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I 種技術系(情報通信行政) - 若手行政官コラム 杉山 哲弘

世界の無線通信規則と私たちの生活

杉山哲弘(平成21年入省)
総合通信基盤局 電波部 電波政策課 国際周波数政策室 国際調整係

はじめまして、総務省総合通信基盤局電波部電波政策課国際周波数政策室国際調整係の杉山と申します(長い肩書きですね)。このコラムの執筆時点で入省半年という新人中の新人ですので、総務省に入っての新鮮な驚きをお伝えできればと思います。(そして、このコラムを読んで、総務省の魅力や業務の必要性を感じて頂ければ、幸いです。)
○総務省での発見:世界の無線通信規則と私たちの生活

さて、皆様は、「無線通信規則」という規則をご存知でしょうか?私は入省するまで知りませんでした。今の職場に配属になって、私の机の上には、この分厚い赤い英語の本がありました。これが私と無線通信規則の出会いです。

無線通信規則は英語名でRadio Regulationsと言い、通常RRと略して呼びます。私の職場には、このRRの最新版(2007年)が人数分(7冊)あります。RRは名前の通り、世界の無線通信規則を定めています。例えば、9kHzから275GHzまでの周波数分配(第5条)や、衛星通信網のための国際調整手続き(第9条)が記載されていたりします。電波の利用や周波数分配と言うと国内のみで完結するイメージがあると思うのですが、周波数の国際的な有効利用のために、各国はRRに従った周波数分配を行います。実際、日本国内の周波数分配は、RRに従っております。また、特に衛星通信網の利用に関しては、国を跨って電波を発射する性質上、他国の通信網への有害な干渉が起きないよう考慮する必要があり、国際調整の手続きや利用の規制について詳しく記載されています。衛星通信網の国際調整については、周波数登録原簿(英語名Master Internatinal Frequency Register(MIFR))という周波数割当表に日本が使用する衛星の周波数、軌道位置等が記載されることが目標となります。RRによって、電波の利用の国際的な取り決めがなされていることにより、私たちは電波を国際的な混信なしに使用することができます。

以上のようなRRの改訂を行ったり、RRに従って衛星通信網の調整を行うことが今の私の仕事です。半年間(わずかですが)仕事をしていて感じることは、役所の仕事は、事業者の方々の要望や協力なしには成立しないということです。言い換えて、私たちの仕事は、通信事業に携わっている人々の思いを実現する手助けをして、結果としてそれを利用する国民生活を豊かにすること、と言うこともできるかと思います。RRに従って手続きを進める衛星調整の仕事では、他国の主管庁との書簡のやり取りや調整会議の開催により、他国の衛星通信網が日本の通信網に影響を与えないよう、また、日本の衛星通信網が他国の通信網に影響を与えないよう調整を進めます。特に、調整会議では、他国の主管庁の代表団を招いて、事業者間の調整を促進します。このように、私たちの生活において、電波の混信なくCS放送をみれたり、JAXAのHTVが無事宇宙ステーションに辿り着くようにお手伝いしていくことが今の私の仕事です。

最後に、私にとって総務省で仕事をすることの魅力は何でしょうか?私は、情報通信技術の発展に貢献し、世の中をより豊かにしたい、人々をより幸せにしたいとの思いを持って総務省への入省を希望しました。しかし、入って思うことは、(力んだ気持ちや志に反して、)自分はまだまだ未熟で、知らないことが山ほどある、ということです。一方で、総務省には立派な先輩が多く、今はいろいろなことを勉強させて頂いております。論語でも「知之者不如好之者、好之者不如楽之者」と言っておりますが、自分が知らないことに接して新しい知見を得る、あるいは、情報通信技術の発展に接する、ということを楽しめることが大事だと、そしてこれが総務省で働くことの魅力だと考えております。私も、行政官として、情報通信技術の発展に接しそれを楽しむ気持ちをいつまでも忘れずやっていきたいと思っています。そして、結果として、情報通信技術に対する情熱を持って、その発展に貢献できれば、と考えています。

このコラムを読んで、1人でも多くの方が総務省での仕事に関心を持って頂ければ幸いです。将来、一緒に仕事ができることを楽しみにしております。
杉山 哲弘・執務風景
執務風景
杉山 哲弘・執筆者近影
執筆者近影
無線通信規則(Radio Regulations)の写真
無線通信規則(Radio Regulations)


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