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報道資料

令和4年5月12日

G7デジタル大臣会合の開催結果

 令和4年5月10日から11日までの2日間、ドイツ(デュッセルドルフ)においてG7デジタル大臣会合が開催され、総務省から佐々木総務審議官が出席しました。本会合には、G7構成国・地域のほか、招待国、関係国際機関等が参加し、データ、eSafety、標準化等について議論しました。本会合の成果として、大臣宣言のほか、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の推進についての付属書やデジタルインフラのサイバー・レジリエンスに関するG7デジタル大臣による共同宣言等を採択しました。

1 開催日

令和4年5月10日(火)―11日(水)(日本時間)

2 出席国・国際機関

G7構成国・地域 :日本、ドイツ(議長国)、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国、欧州連合(EU)
招待国:ウクライナ
国際機関等:OECD(経済協力開発機構)、B7(Business7)

3 開催概要

 令和4年5月10日から11日までの2日間、ドイツ(デュッセルドルフ)においてG7デジタル大臣会合が開催されました。
 総務省から佐々木総務審議官が出席し、サイバー・レジリエンスのセッションでは、世界的なサイバー攻撃に伴うサイバー・レジリエンスの強化の重要性、電気通信インフラを含むデジタルインフラの物理的な強靱性やガバナンス、サイバーセキュリティへの取組の必要性について発言、大臣宣言の議論では、偽情報や違法・有害コンテンツなどの課題へ対処するため、自由で開かれた、信頼性のある分断のないひとつのインターネットを維持することやインターネットのマルチステークホルダー・アプローチによるガバナンスの推進等について発言しました。
 本会合の成果として、G7デジタル大臣宣言が採択されました。大臣宣言の主なポイントは以下の通りです。

4 大臣宣言の主なポイント

 「Stronger Together」を全体テーマとし、共同宣言「ウクライナでの戦争に関連したデジタルインフラのサイバー・レジリエンス」や自由でグローバル(分断のない)、オープンで相互運用可能な、信頼性が高く、安全な一つのインターネットの維持等について触れたのち、以下の項目について議論し、認識を共有しました。
 
(1)デジタル化と環境
・我々は、カービス・ベイでの2021年のG7首脳会議において、我々の地球を保護するという目的に対する我々のコミットメントを再確認し、環境保護の強化と温室効果ガス排出ネットゼロの達成にデジタルソリューションが貢献できることを強調する。同時に、我々は、データセンターや通信ネットワークなどのデジタル技術やサービスの利用の増加に伴うエネルギーや資源の需要の高まり、及びデジタル機器やデバイスの生産、使用、廃棄が環境に与える影響を認識する。
・民間企業、市民社会、学術界のステークホルダーとの対話において、我々は、デジタル化が環境と気候に与える全ての影響をより総合的に測定することの重要性を認識し、ネットゼロ、ネイチャー・ポジティブ、資源効率の良い経済とデジタル・エコシステムのためにデジタル技術をより良く活用する方法を模索する。
 
(2)標準化
・我々は、我々の開かれた、民主主義的価値と原則に沿った、包摂的なマルチステークホルダー・アプローチに基づく、オープンで民間企業主導の、自発的かつ合意に基づいた標準の開発を支援するための、G7及び同志国パートナーとの国際協力に対する我々の支持を確認する。我々は、技術標準の開発方法を根本的に再構築しようとするいかなる政府強制のアプローチにも反対することを再度表明し、既存のプロセスと重複することなく、効率的かつ継続的なG7の調整を更に強化する。
・この文脈で、我々は、技術標準開発が、貿易の技術的障害に関するWTO協定(TBT)のグッドプラクティス及び国際標準開発のための原則に関するTBT委員会決定に沿った透明性、プロセスと参加の開放性、妥当性及び合意に基づく意思決定に引き続き裏打ちされる必要があることを改めて表明する。
 
(3)データ
・我々は、「信頼性のある自由なデータ流通」(DFFT)が、イノベーション、繁栄、民主主義的価値を支えるものであることを認識する。また、このトピックに関する取組を継続するためのG7 DFFTアクションプラン(附属書1)を採択する。
・我々は、我々が共有する民主主義的価値と、DFFTの利益を制限する措置に対処する決意を再確認し、デジタル保護主義に反対する。データガバナンスに対する我々の多様なアプローチを認識しつつ、生じる課題に対処するために、引き続き協力する。
・DFFTアクションプランの採択に伴い、我々は、国際データスペースの可能性についての知識を共有し、デジタル貿易の文脈でDFFTを推進し、規制協力を継続し、将来の相互運用性を促進するために共通性に基づき、DFFTのための証拠基盤を強化することへの我々のコミットメントを表明する。
 
(4)競争
・競争的なデジタル市場は、イノベーションと、世界経済の強固で持続可能かつ包摂的な成長の潜在的可能性を示している。我々はまた、デジタル技術と市場のダイナミックな発展の観点から、効果的な競争政策手段の必要性を認識し、既存の競争政策手段を補完または調整するために、オンラインプラットフォームによって生じる競争の懸念に対処する新しいまたは更新された規制と競争の枠組みが必要となる可能性を認識する。これは、競争可能性と公平性の保護との関連で特に重要であろう。
・フランス及び英国議長下のG7における最近の取組に基づき、我々は、特に既存の国際的及び多国間フォーラムを通じて、プラットフォーム規制及びその実施に関するものを含むデジタル競争に関する問題についての協力を更に深めることを決定した。
 
(5)eSafety(イーセーフティ)
・我々は、オンラインの安全性を向上させ、インターネット上の違法・有害コンテンツ及び活動を削減するという我々のコミットメントを再確認し、2021年の英国のG7議長国の下で開始された協力を、関連するステークホルダーを取り込みながら継続する。
・我々は、オンライン上の市民、特に最も影響を受けやすい脆弱な人々、特に女性や子どもを保護すべきである。我々は、プラットフォーム・プロバイダー及びその他の関連企業に対し、法的義務に加え、既存のルールを遵守し、安全なオンライン環境を促進するための自主的な取組を強化するよう求める。違法・有害なオンラインコンテンツや活動に対抗するための彼らの決定や措置は、世界、国、地域レベルで透明性があり、理解しやすく、一貫性をもって利用規約に沿った形で適用され、表現の自由など、オンラインでの人権や基本的自由を尊重したものであるべきである。
 
(6)電子的移転可能記録及び商品の輸送に関連するその他デジタル情報
・2021年の英国議長下G7で決定された電子移転可能記録に関するG7協力の枠組みを踏まえ、政府と産業界双方の我々の専門家は、電子移転可能記録の使用と受け入れを促進するための電子移転可能記録に関するUNCITRALモデル法に合致する適切な法的枠組みの設計と実施、及び電子プラットフォームを用いた貨物輸送情報及び文書の交換に関するベストプラクティス及びソリューションに関する対話を継続する。
・我々は、附属書2に含まれる電子的移転記録の利用を促進するための国内の法的枠組みのための原則を支持する。
・加えて、我々は、技術的な相互運用性の支援を含め、国境を越えた電子的移転可能記録の利用及び貨物輸送を促進するための事業者による当局とのデジタル通信の利用を可能とする法的枠組みの促進の重要性を認識する。
 
(添付資料)
G7デジタル大臣宣言 【原文】PDF/【仮訳】PDF
付属書1 信頼性のある自由なデータ流通の促進のためのG7アクションプラン【原文】PDF/【仮訳】PDF
付属書2 電子的移転可能記録の利用促進のための国内法的枠組みにかかる原則 【原文】PDF/【仮訳】PDF
ウクライナに対するロシアの戦争への対応におけるデジタルインフラのサイバー・レジリエンスに関するG7デジタル大臣による共同宣言 【原文】PDF/【仮訳】PDF
連絡先
(連絡先)
国際戦略局 参事官室
担当:飯田研究官、関補佐、門屋官、高野官
電話:03-5253-5921

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