各府省等において取り交わされた文書

航空機の捜索救難に関する協定

航空機の捜索救難に関する協定

第1章 総 則

(目的)
第1条 この協定は、関係機関の合意により、国際民間航空条約第12附属書(捜索救難に関する標準及び勧告された方式)に準拠して、東京捜索救難区における航空機の捜索救難を迅速、かつ、的確に実施するための手続き等を定めることを目的とする。

(関係機関の協力)
第2条 警察庁、消防庁、国土交通省(航空局)、海上保安庁及び防衛省は、航空機の捜索救難に関する関係機関として、その実施のため相互に密接に協力する。

(捜索救難に関する条約等)
第3条 航空機の捜索救難に関する手続き等については、この協定に定めるもののほか、第12附属書の規定による。

第2章 救難調整本部

(救難調整本部)
第4条 東京捜索救難区の救難調整本部を国土交通省東京空港事務所に置く。

2 救難調整本部においては、航空機の捜索救難に関する業務を有効に促進するため必要な連絡及び調整について関係機関が随時必要な協議を行う。
3 前項の協議は、国土交通省航空局長又はその指名する職員が主宰する。

(救難調整本部の業務の委任)
第5条 航空局長は、前条第1項の規定にかかわらず、捜索救難を行うべき区域の設置、範囲等を勘案し、必要があると認められるときは、その都度指定する空港事務所において救難調整本部の業務の一部又は全部を行わせることができる。

2 前項の業務は、当該空港事務所の長又はその指名する職員が主宰する。

3 航空局長は、第1項の指定を行ったときは、速やかにその旨を必要な関係機関に通知する。

第3章 手 続
(情報資料の交換)
第6条 関係機関は、捜索救難の実施のために利用し得る組織、要員、装備その他の必要な事項に関する情報資料を相互に交換する。

(措置の基準)
第7条 航空機の捜索救難を必要とする状態(以下「緊急状態」をいう。)を次の三段階に分け、階段別及び機関別の措置の基準は別表のとおりとする。

1 不確実の段階

2 警戒の階段

3 遭難の段階

(関係機関等の措置)
第8条 前条の規定により通報を受けた関係機関は、その情報を尊重して所要の措置をとるとともに、速やかに救難調整本部に通報する。
救難作業を打ち切ろうとするときも同様である。
2 救難機関が前条の規定によらないで、緊急状態を知り、所要の救難措置をとったときは、速やかにその旨を救難調整本部又は最寄の空港事務所、空港出張所及び空港・航空路監視レーダー事務所に通報する。

(適切な救護措置)
第9条 救難調整本部及び関係機関は、第7条の措置の基準にこだわって、適切な措置をとる時期を失することとならないよう特に留意する。

(駐留米軍に対する要請)
第10条 駐留米軍救難機関に対する航空機の出動要請は、救難調整本部において行う。

(自衛隊に対する要請)
第11条 航空機の捜索救難のためにする自衛隊法第83条第1項の規定に基づく要請は、救難調整本部において統一的に行う。ただし、時宜により関係機関も行うことができる。

(事故調査に対する協力)
第12条 救難機関は、その救難作業を実施するに当っては、遭難航空機の状態、現場付近における痕跡その他事故の原因調査に必要な資料の保存に留意するものとする。やむを得ず現場に変更を加える場合においては、出来るかぎり写真撮影その他の方法により記録を取り、事故調査機関に協力する。

第4章 雑 則

(会議)
第13条 関係機関は、この協定の改正その他航空機の捜索救難に関し、協議し、又は連絡するため関係機関の会議を開く必要があると認めるときは、何時でも、航空局長に議題を示して会議の開催を求めることができる。
2 航空局長は、前項の要求があったときは、できるだけ速やかに会議を招集する。
3 前項の会議は、航空局長又はその指名する職員が主宰する。

(実施細目)
第14条 関係機関の連絡及び調整のための通信要領その他この協定の実施細目は、関係機関の担当者の協議によって定める。

附 則
1 この協定は、昭和40年3月18日から施行する。
2 昭和27年8月8日発足した航空救難組織設立準備委員会が制作し、運輸省航空局、国家地方警察本部、国家消防本部、自治省、海上保安庁及び保安庁が了解した「航空機の捜索救難に関する暫定組織」は、廃止する。
 
別表

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