報道資料
平成22年6月11日
フィリピン共和国が地上デジタルテレビ放送日本方式を採用する規則に署名
6月11日、フィリピン共和国電気通信委員会(NTC)は、同国における地上デジタルテレビ放送方式の規格として日本方式(ISDB−T方式)を採用する規則に署名しました。
フィリピンは、日本以外のアジアで最初に日本方式を採用する国になります。
海外では、これまで、中南米のブラジル、ペルー、アルゼンチン、チリ、ベネズエラ、エクアドル、コスタリカ、パラグアイが日本方式を採用しています。
1 フィリピン政府による日本方式を採用する規則への署名
(1) 総務省は、関係省庁、放送事業者、メーカ、研究機関等と連携しつつ、専門家を派遣してのセミナー開催や試験放送の実施、また方式検討担当者を日本に招聘するなど、フィリピン政府等関係者に対し、日本方式の採用に向けた働きかけを継続して行ってきたところです。
(2) この結果、ハイビジョン放送と同時に移動端末向け放送サービス(ワンセグ)が提供可能であること、干渉に強く移動中の車内や山がちな場所においても良好に受信ができることなどが評価され、6月11日に電気通信委員会(NTC)は、同国の地上デジタルテレビ放送方式として日本方式を採用する旨の規則に署名しました。
2 総務省の今後の取組
(1) 総務省は、関係省庁及び関係機関と連携のうえ、フィリピンにおける日本方式の円滑な導入に向けて、技術協力、人材育成等の支援を実施していく予定です。
(2) 今後とも、日本方式を採用した国々と連携しつつ日本方式の更なる海外普及に努めていきます。
(参考資料)
1 日本方式(ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)
国際標準となっている地上デジタルテレビジョン放送の規格には、日本方式(ISDB-T方式)、欧州方式(DVB−T方式)、米国方式(ATSC方式)の3方式が存在します。日本方式は他の方式に比べて、電波障害や干渉に強く、移動時でも受信が良好であるといった技術的な優位性があること、また携帯端末向け放送(ワンセグ)とハイビジョン伝送が一つの送信機で伝送可能であり全体のコストが安くなり経済的であること等の優位性があります。
中南米では、ブラジルが2006年に、ペルー、アルゼンチン、チリ、ベネズエラが2009年に、エクアドル、コスタリカ、パラグアイが2010年に採用を決定しており、ブラジル、ペルー及びアルゼンチンではすでに放送が開始されています。
2 日本方式の海外展開の状況
日本は、海外の日本方式採用国と連携し、未だ方式決定をしていない南米のボリビア、アフリカの南アフリカ共和国等に採用を働きかけています。
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