1 ICT国際競争力指標の構成
平成27年版ICT国際競争力指標は、各種調査会社等による2014年（平成26年）実績値（入手困難な場合は2013年（平成25年））を活用して、(1)日本企業の世界市場における競争力（企業競争力）の観点から、各製品・サービスの品目ごとの日本企業の「市場シェア」を、(2)企業立地における国としての競争力（輸出競争力）の観点から、各製品の品目ごとの日本の「輸出額シェア」を、それぞれ数値により示し、我が国ICT産業の国際競争力を明らかにしたものです。
【参考】 市場シェア ：世界市場に占める当該国（地域）企業の売上高シェアを「サービス」、「端末・機器」及び
「デバイス」（8分野37品目）別に算出（日本国外にある日本企業の売上高も含まれる。）
輸出額シェア： 世界全体の輸出額に占める当該国（地域）の輸出額のシェアを「端末・機器」及び
「デバイス」（7分野20品目）別に算出（他国籍企業の日本からの輸出を含む。なお、
貿易財を対象とするため、サービスに関する品目は除く。）
2 結果の概要
(1) 全体推移（市場シェア、輸出額シェア）（平成23年版→平成27年版）
平成27年版における世界全体の市場規模は2兆1,289億ドル（対23年版比較で10.6％増）で、我が国企業の市場シェアは10.9％と減少（対23年版比較で2.9pt減）している。平成23年版からの5年間では、北米の市場シェアのみが増加（対23年版比較で4.1pt増）している。
一方、世界全体の総輸出額は1兆3,692億ドル（対23年版比較で20.0％増）で、我が国の輸出額シェアは3.0％と減少（対23年版比較で2.3pt減）しているが、反面、アジア太平洋地域は75.7％とシェアの増加（対23年度比較で4.4pt増）を続けている。
(2) 企業競争力（市場シェア）
指標の対象となっている全37品目中、日本の企業競争力が強い品目（シェア25%以上）は6品目、企業競争力が弱い品目（シェア5%以下）は13品目となっている。
平成23年版と比較すると、全37品目中、9品目でシェアが増加し、27品目でシェアが減少している。
＜日本の企業競争力が強い品目（シェア25%以上）の例＞
・「DVD/Blu-rayレコーダ」（平成23年版80.3%→平成27年版96.3%）の日本企業の市場シェアは増加しているが、世界の市場規模は縮小（対23年版増減率▲70.0%）。
・「コピー機」（平成23年版73.9%→平成27年版74.6%）及び「プリンタ」（同31.1%→40.9%）は市場シェアが高く、世界の市場規模も拡大傾向にある。「オプトエレクトロニクス※1」（同43.4%→32.5%）、「ディスクリート半導体※2」（同36.4%→29.9%）及び「携帯電話用液晶デバイス」（同35.7%→29.7%）は世界の市場規模が拡大傾向にあるが、日本企業の市場シェアは減少している。
※1 オプトエレクトロニクス：LED、ソーラーモジュール等光学素子のこと。
※2 ディスクリート半導体：トランジスタ、コンデンサ等単機能の半導体素子のこと。
＜日本の企業競争力が弱い品目（シェア5%以下）の例＞
・「プラズマデバイス」（同47.6%→1.2%）、「プラズマテレビ」（同47.7%→1.5%）は日本企業の市場シェアが特に大きく減少しているが、いずれも世界の市場規模は縮小している。
(3) 輸出競争力（輸出額シェア）
指標の対象となっている全20品目中、平成23年版と比較して日本の輸出額シェアが増加した品目は2品目であり、減少した品目は15品目である。
＜日本の輸出額シェアが増加した品目＞
・「PC用ディスプレイ」（平成23年版2.6%→平成27年版3.3%）、「モバイルインフラ」（同2.3%→2.4%）の2品目だが、いずれも世界の総輸出額は減少傾向にある。
＜日本の輸出額シェアが減少した品目の例＞
・主なものとして、「デジタルカメラ」（平成23年版27.2%→16.0%）、「放送機器用デバイス」（同10.4%→6.2%）等がある。
3 別添資料
