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IPv6によるインターネット利用高度化に関する研究会第15回会合議事概要

日時

平成23年8月3日(木) 10:00〜12:00

場所

総務省 8階 第1特別会議室

出席者(敬称略)

(1) 座長
齊藤忠夫(東京大学)
(2) 構成員
荒野高志(代理:佐藤氏)(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、依田高典(京都大学)、今井恵一(社団法人テレコムサービス協会)、江ア浩(東京大学)、木下剛(財団法人インターネット協会)、近藤寛人(社団法人電気通信事業者協会)、清水博(財団法人電気通信端末機器審査協会)、立石 聡明(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、中村修(慶應義塾大学)、松村敏弘(東京大学)、松本修一(一般社団法人日本ケーブルラボ)、村松茂(財団法人日本データ通信協会)
(3) 総務省
桜井総合通信基盤局長、原口電気通信事業部長、安藤総合通信基盤局総務課長、齋藤データ通信課長、中西データ通信課企画官、田邉データ通信課課長補佐

議題

(1) 企業ネットワークのIPv6対応について(オブザーバーからのプレゼンテーション)
(2) 報告書骨子(案)について
(3) その他

議事要旨

・資料15-1について、ソニーグローバルソリューションズ株式会社から説明。
〇 IPv6オンリーに移行するスケジュールは、2014年をターゲットに動いているのか。
〇 まだ流動的だが、できるだけデュアルスタックの時期を短くすることがコスト削減につながる。各国によって事情はさまざまで、まだ道筋がついていない国もある。少なくともバックボーンの部分だけ何とかできないか、検討している。
〇 IPv6への移行、データセンターの集約化、それからアプリケーションのパッケージ化の戦略だと思うが、これはある意味グローバルネットワークの棚卸しをしていくことで全体のコスト削減とアクティビティーを上げるという大きな方向性と捉えてよいか。
〇 グローバルデータセンターの活用については、コスト削減という面もあるし、3月にも東日本大震災があったが、BCPの観点でも役立っているという状況。グループ内部では、BCP等を重視する観点がますます加速している状況で、グローバルデータセンターの活用をIPv6対応という面でも進めることができている。

〇 ネットワークサービスについては、ISPがIPv6対応しなければ、いくらサービス側がIPv6対応しても通信ができないので、ISPのスケジュールに依存する。グループの企業ネットワークとしては、そういったものにあまり左右されずに、とにかく我々グループで必要な次世代ネットワークを構築するということで、スケジュールを立てて進めているという状況。
〇 IPv6対応を機会に、より良いネットワークを作るチャンスだということを、この報告書のかなり頭のほうで書けるととてもいいと思う。
〇 現状見えている課題等があれば、教えて欲しい。
〇 大きく分けて技術的な課題と、それ以外の課題とある。技術的な課題については、やはり移行技術等がまだ成熟していないのではないかという点。それから、ベンダーの機器が、まだIPv4と同じ程度には成熟していないということがあると思う。 それ以外の点については、グループで基幹として動かしている業務システムは数千のレベルだが、すべてIPv6対応するのは大変で、対応範囲を検討しているところ。
〇 また、他の会社との接続等もたくさん行っており、例えば、金融系の会社、部品系の会社と接続をしている。その際、例えばEDI、VAN等の様々なインターネット以外の技術を使って相互接続をしているが、そういうところがIPv6対応しないと、IPv4を完全になくすことはできない。そこは残念ながらコントロールできない。
〇 サービスプロバイダとしての対応に大いに期待している。そうなると、頑張ってISPやコンテンツプロバイダーもIPv6対応するだろう。そういう正の循環をどうやってつくり出すかというところを1つの基点として、企業システム全体のガラパゴス化の脱却ができると良いと思う。


・資料15-2について、事務局から説明。
〇 枯渇したから仕方なくIPv6対応するというのではなく、チャンスとして捉えるということを書けると良い。IPv6対応について検討する時期にきている。
〇 変革の時期だということを書くのがよい。ネットワーク構造、ビジネス構造が変わろうとしている。データセンターの活用が進む。クラウド化もそのひとつ。

〇 IPv6における競争政策の観点も重要。ネイティブ方式の契約問題もその一例ではないか。環境クラウド、NGNにおけるネイティブ接続サービス等の新たなビジネスにおいて障壁がないか注視していくことを記載した方が良いのではないか。

〇 国際の状況が書かれていないので入れるべき。アジア等でIPv6の動きが出始めている。

〇 ADSLのIPv6対応が書かれていない。
〇 ADSLについては、1,2回の議論では結論を出すことは難しいので、今後の課題として残してはどうか。

〇 P12はNTT自身がインターネット接続サービスを提供するように見えないよう修正したほうがよい。
〇 P14は、中小ISPがローミングを使った方が良いように読める。
〇 現状、中小ISPがローミングやトランジットを使うケースが多く、ローミングやトランジットの対応が必要と言うことを書いてある。誤解のないように修正すればよいだろう。

〇 IPv6のセキュリティ上の課題は、IPv6自体が危ないという記述は誤解を生むため、工夫した方が良い。
〇 セキュリティに関しては、ベストプラクティスが共有されていないということ。情報共有が必要という書き方が良いのではないか。
〇 IPv6が過渡期であっても危ないというのは問題ではないか。
〇 IPv4も同様に危ない状態であり、これはネットワーク共通の問題。
〇 攻撃者がIPv4に集中しているという意味では、IPv4の方が明らかに危ない。IPv6はベストプラクティスが周知されていないだけ。DoDではIPv6を採用しており、IPv6に関する技術移転が少しずつ動き始めている。こういった状況を追加してはどうか。

〇 ISPが能動的に取り組む形が気になる。ウェブ事業が中心となる企業のIPv6対応とエンドユーザーのIPv6対応では位置づけが違う。サービス提供事業者が先ではないか。エンドユーザーを増やすというのは順序が異なる印象。ユーザーが困るという段階にはまだきていないのではないか。
〇 鶏卵の問題はずっと言われているが、ビジネスの継続を目指すというのが、この研究会での方向性だと思う。ISPのIPv6対応は進んだので次はエンドユーザーに軸を移すということになる。
〇 P7で、Dual環境を長期化させないというのは日本だけの事情ではどうしようもない。短くしたいのは分かるが、「回避」というのは強すぎると思う。
〇 ヒアリングによればISPのインターネット接続サービスのIPv6化が進展。そこを伸ばしていくのは機を捉えた取組であると理解。
〇 一般ユーザーに対する取組が重要。
〇 IPv4/IPv6のデュアル対応とIPv6ネイティブ対応の議論を分けるべき。
〇 前回報告との違いを明確にすべき。今回はIPv6実利用を促進とあるが、前回の報告書ではIPv6対応という言葉を使っていた。

〇 あるデータセンターがIPv4アドレスを確保するために移転制度を使わざるを得ないという話は象徴的だと思う。IPv6への移行が望まれている。バックボーンに続いてアクセス網のIPv6化が整い、そのプロモーションは自然な話。IPv6対応を後からやった方が有利とならないよう、産業政策として考える必要があるのではないか。各社のIPv4アドレスの在庫によらず、公平な競争ができると良いだろう。
〇 IPv4アドレスを買ってきても、そのコストをユーザー負担させられないのは、公平ではない。
〇 アドレスを持っている人と持っていない人との競争については、もっと踏み込んで書いても良いのではないか。これも課題の一つだと思う。

〇 P6、1つ目の□の「また、〜」は「また、IPv6導入には規模の経済が働くのではないか。すなわち、〜」としてはどうか。3つ目の□の部分は、「→対応コンテンツの増加・対応コストの低減→」としてはどうか。

〇 ネットワーク効果の理解が難しい。機器が大量に普及してくれば安くなるというのをネットワーク効果と呼ぶという人もいるので、間違ってはいないと思うが、もし日本でIPv6移行を先行したとすると、そのおかげで導入コストが安くなり、その結果世界で普及する、つまり日本の高コストによって世界中に利益を与えますというストーリーにも聞こえてしまう。

〇 モノのインターネットを新産業・新領域という言い方に変えた方が良いのではないか。

〇 指摘されたもので答えがまだないものは、課題として残すことにしてはどうか。実利用の促進が本当に必要なのかといった根本的な議論はしない方が良いだろう。書くとすれば、最後に2015年に向けた課題として書く程度で良い。


【その他】
〇 次回の開催等について連絡。

以上

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