総務省は、本日、船舶が任意に設置する安価な国際VHFの無線機器の導入に伴う電波法施行規則、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の各一部を改正する省令案(以下「諮問省令案」といいます。)について、電波監理審議会(会長:濱田 純一 東京大学総長)に諮問しました。
つきましては、諮問省令案及びそれに関係する省令案について、本日から平成21年6月12日(金)までの間、国民の皆様から広く意見を募集します。
1 改正の背景等
現在、船舶に搭載された無線通信システムは、船舶の規模・用途ごとに使用される無線機器が異なるため、洋上で異なった規模・用途の船舶が出会った場合、危険回避行動等の連絡を相互に取り合うことが困難な状況となっています。
このような中、平成20年2月の護衛艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、船舶間で共通に利用できる無線通信システムが無いことが海難防止の妨げの一つとして指摘され、総務省としては、船舶間で共通に使用することができる通信システム(以下「船舶共通通信システム」といいます。)を早急に普及させることを目的として、平成20年4月に「海上における船舶のための共通通信システムの在り方及び普及促進に関する検討会」(座長・三木哲也 電気通信大学理事)を設置し、船舶共通通信システムとして、国際VHFの無線機器(注)を基本とすること、北米等で普及している安価な国際VHFの無線機器を我が国でも導入することができるよう関係規定の見直しが必要であること等を内容とした報告書が平成21年1月に取りまとめられました。
今般、総務省では、この報告書の提言を踏まえ、小型船舶が任意に設置する安価な国際VHFの無線機器の早期導入を実現するため、関係規定を整備するものです。
(注)F3E156MHz〜157.45MHzの周波数を使用する国際的に共通した無線機器。条約船や100トン以上の国内船などの大型船舶には型式検定を取得した国際VHFの無線機器の搭載が義務付けられています。諸外国では、条約適用船以外の船舶には、型式検定を取得した国際VHFとは別に安価で簡易な機能を有した小型船舶用国際VHF無線機器が普及しています。
2 改正の概要
(1)任意に設置する簡易な国際VHF無線機器等を搭載した船舶局の定期検査実施時期を3年から5年に変更し、このうち携帯型については定期検査を要しない無線局に追加すること。(電波法施行規則第41条の2の6及び別表第5号関係)
(2) 任意に設置する国際VHFの技術的条件を定めること。(無線設備規則第24条、第40条の5、第40条の7、第45条の12の4及び第58条の2関係)
(3) 任意に設置する国際VHFの無線機器に関する技術基準適合証明のための測定項目を定めること。(特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則第2条関係)
(4) 特定船舶局の無線局事項書及び工事設計書の様式を改めること。(無線局免許手続規則別表第2号の3第3)
(5) その他所要の規定を整備すること。
3 意見公募対象及び意見提出要領等
4 今後の予定
皆様から寄せられた意見及び電波監理審議会の答申を踏まえ、本件に関係する省令の改正を速やかに行う予定です。