画像:住民参画システム利用の手引き 〜地域SNS、公的認証対応アンケートシステム〜
トップページ総論>5-4 地方議会及び既存の民意反映チャンネルとの関係の整理
目次
座長あいさつ
総論

1. 趣旨
2. 地域をとりまく環境変化
3. 地域における住民参画の必要性
4. ICT活用の可能性と課題

5. ICTを活用した「地域の課題解決力」の向上に向けて
5-1 テーマ設定
5-2 建設的な議論と意見集約の方法
5-3 行政内部の対応ルールの確立
5-4 地方議会及び既存の民意反映チャンネルとの関係の整理
5-5 地域SNS及び公的個人認証対応電子アンケートシステムの活用


導入検討編
実践編 地域SNS

実践編 電子アンケートシステム
資料編
5-4 地方議会及び既存の民意反映チャンネルとの関係の整理

 住民による直接選挙によって選ばれた議員によって構成される地方議会との関係にも留意する必要があります。具体的には、インターネット上のコミュニティ・会議室等で合意形成された内容について、議会での位置付けや議会における答弁との時期的な調整等について整理をしておく必要があります。

 例えば、首長やそのもとにある行政組織が直接住民の意見を聞く手段として活用するだけでなく、議員自身がインターネット上のコミュニティ・会議室等のオピニオンリーダーとして検討のプロセスに参画してもらうことや、議論の過程を見ることによって住民の意向を把握する手段として活用することも解決方策の一つといえるでしょう。

 また、ICTを活用する以前から各種審議会、市政懇談会、市政モニターなど、既に様々な民意反映チャンネルが存在しています。デジタルデバイドが大きい現状においては、ICTを活用した住民参画は、あくまでもこれらの既存のチャンネルの補完的手段といえます。

 しかし、今後、いつでも、どこでも、誰でもICTを活用することができるようになるユビキタス社会の到来や、ICTを活用して合意形成された意見は、ICTツールの特徴である「実質的な機会の均等性」や「透明性」という過程を経て得られたものであること等に鑑みると、単に既存の民意反映チャンネルを補完するにとどまらず、住民参画手段の新たな選択肢としてなんらかの積極的な位置付けがなされることも十分あり得ます。

 いずれにしても、ICTの活用によって、コミュニケーションに係るコストは劇的に低くなっており、個々の住民の意思を直接的に確認することが技術的には容易になりつつあります。こうした状況を踏まえると、間接民主主義中心の現状に対して、どこまで直接的に住民の意向を反映していくかという大きな課題について十分に議論しておく必要があります。

総務省 | 財団法人地方自治情報センター