総務省は、平成22年度における総務省の施策の全体像及び重点的に取り組む施策を示す「平成22年度総務省重点施策」をとりまとめましたので、公表いたします。 |
※「総務省重点施策」とは、例年、8月末の概算要求時期にあわせ、総務省の施策の全体像及び重点的に取り込む施策を公表しているものです。
○ 総務省は、現下の経済状況を克服し、安心と活力に満ちた社会の実現に向け、(1)成長力の強化、(2)地方の活性化、(3)安心・安全な国民生活の確保を実現するための行政を力強く推進する。このため、
・ 平成23年の地上デジタル放送への完全移行に万全を期すとともに、ICT分野における基盤の整備、利活用の促進、産業の成長力強化等により、我が国経済社会全体の活性化を図る。
・ 個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に向け、地方分権改革の着実な推進を図り、地方分権にかなった地方税財政制度の確立を目指すとともに、「定住自立圏構想」の推進や人材力の強化、新たな過疎対策の推進による地域力の創造を強力に進めていく。
・ 地域における総合的な防災力の強化、消防防災体制や救急救命体制の充実、身近な生活における安心・安全の確保など、総合的な消防防災行政を積極的に推進する。
・ 行政組織等の減量・効率化、政策評価等による行政制度・運営の改善、電子政府・電子自治体の推進により、国民生活の利便を向上させる「簡素にして温かい政府」の実現を図る。
・ 国民生活を支える郵政行政の着実な推進、公的統計の体系的な整備・提供等により、経済基盤と安心な生活を支える環境の整備を図る。
○ 平成22年度は、このような基本的考え方に基づき、以下の施策に重点的に取り組む
I ICTによる底力発揮 II 地域の活力発揮 III 国民の安全を支える消防防災行政の推進 IV 行政改革の着実な推進 V 経済基盤と安心な生活の環境整備 |
ICTによる底力発揮
○ ICTの持つ底力を発揮しつつ、ICTが水や空気のように国民一人一人を優しく包み込む、利用者本位の「スマート・ユビキタスネット社会」の実現を目指す。 ○ 平成23年(2011年)に完全デジタル元年を確実に迎えるため、地上デジタル放送への完全移行に向けた取組を強化する。 ○ 国民がICTの便利さを実感できるよう、行政・医療・教育等の各分野におけるICTの利活用を促進する。 ○ 日本経済を支えるICT産業の成長促進に向けて、研究開発の加速化や制度・ルールの整備を行う。 ○ 誰もが安心してICTを利用できるための基盤の整備を進める。 ○ ICTの国際展開を促進するとともに、ICTを活用することにより地球環境問題の解決を図る。 |
1.地上デジタル放送への円滑な移行
【施策の方向性】
・ 2011年に予定されている地上デジタル放送への完全移行に万全を期すため、「地上デジタル放送推進総合対策」(平成21年7月24日改定)を実施する。
【具体的施策】
○テレビ受信者支援センター(デジサポ)を活用した地上デジタル放送への移行に関する国民への丁寧できめ細やかな説明・働きかけの実施
○経済的に困窮度が高い世帯に対する受信機器購入等の支援
○デジタル中継局、辺地共聴施設、受信障害対策共聴施設、集合住宅共聴施設の改修等の推進
○残される難視聴地域に対する暫定的な衛星による対策の実施
○ケーブルテレビのデジアナ変換の暫定的導入と地上デジタル放送のみの再送信サービスの導入の促進
【施策の方向性】
・ 行政の効率化と透明性の向上を図りつつ、利便性の高い行政サービスの提供を可能とする利用者本位の電子政府・電子自治体の実現に向けて取り組む。
・ 国民利用者がICTの便利さを実感できる潜在力の高い医療・教育・地域産業等の各分野におけるICTの利活用を促進するとともに、ICTを活用した安全・安心な街づくりを目指す。
・ ICTを活用して地域の再生・活性化に貢献する。
【具体的施策】
○中央省庁・地方公共団体の情報システムの効率化等を図る「霞が関クラウド」・「自治体クラウド」の推進、「国民電子私書箱(仮称)構想」の実現に向けたシステム構築の支援等による電子政府・電子自治体の推進
○ICTを活用して広域連携により安全・安心な街づくりに取り組む地域の支援
○携帯電話の利活用により、地域の高齢者や子どもの安心(医療・介護・健康・安全)をサポートするサービス等を行う「ふるさとケータイ事業」(地域を支援する仮想移動体通信事業者)の創出の推進
○地域医療の充実に資する遠隔医療技術の導入・普及の促進
○医療分野における電子タグ等のユビキタスネット技術の活用、健康情報を活用する基盤の構築の促進
○農山漁村においてICTの活用に総合的に取り組む地域の支援(農林水産省等との連携)
○ICTを活用して地域経済の再生・活性化に貢献するモデル事業(ユビキタス特区事業)を推進
○中小企業の生産性の向上等に資するASP・SaaSの普及促進に向けた実証実験等の実施
○多様な人材の柔軟な働き方を可能とするテレワークの普及推進
○メディアリテラシー向上のための調査・開発、啓発活動の展開
【施策の方向性】
・ グローバル市場を視野に入れ、我が国が強みを持つ技術分野における研究開発の強化及び加速化を推進するとともに、2020年に50兆円規模の新たな電波関連市場を創出することを目指した「電波新産業創出戦略」の推進により、デジタル新産業の創出を促進する。
・ ICT分野におけるベンチャー企業の起業及び事業展開を促進する。
・ コンテンツの流通環境の整備等を通じてコンテンツ産業の市場拡大を図る。
・ 通信市場において急速に進展するIP化・ブロードバンド化・モバイル化に対応した公正競争環境を整備する。
・ 世界最速・最安のデジタル・インフラ上で、世界最先端の通信・放送サービスを実現するため、通信・放送の法体系を総合的に見直す。
【具体的施策】
○人に優しい通信技術、新世代ネットワーク、安心・安全に関する技術等の重点課題の研究開発強化の推進
○「ぶつからない車」(次世代ITS)、「コードの要らない快適生活環境」(家庭内ワイヤレス・スーパーブロードバンド)等を実現するための次世代無線通信技術の研究開発や制度整備の推進
○ICTベンチャーの新規事業、国際展開、新技術の研究開発等への支援
○コンテンツ配信プラットフォームの整備によるコンテンツ流通経路の多様化の促進、コンテンツ取引市場の形成に向けた支援
○「電気通信市場の環境変化に対応した接続ルールの在り方」に関する情報通信審議会の答申等を踏まえた通信分野の公正競争ルールの整備
○通信・放送の総合的な法体系の整備
【施策の方向性】
・ 携帯電話のエリア整備及び更なるブロードバンドインフラの高度化等の推進により、「世界を常に一歩リードする」世界最先端の情報通信基盤を整備する。
・ 違法・有害情報対策の推進により、誰もが安全に安心してインターネットを利用できる環境を整備するとともに、新たな技術・サービスに関する課題への対応策を整理する。
・ 情報セキュリティ向上に向けた総合的な情報セキュリティ対策を推進する。
・ ICTを活用して高い付加価値を創造できる高度ICT人材の育成を推進する。
・ 高齢者・障害者を含め、誰もがICTを利用でき、その恩恵を享受できるよう、情報バリアフリー環境を整備する。
【具体的施策】
○地域における携帯電話等のエリア整備や超高速ブロードバンド網等の整備の促進
○違法・有害情報対策の包括的政策パッケージとしての「安心ネットづくり」の促進
○情報セキュリティに関する技術開発、人材育成、情報共有体制の強化、国際連携等の推進
○ICT技術を必要とする専門家育成のため、最先端ネットワーク技術を活用した遠隔教育システムの実用化の促進、高度ICT人材の育成
○インターネットのIPv6対応を迅速かつ円滑に行うため、ネットワーク運用者等によるIPv6対応技術の習得を可能とする実験用ネットワークシステム(テストベッド)の整備
○高齢者や障害者等がICTをより簡単に利用できるよう、字幕番組・解説番組等の制作促進、身体障害者向けサービス提供・開発の推進
【施策の方向性】
・ 「ICT国際競争力強化プログラム2009」(平成21年6月17日)に基づき、ICT産業の国際競争力強化を目指して我が国のICT産業・技術・コンテンツの国際展開を推進する。
・ 我が国が強みを持つ技術の研究開発を推進し、その国際連携・国際展開を支援するとともに、国際標準化活動の抜本的強化を図る。
・ ICTを最大限活用し、地球環境問題を解決する。
【具体的施策】
○重点領域について対象国のニーズに対応しつつグローバル展開を図る「ユビキタス・アライアンス・プロジェクト」や、国際展開を視野に入れた新事業の組成を促す「ICT先進実証実験事業」等の推進
○国際機関、諸外国との連携・協力、海外に対する情報発信の強化等
○我が国が強みを持つ技術の研究開発を加速し、他国に先駆けて市場投入を図るための「国際展開加速技術開発プログラム」の推進
○我が国の「尖った」技術の国際展開を視野に入れた研究開発段階からの国際連携を進める「国際連携促進研究開発プログラム」の推進
○戦略的な国際標準提案の強化、国際標準化を主導する人材の育成・活用等
○低炭素社会の実現に向けたITS情報通信システムの調査・実証、ネットワーク全体の省電力化を実現する技術等の研究開発・実証実験の推進、ICTの活用によるCO2排出削減効果の評価手法等の国際標準化等に向けた実証実験の実施
○APEC電気通信・情報産業担当大臣会合(TELMIN)の日本開催
II 地域の活力発揮
○ 国と地方の役割分担や責任分野を明確化するとともに、自己決定と自己責任の原則を徹底する地方分権の流れを確固たるものとするため、地方分権改革の着実な推進により、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指す。 ○ 経済危機的状況に照らし果断な対応を適時適切に図る際には、地方公共団体の積極的な協力が得られる適切な財政措置を講じる。 ○ 地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源総額を充実確保するとともに、国と地方の役割分担の見直し等に応じ、地方分権にかなった地方税財政制度を確立する。 ○ 地方圏に「定住」のための暮らしに必要な諸機能を確保するとともに、「自立」のための経済基盤を充実し、地域の誇りを醸成するため、「定住自立圏構想」を各府省連携して推進していく。 ○ 「安心社会」、地域の活力の基盤となる新たな「公」を創造するため、人材力の強化や新たな過疎対策の推進による地域力の創造を強力に進めていく。 |
1.地方分権改革の着実な推進
【施策の方向性】
・ 「経済財政改革の基本方針2009」及び地方分権改革推進法等に基づき、国と地方の役割分担を見直すなど、地方分権改革を着実に推進する。また、分権型社会の担い手にふさわしい人材育成を進める。
・ 第29次地方制度調査会答申を踏まえ、地方公共団体における監査機能の充実・強化及び議会制度のあり方の見直しに向けた取組を進める。
・ 第29次地方制度調査会答申を踏まえ、市町村合併、広域連携、都道府県の補完などにより、市町村の行財政基盤を強化するとともに、合併市町村の新しいまちづくりを積極的に支援することにより、その一体的な振興や周辺地域への対応を適切に行えるようにする。
【具体的施策】
○地方分権改革推進委員会の勧告を踏まえた地方分権改革の着実な推進
○地方分権推進の観点に立った直轄事業負担金制度等の見直しの検討
○地方公共団体における人材育成基本方針に基づく職員研修の実施や人事評価の導入等に際し、アドバイザーの派遣等による総合的な人材育成支援
○新たな地方分権時代に向けて、地域力の創造と新たな地域経営を担う人材育成の推進
○地方公共団体の監査機能の充実・強化及び議会制度のあり方の見直し
○新たな合併特例制度の整備による自主的な市町村の合併の支援、内部組織の共同設置などの新たな広域連携の仕組みの整備とその活用促進、小規模市町村における新たな事務執行確保方策についての多角的な検討
○旧合併特例法及び現行合併特例法の下での合併市町村に対する着実な支援
2.地方公共団体における経済対策への支援及び安定的な財政運営の確保
【施策の方向性】
・ 「経済財政改革の基本方針2009」に基づき、経済危機的状況に照らし果断な対応を適時適切に図る際には、経済対策の実効性を確保するためには地方の積極的な協力が必要であることを踏まえ、地方公共団体の協力が得られる適切な財政措置を講じる。
・ 「経済財政改革の基本方針2009」、持続可能な社会保障構築とその安定財源の確保に向けた「中期プログラム」、地方分権改革推進委員会からの勧告等を踏まえ、国と地方の役割分担を見直すことを通じ、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含めた税源配分の見直し等を一体的に検討し、地方分権にかなった地方税財政制度の確立を目指す。また、地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源総額を充実確保する。
・ 地方公共団体の財政の健全化に関する法律の円滑な施行により、分権時代にふさわしい地方の自己規律による財政の健全化を推進する。
【具体的施策】
○「経済財政改革の基本方針2009」に基づき、経済危機的状況に照らし果断な対応を適時適切に図る際には、経済対策の実効性を確保するために地方公共団体の協力が得られる適切な財政措置を実施
○国と地方の役割分担の見直し等に応じ、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含めた税源配分の見直し等を一体的に検討し、地方分権にかなった地方税財政制度を確立
○地方分権の推進とその基盤となる地方税財源の充実を図る中で、地方消費税の充実などにより、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築
○経済情勢を踏まえた地方財政計画の策定等を通じ、地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源総額を充実確保
○地方公共団体の財政の健全化に関する法律による財政健全化の推進
○「公立病院改革ガイドライン」に基づき公立病院の経営改革を促すとともに、適切な財政措置を講じ、必要な地域医療を確保
○第三セクター等改革推進債の創設も踏まえ、公営企業、地方公社及び第三セクターの集中的な改革を推進
○市町村国保の安定的な財政運営の確保のための地方財政措置
3.「定住自立圏構想」の推進
【施策の方向性】
・ 中心市と周辺市町村が協定に基づき役割分担し、相互に連携する「定住自立圏構想」の推進により、圏域ごとに生活に必要な機能を確保し、地方への人の流れを創出して定住を進める。
【具体的施策】
○「地域力創造本部」の下、地域力を創造するための施策を体系的に企画立案し、強力に推進
○各府省との連携の下、定住自立圏構想により、全国各地の人口定住を促進する自主的な取組を積極的に支援
○定住自立圏域の連携強化に資する情報通信基盤等の整備を積極的に支援
○医師などの人材確保対策、救急医療機関に対する支援等を通じた地域における医療提供体制の確保
4.人材力の活性化・ネットワーク・交流による地域力の創造
【施策の方向性】
・ 地域力創造の基本となる人材力を強化するため、「頑張る地方応援プログラム」や新たに策定する「人材力活性化プログラム」等に基づき、人材力の活性化、ネットワーク・交流の強化、情報提供等を推進する。
・ 「地域おこし協力隊」や「子ども農山漁村交流プロジェクト」等により、都市から地方への移住・交流を促進する。
【具体的施策】
○あらゆる世代、あらゆる職種、あらゆる団体・グループを対象とした地域力創造のための「人材力活性化プログラム」を策定し、NPO、大学、企業、地域団体等との役割・責任分担に基づくパートナーシップの下で実施
○民間団体の主体的な取組との連携による広域的な人材育成・交流の仕組みを構築
○関係府省等との連携による「地域力創造データバンク」の拡充・情報提供や、「地域人材ネット」登録の専門家派遣により地域活性化を支援
○市町村長等を対象とした「地域経営塾」の開催や、自治体職員や地域づくり団体のメンバーを対象とした「地域リーダー養成塾」との連携強化により経営感覚をもった地域のマネジメント人材を育成
○自治大学校をはじめ自治体職員向けの研修機関との連携による人材育成を強化
○地域おこし活動の実践による教育・研究を行う大学や高校とのネットワークを構築して、地域の若い人材力を育成するとともに、地方回帰を促進
○学校や地域の連携による小中学校でのまちづくり教育や都市の子どもが農山漁村で宿泊体験活動を行う「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進
○意欲ある都市住民を地域社会の新たな担い手として受け入れる「地域おこし協力隊」の推進や、移住・交流推進機構との連携により移住・交流を推進
○カーボン・オフセット協定、流域協定により、自然との共生を核とした地域間連携を推進
5.新たな過疎対策の推進など安心して暮らせる地域づくり
【施策の方向性】
・ 過疎地域自立促進特別措置法の失効後に向けた立法措置の動向に対応し、実効性のある新たな過疎対策に積極的に取り組む。
・ 地域協働の一層の推進を図るため、地域のコミュニティを再生し、活動の活性化を推進する。
【具体的施策】
○過疎地域の厳しい現状を踏まえ、ハード・ソフト両面にわたって、過疎地域の維持・再生に向けた新たな過疎対策を推進
○集落支援員の活動の促進などにより、厳しい環境に置かれた集落の維持を図り、活力を再生
○地域コミュニティ等と地方自治体が協働する新しい地域経営に向け、モデル構築のための事業を実施するとともに、顕著な功績のあったコミュニティ活動を顕彰
○NPO等の地域づくり団体の持続的活動を支える地域の資金循環の枠組みを検討
○地域力創造に向けて取り組む経済停滞地域、条件不利地域等を、地域力創造推進地域に選定し、その主体的な取組を支援
○外国人住民を住民基本台帳制度の対象に加え、住民行政の基礎とすることにより、外国人住民の利便の増進及び行政の合理化を推進
○地方自治体による外国人住民に対する支援等を促進し、地域における多文化共生施策を推進
III 国民の安全を支える消防防災行政の推進
○ 国民の安心・安全を向上させるため、地域における総合的な防災力の強化、消防防災体制の充実、救急救命体制の充実、身近な生活における安心・安全の確保の4点について重点的に推進する。 |
1.地域における総合的な防災力の強化
【施策の方向性】
・ 地域における自助・共助の向上による総合的な防災力の強化を図るため、地域防災の中核的役割を担う消防団・自主防災組織を充実強化する。
・ 地域における防災の多様な担い手の参加を促し防災力をなお一層強化するため、児童、生徒をはじめ、地域の様々な住民を対象とした防災人づくりを充実させる。
・ 地域における防災基盤を強化するため、防災拠点となる公共施設等の耐震化を引き続き促進する。
・ 地域における総合的な防災力を一層向上させるため、企業の地域防災分野におけるさらなる活動の促進を図る。
【具体的施策】
○消防団の救助対応力の向上
○消防団・自主防災組織に対し、災害時の円滑な対応のための研修等を実施
○防災人づくりの一環としての自主防災組織の活性化及び地域防災スクールの実施の支援
○防災拠点となる公共施設等の耐震化について必要な支援を実施
○企業と地域社会の連携による大規模地震発生時における帰宅困難者対策等を検討し、地域防災計画へ反映
○消防団協力事業所表示制度の一層の普及促進
2.消防防災体制の充実
【施策の方向性】
・ 複雑多様化する各種災害に適切に対処し国民の安心・安全を確保するため、消防の広域化をはじめとする消防機関の災害対応力のさらなる強化を図る。
・ 大規模災害発生時に地域を越えて的確かつ迅速に対応するため、緊急消防援助隊の充実強化を図る。
・ 都市型災害に備えるため、救助隊員の大規模地震災害における救助活動能力の向上を図る。
・ 有事や自然災害発生等に関する情報を住民に瞬時に伝達するため、全国瞬時警報システム(J-ALERT)の全市区町村での円滑な運用を実現する。
【具体的施策】
○消防の広域化の積極的推進
○消防救急無線のデジタル化の促進
○消防活動等における安全管理対策の充実
○緊急消防援助隊が活用する消防防災ヘリコプター、消防車両、救助用資機材等の整備促進及び全国訓練の実施
○消防機関における都市型捜索救助技術の一層の向上
○J-ALERTの円滑・効果的な運用管理の推進
3.救急救命体制の充実
【施策の方向性】
・ 円滑な救急搬送・受入体制を構築するため、引き続き消防と医療の連携を推進する。
・ 救急搬送における救命率を向上させるため、救急救命士を含む救急隊員が行う救急業務の高度化を図る。
・ 救急現場における救命率を向上させるため、一般市民による応急手当の実施等をなお一層促進する。
・ 消防機関における新型インフルエンザ対策を強化する。
【具体的施策】
○消防機関と医療機関の連携強化のための、搬送・受入れの実施基準の運用状況の検証及び救急医療機関に対する支援並びに救急相談窓口の全国的な設置促進
○救急救命士の再教育も含めた病院実習等救急隊員の教育体制の充実
○一般市民によるAEDの使用を促進するための環境の整備
○新型インフルエンザの感染拡大・強毒化に備えた患者搬送対策の充実
4.身近な生活における安心・安全の確保
【施策の方向性】
・ 高齢者や障害者等の防火安全を確保するため、ユニバーサル・デザインの観点等を踏まえた防火対策を推進する。
・ 全国における住宅用火災警報器の既存住宅への設置義務化に備えるため、設置促進のための取組を強化し、住宅火災死者数の半減を目指す。
・ 近年、急速に進展する建築物の大規模化・複合化等の高度利用を踏まえ、合理的・効果的な防火安全対策の構築を目指す。
・ 市民の身近な安全に影響を与える恐れのある製品事故等を未然に防止するため、事故情報を収集し早期に分析・把握する。
【具体的施策】
○高齢者や障害者等の災害時要援護者が容易に取り扱うことのできる消防用設備の開発・普及の促進
○住宅用火災警報器の設置促進
○防火対象物の建築構造、利用形態等を踏まえた合理的な消防用設備等の設置及び効果的な防火管理の基準のあり方の検討
○製品火災・事故等に係る情報の収集・原因分析・未然防止策等の研究
IV 行政改革の着実な推進
○ 「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」(行革推進法)等に定められた行政改革の重要課題への対応を積極的に推進するとともに、国民のサービスを高める「質の改革」等の行政制度・運営の改善及び行政の透明性の向上を推進し、「簡素にして温かい政府」の実現を図る。 ○ 電子政府・電子自治体の推進により、国民の利便性・サービスの向上、行政運営の簡素化・効率化等の実現を図る。 |
1.行政組織等の減量・効率化や見直しの推進
<国>
【施策の方向性】
・ 平成18年度から22年度までの5年間で5.7%以上(18,936人以上)の純減を確保し、総人件費改革に寄与する。
・ 平成22年度以降の5年間で10%以上の定員合理化を行い、大胆な定員の再配置と行政のスリム化を推進する。
・ 平成19年12月に閣議決定された「独立行政法人整理合理化計画」の確実な実施等により、独立行政法人の運営の効率化とガバナンス強化を図る。
中期目標期間終了時の独立行政法人の見直しに当たっては、社会経済情勢等を勘案し、必要性が乏しくなった事務・事業を廃止あるいは民営化し、また、時宜に応じた業務運営に改めるなどの措置を講じる。
【具体的施策】
○平成18年度以降の5年間で5.7%以上の定員純減を確保
○平成22年度の合理化目標6,066人(21年度末定員の2%以上)の確保とメリハリのある定員の再配置
○地方支分部局等の見直し、ICT化により業務のスリム化等の推進
○「独立行政法人整理合理化計画」に基づく法人の着実な見直しの促進、独立行政法人通則法の改正等による不要財産の国庫納付の義務付け、内部統制の強化、平成22年度に中期目標期間が終了する独立行政法人の見直し
<地方>
【施策の方向性】
・ 各地方公共団体における地方行革の実施状況等について、他団体と比較可能な形で公表するなど、集中改革プラン等に基づく自治体改革を踏まえ、引き続き、各地方公共団体の行政改革の推進のため、情報提供及び助言を行う。
・ 地方公共団体における資産・債務管理、費用管理、財務情報のわかりやすい開示に資するための地方公会計改革、行革推進法、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」等を踏まえた公務員人件費改革、公共サービスの質の維持向上及び経費節減を図るため市場化テスト等を活用した公共サービス改革等を推進する。
【具体的施策】
○各地方公共団体における地方行革の実施状況等について、他団体と比較可能な形で公表
○発生主義に基づく財務書類の整備促進、及び作成された財務書類のわかりやすい開示や利活用の推進
○地方公営企業会計制度等の抜本的な見直し
○定員純減の取組の継続など地方公務員の人件費改革に係る取組を引き続き推進
○技能労務職員の給与等の情報開示の徹底と見直しに向けた取組方針の実施の要請及び人事委員会の機能強化等を通じた地域の民間給与のより一層の反映の推進
○市場化テスト等の活用の要請
○市町村長等を対象とした「地域経営塾」を開催(再掲)
2.行政制度・運営の改善及び行政の透明性の向上
【施策の方向性】
・ 経済財政諮問会議と総務省・各府省の政策評価に関する連携を強化することにより、評価結果を活用し、予算の効率化等国の政策に適切に反映する。
・ 政策評価、行政評価・監視の充実・強化に向けて取り組むことにより、行政の無駄の削減の取組、効果的、効率的な行政運営に寄与する。
・ 国民からの苦情、相談を受け付け、処理する行政相談制度を活性化し、地域の安心・安全の実現に貢献する。
・ 平成21年度は「初動の年」、22年度は「本格実施の年」として、推進官庁である内閣官房、総務省を中心に「質の行政改革」に積極的に取り組む。
・ 行政不服審査制度の見直しなどにより、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済と行政の適正な運営の確保を図る。
・ 行政の透明性向上と信頼性確保のため、国の行政機関等の情報公開・個人情報保護制度の適正かつ円滑な運用を図る。
【具体的施策】
○経済財政諮問会議との連携の下、毎年末の政策評価の重要対象分野の選定について意見具申、評価の実施を推進
○各府省の無駄の削減に資する政策評価について点検を実施
○効果的・効率的な行政運営の確保に資する行政評価・監視を実施
○行政相談委員と各種相談機関、地方公共団体との連携の一層の強化等、行政相談委員活動の充実及び国・地方総合相談窓口等の総合的な相談受付・処理体制の充実
○業務改革推進協議会において決定された「『質の行政改革』に関する取組方針」に基づき、各府省の業務工程改革計画に基づく取組を推進
○行政不服審査法及び行政手続法の改正に係る取組の推進
○情報公開法及び個人情報保護法の施行状況調査の実施、総合案内所の運営
3.公務員制度改革の着実な推進
<国>
【施策の方向性】
・ 能力・実績主義の人事管理の徹底を図るとともに、退職管理の適正化等を着実に推進する。また、国家公務員に対する国民の信頼を確保するための適切な人事管理を推進する。
・ 国家公務員制度改革基本法に規定された基本理念、方針の趣旨に沿って、公務員制度改革に係る「工程表」(平成21年2月3日国家公務員制度改革推進本部決定)を踏まえつつ、国家公務員制度改革推進本部に連携・協力して国家公務員制度改革を推進する。
【具体的施策】
○ 採用昇任等基本方針に沿った能力・実績主義の人事管理の徹底
○ 人事評価制度の円滑かつ的確な運用
○ 退職準備プログラムの拡充
<地方>
【施策の方向性】
・ 能力・実績主義に基づく人事管理の徹底等を図るとともに、国家公務員制度改革基本法を踏まえつつ、引き続き地方公務員制度の改革を推進する。
【具体的施策】
○能力・実績主義に基づく人事管理の確立等を推進
4.電子政府・電子自治体の推進
<国>
【施策の方向性】
・ 国民や企業の利用頻度が高い重点71手続について、オンラインのメリット拡大や使い勝手の向上等に関する措置を集中的に講じ、オンライン利用拡大行動計画(平成20年9月12日IT戦略本部決定)の着実な実施を確保する。
・ 年度単位のPDCAサイクルを定着させるため、今後策定予定の電子政府を加速するための計画において、利用者満足度などの評価基準を定め、各府省の自己点検結果を評価する。
・ 業務・システム最適化を徹底するとともに、行政情報システムの共同利用や統合・集約化を進め、行政情報システムの全体最適化を更に推進し、経費削減や各情報システム間の情報の利活用・共用を図る。
【具体的施策】
○重点71手続について、添付書類の省略や手数料の引下げ、e-Gov等オンライン申請システムのユーザビリティ向上などについて抜本的な改善策の実施を確保
○一層の業務改革(BPR)の推進や、クラウドコンピューティング等の最新の技術の動向等への対応を図るため、業務・システム最適化指針等を見直し、更なる全体最適化を実施
○政府の情報システムの効率化等を図る「霞が関クラウド」の基盤システムとして、情報システムの統合・集約化やデータ連携を担う共通プラットフォームを構築
<地方>
【施策の方向性】
・ 電子自治体の推進による便利で効率的な行政等の構築を図る。
・ 電子自治体の基盤の更なる整備を行い、地方公共団体の業務改革を推進するとともに、地方公共団体におけるオンライン利用を促進し、便利で効率的な行政等の構築を図る。
・ 地方公共団体における情報セキュリティ対策を推進する。
【具体的施策】
○住基ネットの利活用促進、住基カードの普及促進、公的個人認証サービスの利便性向上・利用サービス拡大
○「自治体クラウド」の推進等、効率的な電子自治体システムの構築を促進
○地域情報プラットフォーム標準仕様の活用等による電子自治体の推進
○「電子自治体オンライン利用促進指針」に基づくオンライン利用の促進
○電子投票の実施の推進
○地方税の電子化の推進
○地域の情報セキュリティ対策の担い手の育成支援を推進
<その他>
【施策の方向性】
・ 国民が自らに係る行政情報を安心して連携させることができる基盤となる「国民電子私書箱(仮称)」の実現を目指す。
【具体的施策】
○「国民電子私書箱(仮称)構想」の実現に向けたシステム構築の支援
V 経済基盤と安心な生活の環境整備
○ 国民生活を支える郵政行政の着実な推進、恩給の適切な支給、国民生活の向上に役立つ公的統計の整備・提供、年金記録に対する国民の信頼回復を図る。 |
1.国民生活を支える郵政行政の推進
【施策の方向性】
・ 民営化各社による国民生活に必要な郵便局のネットワーク水準やサービス水準の維持等が着実になされるよう取り組む。
・ 郵便のユニバーサルサービスを確保しつつ、郵便・信書便分野における競争環境を整備すること等により、利用者利便の向上を図る。
・ UPU(万国郵便連合)等を通じて、より一層の国際協力・国際貢献に取り組むことにより、郵政分野における国際連携の強化を図る。
【具体的施策】
○民営化各社等に対する適切な監督業務(許認可等を含む)
○郵便・信書便事業におけるユニバーサルサービス確保と競争環境整備に必要な調査研究
○郵便事業における利用者利便の向上に係る情報収集
○郵便事業の環境基準に関する調査研究
○UPUに対する拠出を通じたUPUの法制度管理体制強化支援等
2.受給者の生活を支える恩給の支給
【施策の方向性】
・ 平成19年恩給法改正により導入された年額水準の自動改定措置等に基づき、恩給の適切な支給に努める。
・ 恩給受給者の高齢化が進んでいることを踏まえ、より一層の受給者サービスの向上を図る。
【具体的施策】
○恩給の適切な支給
○電話相談業務の充実
3.公的統計の体系的な整備・提供
【施策の方向性】
・ 我が国に住むすべての人を対象とする国の最も基本的な統計調査である平成22年国勢調査を、新たな調査手法を導入し、実施する。
・ 統計法に基づき、初めて策定した「公的統計の整備に関する基本的な計画」に規定された諸施策の着実な実施を通じ、国民生活の向上に役立つ公的統計の体系的かつ効率的な整備・提供を図る。
【具体的施策】
○調査の実施体制の整備、効果的な広報の実施により、10月1日に、国内の人口や世帯を明らかにするための平成22年国勢調査を実施
○全産業分野の事業所及び企業の経理項目の把握に重点をおいた経済センサス‐活動調査(平成23年度実施)に向けた準備
○国民や企業等の負担を軽減し、正確かつ効率的に統計を作成するための行政記録情報の積極的な活用及び事業所母集団データベースの整備・提供
○利用者のニーズに対応し、オーダーメード集計、匿名データの作成・提供の対象となる統計調査やサービスの段階的な拡大
○消費者物価指数における平成22年基準改定
○国民経済計算の精度向上に必要な各種の一次統計との連携強化、環境や観光に関する統計などの整備
4.年金記録への信頼回復
【施策の方向性】
・ 年金記録に対する国民の信頼回復を図るため、中央と地方(全国に50か所)の年金記録確認第三者委員会(以下「第三者委員会」という。)において、社会保険庁側に記録がなく、御本人も領収書等の物的証拠を持っていないといった事例について、国民の立場に立って、申立てを十分に汲み取り、様々な関連資料を検討し、記録訂正に関し公正な判断を示す。
【具体的施策】
○第三者委員会による年金記録に係る苦情のあっせん案の作成及びこれを踏まえた社会保険庁に対するあっせんの実施
○第三者委員会において、公正な審議を確保しつつ、迅速な事案処理を行っていくための体制の確保
○第三者委員会の趣旨、活動内容等を国民に理解していただくための広報の充実