総務省では、近年利用が拡大している無線LANの利便性の向上に取り組んでいます。特に、駅などの多数の人々が移動する場所での利用について、スマートフォン等のユーザ端末が無線LANのサービスエリアに入ってからインターネットの利用が開始されるまでの時間に3秒程度※2要するため、これを短縮したいという要望が顕在化しています。
このため、総務省は、無線LAN高速認証技術の標準化を推進する団体であるWi-FILS(Wireless LAN Fast Initial Link Setup)推進協議会と連携して、無線LAN高速認証技術の開発及び標準化を推進しています。本技術は、電波法に基づいて定められている技術基準※3の下で、無線LANの接続・認証のプロトコルを改善し、ユーザ端末が無線LANのサービスエリアに入ってからインターネットの利用が開始されるまでの時間を、現状の300分の1程度(10ミリ秒程度)※4に短縮することを目指すものです。
このたび、総務省は、同Wi-FILS推進協議会と連携し京都大学内に実験環境を整備し、無線LAN高速認証技術の実証実験を2月21日(木)に実施します。
今後、本実証実験の成果を無線LAN技術の国際標準化を行っているIEEE※5へ我が国から提案することで、国際標準化活動に貢献していく予定です。
※1 | IEEE802.11aiにおいて標準化が進められている、ユーザ端末が無線LANのサービスエリアに入ってから利用が開始されるまでの時間を、接続・認証の手順を一括化するプロトコルの活用により、大幅に短縮させる技術。(別紙:無線LAN高速認証技術概要)。 |
※2 | 従来の方式において接続・認証に要する平均時間(基地局の検索時間を含まない)。 |
※3 | 無線LANは、電波法上では「小電力データ通信システム」として技術基準が規定。(関係規定:電波法第4条第3号、電波法施行規則第6条第4項第4号) |
※4 | 従来の方式との間で接続・認証に要する平均時間を比較したもの(基地局の検索時間を含まない)。 |
※5 | The Institute of Electrical and Electronics Engineers。通信・電気・コンピュータ・航空宇宙等の広範な分野において、学会活動や、標準策定等を行う米国に本部を置く学術団体。 |