平成29年(2017年)1月1日(日)に1年6ヶ月ぶりとなる「うるう秒」の調整が行われます。日本の標準時の維持・通報を実施している国立研究開発法人情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:坂内正夫)は、日本標準時に「うるう秒」の挿入を実施する予定です。
【今回のうるう秒の調整】
平成29年(2017年)1月1日(日)午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」を挿入します。
「うるう秒」の調整は、地球の回転の観測を行う国際機関である「国際地球回転・基準系事業( IERS:International Earth Rotation and Reference Systems Service、所在地:パリ)」が決定しており、これを受けて世界で一斉に「うるう秒」の調整が行われています。日本では、総務省及びNICTが法令に基づき標準時の通報に係る事務を行っており、IERSの決定に基づきNICTにおいて日本標準時に「うるう秒」の挿入を実施しています。
NICTでは、本年7月6日のIERSの「うるう秒」挿入の決定を受け、来年1月1日(日)に日本標準時に「うるう秒」の挿入を実施します。なお、最近では1年6ヶ月前となる平成27年(2015年)7月1日に「うるう秒」の調整が行われました。また、「うるう秒」の調整が元日に実施されるのは、平成21年以来となります。
(参考)
総務省設置法第四条第一項第六十七号
周波数標準値の設定、標準電波の発射及び標準時の通報に関すること。
国立研究開発法人情報通信研究機構法第十四条第一項第三号
周波数標準値を設定し、標準電波を発射し、及び標準時を通報すること。
時刻は、かつて地球の公転・自転に基づく天文時から決められていましたが、1958年より原子の振動を利用した原子時計(注)に基づく国際原子時が開始され、1秒の長さが非常に高精度なものとなった結果、原子時計に基づく時刻と天文時に基づく時刻との間でずれが生じるようになりました。
そこで、原子時計に基づく時刻を天文時とのずれが0.9秒以内におさまるように調整を行った時刻を世界の標準時(協定世界時)として使うことにしており、今回その調整を行うために「うるう秒」の挿入が行われるものです。「うるう秒」の調整は1972年から数年に1回程度行われています。
現代社会では、時刻は、単に時を知るためだけに使われているのではなく、社会・経済活動の重要な基盤となっている情報通信ネットワークやコンピューターの運用などにも使われています。例えば、情報通信ネットワークは正確な時刻管理のもとに運用されており、また電話などの料金も秒単位で決められています。そのため、情報通信ネットワークやコンピューターを間違いなく運用するには正確な時刻情報が必要です。
NICTでは、電波時計等に時刻情報を提供している標準電波、放送局等に時刻をお知らせしている「テレフォンJJY」、ネットワークを利用したコンピューターの時刻合わせに使われている「NTPサービス」等、日本標準時通報サービスにより「うるう秒」挿入後の正しい日本標準時を通報します。
総務省及びNICTでは、引き続き、Webなどを通じた情報提供や関係機関への連絡などにより「うるう秒」の周知・広報を行う予定です。また、NICTでは、11月頃を目途に「うるう秒実施説明会」を開催し、「うるう秒」の調整に関して説明を行う予定です。
「うるう秒」の調整に関する最新の情報につきましてはNICTのホームページを御確認ください。
http://www.nict.go.jp/
(参考)「うるう秒」実施日一覧