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I 種技術系(情報通信行政) - 若手行政官コラム 川上 慎史

入省2年目で感じる総務省の魅力

川上 慎史(平成22年入省)
情報流通行政局 放送技術課 国際係

 こんにちは、平成22年入省の川上と申します。現在、このコラムを執筆している時点で入省2年目という若手の部類に入りますが、今までの経験を踏まえて総務省の魅力を皆様にお伝えできれば幸いです。

 私は総務省に入省する前、警察庁の技官として地方局で勤務しておりました。II種採用だったこともあり、当時の業務は、警察署での無線機・電話機等の設置、無線中継所補修工事の監督等、現場での作業がとても多かったように思います。それはそれでやりがいはあったのですが、大学で通信工学を専攻していた私としては、より高度な知識や思考が要求される業務に携わりたいと考えるようになりました。また、面倒見の良い先輩に勧められたこともあり、国家I種試験を受験し、自分の専攻していた分野と強い関わりがあると思われる総務省に入省することができました。

 総務省に入省して最初の頃は、業務量の多さや難しさに驚きましたが、それ以上にその業務をテキパキとこなす先輩方の仕事ぶりにはさらに驚かされました。私の係では、地デジ日本方式(ISDB-T)を海外に普及することを主な業務としています。具体的には、海外に出張してISDB-Tデモの実施や、放送分野に影響があると思われるハイレベルの方々に直接働きかけをするなどしており、係員はその出張に関する事務的な業務や説明資料の作成などを行い、サポートしています。これはルーチンワークとは全くかけ離れた業務であり、一見、行政官らしい仕事ではないかもしれません。しかし、ISDB-Tを海外に普及することは、我が国のTV関係メーカーが海外に進出するとても大きな足掛かりとなり、地デジ化がほぼ完了して国内では飽和状態になりつつある市場を打開する非常に有効な策だと言えます。まさに国の利益につながり、国のためになるとてもやりがいのある業務だと感じています。
私は今まで「世界各国の調和を保つこと」がとても大切な考え方だと思っていましたが、ここで仕事をしているうちに、「我が国の国益を得るにはどのようにすれば良いか、何が国民のためになるのか」ということがより重要だと考えるようになりました。当然、自国の利益だけ考えていてもうまくいかないことは自明ですので、他国の利益になり、なおかつ、それが我が国の利益につながるような案件であればベストだと思います。日本のISDB-Tという方式は、先の東日本大震災の時に有用であった緊急警報放送(EWBS)やワンセグを利用できる方式であり、ISDB-Tを採用した国は大きな恩恵を受けることができます。そしてISDB-T採用国が増えることにより、我が国のTV関係メーカーも大きな利益を上げることができます。したがって、ISDB-Tの海外への普及はとても良い案件だと感じています。

 また、その他の業務としては、国際会議への参加というものがあります。電気通信の分野で国際的な規格を策定しているITU(国際電気通信連合)という組織がスイス・ジュネーヴにあり、その中のITU-R(無線通信部門)のSG6(第6研究委員会)という組織が放送分野を取り扱っていることから、SG6会合に何度か出席させていただきました。ここでは、国際会議の経験を積み、さらには世界の最前線での放送分野の動向を把握することができました。そして今後、世界の中で我が国の存在感をより高めていくにはどのようにしていけば良いか、ということを考えさせられるきっかけにもなりました。
 最近では、我が国で開発された先進的な技術であるスーパーハイビジョンに関する議論が活発にされており、このような優良な技術はもっともっと世界に広めていくべきだと思います。また会議では、欧米だけでなく中国やインド等の国々も積極的に発言していますが、それらの国に負けないよう、日本の考え方、日本発の技術を強くアピールしていくことが重要だと考えるようになりました。

 私はまだ総務省で2年弱しか働いておりませんが、1,2年目から重要な業務を割り当ててもらえることにより、仕事に対する責任感が芽生えていくことが、総務省のとても良い点だと思います。以前の職場と比べると確かに業務時間は増えましたが、やりがいはさらにそれ以上に増したと感じています。今後、放送や通信の分野を通じて日本のために貢献していきたいと強く望んでいる皆様には、ぜひ総務省を希望していただき、将来、一緒に働けることを心よりお待ちしております。
川上 慎史・執筆者近影
執筆者近影
川上 慎史・執務風景
執務風景


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