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第22回独立行政法人評価制度委員会 議事録

日時

令和元年8月2日(金)14時15分から16時まで

場所

中央合同庁舎2号館9階 第3特別会議室

出席者

(委員)野路國夫委員長、樫谷隆夫委員長代理、天野玲子委員、梶川融委員、金岡克己委員、
栗原美津枝委員、高橋伸子委員、中村豊明委員、浜野京委員、原田久委員、河合晃一専門委員

(事務局等)三宅行政管理局長、吉開官房総括審議官、辻管理官他

議事

1. 会計検査院報告について(報告)
2. 平成30年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価等の点検について
3. 令和元年度に中(長)期目標期間が終了する法人に係る調査審議の状況について
4. 監事との意見交換【非公開】


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議事録


【野路委員長】 ただいまから第22回独立行政法人評価制度委員会を開会いたします。
本日、一つ目の議題に入ります前に、この7月に事務局において交代がありましたので、一言御挨拶をお願いしたいと思います。
【三宅局長】 7月の人事異動で行政管理局長を拝命しました三宅でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【吉開総括審議官】 7月5日付で官房の政策立案総括審議官を拝命いたしました。行政管理局に併任がかかっておりますので、引き続きこの独立行政法人評価の関係は担当させていただきます。よろしくお願いいたします。
【野路委員長】 ありがとうございました。
それでは、議題1について、事務局から説明をお願いします。
【辻管理官】 それでは、先週7月26日(金)に会計検査院から国会及び内閣に対し提出されました「独立行政法人改革等による制度の見直しにかかる主務省及び独立行政法人の対応状況について」の報告書に関して御説明いたします。
本報告書は平成25年12月に閣議決定されました「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」を受け、独立行政法人通則法の改正や独立行政法人会計基準等の改定が行われるなど、一連の独法制度改革の取組の状況を踏まえまして、会計検査院が、主務大臣の目標策定及び評価の状況並びにセグメント情報等の評価への活用状況、それから経営努力の促進等に係る取組状況及び内部統制、ガバナンスの強化等の状況について、全ての法人、主務省に対して横断的に検査を行い、その状況を取りまとめまして、会計検査院法第30条の2の規定に基づき、衆参両議長及び内閣総理大臣に対して、報告したものでございます。
報告書の内容でございますが、会計検査院の検査状況及びそれを踏まえた所見のポイントにつきましては、大きく分けて3点ございます。まず1点目でございますが、法人の自己評価及び主務大臣評価に関する検査及び所見でございます。会計検査院の検査の結果、自己評価及び主務大臣評価について、中期目標等に定めた「一定の事業等のまとまり」を細分化した単位での評価を行っているだけで、「一定の事業等のまとまり」の単位での評価を行っていない法人が一部見受けられたとの報告がなされております。また、主務大臣評価においては、決算額と予算額の差異の理由を踏まえた評価等の明確な記載が見受けられず、インプット情報を活用しているかが確認できない状況となっていたとの検査結果が報告されております。これを踏まえまして、「一定の事業等のまとまり」の単位で評価を行っていない法人及び主務大臣は、細分化した単位で評価を行う場合であっても、「一定の事業等のまとまり」の単位での評価を行うこと、また、主務大臣は、成果に対して要したインプットに係る評価についても適切に主務大臣評価書に記載し、評価の実効性を確保することといった所見が述べられております。
次に2点目でございますが、経営努力の促進等に係る取組に関する検査及び所見でございます。独立行政法人の管理運営に当たっては、法人の長のマネジメントによる政策効果の最大化、経営努力の促進等が効果的なものとなるよう、法人の長が収益化単位の業務ごとに財務情報を適切に把握することが重要であると考えられますが、会計検査院の検査の結果、法人の長において事業年度途中における収益化単位の業務ごとの財務情報を把握していない法人が見受けられたとの検査結果が報告なされております。これを踏まえ、法人の長が事業年度途中における収益化単位の業務ごとの財務情報を把握していない独立行政法人においては、法人の長の事業年度途中における収益化単位の業務ごとの財務情報の把握の必要性等について検討することとの所見が述べられています。
最後に3点目ですが、内部統制・ガバナンスの強化等に関する検査及び所見でございます。会計検査院の検査の結果、各法人のリスクマネジメント等に関しまして、リスクの識別から対応までの進捗状況についてみると、リスクの識別の作業が未着手の段階の法人、それからリスクの識別から対応までの作業を行っている途中段階の法人、それからモニタリングが実施できる段階の法人のそれぞれがございまして、進捗状況に差がみられる状況となっていたとの検査結果が報告されております。これを踏まえ、未着手段階法人においては、法人の長のリーダーシップの下、早期にリスクの識別から対応までの作業に着手し、途中段階法人においては、モニタリングが実施できる段階まで早期に作業を進めること。また、実施段階法人においては、モニタリングの結果等を踏まえ、目標の設定に反映させていく取組を引き続き適切に実施していくこととの所見が述べられております。
会計検査院の報告書の概要につきましては、以上でございます。
【野路委員長】 ありがとうございました。
続きまして、議題2について、事務局から説明をお願いします。
【辻管理官】 毎年の取組でございますが、今年度も8月には各主務大臣の下で年度評価等が行われ、公表される予定となっております。これらの評価結果につきましては、独立行政法人通則法において、委員会は、「評価の実施に関する重要事項を調査審議し、評価の実施が著しく適性を欠くと認めるときは、主務大臣に意見を述べること。」とされているため、委員会で点検を行っております。今年度の点検については、作業を進めていくに当たり心得ておくべき事項につきまして、6月28日に開催された評価部会におきまして、部会としての考え方をお示しいただいたところでございます。
【野路委員長】 それでは点検を進める観点について、樫谷評価部会長から御発言があるとのことですので、お願いします。
【樫谷委員】 今年度の点検の観点につきまして、6月の評価部会において確認した部会としての考え方を申し上げます。
3月に指針が改定されたところですが、指針の見直しを議論する中で、評価が実際に法人の業務運営やマネジメントに十分に活用され、法人の業務の改善につなげられていることが重要であるとの認識を、改めて持つに至りました。そこで委員会としては、例年同様、評価の点検はしっかりと行う一方、点検を行うだけではなく、今般の指針改定の趣旨を踏まえ、評価が法人のマネジメントの改善等に活用されている好事例を把握・発信し、横展開につなげていくことが必要であると考えております。
まず評価の点検に関しましては、委員会としてはS、A、B、C、Dといった評定の結果自体に重きを置いているのではなく、評定を付すに至った判断の根拠、理由等が合理的かつ明確に説明され、主務大臣において、評価結果によって判明した法人の業務運営上の課題や法人を取り巻く社会経済情勢の変化などを踏まえた業務及び組織の見直し等の対応が行われることが重要と考えており、こうした観点から、点検を行うことが必要であると考えております。
このため、評定を付すに当たっては、なぜその評定に至ったのかの根拠を適切に説明することが必要だと思います。評定はBが標準ですので、A以上の評定を付す場合には、まず所期の目標を上回る成果を得られていると認められること、又は難易度を高く設定した目標の水準を満たしていることが具体的根拠として説明される必要があると考えています。また、C以下の評定を付す場合には、評定書において改善に向けた取組方針又は具体的な改善方策が記載され、明らかにされていることが必要であると考えています。このほか重要度等に応じて、メリハリのある適切な評価が行われているかなど、指針改定の趣旨を踏まえた点検を行うことも必要であると考えています。
一方、好事例の把握・発信に当たっては、指針改定の観点から、評価が法人の業務改善にどのようにつながっていくのか、中長期的にフォローアップを行うことが必要であると考えております。その結果につきましては、委員会の場などで折に触れて紹介をしていく必要があると考えています。加えまして、先ほどの議題1にて説明がありました、会計検査院報告にも留意して点検してまいりたいと思います。
【野路委員長】 ありがとうございます。
ただいまの御説明のとおり点検を進めることについて、委員の皆様、よろしいでしょうか。
(「意見なし」の声あり)
それでは、ただいまの御説明のとおり、点検を進めていくこととします。こうした点検の結果については、委員会の場で事務局から報告するようにお願いしたいと思います。
次に議題3について、まず樫谷評価部会長から御説明お願いします。
【樫谷委員】 それでは、私から経済産業省が所管をいたします経済産業研究所、RIETI、それから工業所有権情報・研修館、INPIT、及び産業技術総合研究所の3法人につきまして、これまでの議論の状況を紹介いたします。これらの法人については、6月に主務省からヒアリングを行い、RIETIとINPITにつきましては、7月に法人役員との意見交換を行ったところです。
まずRIETIについて紹介いたします。本法人は経済産業政策のシンクタンクとして、内外の経済・産業に関する事情や経済産業政策に関する基礎的な調査・研究等を行うとともに、その成果を活用した政策提言等の業務を行っています。もともと経済産業省の内部組織でしたが、中立的な立場で政策提言を行うため、平成13年度に独立行政法人化しています。
本法人につきましては、これまでに実施した主務省及び法人役員へのヒアリングにおいて、経済産業政策の立案のための政策提言を行うほか、政府全体の課題解決に資するエビデンスの提供等も行うなど、省庁横断的な調査・研究業務を行っている点は評価できるが、主たるミッションや想定される支援対象等が分かりにくく、具体的成果等の評価が難しいという議論がまずありました。次に研究成果を政策提言に活用するだけではなくて、社会実装に寄与する取組にも活用していくことを期待するとの議論もありました。それから主に経済学の知見をベースにした研究(実証計量分析)を行っているが、経済学以外の知見も積極的に取り入れるなど、学際的な実証研究を推進してはどうかとの議論もございました。最後に理事が不在の期間があるなど、法人のガバナンスに問題があるのではないかとの議論がございました。
続いてINPITについて紹介いたします。本法人は工業所有権の保護及び利用の促進を図るために、産業財産情報の提供、知的財産の権利取得・活用の支援、知財関連人材の育成等を三つの柱として業務を行っています。本法人につきましては、これまでに実施した主務省及び法人役員へのヒアリングにおいて、国際標準化も含めた政府の知財戦略において、INPITが具体的にどのような役割を担い、成果に貢献しているのかが分かりにくく、特に特許庁との関係がよく分かりにくいため、評価することが難しい部分があるとの議論がまずありました。次に地方の中小企業等における知財の取得・活用の支援のため、47都道府県に「知財総合支援窓口」を設置しているが、地方公共団体の知的財産総合センターなどにも同様の相談窓口が設けられており、それらとの役割分担や連携の状況はどうなっているのかとの議論がありました。それから地方の大学や中小企業等が、知財を活用して社会実装や起業につなげるための支援を更に推進するために、新たに「知財を活用した事業成長・イノベーション創出支援」を四つ目の柱として取り組もうとする姿勢は極めて評価できるとの議論がありました。
最後に産業技術総合研究所について、紹介いたします。本法人は、鉱工業分野の研究開発などを行う法人です。特に、産業技術政策の中核的実施機関として、革新的な技術シーズを事業化につなぐ「橋渡し」の役割を担うことが期待されています。なお、平成28年から、世界最高水準の研究開発成果の創出が見込まれる研究機関として、理化学研究所及び物質・材料研究機構と並び、特定国立研究開発法人に指定されています。本法人につきましては、これまで実施した主務省へのヒアリングにおいて、主務省として産業技術総合研究所が特定国立研究開発法人であることも念頭に、今後法人にどのような役割を担わせようとしているのかとの議論がありました。次に世界最高水準の研究開発を担うとともに、中小・ベンチャー企業等の支援を行うなど、多岐にわたる業務を行う中で、法人のミッションを整理する必要があるのではないかとの議論がありました。それから基礎研究から応用研究・実用化までの橋渡しを一層効果的に行うために、「橋渡し」の両岸である大学等の研究機関や中小・ベンチャー企業等の組織強化に、もっと力を入れるべきではないか等の議論がありました。なお、こうした議論を踏まえ、今月に理事長をはじめ法人役員との意見交換を行う予定です。
御紹介した3法人については、今後これらの論点や、主務省が行う見込評価及び業務等見直しの内容等を踏まえて、次期目標の内容について、主務省と議論を深めていきたいと考えております。
以上でございます。
【野路委員長】 続いて、第2ユニットの状況について、栗原委員から報告をお願いします。
【栗原委員】 それでは、私から日本医療研究開発機構(AMED)及び年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)について、これまでの議論の状況を紹介いたします。これら2法人についても、6月に主務省にヒアリングを行い、AMEDについては、7月に理事長との意見交換を行ったところです。GPIFとの意見交換は来月に予定しております。
まず、内閣府の所管法人でありますAMEDについて、紹介いたします。AMEDは文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省の医療分野に係る研究開発を集約して、基礎から実用化までの研究開発を一貫して推進する法人として、平成27年度に設立されました。目的と設立後の実績を踏まえた上での、法人として初の中長期目標の改定になるという重要な時期かと思います。本法人につきましては、設立以来、理事長のリーダーシップの下、これまで分散的であった医療分野の研究開発の問題点を当法人で改善しながら運営されてきたと感じられる様々な取組を確認させていただき、大変評価できる点であると思っております。その上で様々な議論をする中で、何点か特に議論となりました点がございます。
1点目は健康・医療分野の研究開発において、その研究開発の評価に基づくPDCAサイクルが当法人の中でしっかりと回っているのかどうかという点でございます。2点目は、他の研究機関からの協力を得て、国内外からの関心をより得るためにも、研究開発に係る法人の成果をよりアピールすることが必要ではないかという点でございます。3点目は当法人のガバナンスですが、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省と4つの主務省がありまして、その上に健康・医療戦略推進本部が置かれているという中で、当法人の組織としてのPDCAサイクル、ガバナンスが機能することが重要であり、そのための体制や手法を当法人の中でどのようにしているのかという点が議論となりました。その上でこの法人を設立し、3省の医療分野に係る研究開発を集約したことによる研究面あるいは組織面での統合効果が更に発揮されることが重要であり、その点を次期中長期計画でどのように盛り込んでいくかということが計画の柱になるのではないかといったことを議論いたしました。加えてこれらを担う戦略的な人材育成についても重要であるという議論となりました。今後はこれらの論点を中心に、主務省が行う見込評価ですとか、業務の見直しの内容を踏まえまして、次期中長期目標の内容について主務省と議論を深めていきたいと考えております。
次に厚生労働省の所管法人でありますGPIFについて紹介します。GPIFは、厚生年金や国民年金の積立金の管理・運用を行うとともに、その収益を国庫に納付することにより、年金事業の安定した運営に資するということを目的とした法人です。本法人につきましては、主務省へのヒアリングにおきまして、平成29年10月のガバナンス改革を目的としたGPIF法の改正に伴って経営委員会が設立されて、組織体制が変更されたことにより、理事長単独だった時と比べ、法人内のガバナンスはどのように変わったのかという点をヒアリングさせていただきました。それから基本ポートフォリオに沿った運用やESG投資の方針などその法人の意思決定に関する判断をどのように実施しているのか、あるいは法人の目標策定に関して、主務省と法人との間で十分な意思疎通が図られているのかなどの点や、国民への説明責任の在り方をどのように考えているのかなどの点について、主務省のヒアリングにおいて議論がございました。GPIFについては来月、理事長それから経営委員会委員長と、それぞれ意見交換を行う予定としておりますので、今後これらの意見交換におけるやりとりや、主務省が行う見込み評価、業務見直しの内容を踏まえ、次期中(長)期目標の内容について主務省と議論を深めていきたいと考えております。
以上でございます。
【野路委員長】 ありがとうございました。
それでは、この報告につきまして、御質問、御意見等ございませんか。天野委員。
【天野委員】 ただいまの第1ユニット、第2ユニットの報告に関して御報告いただいた内容に関しておおむね異議はありません。その上で、私自身が少し感じたことを補足として伝えさせていただきます。
まず、RIETIについてですが、こちらに関しては研究レベルの高さに驚きました。ただ残念なことにこちらは経済産業省の中でも政策提言を行う独立行政法人ということで、国立研究開発法人ではありません。研究のレベルはものすごく高いと思いましたが、ただ政策提言ということであれば、国土交通省にも直執行の国土技術政策総合研究所があります。せっかく独立行政法人にしたのであれば、各府省を越えて社会実装するところで苦労されている多くの国立研究開発法人を支援していただけると良いと思います。法人形態にはこだわらないので、ぜひ次期の目標期間においてはそのような支援をしていただけると非常に良いと感じました。
次にINPITについてです。最近日本全体で見ると、特に医薬とか製薬分野に関しては、各主務省や特許庁などが部局を越えて日本全体としての知財戦略を考える場ができていますが、INPITは特許庁の下で相変わらず知財の取得支援や保護というところで、一生懸命努力されています。お話を聞くと、知財に関するポテンシャルの高い人材を産業界から多数連れてきており、これは素晴らしいと思いました。ただ、INPITの今の目標が知財、特に特許を取得することに非常に重きが置かれていますので、あれだけのポテンシャルを有する人材をお持ちでありながら、知財の取得に留まってしまうのは非常にもったいないと思いました。そのため、ぜひ日本の知財戦略全体にその存在意義を見出していただきたいと感じています。
産業技術総合研究所につきましては、今年度は、総合科学技術・イノベーション会議の評価専門調査会の方でも特定国立研究開発法人として評価対象に挙がっていますので、ぜひ両方の局面から特定国立研究開発法人ということを意識した上で、次期中長期目標期間に向かっていただきたいと感じています。
続いてAMEDとGPIFについて簡単に申し上げます。AMEDに関しては、文部科学省の中で、科学技術振興機構、JSTと同じく、研究開発成果の社会実装を支援する役割が期待されていると思います。文部科学省は、国立研究開発法人等の研究成果を社会実装するため、スタートアップ企業とのお見合いの場所を作っていて、よくシンポジウムも開催していますが、その際、主催者側には、必ずAMEDもまたJSTと並んで入っています。私はそちらのシンポジウムにもよく行きますが、残念ながらAMEDは、この間お話を伺っても、支援というよりは自ら研究を行う方に重きを置いてしまっているような気がとてもいたしました。これは非常にもったいない話ですので、研究成果の社会実装の支援というところも意識して次期中期計画に向かっていただけると良いのではないかと感じています。
GPIFに関しては、経営委員会が新設されて、外部の委員が8人と理事長が1人で構成されています。経営委員会は会社で例えると取締役会のような組織なのですが、私が社外取締役を務めている経験から申しますと、取締役会の直前に資料を見せられるだけでは、有意義な質問はできないのが実感です。私が社外取締役を務めている会社では、社外取締役1人だけを対象にして、取締役会の事前説明を1時間半程度実施していただいています。このように個別に事前説明を行われると非常に理解も深まって、取締役会で非常に有効な発言が行うことができるのですが、GPIFについては、8人外部の委員がいらっしゃるのにもかかわらず、その経営委員会の事前説明を7人まとめて行うというお話でしたので、これは引き受けられた委員の方々にとっては役割を果たすのは難しいのではないかと感じました。
以上、概括いたしましたが、トータルで見て、一つ共通して感じたことがあります。独立行政法人は、日本全体で見ても非常に有益なデータベースをそれぞれ所有されています。AMEDは研究に関連して、非常に大規模な患者のデータベースを着実に構築なさっておりますし、INPITも特許情報に関しては卓越したデータベースをお持ちです。それ以外にも、国立環境研究所は地球環境データベースをお持ちですし、防災科学技術研究所の防災に関するものなど様々な機関に日本の重要なデータベースが本当に多数存在すると思いました。今回のRIETIも非常に重要なデータベースをお持ちだと思いますので、委員会に直接関係するのかは分かりませんが、ぜひこの隠れた財産を何とか活躍させることも考えていきたいと感じています。
【野路委員長】 原田委員。
【原田委員】 経済産業省関係の第1ユニット、例えばRIETIですが、中期目標の期間が4年ということで、新しく独立行政法人通則法が改正されてから、1サイクル回って、2サイクル目に入るということです。私、以前の会議でも申し上げましたが、もし1サイクル目の課題のようなものがある場合には、それを2サイクル目でどのように克服していこうとなさっているのか、その辺りをまだ十分に掘り下げてお尋ねできていないのであれば、ぜひともお尋ねいただきたいと思っています。おそらくそれは、これから他法人の新しい目標を審議する際に重要なポイントになるのではないかという気がいたしております。
【中村委員】 今、天野委員から御発言があったGPIFに関しては私が経営委員を務めておりますので、事実関係を申し上げますと、GPIFの経営委員会には、監査委員を兼任していらっしゃる方が3人います。常勤の方が1人と非常勤の方が2人いまして、常勤の監査委員を中心にして各委員会活動がありますので、そこに出席して、意見も当然述べ、その活動内容の情報は我々委員には報告書として回ってきており、共有されています。また、経営委員会の審議、報告事項については、事前に説明がなされ、意見交換を行い、修正等を行った上で、経営委員会に最終的な提案がされているため、かなり改善されているのではないかと思います。いずれにしてもこれからヒアリングされるということなので、そういった点も含めて意見交換していただきたいと思います。この法人だけでなく、議題1の会計検査院の報告書にありましたように監事の権限を強化されたとのことで業務執行がルールどおりされているかということも重要ですが、活動する上において何が障害となって、PDCAがうまく回らないのかなど主務省の目標どおり実施しにくい部分の存在についてチェックをし、助言する役目として監事がいると思いますので、ヒアリングをする際に、理事長だけではなく、監事からヒアリングすることも重要だと思います。
その他、評価した結果が実際に法人の運営にどう反映されているのかという視点があると良いと思います。最初に出ていた会計検査院の報告書を見ると、主務大臣評価の総合評定については、S評価がゼロで、A評価が国立研究開発法人では増加傾向ですが、中期目標法人はA評定が平成26年度では全体の32%、27年が15%、28年が19%、29年が13%となっています。最後は主務省の方々がA、Bと評価をされるわけですが、この結果ではAが減少しており、ベストプラクティスを横展開しようと発信している割に、ベストプラクティスと言える法人がどんどん減少しているのではないかという危惧もありますので、どのようにして評価が事業の運営に反映されているかという点もヒアリングや主務省との面談の際にはチェックされたら良いのではないかと思いました。
【高橋委員】 私は昨年度第1ユニット所属で、今年度は第2ユニット所属です。ただ、今年は対象法人が少ないということで、ユニットを越えて委員の皆様が様々なところで主務省のヒアリングを実施し、現場に伺っているという状況ですので、全体的な感想を申し上げたいと思います。
まず、前年度から法人の長のリーダーシップを私たちは非常に注視してきたのですが、今年度はリーダーシップに関しては非常にうまく発揮されており、それぞれの組織の特性に応じて、理事長さんが工夫していらっしゃる状況をたくさん伺うことができました。ただ、組織全体のガバナンスという点では、まだまだ心もとない状況があり、組織図を見ても特に監事と内部統制の部門との結びつきが分からず、お話を伺うと理解できるということが多かったです。先ほど樫谷委員から理事が不在の組織があったというお話がありましたけれども、理事長しかおらず、理事会を監事さんとだけで開いているという状況が7カ月も続いているというのはどういうことなのかと伺ったところ、主務省の都合による出向の異動だとのことでしたが、そもそも独立行政法人ですので、主務省の異動でそのような空席みたいなことがあってはならないわけで、そうであれば理事の方はやはり民間から起用すべきではないかと感じました。
そして先ほど会計検査院報告の中で、法人のガバナンス強化のために監事機能の強化、内部統制システムの整備が必要という御指摘がありましたけれども、それは私どもも非常に感じるところでございます。やはり非常勤監事しかいない法人というのも結構ありまして、そのような法人で会計検査院の指摘にあるような監事監査を補助する専属の職員の確保がどの程度できているのか、仮にできていたとしてもそれが組織から独立して、監事や監査役と同じような立場でサポートできるのかということも、今後非常に注視していかなければいけないと思いました。非常勤の監事しかいない組織からはやはり常勤の監事が必要ではないかと感じているという御意見もありましたし、監事のローテーションについて問題意識をお持ちの組織もありました。今年度は監事との意見交換を私どもとしても積極的にやっていこうということで、これからそのような意見交換も始まるのですが、そもそも法人の長の方との意見交換の席にもかなりの法人で監事の方が同席してくださいまして、監事の方の意識が非常に高いと感じましたので、その御意見をよく伺った上で、今後のことを考えていかなければいけないと思いました。
【浜野委員】 RIETI,INPIT,産総研につきまして、それぞれの独立行政法人が活力ある日本を目指し、イノベーションをどうやって起こすかという政策の下支えや実現に向けて頑張っていただいていると感じました。先ほどより皆様から御説明がありましたように、我々の審議に法人から提供される資料もかなり分かりやすくなっているように改善されております。ただし、その中で社会実装に役立った研究や事例などをもう少し分かりやすくご紹介いただきたけるとよいと思います。また、グローバル化の進展に伴い、事業の守備範囲が拡大しどの法人も業務量が増えてきていると感じました。やはりここで、組織の長のリーダーシップを発揮していただき、事業の選択と集中を行い、廃止する事業も決めていかないと立ち行かなくなると思います。こうしたなか、業務運営にあたっては、上手くいかなかった事例も出てくるかもしれませんが、そのような過程で、課題を認識し、改善していただければと思いました。
監事のお話からは、かなり事務処理の業務量が増えているとのことでした。また、RIETIでは、海外から有識者をお呼びするときに、国際的には夫婦単位が常識であるのに、現行の規程では呼ぶことができない、このような古い規程のままでは、国として戦っていけるのかといった素朴な課題が吐露されました。正直な御意見だと思いますし、他の独立行政法人も同じような課題があるのであれば、時代に合った規定の見直しや事務処理の工夫の仕方を改善し、情報共有されると良いのではないかと思いました。
余談ではありますが、この会計検査院の報告も拝読いたしましたが、少々分かりにくいです。これまでこのような書き方なのかもしれませんが、最初に論点を明確にしていただければわかりやすいと思います。
【金岡委員】 私は天野委員からのお話にありましたINPITについて一言申し上げたいと思います。主務省ヒアリングでも、知的財産というのは特に日本の将来にとって非常に重要だと言われていて、TPPでも大きなマターになっているにもかかわらず、残念ながら政治マターやマスコミマターになることが非常に少なく、このこと自体が問題ではないのかということを申し上げました。それに対して、INPITは、世界最高水準の特許の審査を早くするというオペレーショナルな目標は立てていらして、これは確実にデータベースの整理とともにやっていらっしゃるのですが、それを整理したからといって日本が世界に冠たる知的財産王国になるとは限りません。インフラを整備するというのは必要条件ではありますけれども、必ずしも十分条件ではないということで、むしろ特許庁の問題なのかもしれませんが、と前提をお伝えした上で、もっと知的財産が国にとって重要だということを政治マター、そしてマスコミマターにしていくような活動を、一体どこが行うのですかと申し上げました。そこの活動をもっと高めていかないとオペレーショナルな部分だけをどれだけ早くしても日本全体が知的財産の豊富な国にはならないのではないかという問題意識で、これもヒアリングでお伺いした際に一部お話ししましたが、理事長以下、皆さん問題意識は持っていらっしゃると思います。ただ、具体的にどう活動していけば良いのかは明確になっておらず、非常に大きな問題ですので、これをあえて御指摘申し上げたいなと思っております。
【天野委員】 今回の第1ユニット、第2ユニットの話からは少し外れますが、今年は対象法人の数が少ないということもあり、目標期間の終了する法人だけではなくて、これから目標期間の始まる法人の理事長にもお会いさせていただきたいとお願いしたところ、早速機会を用意していただき、理事長のお話を伺いました。
その感想なのですが、非常に良いと思います。新任の理事長が計画を前任者から引き継いでいるけれども、これからマネジメント能力を発揮することを求められる中で一体何をどうすればいいのかという点にあまり自信がないという法人もありました。周りの理事達は以前から引き続きいらっしゃるので多勢に無勢みたいな気配を少し感じられたりして、理事長にマネジメント能力を理事長自身の考えに基づいて存分に発揮していただきたいというお話をすると、安心しましたとおっしゃる理事長もいらっしゃいました。そのため、来年対象の法人数が増加するとどのような状況になるのか私もよく分かりませんが、目標期間の最後で評価するのも良いと思いますが、その評価結果が法人の業務運営につながっているのかよく分からない部分もあり、場合によっては任期の始めで評価して応援してあげるということもとても有意義ではないかと感じました。
【野路委員長】 ありがとうございました。今の天野委員の話にあるように、理事長のリーダーシップが一番大事なので、昨年のシンポジウムもそのような話で行ったと思います。今年もシンポジウムを開催する予定で、どうやってベストプラクティスを横展開していくか、あるいは理事長がどうやってリーダーシップを発揮するのか、活気のある独立行政法人も多いですけれども、もっと活力を出してもらい、どのようなことにでも挑戦することができるというように、法人に自由に業務を進めてもらえるような雰囲気をつくり出すことが今、日本では求められているのではないかと思います。
続きまして議題4の監事との意見交換に入りたいと思います。
本議題については会議の議事録及び資料を非公開といたします。ただし、議事概要は公開することといたします。傍聴者の皆様はここで御退席をお願いしたいと思います。
(傍聴者退室)

 

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