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報道資料

平成29年9月26日

G7情報通信・産業大臣会合の開催結果

 平成29年9月25日、26日にイタリア(トリノ)においてG7情報通信・産業大臣会合が開催され、総務省から奥野総務副大臣が出席いたしました。本会合は、昨年4月に我が国が議長国を務めたG7香川・高松情報通信大臣会合における議論を引き継ぐものであり、IoTや人工知能(AI)等の新たなデジタル技術の普及に伴う社会・経済の変革につき、特に産業のデジタル化を通じた「次世代生産革命」の進展に焦点を当てた形で、G7としての議論を閣僚レベルで深化し、その成果を大臣宣言として取りまとめました。併せて、来年のカナダ議長国のG7においても、関連の議論を深化していくことで合意いたしました。  また、本会合への出席の機を捉え、奥野総務副大臣は、議長国のイタリア及び欧州委員会との意見交換を行いました。

1.本会合の経緯

 昨年4月、我が国が議長国を務める形で、G7の枠組みでは21年ぶりとなる情報通信大臣会合(G7香川・高松情報通信大臣会合)を開催いたしました。今回のG7情報通信・産業大臣会合は、昨年のG7香川・高松情報通信大臣会合における議論を引き継ぐ形で、本年のG7議長国であるイタリアにおいて開催を決定したものです。
 同時に今回のG7情報通信・産業大臣会合においては、本年5月のG7首脳会合(G7タオルミーナ・サミット)からの指示に基づき、産業のデジタル化を通じた「次世代生産革命」の進展に焦点を当てた形で、G7としての議論を閣僚レベルで深化することとされました。
 

2.本会合における議論のポイント

 本会合においては、(1)包摂性、(2)オープン性、(3)安全性の3つのテーマについて、それぞれ個別セッションを通じた議論が行われました。
 各セッションの概要は以下のとおりとなります。

(1) 包摂性
 次世代生産革命が中小企業等への様々な機会をもたらすことを認識するとともに、中小企業によるICT投資の促進やデジタルリテラシーの強化等を図ることに合意いたしました。
 奥野総務副大臣からは、我が国の中小企業・ベンチャー企業等における研究開発を促進するための支援スキームについて発信いたしました。

(2) オープン性
 IoTやビッグデータ解析のような新たな技術・サービスの更なる発展のため、情報の自由な流通を促進していくことに合意いたしました。
 次世代生産革命の推進のため、ブロードバンドかつ質の高いICTインフラを整備すること、また、2025年までに全ての人をインターネットにつなぐために努力することに合意いたしました。
 市場が主導する形での標準化の取組の重要性を認識するとともに、標準化の取組への中小企業等の参加を促進することに合意いたしました。
 AIが社会・経済にもたらす変革を認識するとともに、AIがもたらす便益を最大限に享受するため、人間中心の考え方により、マルチステークホルダーによる議論を通じてAIの開発を推進していくことに合意いたしました。
 奥野総務副大臣からは、グローバルな企業活動やイノベーションの創出を支える情報の自由な流通を促進することの重要性、我が国が重視する質の高いICTインフラを通じた世界的なデジタルディバイドの解消推進の必要性、及びAIの一層の発展を実現するための国際的な議論を国際機関とも連携して推進していくことの必要性について発信いたしました。

(3) 安全性
 官民連携の取組を通じて、企業(特に中小企業)におけるサイバーセキュリティ対策を推進することに合意いたしました。
 ICTを活用した知的財産権の侵害を行わないこと、権利行使のための枠組みを確保することに合意いたしました。
 奥野総務副大臣からは、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた重要インフラ保護を図るため、国際的な官民連携(ISAC連携)の取組を推進していくことの重要性、及び我が国の取組を例に、IoT機器に関するセキュリティ対策の取組を推進していくことの重要性について発信いたしました

3.本会合における成果文書

 本会合における成果文書として、以下のとおり大臣宣言及び3つの附属文書を採択しています。
  • G7情報通信・産業大臣宣言PDF:次世代生産革命を包摂的、オープン、かつ安全なものとする
  • 附属書1PDF:次世代生産革命における中小企業の競争力及び包摂性のためのG7共通の政策アプローチ
  • 附属書2PDF:我々の社会のための人間中心のAIに関するマルチステークホルダーの交流
  • 附属書3PDF:企業におけるサイバーセキュリティを強化するためのG7の行動

4.意見交換の実施

 本会合への出席の機を捉え、奥野総務副大臣は以下のとおり意見交換を実施いたしました。

(1) イタリアとの意見交換(9月25日)
 カレンダ経済振興大臣との間で、昨年のG7香川・高松情報通信大臣会合に引き続き、本年にG7情報通信・産業大臣会合が開催されたことの意義、今後のAIに関する国際的な議論を促進していくための連携、IoT、5G等の分野における協力等について意見交換を実施いたしました。

(2) 欧州委員会との意見交換(9月25日)
 アンシップ副委員長との間で、日本とEUの間の双方向でのデータ流通の促進に向けた枠組み、10月に予定されている第23回 日EU・ICT政策対話における日本とEU双方の関心事項等について意見交換を実施いたしました。
 
大臣会合、各国との会談の模様


大臣会合の様子
大臣会合の様子


イタリア カレンダ経済振興大臣との会談
(左からカレンダ経済振興大臣、奥野総務副大臣、平木経済産業大臣政務官)
イタリア カレンダ経済振興大臣との会談


欧州委員会 アンシップ副委員長と会談する奥野総務副大臣(右から2人目)
欧州委員会 アンシップ副委員長と会談する奥野総務副大臣(右から2人目)


公式昼食会に出席する奥野総務副大臣(右端)
公式昼食会に出席する奥野総務副大臣(右端)
連絡先
国際戦略局 国際政策課
担当 :飯田総合研究官、内藤課長補佐、田中係長
電話 :03-5253-5921
FAX  :03-5253-5924

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