報道資料
平成28年5月20日
北海道総合通信局
地方創生に貢献するICT研究開発を採択
− 平成28年度「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)」の公募結果 −
総務省は、平成28年度「戦略的情報通信研究開発推進事業(
SCOPE※)」の研究開発課題の公募に関して、平成28年5月20日(金曜日)、北海道管内から次の3件を採択しました。
本件については、平成28年1月12日から同年2月12日までの間、公募を行い、外部有識者により構成された評価委員会おいて提案の評価を実施し、その結果を踏まえて採択を行っています。
【北海道管内採択課題】
(概要は「別紙」のとおりです)
研究開発課題名 |
研究代表者
(所属機関) |
【地域ICT振興型研究開発】
サケマス回帰率向上のためのICTを活用したビッグデータ取得と利活用に関する研究 |
塩谷 浩之
(しおや ひろゆき)
(室蘭工業大学) |
【地域ICT振興型研究開発】
完全自動リアルタイムフルデマンド交通システムSAV向けプラットフォームの研究開発 |
平田 圭二
(ひらた けいじ)
(公立はこだて未来大学) |
【若手ICT研究者等育成型研究開発】
合併症予測型脳神経外科手術用ナビゲーションシステムとSDNを用いた術中情報共有システムに関する研究開発 |
佐藤 生馬
(さとう いくま)
(公立はこだて未来大学) |
※ SCOPE(Strategic Information and Communications R&D Promotion Programmeの略)
戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE) は、情報通信技術(ICT) 分野において新規性に富む研究開発課題を大学・独立行政法人・企業・地方自治体の研究機関などから広く公募し、外部有識者による選考評価の上、研究を委託する競争的資金です。
これにより、未来社会における新たな価値創造、若手ICT 研究者の育成、中小企業の斬新な技術の発掘、ICT の利活用による地域の活性化、国際標準獲得等を推進します。
<参考>
別紙 「北海道管内採択課題の概要」
【地域ICT振興型研究開発】フェーズ1※
- 研究代表者
塩谷 浩之(室蘭工業大学)
- 研究分担者
春日井 潔(北海道立総合研究機構)
- 概要
サケマス沿岸漁業はふ化放流事業によって支えられており、サケマス稚魚放流に対する回帰率が沿岸漁獲量に直接結びついている。道内150か所以上あるサケマスふ化場では飼育や放流にともないデータが発生しているが、有効活用されていない。道内全体を見据えた回帰率向上には、ふ化情報のビッグデータ化が不可欠だが、そのためのデータの統合化は遅れている現状にある。そこで本研究開発においては、道内のふ化場からの情報の統合化とデータマイニング、さらにはふ化場のデータネットワーク化とその利活用に関する研究を行い、回帰率の要因分析をICTによって促進する情報環境を形成し、サケマス沿岸漁業の発展と北海道の地域産業促進に貢献することを目的とする。
- 期間
1か年度
【地域ICT振興型研究開発】フェーズ1※
- 研究代表者
平田 圭二(公立はこだて未来大学)
- 研究分担者
中島 秀之(公立はこだて未来大学)
鈴木 恵二(公立はこだて未来大学)
松舘 渉 (株式会社アットウェア)
野田 五十樹(産業技術総合研究所)
金森 亮 (名古屋大学)
- 概要
情報通信技術を用いて地域住民の活動目的を踏まえた移動サービスを提供し、地域活性化の基盤となる公共交通システムを実現するために、完全自動リアルタイム・デマンド応答型交通システムSAV (Smart Access Vehicle)システムの研究開発を行う。SAVシステムとは、固定路線・時刻表を持たず、呼び出しに応じて、場合によっては乗合いをしながら乗客を目的地まで届けるシステムである。函館市全域(約10Km四方)にて実証実験を行い、サービス連携・創発の実現、乗車失敗率5%以下、バス並みコストとタクシー並み利便性の両立を目指す。SAVシステムの特長は移動サービスのクラウド化である。それは、汎用性の高い計算資源を必要な時に必要なだけネット経由で提供するクラウドのように、移動させるというサービスを車輌の種類によらず必要な時に必要なだけ乗客に提供するという意味である。
- 期間
1か年度
【若手ICT研究者等育成型研究開発】フェーズ1※
- 研究代表者
佐藤 生馬(公立はこだて未来大学)
- 研究分担者
吉光 喜太郎(東京女子医科大学)
齋藤 貴之(株式会社iD)
- 概要
インテリジェント手術室での脳神経外科手術における情報共有を目的として、SDN(Software Defined Network)とクラウドを用いて、手術関係者がいつでも、どこでもモニタリング可能な環境を構築する。具体的には、Wi-Fi環境下から選択的に受信する映像メディアを切り替え、安全で高精細な映像情報などを取得できる技術を開発する。さらに、手術工程の可視化、熟練医の技術・経験の可視化を実現し、手術中の状態に合わせて患者の術後を予測し、術者の意思決定の支援を目標とする。
- 期間
1か年度
※本事業では、研究開発をフェーズ1とフェーズ2に分けています。
・フェーズ1:(1か年度)本格的な研究開発を行うための予備実験、理論検討等の研究開発を行い、優れた成果が得られるかどうかの実行可能性や実現可能性の検証等を実施。
・フェーズ2:(最長2か年度)本格的な研究開発を実施。
フェーズ1及び2はローマ数字ですが、機種依存文字のため算用数字で記載しています。
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