画像:住民参画システム利用の手引き 〜地域SNS、公的認証対応アンケートシステム〜
トップページ実践編 地域SNS>4-1 参加者の募集方法
目次
座長あいさつ
総論
導入検討編
実践編 地域SNS

1. 導入の手順
2. 必要な体制
3. 地域SNSの運用ルール

4. 参加者の募集
4-1 参加者の募集方法
4-2 参加者の個人情報の取り扱い方法

5. いよいよ運用開始
6. トラブル発生への対処方法
7. 災害発生時の活用
8. 終了



実践編 電子アンケートシステム
資料編
4-1 参加者の募集方法

参加者はどのように募集すればいいですか?

キーワード
・主な募集方法
・実証実験における募集

関連項目
【実践編 地域SNS】 2-3 より多くの人に参加していただく方策
【実践編 地域SNS】 5-1 運用開始方法

・ 参加者の募集方法としては、広報紙やチラシなどの紙媒体、ホームページやメルマガなどの電子媒体、その他イベントなど、様々な方法があります。これらの募集方法を組み合わせて認知度を高めることが、より多くの人々の参加を得るためには有効です。
・ 最初に中心的に活躍していただけそうな方々を集め、この方々を中心に口コミなどで参加者を広げることも有効です。地域SNS、電子アンケート双方を利用して、互いの参加者を集めることも考えられます。

参加者募集方法の例
方法 概要
広報紙 ・自治体の広報紙(紙媒体)などで募集。できれば申込用紙もつけて、必要事項を記入してファックスや郵送で送ることができると申込しやすい。
・広報紙に募集情報が記載されたホームページのURLを紹介し、ウェブでも申込を受け付けるなど、申込手段を複数用意しておくと、参加者を集めやすい。
チラシ ・募集用チラシを作成し、窓口に置いたり、広報紙にはさんだり、関心が高そうな場所やイベントなどの際に配布する。申込用紙を兼ねたチラシにした方が、申込しやすい。
ホームページ ・広報紙に比べて紙面の制約がない分、詳細な情報を提供しやすい。地域SNSの体験版(ゲスト閲覧など)を用意して、試してもらった上で申し込んでもらうこともできる。
メルマガ ・発行しているメールマガジンなどがあれば、募集概要を記載し、詳細は上記のホームページなどを見てもらう。
メーリングリスト電子掲示板 ・様々なメーリングリストや電子掲示板に、メルマガ同様の募集概要を記載し、参加者を募る。
イベント ・参加者募集のイベントを開催したり、関心がある人が集まりそうなイベントでチラシを配布したりして、参加者を募る。



実証実験で用いた地域SNS参加者募集チラシ(表)


画像:実証実験で用いた地域SNS参加者募集チラシ(表)



実証実験で用いた地域SNS参加者募集チラシ(裏)

画像:実証実験で用いた地域SNS参加者募集チラシ(裏)



ごろっとやっちろ(八代市)における女性の利用傾向について

・「ごろっとやっちろ」における女性の利用傾向について、八代市行政管理部情報推進課の小林主任にお話を伺いました。

ごろっとやっちろでは、登録者数は男性のほうが多いですが、発言数やアクティブユーザーは女性のほうが多い傾向にあります。
私が思うに、もともと女性の多くはおしゃべりが好きだし、メールや電子掲示板の利用も、女性のほうが多いのではないでしょうか。
ごろっとやっちろでもこの傾向は現れており、気軽におしゃべり感覚で書き込む人や、子育てで悩んでいる人のやり取りなどが多くあります。
統計をとっていないので、正確な数字はわかりませんが、感覚的に、20歳代後半〜30歳代後半の女性の積極的な参加が多いように思います。
ごろっとやっちろのコアメンバーが集まって座談会を行ったときも、女性陣のパワーに男性が圧倒される場面が見られました(笑)。

画像:ごろっとやっちろの利用者属性




画像:千代田地域SNSの利用者属性

 

コラム「子育て共働き女性のインターネット利用」
共働き子育て家庭におけるインターネット利用例を、まさに子育て真っ最中の、株式会社三菱総合研究所の蓮井久美子研究員に、コラム風に語ってもらった。

『薄くて浅くて狭いコミュニケーションが、今はちょうどよい』

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 世の中ではSNSやブログが大流行であるが、筆者は登録したきり活動できていない取り残され組である。

 理由は単純。
 入社2年目で結婚・出産し、半年の産休・育休の後復職。日中は保育園のWEBカメラを横目に仕事をこなし、家事育児を夫と分担しながら、何とか両立をしている(つもり)。
しかし、朝と夜の子供が起きている間は時間と戦い、子供を寝かしつけてから部屋を片付け、そして夜泣きの合間にやり残した仕事を片付ける毎日。
 SNSに誘ってくださった皆さん、ごめんなさい。登録はしたんだけれども見に行く時間と気力がないんです……。

 そんな筆者だが、日々のネットコミュニティの巡回(時には書き込み)や情報収集は怠らない。そんな、筆者の生活から、現在ブログやSNSに乗り遅れているネットユーザのニーズを考えてみたい。

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画像:ビデオカメラのイラスト
 さて、共働き家庭が増えているとはいえ、一般にまだまだ出産・育児の期間中も働き続ける女性は少数派である。もともと女性が多い特定の職業を除けば、女性は妊娠すると同時に情報難民となることが多い。
 出産・育児を経験した先輩社員はいることの方が少ない。母親学級でプレママ友達を作ろうにも実施日は平日で参加もままならない。育休中に友達を作っても、職場復帰すればたまに会うのがやっと。保育園に通い始めても、朝も夕方も風のように駆け抜けるのみで、顔を覚えるのがやっと。これで、実家がはるか遠方だったりすると、完璧な情報難民である。もちろん、書籍やネットで一般的な情報を得ることはできるのだが、経験に基づいた親身で等身大で信頼の置けるアドバイスを得るのは、本当に難しいのだ。

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 そこで、妊娠中から現在までお世話になっているサイトの1つが、「ベネッセウィメンズパーク(以下BWP)」である。
「たまごクラブ」「ひよこクラブ」等の出産・育児・生活に関する雑誌を出版しているベネッセコーポレーションが、雑誌では対応できない「個別の問題」と「地域的な話題」に対応するために2000年5月に立ち上げた女性限定サイトである。雑誌で対応できない問題への対応には電子会議室が必須と考え、テストサイトの段階から電子会議室を開設していたという。2003年時点でも開設当初の予想をはるかに上回る、会議室数90以上、一日の発言数約9,800件の巨大コミュニティになっていると伺ったことがあるが、現在はさらに規模を拡大している。
会議室のシステム自体は、ごくシンプルな掲示板。会議室のテーマは妊娠・出産・育児・子育て・家事・健康・家族・仕事・地域情報等々。会員は、母体である雑誌媒体の読者層である、20〜30代の子供のいる主婦が多い。質問や回答からは、会員が公開した居住地・家族構成・興味関心等を参照することができる。

画像:ひよこのイラスト

 話題は家事や育児等が主で、どこの家庭にもありがちな普遍的な内容が多い。ただし、詳細は少しずつ異なるから一般的な模範回答では満足できないし、聞いてほしいだけ・分かってほしいだけということも多く、深刻な質問もあるが雑談や呟きも多い。
 「シックなマタニティ通勤服はどこが品揃えがよいか」「お腹の子供が男の子だって言ったら夫の両親にがっかりされちゃった」「出産で入院するときの便利グッズを教えて」「6ヶ月の赤ちゃんがまだ寝返りができないのって心配したほうがよい?」「自由が丘駅近辺でオムツ替えと授乳ができる場所はどこ?」「1歳の男の子の誕生日プレゼント、おすすめは?」「保育園って、いつ頃からどこでどうやって探せばよいの?」etc、etc。
 どんな質問にも、たいてい数時間内に数件の回答が付く。

 BWP自体はかなり徹底した「会員制」をとっていて、本人確認のため、ID・パスワードは郵送で知らせている。これはコミュニティで交わされるコミュニケーションの質を保つには非匿名性が大切と言う考えからとのこと。また、常時管理人が監視をしていて、不適切な発言内容があれば削除したり、的外れな質問を適当な掲示板へ誘導したりしている。

 こうした、通常の掲示板では掲示板を冷え込ませる原因となることの多い管理方法が取られているにもかかわらず、BWPでは比較的穏やかなサイト風土(?)が維持されている。
これは、何よりも会員数が膨大なため自分と価値観の近い人や境遇の似た人が少なからず存在することと、顔の見えない人に話すだけの薄いコミュニケーションなので、プライベートな内容でも話しやすいことによるのだろう。

※ベネッセウィメンズパークのサイト・アドレスは、http://women.benesse.ne.jp/

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 さて、出産して子供と外出するようになってからは、「A BETTER MAMMY'S LIFE & TIPS」にもたびたびお世話になっている。
 こちらは、数人の有志が非営利目的で開設しているWEBサイトで、トイレや授乳スペース、子供服店、子供が遊べるスペースなどの子連れ外出情報が充実している。多くは、投稿により寄せられたものである。また、掲示板も設置されており、サイトに掲載されていない情報については、掲示板で問い合わせることもできる。
 子供が小さいうちの子連れの外出は一大事である。まず、オムツ替えシートのあるお手洗いや授乳コーナー、赤ちゃんでも食べられるもののあるレストラン等々の情報を押さえ、それにあわせて持ち物(これまた大量)を準備する。子供の都合だけではなく、同行する人(多くは夫?)が飽きないようなスポットを押さえておかなくてはならない場合も多いかもしれない。
 ママ友がたくさんいれば、こうした情報は口コミでいくらでも入ってくる。しかし、悲しいかなワーキングマザーにとっては、ママ友を作るのもママ友と継続して交流するのもなかなか難しい。仕方がないのでネットで情報を集めようにも、こうした広い範囲に関する子連れ外出情報が整理されているサイトは意外と少ない。まして、早く確実に回答を得られるサイトとなると、本当に限られてしまう。
 地域によってはコミュニティができている場合もあるが(ママパパぶりっじのカキコまっぷhttp://www.setagaya-kosodate.net/など)、毎回そうしたコミュニティを検索するのも面倒だし、そもそもコミュニティがないことも少なくない。
 たとえ情報の深さが足りなくてもよいので、広い範囲をカバーするコミュニティというのもとてもありがたいのだ。

※A BETTER MAMMY'S LIFE & TIPSのサイト・アドレスは、http://tokyomama.com/

画像:赤ちゃんのイラスト

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 さて、子供が少し大きくなると絵本を読みたがるようになってくる。
 小さい子供向けの絵本の平均価格帯は千数百円と、大人の本に比べても安くはない。小さいなりに彼らにも好みがあり、何でもよいというわけではない。親が気に入って買い与えた絵本に見向きもしないことだってある。それなのに、よほどの大型書店以外は、どこの書店も子供の本コーナーなんて小さなものだし、どこにいっても品揃えが同じだったりする。
 しかも、我が家の本の虫は、図書館や書店に連れて行くと、座り込んで本を読み始めてしまい、売り場から引き剥がすのに一苦労。そして、もちろん、乳幼児をおいてゆっくり本を探しに行く時間など世の中の母親にはない(ことが多い)のだ。

 そこで、絵本ナビの出番である。絵本ナビは、株式会社 絵本ナビが運営する参加型絵本紹介サイトである(株式会社 絵本ナビは、絵本ガイドブックの刊行や絵本関連グッズ販売や、絵本の定期購読事業なども手がける。また、絵本ナビのコンテンツはBWPにも提供されている。)

 絵本ナビのメインコンテンツは1万9000人の会員が書く絵本レビューである。それぞれの絵本には、五つ星での評価と、数行の感想文を投稿できる。何歳のどんな性格の子に、どんな評判だったかが分かるし、ユーザが投稿した感想の一覧を表示すれば、自分の子供に近い嗜好の子供が他にどんな本を好んだかが分かる。絵本専門のサイトということで、絵本の出版社が全面的にバックアップしているため、本の内容を一部見ることのできるものもうれしい。
 ちなみに、絵本ナビでヒットした絵本をAmazonで検索すると、また違ったユーザの書評が読める。この両方をうまく使えば、子供の絵本選びはかなりヒット率の高いものになる。しかし、やはり絵本という分野に限定している絵本ナビに、使い勝手や情報量の多さで軍配があがる。

※絵本ナビのサイト・アドレスは、http://www.ehonnavi.net/
※Amazonのサイト・アドレスは、http://www.amazon.co.jp/

画像:子どものイラスト
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 こうして日々、母や妻としてネットの海を漂いつつ、たまに女性としての自分を思い出す。会社に来ていく洋服や靴のこと、時事問題、忘年会の会場に適したお店等々の家事育児以外の話題も、働いている以上必要となる(働いていなくても、必要だと思うけれど)。

 そして一息つきたくなったときはCafeglobe.comにお邪魔する。1999年12月に誕生した老舗女性向けサイトである。当初は「知的好奇心が強い働く女性」をターゲットに、ファッションから政治まで幅広い話題を扱うWEBマガジンとして誕生し、サイト開設後まもなく、読者のコミュニティスペースを設ける目的で会議室を設置。現在では、会議室や読み物の他に、ショッピングコーナーやレストラン検索機能なども提供している。全体に都会的なしゃれた雰囲気を漂わせながらも、政治や国際情勢など硬派な話題も多い。

 会議室は当初は数個だったが、現在は読者からの要望を受けて18会議室に増えている。それぞれの会議室にはニュースや環境、恋愛、育児等のテーマが設定されている。また、サイト自体の雰囲気がユーザを限定するのだろう(実際、20〜30代の、多分都心で働いている女性が多い)、やはりユーザにも都会的でしゃれた雰囲気の発言をする人が多い。

 また、このサイトの目玉企画の一つが商品開発である。以前、「A4サイズの書類が入る、おしゃれで機能的な仕事用のバッグがほしい」という会議室でのユーザーの発言がきっかけになって実験的に商品開発したところ大成功だったそうで、それ以降継続的に行っている。実際、筆者もここで商品開発されたシャツを購入したことがあるが、ボタンの配置や身ごろの形状など、働く女性にとってかゆいところに手が届く商品だった(いわゆるF1(女性の20 歳〜35歳までの層)向けのブランドでも、そこまで気が利いていないことは多い)。開発段階から見ていたユーザにとっては、発言内容に対して開発スタッフからタイムリーな回答が寄せられ、商品に反映されていくので、開発に参加している感覚や商品への愛着が沸くのだ(そして、つい、購入してしまう)。

 少しだけ気取って通う、お気に入りの喫茶店で気心の知れたマスターや常連さんたちと会話をするような、そんな雰囲気と言えば伝わるだろうか。

※Cafeglobe.comのサイト・アドレスは、http://www.cafeglobe.com/

画像:カバンのイラスト

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ここまでいろいろネットで活動しているのだから、あと一歩踏み出して、ブログを開設すればよいのに、とか、SNSをやればよいのにと言われることもあるし、筆者も思わないでもない。
でも、今はとにかく、自分のほしい情報を集めることが先決で、ついでに知っている情報や感想を少し書くくらいなら苦にならないけれども、ブログやSNSのように、積極的に活動することで楽しみが増すようなサービスは、ちょっと(かなり)気が重い。

上のようなコミュニケーションは、距離を置いてたまに参加するだけだけど、参加している気分にしてくれる。
ひょっとすると薄っぺらな情報で、地域は広いが薄いばっかりで、視野の狭いコミュニケーションに見えるかもしれないけれど、それ以上は手がまわらないユーザや、そのくらいが丁度よいというユーザも少なくないのではないかしら…。

総務省 | 財団法人地方自治情報センター