体に活用してくださいという意見を出しておりました。これについては、「研究開発の成果について、全国展開を進める」と書いていただいているところであります。
 次の、建築研究所につきましては、土木研とパラレルでございますので、説明は省略させていただきます。
 海上・港湾・航空技術研究所でございます。こちらの1つ目の意見については、統合法人としての体制整備になります。研究企画部門の機能強化というのがあります。これについては、研究所全体の統制管理を行う体制を構築して、戦略的な研究計画の企画立案などを行うと書いてございますけれども、内容は、経営戦略担当の理事を置いたりとか、担当の室を置くというようなことを想定していまして、旧3法人の所管部局に加えまして、総合政策局にも入っていただいて検討してもらった仕組みでございます。昨年11月の時点からかなり進展が見られた部分でございます。
 それから、突発的な事故や災害が起こった場合には、研究資源の適切な配分をしてくださいという意見を出しておりますが、これについては、反映がされております。それから、意見のもう一つ、統合法人のミッションを具体的な統合効果の例示とともに明記してくださいというところにつきましては、「海洋権益の保全及び海洋資源の開発等の利活用の推進」といった具体的な例示とともに、ミッションを定めていただいているところでございます。
 次の、研究業務の目標設定等という意見でございますが、先ほど申し上げた4項目の話であります。こちらについては、6つの研究開発等を一定の事業等のまとまりとして記載されております。1番が分野横断的な研究開発についてであり、2、3、4は旧3法人の研究分野に沿ったまとまり、それから、5番目が成果の還元の業務、6番目が国際活動の業務であります。それぞれのまとまりの中をごらんいただきますと、今後7年間に取り組むべき課題を記述していただいているものと考えております。
 国との役割分担の明確化の話でございます。こちらは、対応状況のところに線を引いておりますけれども、こちらの研究所においては、基礎的な研究開発等を行っていく法人であり、その成果を国の国総研のほうで、技術基準策定など政策の企画立案に関する研究等に活用してもらうということで役割分担が書かれておりまして、両者が密な連携を図っていくというようなことで、ポイントを押さえて要領よくまとめていただいているものと考えております。
 次が海技教育機構であります。意見の1つ目は、統合法人としての船員教育の高度化であります。その1、一貫教育等でございますが、中身については、座学と乗船実習を一貫教育で行うことと記載されております。それから、施設・設備の一体的運用についてもきちんと明記がされておりますし、あと、それに加えて、合格率や就職率といった指標を設定しております。
 ただ、ちょっと指標の中には目標値として少し甘いのではないかと思われるものがありまして、合格率の例えば専修科のところとか、あるいは就職率のところを見ていただきますと、今期実績の最低ラインよりも次期目標のほうが低くなっております。とりわけ就職率に関しましては、景気変動の影響を受けるということで、なかなか高い目標をつけるのは勇気が要ることは承知しておりますが、これは事務方の間で、引き上げる必要があるとし、その引き上げ幅等について今、調整をしているところでございます。
 それから、文科系教育機関との公平性の確保でございますが、これは反映をされているところであります。
 次の文科省との連携ということでございます。こちらは、「関係者と交えて検討する国の施策に沿って」と記載されており、これは国交省が文科省と連携することを想定しておりますけれども、海技教育全般の質的向上を図っていくという内容で記載されております。
 それから、広報活動でございます。こちらは、海上技術学校のほうで中退という例が少なからず見られるということで、意見といたしましては、入学前の広報活動段階でミスマッチを極力少なくするような形をとって欲しいという意見を出しておりまして、それに対する対応状況でございますが、こちらは、「船員志向性の高い人材確保に向け、入学者募集のための広報活動のための体制・仕組みを直ちに構築する」と明記していただくとともに、指標の中で、卒業者の入学者に対する割合を90%以上にするという指標を立てていただいているところであります。
 それから、入学料、それから入学検定料の話ですけれども、29年度から徴収を開始していただくと。それから、あり方についても32年度末までに検討するということで明記していただいております。
 ほかにも項目はあるのですが、基本的に反映されておりますし、時間の関係で省略をさせていただきます。
 次は、航空大学校でございます。法人のミッションの明確化ということであります。単なるパイロットではなく、基幹的要員となるような質の高い操縦士の養成が独法たる本法人のミッションであるということを明記していただいて、それで、他との差別化を図ってくださいというようなことを言っておりました。これについては、対応状況のところにありますように、反映されております。
 それから、組織のガバナンスの強化でございますけれども、安全対策の見直しによる効果や課題の総括をし、安全管理に係る体制の不断の見直しを行うよう意見を出しましたが、これも明記されました。
 3番ということで、就職率等の目標設定でございます。こちらは、対応状況のところを見ていただきますとおわかりになると思いますが、資格取得率については数値目標を書いていただいていますが、就職率自体については記載がございません。よって、未対応と判断しております。先方の主張といたしましては、就職率は、航空需要の変動に左右されやすいので、数値目標にはなじまないということでございますが、引き続きここのところは説得に努めていきたいと考えております。
 あと、資格取得率自体の数値目標につきましても、これは目標期間の平均と書いてありますが、PDCAを回していく観点から、やはり各年度で見ていくべきと思いますので、各年度にすべきという意見をあわせて出しておることを申し添えます。
 それから、受益者負担のあり方については、関係者で情報交換に取り組んでいってくださいということを申し上げていましたが、こちらは反映されております。
 最後ですけれども、自動車技術総合機構であります。意見の1つ目が、統合法人としての体制整備であります。統合法人として一体的にマネジメントできる体制を整備し、現場レベルで連携とか情報交換が行われる仕組みを構築してくださいということであります。
 技術戦略本部といったものを設置して、各部門間の情報共有や業務連携を一体としてやっていくというようなことが書いてあります。ただ、基本的なことは書いてありますが、本部の位置づけとか役割があまり明確になっていないと思われることと、現場での連携をどのように担保できるかという点について、この記載では読み切れないところがありますので、そういった指摘を先方にしております。なお、先方からは、現在、より中身を書き加えるということで検討していただいております。
 それから、国から事務移管がされる適合性審査に係る調査・確認事務についてですが、これについては、移管スケジュールを決めてください、それから、全体をうまくやる仕組みをつくってくださいと言っておりました。29年度に検討して、30年度開始までに移管を完了すると明記していただいているので、スケジュールについては良いですが、全体的な仕組みについて、十分に担保されていない部分がありますので、その記載の追加をお願いしており、今、前向きに対応いただいているところでございます。
 3番目の四谷本部の移転についてですが、こちらは、当方の指摘に沿いまして、対応状況の一番下ですが、中期目標期間中の早期に結論を出しますと明確に書いていただいているところであります。
 研究業務の目標設定ということで、例の4項目でございます。これは提出いただいた段階で、どの項目が一定の事業等のまとまりに該当するのか明確ではなかったので、先方と事務的に調整を現在しております。現在、前向きに修正・追加する方向で調整が進んでおりますので、こちらも改善が見込めると考えているところであります。
 それから、「民間活力の更なる活用を踏まえた業務の重点化」のところですが、こちらは車検業務に関するところです。車検業務については、指定整備工場における指定整備技術を向上していくという方向性が出ており、こういった中で、本法人のミッションは何なのか、民間では担えない検査に業務を重点化してください、それから、安全性を確保しながら検査コースや要員配置を見直してくださいと意見しておりました。ここのところで申し上げたいのは、車検業務ですので、研究とか何かと違って、より数値目標を設定しやすいところであり、さらに適切な数値目標を設定して欲しいと先方で追加を検討してもらっております。
 さらに、これまで削減してきた検査コースの有効活用を図ってくださいと、それから、国で集約・統合化をするときには、本法人でもあわせて検討してくださいという意見については、反映をされております。
 最後ですけれども、関係機関との情報共有の促進、これは、指定整備工場や軽自動車検査協会で把握をした不具合情報等を集約して、共有できるような仕組みをつくってくださいという意見ですが、こちらもおおむね反映してもらう方向で調整が進んでおります。
 長くなりましたが、説明は以上でございます。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。
 ただいまご説明いただきました内容につきまして、ご意見、ご質問ございますでしょうか。
 岡本委員。
【岡本委員】  質問というか、感想めいたお話で恐縮でございますが、今、両管理官のほうでご説明いただいた資料に基づいて、第2ユニットのほうで、その段階の中期目標のご説明を受けて、事務方で検討してきたということでございます。今のご説明の中に一部ございましたけど、その後、調整をしていただいた結果、よりよいものになっているというのが幾つかございますので、そういう意味では、おおむね前向きにご検討いただき、現時点ではよいものになっているものと、エビデンスベースでは申し上げられませんけど、期待を込めて調整が進んできたということで、それは引き続きよろしくお願いしたいと思っています。幾つかコメントがございまして、結局開発法人なのですけれども、やはりこれは研究成果の最大化というのが一番の眼目で、それが大切なのですが、そういう観点から見ますと、やはり幾つかの法人、名前を申し上げて恐縮ですが、土木研究所、建築研究所につきましては、やはり研究開発の方向性というのをもう少し具体的に示すことが現時点でも必要であろうと思いますし、事務方と国交省の間の調整というのは、その方向でなかなか難しい局面にあろうかと思いますので、もし国交省の方々がいらっしゃるのであれば、そういう方向でぜひ趣旨を理解した上で、土木研、建築研が出す目標をどういうふうに与えるのがいいのかというのを、少しご検討いただければありがたいかなと、制度的な趣旨から思います。
 それから、同じような観点から申しますと、先ほどありました就職率が問題になった航空大学校ですけれど、これも何が目的であるかというのは、やはり就職させて幾らのもんだということであれば、ここの目標というのはできる限り数値化し、可能な限り上のほうを目指すというのが制度のあり方かなと思いますので、その辺のご検討をお願いしたいと私からは思います。
 それ以外の法人につきましては、幾つか 非常によく頑張っていただいたこともあり、こちらの資料以上にはよいものになっていると思いますので、そういう意味では、今回の改正の趣旨は十分に反映していただいているのかと思いますので、引き続きご協力していただいて、よりよいものにしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。
 関委員、よろしくお願いします。
【関委員】  私のほうも感想ですけれども、おおむね、ほとんどの機関で意見どおりの対応をしていただいていると思います。ただ、やはり人材育成という点で、教育系の法人については、入学者に対してどれだけの就職率があったのかということは示す必要があるかと思いますので、数値で示すことはできないというのではなくて、適切な形で状況を説明していただくようにしていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。
【平岩管理官】  今、関先生のほうから適切な形というのがございました。就職実績は景気等で左右されるというようなことはございますので、そういったことも考慮した上で、仮に景気がすごく悪くなってしまって、結果、就職率が悪くなってしまっても、そのことだけで悪い評価とならないような形というのも考えられると思います。その点も事務的によく調整をしてまいりたいと思います。ありがとうございます。
【樫谷部会長】  そうですね。景気がわからないから目標値が設定できないと言われてしまうと、何も目標設定できなくなってしまうので、それはある一定の前提がある上での目標ということで、決めていただきたい。だから、おっしゃるように、独法のせいではなくて、景気が悪くなってそうなったというのであれば、別にCをつける必要はないということだと思いますし、ただ、航空関係は構造的に人材が不足しているという話は随分前から聞いているので、5年間はあまり関係ないのかなという感じはするのですけど、それは素人なので、私が読めるわけではありませんので、それも踏まえて目標設定していただくというのがいいのかなと思いますね。
 どうですか。よろしいでしょうか。
 栗原委員、どうぞ。
【栗原委員】  私も先ほどの就職率のところを聞いていて、私は内容を伺っていないので、もしかすると見当外れになるかもしれませんけれども、例えば入学した人の中に、あまりそういう職種に向いていない人が入っているとか、あるいはどういう事情で就職率があまり上がらないのかということも少し分析して、それにどう対応していただいているかということも、就職率という数字だけでなくて、むしろそういうプラクティスをきちっと分析させていただいたり、述べていただいたり、あるいは目標の中に入れていただくようなこともあるかと思います。何か数値目標というのは非常にわかりやすくはあるんですが、社会状況もあるでしょうし、入学した人の特性もあると思うので、もう少し現場にとって、現場がよくなって、状況がよくなるような工夫というようなものも評価していくような何か軸というのがあれば、大変いいのではないかと思って伺いました。
【樫谷部会長】  ありがとうございます。事務局どうぞ。
【平岩管理官】  ありがとうございます。パイロットの養成につきましては、訓練の規模の関係で、入学者を年4回に分けて、訓練スケジュールに入れていくということもありまして、それで卒業後すぐに就職できないこともあり得ると聞いております。すなわち、3月とか、一斉に世間が就職する時期にマッチしない方もおられるとか、そういったような要因も別途ありますし、さっきも申し上げたような業界側の事情とかいろいろあると思います。ただ、委員がおっしゃるように、ほかにもよく要因を分析して、対策を考えていくことが新しい独法の評価制度の目的と思いますので、その点もよく考えながら対応していきたいと思います。
【樫谷部会長】  よろしいでしょうか。
 それでは、ここで第2ユニットについては区切らせていただきまして、次のユニットで、第3ユニットが担当する見直し対象法人の点検状況について、事務局からご説明をお願いしたいと思っております。
【北川管理官】  管理官の北川でございます。第3ユニットでございますが、文部科学省所管の11法人、厚生労働省所管の1法人、計12法人について見てまいりました。
 全法人に総じて言えますのは、こちらの委員会の意見というのは、非常に趣旨をよく理解していただいて、記述においても前向きに対応していただいておるというところでございます。総じて定量的な目標値をところどころ埋め込んでいくというのも、従来の中期目標から比べると、格段の進化であると思います。
 その中で、目標水準というものが、最低限のノルマラインを記述するのでなくて、目指すべき経営目標みたいなものに持っていけないかというようなことで、議論や考え方を確認しているというのが全体的な状況でございます。
 では、各法人の主要なポイントについて、簡潔にご説明申し上げたいと思います。
 まず、特別支援教育総合研究所でございます。これについては、研修事業、委員会の意見では、集中と選択によって研修体系というのを策定して、達成すべき具体的な数値目標を設定しようというようなことを求めておりましたところ、提出されております中期目標案では、これを踏まえまして、実施状況を踏まえた課題や改善が必要な事項等を整理し、ニーズを的確に把握し、研修の背景、必要性、具体的な内容を明らかにした研修体系を策定するとした上で、目標として、各都道府県等における特別支援教育政策等の推進に寄与する指導者を養成すると。これをはかる指標として、研修受講者による指導的役割の実現を80%以上達成するという定量的なアウトプット目標を設定していただいているということで、趣旨は反映していただいているところでございます。この目標値の置き方、水準の考え方について、さらに確認してまいりたいと思っております。
 続きまして、大学入試センターでございます。新テスト開始までの工程の明確化という話でございます。大学入試センター試験がこれから新たなテストに変わると。この導入に向けて、まさに現状、文部科学省で、高大接続システム改革会議において検討がなされているさなかでございますが、新テストの設問や作問のつくり方云々について、現行のセンター試験におけるノウハウでは対応できないと考えられる課題等の整理を踏まえ、明確の方向性に基づき調査研究を行うという方向性を明示していただいております。意見の趣旨は踏まえていただいておるところでございます。さらに、新テストに向けた政策動向も注視しながら、どれほどの具体化ができるのかということを注視してまいりたいと思っております。
 それから、もう1点補足で、情報提供業務でございます。これについては、必要性について廃止も含めた検証を行うと明記いただいたと。検証の上、引き続き実施する場合は、平成27年度実績と比べて中期目標期間中に10%増を目指すと書かれておりまして、意見の趣旨や目標策定指針も踏まえた内容となってございます。
 次に、国立青少年教育振興機構でございます。まず、広報の推進とございます。ここで、機構の業務全体について、インターネットやマスメディア等を積極的に活用した広報を広く展開し、認知度を向上すると。これをはかる指標として、28の施設のホームページ総アクセス件数について年間340万件を達成というような具体的な目標が設定されておるところでございます。これの水準、考え方について、さらに確認してまいりたいと思います。
 それから、この法人ですと、例えば、教育事業がございますが、これまでの中期目標では、教育事業の中身についてなかなか具体的な記述がなかったところでございますけど、今回、非常に委員会の意見を踏まえていただきまして、実施する事業、豊かな人間性を育む長期自然体験活動事業の推進や、課題を抱える青少年を支援する体験活動事業の推進ということに新たに項目立てて、体系的に整理して記述していただいております。それぞれについて、全ての地方施設において、1週間以上の長期自然体験活動事業を中期目標期間中に延べ60事業実施する等々、定量的なアウトプット目標も設定されておるところで、意見は反映されておるところでございます。
 続きまして、女性教育会館、調査研究というのがございます。この調査研究については、委員会として、ロードマップの策定、具体的な目標の設定ということを求めておったところでございますけれども、これにつきましては、文部科学省のほうにおきまして、ロードマップは策定されております。中期目標期間に実施する取り組みと成果が示されたロードマップが策定されております。これを踏まえまして、この中期目標におきましては、定量的な目標としまして、調査研究を活用した研修資料等を作成し、研修参加者の85%以上から有用の評価を得るという目標の設定をしております。趣旨は反映しておるところでございますけど、この水準についてさらに確認してまいりたいと思っております。
 次に、国立科学博物館、に関しましては、展示事業でございます。委員会におきましては、常設展や企画展や巡回展など、その種類ごとの目的を踏まえて、戦略的な入場者数の設定等について求めおったところでございますが、これに対しまして中期目標案では、入館者数については、5年間で800万人を確保と、企画展・巡回展を年平均25回程度実施するという定量的な目標を設定しておるところでございます。この水準の考え方について、さらに確認してまいりたいと思います。
 続きまして、物質・材料研究機構でございます。物研につきましては、本体の研究開発でございますが、これについて、委員会意見におきましては、いつまでにどのような成果を得るのかの具体的なロードマップの策定ということを求めておったところでございます。これに対しまして中期目標案では、各研究領域では、シーズ育成研究、プロジェクト研究を実施する。シーズ育成研究では、主に将来のプロジェクトの芽を創出するような探索型研究を、プロジェクト研究では、研究ロードマップを設定しつつ、主に目的基礎研究を実施するというふうに、一定の具体化はなされまして、研究ロードマップを設定するとも言及しておるところでございますが、個々の研究開発分野について、それぞれ、いつ、どこまで、どのようなマイルストーンを置いていくかということは、さらなる具体化ということを求めて議論してまいりたいと考えております。
 続きまして、防災科学技術研究所でございます。これ、まず法人の役割の明確化ということで、役割の明確化ということを求めておりましたところ、今回の目標案では、その位置づけにつきまして、我が国の防災科学技術の中核的機関であり、他機関の成果を含めた社会実装に向けた橋渡しをする機関である、国内外の大学・研究機関、民間企業等の人材が交流するネットワークとなるイノベーションハブの形成というふうに、新たにこういった性格づけが盛り込まれたわけでございますけれども、さらに具体的にどういうことなんだということを確認してまいりたいと考えております。
 また、その研究内容につきましてですが、こちらから具体的なロードマップの策定について求めておったところ、中期目標案では、例えば災害をリアルタイムで観測・予測するための研究開発については、海陸の基盤的地震観測網等の観測データと大規模シミュレーションを活用して、地震動・津波即時予測のための研究開発を実施し、迅速かつ高精度な地震や津波の早期警報及び直後の被害予測の実現に向けた研究開発を推進するというふうに踏み込まれておりました。さらに、こういったものについて、より具体的に達成状況というのをどうはかっていけるのかということについて、さらに議論してまいりたいと考えております。
 続きまして、量子科学技術研究開発機構でございます。この研究所は、ご承知のとおり、放射線医学総合研究所、放医研に原子力研究開発機構の業務の一部が28年4月から移管されまして、名称も変わりまして再スタートすると、量子科学技術研究開発機構となるものでございます。
 この研究開発につきまして、委員会からは、具体的なロードマップの策定等を求めておったところ、提出されている案では、例えばこの光・量子イメージング技術を用いた疾患診断研究につきましては、これまで放医研が取り組んできた分子イメージング技術を用いた疾患診断研究について、原子力機構から移管・統合された量子ビーム技術等を融合して、精神・神経疾患における定量的診断の実現など、国際競争力の高い将来の医療産業を担う研究開発を行うということで、統合のシナジーというのも踏まえて、アウトカムの記述がなされているところでございます。これについて、ほかの法人のところとも共通しますけれども、こういったアウトカムに向けて、より具体的にどういうふうに達成状況というのをはかっていけるのかと、いつ、どこまでにということを、さらに具体化できないかということで議論してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、国立美術館でございます。国立美術館の展示事業ということでございますが、今回の目標案では、三点ございます。この法人の行う展示の展開の方針でございますけれども、1点目で国家的規模で行う主導的な展覧会、2点目、全国の美術館に方向性を示す先導的な展覧会、3点目は新しい芸術表現の先端と、主導、先導、先端というところに役割を明確化したところでございます。
 この業績をはかる目標については、定量的なアウトプット目標とは言えますけれども、前中期目標期間の実績以上ですとか、企画展は毎年34回程度開催など、こういった定量的なアウトプット目標は置かれておるところでございますけれども、こういった目標の水準の考え方ですとか、この目標を達成するために観覧環境をどのように提供していくのかという取り組みについては、議論をさらに深めていきたいと考えております。
 続きまして、国立文化財機構について、展覧事業でございますが、委員会としましては、適切な指標、来館者数や開催回数等の目標の設定について求めておりましたところ、この目標について、来館者数を前中期目標期間の実績以上などと設定してきておるところでございます。この目標の設定の水準の考え方について、ひとつ確認をしてまいりたいと思っております。
 それから、地方公共団体等の職員に対する研修というのがございます。これにつきまして、委員会からは、研修の体系の策定や成果の具体的な目標の設定ということについて求めておりましたところ、これを踏まえまして、「研修項目、課程等の体系を示し、地方公共団体等の要望を踏まえた研修計画を策定して実施する」と記載し、目標として研修実施件数、受講者数については前中期目標の期間の実績以上、それから、アンケートによる研修成果の活用実績が80%以上というふうに、定量的な目標は設定されておるところでございます。この目標の水準の考え方についても、確認してまいりたいと思っております。
 続きまして、教員研修センターでございます。教員研修センターにつきまして、委員会としまして、研修体系の策定と、達成すべき具体的な数値目標の設定ということを求めておりましたところ、目標案では、こういった意見を踏まえまして、「研修事業の再構築を図ることとし、そのための具体的な工程を策定し、それに沿って着実に実施する」と記述しまして、このはかる成果、指標について、標準定員に対する参加率90%以上と。これは現行では80%以上となっているところを90%以上に跳ね上げておると。それから、研修成果の活用状況アンケートで、85%以上から効果的に活用の評価を得るということ。これは、現状、設定がないところを、こういった目標を新たに置いていこうということでございます。
 また、さらに記述では、「受講者の所属に応じた活用場面や具体の活用方法などを適切に把握するため、28年度中に調査項目や方法について検討するとともに、学校で行われる研修への成果活用状況については新たな指標を策定する」と。28年度中に新たな指標を策定するというふうに、さらなる取り組みということを明記しておるということでございます。こういった目標の設定、水準の考え方について、確認してまいりたいと考えております。
 最後になります。厚生労働省所管の労働者健康安全機構です。これは、現在の労働安全衛生総合研究所が、この4月から労働者健康福祉機構と統合しまして、労働者健康安全機構としてスタートするものでございます。
 この労働安全衛生総合研究所が担っておる調査研究の部分についてでございますけれども、192ページ、調査研究でございます。委員会からは、このロードマップの策定等を求めておったところ、目標案では、委員会意見を踏まえまして、個々の研究の研究課題・テーマに関し、具体的かつ明確な目標を設定し、具体的な工程表を作成し、公表するというような受け方がされておるということでございます。
 それから、その研究内容につきましては、現場ニーズを踏まえ、労働災害の減少に結びつくプロジェクト研究を中核とする等々、いろいろ方向性は書いておるところでございますけれども、これは、さらなる具体化ということも含めて、もう少し内容の議論をしていきたいなということ。具体的にいつ、どこまでにという達成状況をどう判断するのかということについての議論を、引き続きしてまいりたいなと考えております。
 それから、その調査研究成果の普及の方法でございますけれども、こちらは目標案では、開発した機器等について、特許の取得、JISやISOへの標準化の働きかけ等を通じて、作業現場への導入ということを書いてございます。こういったアウトカムが掲げられておるところ、また、その業績をはかる指標として、労働安全衛生関係法令等への貢献30件以上、それから、労働安全衛生に資する手法の作業現場への導入実績9件以上というふうに、アウトプット目標が設定されております。
 意見はおおむね反映していただいておるところ、こういった目標値の置き方、水準の考え方について、さらに確認してまいりたいと考えてございます。
 第3ユニットは以上でございます。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまご説明いただきました内容につきまして、ご意見、ご質問ございましたら、出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 栗原委員。
【栗原委員】  意見ではないですけれども、一緒に作業した者として、感想として述べさせていただきたいと思いますが、この第3ユニットの場合、非常に項目数が多いということで、きめ細かく目標を見て、活動について具体的なところまで踏み込んで、いろいろコメントさせていただいているのではないかと思いますので、そういう意味で、よりよい形の目標設定を目指し、項目も多いことから、対応中も多くあると理解しております。
 それで、全体として私が感じておりますのは、やはり時期と数字を入れるというのは、なかなか、特に研究活動については難しいところがあって、例えば目標に入れるのがいいのか、計画に入れるのがいいのかというようなこともあると思いますし、それから、研究のステージによっても違ったり、研究の特性によっても違うと思います。そういう意味で、今、たくさん対応中になっていますけれども、それは、どちらかというと、目標の立て方や、どこに書くのがいいかというようなことについて意見交換して、よりいい形をつくろうという努力と考えて、理解しておるところでございます。
 例えば、先ほどの量子科学技術研究開発機構というのは、これから始まるところで、先ほどご指摘のあった光を使うような診断技術というのは、まだ研究も全く始まっていないものです。そうしますと、それの達成度というよりは、まず実際にそういうものが始まるということ自体も評価されるべきことでしょうし、研究開発法人というのができたところで、やはり研究の評価というのはきめ細かくやらなければいけないので、最大化というものを目指して、今後はむしろ理事長のマネジメントとか、研究成果の最大化に対してそれぞれの法人がどういう努力をしているかとか、その考え方としてどうつくっているかというようなことをむしろ見ていくことで、なるたけ具体的な内容については、現場というか、それぞれの法人の審議会等々で細かく見ていただくのもあるのではないかと思います。こういうようなことは、実は研究評価って、正解がない……と言ってしまうと、あまりにもふんわりしてしまうんですが、常に検証していかなければいけない課題だと研究コミュニティではなっておりますので、そのあたり、第3ユニットは研究開発法人も多く、こういう現状だと思いますので、コメントさせていただきます。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。事務局で何かございますか。
【北川管理官】  ありがとうございます。私も、独法の制度改革とかにも携わっておったときがありまして、研究開発というものの難しさ、そういうものに定量性やら何やら、数値や、ぎりぎり言っていくことのある種のナンセンスさということは、もう大分議論させていただいて、身に染みてわかるところでございます。
【栗原委員】  できるだけ定量的にということも、それから、定量的なのがいいのかですけれども、できるだけわかりやすくということはあると思いますので、わかりやすい場合を例えば総務省の委員会から提示していって、こういう場合、一般の人が見てわかりやすい良い例だとか、そういうものをシェアしていくということもあるのかなという感想を持っております。
【北川管理官】  ありがとうございます。要は、研究開発においても、PDCAやら中長期での目標管理というのをどうフィットさせていけるかというところにあると思いますので、数字、数字と言うのではなくて、本心に沿っていろいろ考えていきたいと思います。
【栗原委員】  ただ、それをやっぱり提示しなくちゃいけないということは、そのとおりだと思いますので。
【樫谷部会長】  岡本委員。
【岡本委員】  私もこの第3ユニットの議論に参画していないので、こういう言い方ができないのかもしれないですけど、今の栗原先生がおっしゃった研究開発マネジメントをどう評価するのかという議論は、正直ベースで申し上げると、研究開発に携わっていない第三者、しかも我々のような研究者じゃない立場の人間が、研究開発の中身に対して何を言うべきなのかがすごく疑問であるし、悩みだと思うんですね。
 他方で、先生がおっしゃったように、研究者ユニット……、研究者村と言うのでしょうか……。
【栗原委員】  それはわかりにくいだろうという……。
【岡本委員】  研究開発をやっていらっしゃる方々しかわからないようなものに対して、税金をなぜ投入するのかという説明は、やはり続けていただかなければいけなくて、それを我々が見てわからなければやはり国民はわからないという判断を我々はすべきだろうと思い、そういう観点からの研究開発マネジメントに対する評価といいましょうか、モニタリングといいましょうか、それをどのようにしていくべきかは、やはり考えなければいけないし、実際そうできていないと思うんですね。そこをやらないと、この委員会の意味があまりないのかなと、答は持っていないのですけれど、意向としては強く思っています。
 栗原先生も私も文部科学省の委員会に属していますけれども、あそこの中で議論を見ても、やはり分野の違う先生方からの意見はなかなかわからないというのが、研究開発に携わっている方々の正直な意見なので、やはりそのあり方というのはどうしていったらいいのかなというのは、やらなきゃいけない問題だと思っております。
【栗原委員】  そういう意味では、やはりわかりやすい例に対して、これはわかりやすいと言っていただくのもいいでしょうし、具体的であることはやはり大事だと思います。指標もなるたけ活用しつつということもありますし、指標はリスキーだという議論も一方にあるわけで、丁寧にやっていくしかないという結論になってしまいます。ここの今回の項目数の多さからは、そういう意味では丁寧にやったと言えると思いますが、最終的には、やはり現場から乖離したらあまりよくないだろうとも思います。ですから、今後は理事長のリーダーシップを非常に強くということもありますので、どのように最大化を図っていくのかという視点が出され、その結果こういう成果があったというようなことも、実際にやっている事業の推進と成果でわかりやすい例というのを提示していけるのではないかと思うのです。ほかの先生はいかがですか。
【岡本委員】  先ほど第2ユニットのところでちょっとコメントを申し上げましたけど、やはり政府側がどこまでの研究開発をこの期間で、どの程度まで望んでいるかというのはやはり明示すべき。そこがわかりにくくなっていれば、もう評価のしようがないように思うので、そこはやはり中長期目標の中にしっかり書くべきだろうと思います。ただし、それをどうこなしていくかというところまではあまり束縛はしないほうがいいとは思います。、本来の研究の現場の裁量といいましょうか、というのに任せるべきだろうとは思います。具体的にどうしていったらいいのかは、やはり個々に見ていかないといけないというのが先生の個別の議論であると私は思っているんですけど。
【栗原委員】  そうなると、目標のところには、例えば幾つものテーマが同時に1つ大きな課題の中でやられているような場合に、1つのどこまでやるのかというのは、そんな簡単には簡略化しては書けないわけで、そうだと、計画の中に書いたほうがいいのかもしれないですし、計画でも書き切れなければ、こういうふうに中でマネジメントしていますということでも、例示があればいいのかもしれないと思うんですけれども。
 これは、ここで議論すると多分……。
【樫谷部会長】  なかなか難しい。
【栗原委員】  結構時間がかかってしまうことなので。
【樫谷部会長】  言えるのは、同じ研究開発法人でも、研究の中身によって相当違うと思うんですよね。
【栗原委員】  そうなんですよね。
【樫谷部会長】  我々は評価をしなければいけないので、何か目標を出してもらわなければいけない。そのときに、やはりむしろ研究開発法人それぞれ、あるいは研究ごとにというか、ある程度まとまりごとに、やっぱりこれぐらいは期待しているよというのは多分、発注側といいますか、目標設定側にあると思うので、それなしにだらだら出しているはずがおそらくないと期待するので、やっぱりここまでぐらいは中長期目標期間でやってよね。ただ、達成するかどうかは、また正直言ってわからないんですけど、何かそういうものは出していただかないと、だらだらやっているのかなというようなことを国民が誤解したらいけないのでね。そこは、何かこれぐらいは期待しているよという指針というか、目標というか、目安というか、何か欲しいような気がしますが、それがマイルストーンというのか、ロードマップというのか、そんなようなことかなと思うんですけどね。
【栗原委員】  ですから、あとはどこにどういうふうに書いていくのかということもあって、それを大くくりにしたときに、どういう表現だったらわかりやすいかということですね。
【樫谷部会長】  ええ。それは我々も考えなきゃいけないし、各評価を受ける独法なり研究開発法人のほうも、自分を評価してもらわないと……。多分、正しい評価をしてもらわなきゃいけないと彼らは思っているでしょうから、できればそういう、これのほうがいいよと言っていただくようなことも、議論の中でしていくのもいいのかなと思っております。
【栗原委員】  はい。
【樫谷部会長】  これは、研究開発に限らず、いろんな事業モデルがあるわけですね、独法といっても。それごとにやはり画一的じゃないと思うんですね。それぞれ事業ごとに違うので、ひょっとしたら評価を受ける独法が一番知恵を持っているかもわからないので、そういうことを各省と独法とこの委員会とで議論しながら、いいものをつくれればいいかなとは思うんですけどね。なかなかおっしゃるとおり、「はい、これです」というのはないので、この評価なのかPDCAサイクルかもわかりません。
【岡本委員】  1つだけよろしいですか。
【樫谷部会長】  はい、どうぞ、岡本委員。
【岡本委員】  文部科学省は研究開発法人が多いということで、あえてこういう質問をするのですが、1つ気になりますのは、法人の長のリーダーシップのもと何々するということがよく書かれているし、そのとおりだと思います。ただそれをどう評価するのかということが、それぞれの法人の中で具体的に構想されていましたでしょうか。そのリーダーシップを、俗人的ではなくて、いわゆる組織に根づいたというか、科学的にどのように評価するかということを構想されているようなところはございましたか。
 うたい文句で、「法人の長のリーダーシップのもと何々を実施し」というのがよくあると思うんですけど、じゃあ、それぞれの法人の中において、どう具体的にリーダーシップを発揮していたのか、それをマネジメントの評価として評価しなきゃいけないと考えます。
【栗原委員】  例えば、NIMSの初代の理事長が研究者のアクティビティーを全部数値化して順位をつけた事例とか。そういうのはどこでもやったことがないことだったんですけど。初代理事長は、そういう数値化には当てはまらない研究者は、5%とおっしゃったか10%とおっしゃったかわかりませんけど、何%かいるので、リーダーとしては、それは気持ちにとめなければいけないけれども、大分部の人はそういう形でアクティビティーをはかって、なるたけそのアクティビティーを上げていくことがいいことだというようなことでなさって、NIMSは論文数も含め、アクティビティーがすごく上がってきたということがありまして、すごく印象に残っております。
【岡本委員】  そういう具体的な事例で挙げていくということが必要かなと思います。
【樫谷部会長】  そうですね。理事長のマネジメントを評価していっても、理事長はどうやってマネジメントしているんだと、何かを見て、何かを評価してマネジメントしているわけですから、そこについて我々は知りたいので、全然違う、評価のための評価をしたいわけではないので、理事長がどういうマネジメントをしたいのかと、何を見てマネジメントをしているのかというようなことも、よく議論する必要があるのかもわからないですよね。
 よろしいでしょうか。
 それでは、次に、各ユニットに横断的な共通事項の議論に入りたいと思います。事務局からご説明をお願いしたいと思います。
【新井管理官】  それでは共通指摘事項について説明します。あらかじめユニットの場でもご説明を差し上げておりますので、ポイントを絞ったご説明とさせていただきます。昨年11月の委員会意見では、この36法人についての共通の指摘を行いました。現在、目標案についての精査を進めておりますけれども、事務局において、委員会として各主務大臣に共通する意見として述べていくことも適当ではないかと考える内容として整理したものを、ご説明したいと思っております。
 各法人の個別的な事項は別途ご説明をしたところですけれども、今日は全体の傾向と対応の方向性をご説明します。
 まず、第1の柱ですが、昨年の委員会意見が反映されているかという視点でのチェックです。第1に、統合効果の最大限の発揮というところですが、これについては、現時点の反映状況は、統合されるのは7法人あるのですが、○は3つ、△が4というところで、多くの法人は反映されておりますけれども、マネジメント体制を機能させるための具体的取り組みが記載されていない法人もあります。
 したがいまして、統合法人につきまして、この意見というものを新目標案に反映させるとともに、目標策定指針に基づきまして、一体的マネジメント体制を機能させるための具体的取り組みについても明記する必要があろうかと思います。
 第2に、国の政策における位置づけの明確化です。これにつきまして現時点での反映状況は、全体で28法人あるのですが、そのうちの○は7、△が17、×というのが4つあります。やはり独法というのは国の政策の実施機関でありますので、目標策定指針に基づきまして、国の政策における法人の位置づけ、ミッション、国の政策との関係を新目標に明記することが必要と思っております。民間企業の経営では、いわゆるTQM、全社的品質管理という概念もありますので、これと同様の発想で、法人の事務事業も国の政策体系の中で整合的に位置づけていく必要があると思っております。
 第3に、アウトカムの明確化であります。これについては、28法人のうち○が6、△が18、×が4ということで、これもまだ引き続き議論が必要です。定量的目標がない法人、目標水準がまだ安易と考えられる法人、研究業務に係る評価軸、関連する指標等について、現在作成中となっているものにつきましては、この新目標案に反映をしていく必要があろうと思いますので、目標策定指針に基づきまして、具体的・定量的な目標を定め、かつその水準を法人の努力を促すことが期待される水準とする必要があろうかと思います。特に研究開発法人につきましては、先ほども出ておりましたように、やはり具体的、明確な目標設定ということが必要だと思いますし、また、目標策定指針に基づきまして評価軸、あるいはそれに関連する指標等を設定して、これらを新目標に明記していくということが必要かと思っております。
 第4に、組織運営・ガバナンスの適正化です。これは、内部統制システムの整備などですが、現時点では○が2、△が26ということで、×はさすがにないのですが、やはり内部統制システムが機能するというところの具体的取組みの記載が不十分な法人、あるいは過去に不祥事案が発生しているものの、まだ再発防止を含めた取り組みの記載が不十分な法人が見られております。
 したがいまして、法人の長のもとでPDCAサイクルを機能させていくためには、独法の業務の適正化を確保するための体制整備を、これは総務省から別途示している内部統制指針に具体的取組を示していますので、これに基づく運用を確実に図っていただくため、内部統制の整備、それから、その具体的取り組みについて、新目標に明記をする必要があろうかと思います。
 それから、内部統制以外にも、やはり人材登用ということで、クロスアポイントメントなどの制度を適切に導入・活用しながら、人事管理を進めていくことが重要というところです。これも法人の長のリーダーシップを組織内で貫徹させていくという意味で、先ほどのTQMにもかかわってくるものだと思います。
 第5、財務内容の改善ですけれども、これは、繰越欠損金の処理などを指摘しております。これは、○が6、△が22ということで、管理会計の手法、あるいは、自己収入増加措置、そういったものの具体的記載がない法人が見られます。したがって、管理会計の手法の活用は、財務運営の一つのポイントになろうかと思いますところ、こうした着実な会計処理に係る取り組み、または自己収入増加措置について、具体的に明記する必要があります。
 これらに言及しているほかにも、調達合理化ですとか共同調達、間接業務の共同実施など、そういった既往の閣議決定に基づく取組みは目標に定めるとともに、引き続き実施をしていく必要があるものだと思います。
 次に2つ目の柱ですが、目標策定指針との整合性についての点検状況です。これは3つありまして、第1に、一定の事業のまとまりの設定です。これは、目標策定指針に基づきましてその設定をしていただくのですが、一部の法人ではあまりにも細分化されているなどの、趣旨が十分反映されていないものもありますので、指針に基づきまして、評価に際して、原則、評価単位となる適切な単位を設定し、それから、どれが一定の事業等のまとまりなのかわかりやすく新目標に明記する必要があります。
 第2に、重要度、優先度、難易度です。これは、大部分の法人は、記述はあるのですけれども理由が明確でないとか、全てについて漫然とも言えるような難易度を設定しているようなものもあります。これらはメリハリのある評価、あるいは長がマネジメントするために必要なものですので、特に重要度等が高いものに付す、あるいは理由を書くといったところをお願いしたいと思います。
 最後、第3は、定量的な目標・指標の水準の設定です。これは、大部分の法人が定量的な目標・指標を設定するに当たっては、過去の実績を基準として策定しているのですが、やはり新規事業など過去の業務実績を反映することは難しいものがあります。あるいは、期中でいろいろな予算・人員の変更ということで、当初の想定から業務実績に乖離が生じる場合もあります。こうしたものに適切に対応できるよう、実績に乖離が生じた場合には目標の見直し、又は評価の際の妥当性の検証を行うということを付言しております。
 以上です。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまご説明いただきました共通事項についてご意見などがございましたら、ご発言をお願いたいと思います。また、この件に限らず、これまで1年間を通じた委員会の活動につきまして、ご意見がございましたらご発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 はい、原田委員、どうぞ。
【原田委員】  先ほどのほかのユニットのご報告を聞きながら思ったのですが、例えば、主務大臣と各独法との役割分担であるとか、あるいは研究開発の場合の最終的な数値目標であるとか、何というのでしょうか、関係者間ではわかっているんだけれども、なかなか他に伝えてもわからないだろうと思っているのか、あるいは、君たちはわかっているはずだということなのか、要は暗黙知のようなものが厳然としてあって、それをできる限り、先ほどの栗原委員のお言葉をかりると、わかりやすくというのでしょうか、そういうことを明示して、意図的に示していくということが全般的に必要なのかなという気がしています。説明してもどうせわからないだろうではなくて、わかりやすく伝えるとすればどうすればいいだろうかということが各法人で考えられて初めて、先ほどの研究開発のPDCAということがようやく回り始めるのかなと思います。
 ぜひ各法人と主務大臣との暗黙知、あるいは専門家集団のネットワークの中での、これはわかっているだろう、伝えてもしようがない、あるいは伝わるはずがないというようなものがないような形で、できる限りわかりやすく国民に説明責任を尽くしていただくということが全般的に必要なのかなというのが、ほかのユニットの報告を聞きながら感じたところです。
 以上です。
【樫谷部会長】  ありがとうございます。よろしいですか。
 ほかにございますか。
 おっしゃるとおりあれですかね。専門家、私も会計士ですので、会計の専門用語を使って話したら、会計士同士は非常にわかりやすいのですが、そうでない方と話をすると、宇宙人だとか言われますので、この目標とか評価は、あくまでも国民の目線から評価しなければいけないので、その国民の目線からちゃんと評価がわかるようにしておかないと、専門家だからわかるだろうと、当然わかっているはずというのはほんとうに困るので、ぜひそういう観点から具体的に書いていただくとわかりやすい。素人と言うとおかしいですけど、全部がわかるという人はなかなかいないかもしれませんけど、そういう観点からぜひ議論していただくといいなと思います。
 よろしいですか。
 じゃあ、私のほうから2点ほど申し上げたいと思いますが、ご説明いただきました中にもありましたけれども、管理会計の活用についてということと、それに関連して一定の事業のまとまりについてというのがあります。管理会計の活用につきましては、一部の法人につきまして、目標が明示されていないものがありました。独法会計基準におきましては、一定の事業のまとまりごとにセグメント区分をすると言っております。セグメントを構成する評価単位ごとに、インプット情報とアウトプット情報を両方把握する仕組みを構築して、そこで予算管理を適正化してやるということであります。
 また、今般の独立行政法人改革におきまして、政府全体の方針として、全法人に管理会計の活用が求められたと。これは閣議決定でもされております。そういうことを踏まえれば、管理会計の活用につきまして、目標に記載するというのは当然だと思いますけれども、さらに、法人において、管理のツールとしてこういうようなものを使っていただくと。国民に見せるのも大事ですけれども、管理のツールとして、マネジメントの一環として、こういう管理会計をつくっていただいて、管理ツールとしての十分な機能が活用されるように工夫していただければいいかなと思っております。
 それから、一定の事業のまとまりについてですけれども、やはり管理会計と同じように、一定の事業のまとまりについてが、目標の中で明確に読み取れないという法人が一部ありました。管理会計の活用とも関連するのですけれども、目標指針においては、一定の事業等のまとまりごとに目標を策定するとされております。独法会計基準におきましても、一定の事業等のまとまりをセグメントとして区分すると整理されております。これは、評価と会計の連携を図るということが重要との認識が根底にあります。
 このように、一定事業等のまとまりが何であるかは、財務情報を用いた評価を実施するに当たり非常に重要な情報であることから、目標に一定の事業のまとまりを明示することが望ましいというか、ぜひしていただきたいなと思います。
 以上であります。
 事務局から何かございますか。
【新井管理官】  今の部会長からありました管理会計の活用の話、それから、事業のまとまり、これは今、横串的に共通指摘事項の議論をしておりますが、最終的にまた次回委員会に向けまして、各省との議論の結果を整理しまして、委員会としての見解といいますか、そういった点を整理してまいりたいと思います。
 それから、先ほど原田委員のほうのからも、わかりやすくというところ、具体的にというところ、これも先ほど来出ております目標ですとか指標といったものの、どういう考え方でやっているのかとか、そのほかにもいろいろなそういった説明の項目があろうかと思いますが、そういった点について、それぞれのユニットでご議論いただいてきたわけですけれども、最後、また事務局のほうでも詰めていくに当たりまして、そういった視点を、個々の法人ごとにもそうですし、また共通的な指摘の中でも、そういったところに留意した形でメッセージを出せるようにしてまいりたいと思っております。
【樫谷部会長】  よろしくお願いいたします。
 じゃあ、よろしいですか。
 はい、どうぞ。岡本委員。
【岡本委員】  今の共通指摘事項について、こういう意見を部会というか委員会で出すのはいいと思うんですけど、これを受けた法人側が対応できるのかなと。実際に、我々としては意見を出せばいいんでしょうけど、それを受けた側がどうなるのか。例えば、アウトカムが測定できる定量的な目標設定を行うべきと我々が指摘をして、独法がどう受けるのか。内部統制を構築すべきと言って、どうしていったらいいかわからない。そんなことってないんでしょうか。私、その辺がちょっと気になっていて、実際に内部統制を構築できるんですかというような素朴な質問が仮にあったとしたら、それはできるということがわかっているから、こういう指摘を出しているんだということなのか、あるいは、そこまではわからないけれども、こうすべきなのでつくれと言っているのか。これはどういうふうなスタンスでこういうこと……。私は、こういう方向で行くべきだと思っているんですけど、実際にそんなのつくれるのかと、どうつくっていったらいいんだというような話というのはありませんか。
【樫谷部会長】  何かありますか。
【新井管理官】  今の岡本委員のご指摘ですが、例えば内部統制の話にしても、共通指摘事項として整理して意見を出すに当たりましては、当然、それぞれの法人で実現できるようにお願いをしていくということで考えております。単に総論で抽象的に議論しているというよりは、各省にもお示ししながら、それぞれの法人での適応というところも含めて議論していきたいと考えております。
 先ほど申し上げた内部統制の指針や、あるいは目標策定指針ですとか、こうしたものに基づく取組を進めていくに当たっては、やはりそれぞれの法人の実情ですとか、は委員会で出された指摘を踏まえて、それを具体化していくという形でよく各省と議論をして、各省・法人においてきちっとやっていただくということが基本的な前提と考えております。中にはもうできているものと、より頑張っていただくところと、まだ段差はありますので、引き続きそこは議論して、最終的には全体の足並みがそろうように持っていくという考え方であります。
【岡本委員】  よろしくお願いいたします。
【樫谷部会長】  内部統制については、しゃくし定規に全て同じパターンをやれというのではなくて、それこそ事業の状況、あるいは規模において一番適切なものを指向してやっていくんだと。ただ、この内部統制の整理も、実はPDCAサイクルなんですよね。完璧なものを最初につくっても、でも、そのときに完璧でも、来年はもう違うかもわからないので、それは完璧なものをつくる努力を状況に応じてしていくと。それをよく見ていくのが大事なのかなと思います。
 アウトカムについては確かに難しいものもあるんですけど、でも、やっぱり何か意識していただかなきゃいけないことも事実なので、そこはどういう書き方……。数値目標で書けないとしたら、何かこんなものをやるために今やっているんですみたいなことを書いていただくと、我々もわかりやすいですよね。書けるならば書いていただきたいと。
 よろしいですかね。
 すみません。それでは、議題1の審議はこの辺で終了したいと思います。
 本日ご議論いただきました新中期の目標案のご意見につきましては、本日のご意見を踏まえまして、事務局で各省の協議を経て、各ユニットの委員の先生にご相談し、その結果を委員会に報告したいと思います。
 また、委員会の活動につきましては、本日いただいたご意見を含め、この1年間の活動を整理し、来年に向けて共有することが重要と考えております。その整理について、委員長や委員の皆様方にご相談しながら、22日の委員会に報告したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、次の議題2ですけれども、役員の業績勘案率についての審議に入る前に、傍聴者の方にはご退席をお願いしたいと思います。
(傍聴者退室)

【樫谷部会長】  よろしいでしょうか。
 それでは、議題2、役員の業績勘案率の点検につきまして、審議を行いたいと思います。
 では、事務局からご説明をお願いしたいと思います。
【方企画官】  資料をごらんいただけますでしょうか。
【樫谷部会長】  はい、どうぞ。
【方企画官】  一覧ということで、府省から通知のあった業績勘案率という資料になっていると思います。今日の部会におきましては、書いてございますように、総務省所管2件、財務省所管7件、厚労省所管3件、農林水産省所管6件、環境省所管1件、計19件についてご審議いただきたいと考えております。
 なお、本件につきましては、各ユニットにおきまして、本部会に先立ち、既にご審議いただいた案件でございます。
 それでは、資料をお開きいただきますでしょうか。
 厚生労働省の国立重度知的障害者総合施設のぞみの園は、施設内で障害者虐待防止法に言う虐待ということが疑われる事案が発生し、さらに、当該事実について速やかに市町村、この場合高崎市となっておりますけど、市町村に通報しなかったことを重く受けとめまして、0.2の減算としているものです。
 次に、下のほうへ行っていただきまして、農林水産省所管の国際農林水産業研究センター、この事例につきましては、必要な検査を受けずに小麦種子を輸入した植物防疫法違反や、正規の会計手続を行わないで業者に物品を納入させ、後日、虚偽の内容の関係書類により一括して支払う等の不適正な経理処理事案を行っていたというものがありましたことを、理事としての指導的役割が不十分、次の監事につきましては監事としての対応が不十分ということと判断し、0.1の減算をしております。
 次に、森林総合研究所の3名でございますが、この事例も、先ほどの国際農林水産業研究センター同様、いわゆる預け金等による不適正な会計処理が行われていたということで、これは国民の信頼を著しく損なう行為であり、内部統制上の責任を考慮して、全員の0.1の減算としているところです。
 なお、上記いずれにつきましても、新聞等での報道がなされた案件でございます。
 それでは、次をごらんいただけますでしょうか。
 参考1としてごらんいただいておりますのは、総務大臣決定でございます、独立行政法人の役員の退職金に係る業績勘案率の算定ルールでございます。業績勘案率は、ここに書いてございますように、主務大臣が決定するという制度になっております。業績勘案率は、本ルールに基づきまして、このルールの中では、平成25年度以前の、いわゆる現在の評価制度が入る以前の勘案率につきましては、1.0を基本とするという仕組みとしておりまして、一方、評価指針が適用後になっております平成26年度以降については、年度評価の評定をもとに計算し、両数値を加重平均して算定する仕組みになっております。
 また、そのように計算された数値につきまして、役員の法人に対する特段の貢献が認められる場合の加算であるとか、組織的な法令違反や組織体質に起因する内部統制の欠如、不祥事等の場合の減算、あるいは業績の著しい悪化や法人の解散等の結果を招いた場合の支給の可否そのものについての判断など、考慮すべき事情等について反映の上、最終的な業績勘案率を決定するということになっております。
 委員会の責務でございますけれども、3.通知手続その他というところに記載がございまして、その(2)でございますけれども、委員会は、主務大臣から業績勘案率の決定について通知を受け、まず、算定ルールに沿った算定がなされているか――これは計算が合っているかどうかということでございますが――という点、算定の根拠となっている年度評価の評定自体が著しく適正を欠いていると判断されたものではないかという点、さらに、考慮すべき事実が反映されているかという点、最後に、考慮すべき事実の反映の程度が不十分となっていないか、この4つの観点から審議し、意見を述べることになっております。
 既にユニットにおかれましては、以上4つの観点からご審議をいただき、事実の反映の程度については、いずれの事案も過去の政独委の審議結果等と照らし合わせ、減算の程度が不十分と考えられるものはなく、特段の意見はなかったとの報告をいただいているところです。
 私からは以上です。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。
 ただいまのご説明につきまして、何かご意見、ご質問ございませんでしょうか。
 一応、各ユニットの先生方に事前に内容を精査していただいておりますけれども、いかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、この案件につきましては、特段の意見はなしということで、処理させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、そのように整理させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 最後に、議題3、その他、今後の日程につきましてのご報告をお願いしたいと思います。
【新井管理官】  次回の日程ですが、2月22日、月曜日、14時から委員会を開催します。委員会終了後に部会を開催する予定となっております。委員会の案件は、本日ご審議いただきました新中期目標案についての意見案等の審議ということ、それから、先ほど部会長からご指示がありました、次年度の取り組み課題につきましてご審議いただくということで、こちらについては、また取りまとめまして、各委員の皆様にはあらかじめお送りを差し上げたいと思っております。
 場所は、本日同様ここで開催をいたします。詳細はまた追ってご連絡いたします。
 以上です。
【樫谷部会長】  ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、独立行政法人評価制度委員会評価部会の第5回会議を終了したいと思います。
 本日はご多忙の中、ご出席を賜りましてありがとうございました。

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