フランスで開催された本会合では、(1)人間中心のAI及び不平等への対抗としてのAI利活用に係る国際協力の強化、(2)オンライン上の有害情報への効果的な対応、(3)データ駆動型技術及びデジタル・インフラにおける信頼の構築の3つのテーマについて議論が行われ、成果文書として
議長サマリーがまとめられました。
各テーマにおける議論の概要及び佐藤総務副大臣の発言は、以下のとおりです。
(1)人間中心のAI及び不平等への対抗としてのAI利活用に係る国際協力の強化
各国・地域は、AI技術が、経済や社会の急激な変革を可能にしている一方、AI技術へのアクセス格差やAI技術の発展や利用に伴って生じるバイアスにより、不平等が拡大するリスクをもたらす可能性があることにつき認識を共有しました。その上で、高松会合以降のG7やOECDでの議論を歓迎し、これらの成果と今年のG20の議論を踏まえた国際協力の強化を認識し、フランス及びカナダが主導する「AIに関する国際パネル(IPAI:International Panel on AI)」に関して、有志国で議論を継続することにつき合意しました。
佐藤総務副大臣は、AIに関する国際パネル(IPAI)に係るフランス及びカナダのイニシアティブを高く評価し、日本としても積極的に協力していきたい旨を表明しました。また、同副大臣は、日本が本年議長国を務めるG20においても、AIに関する原則作りなどの政策的合意を目指しており、友好国により構成されるG7と緊密に連携していきたい旨を発言しました。
(2)オンライン上の有害情報への効果的な対応
SNSやデジタルプラットフォームが、我々の社会的及び民主的生活において重要な役割を果たしていると同時に、オンライン上の有害情報の拡大によって、様々な懸念が生まれていることにつき認識を共有しました。また、オンラインプラットフォームの透明性及び説明責任の向上や、ベストプラクティスの共有の促進に関して議論され、それらの重要性につき合意しました。
佐藤総務副大臣は、オンライン上で多くの有害情報が拡散している現状について懸念を表明した上で、オンライン上の有害情報への対応の重要性について言及し、官民が連携して、各事業者の自主的な対策を促すアプローチの有効性や、プラットフォーマーに限らずすべてのステークホルダーがそれぞれの取組を推進すべきという前提での議論の必要性につき発言しました。
(3)データ駆動型技術及びデジタル・インフラにおける信頼の構築
データ駆動型技術及びデジタル・インフラの開発及び普及が、経済や社会に大きな便益と新たな機会を生み出す一方、データセキュリティやプライバシー、知的財産権保護に関する新たなリスクを引き起こす可能性もあることにつき認識を共有しました。その上で、新興技術の可能性を活用する方法に関して、G7国・地域及び他国との間で経験を共有し、ベストプラクティスを共有することの重要性について合意しました。
佐藤総務副大臣は、日本としても、IoTの進展を踏まえたサイバーセキュリティ対策を推進していることや、信頼の構築はデジタル経済の発展に必須であり、G20においても、G7と連携して議論を深めていきたい旨を発言しました。