総務省トップ > 広報・報道 > 大臣会見・発言等 > 新藤総務大臣閣議後記者会見の概要(平成25年1月11日)

会見発言記事

新藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成25年1月11日

冒頭発言

 おはようございます。お世話になっております。

【日本経済再生に向けた緊急経済対策】
 本日の閣議におきまして、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を決定いたしました。この経済対策の追加公共投資の地方負担が大規模である。そして、予算編成の遅延という異例の状況の中で、地方の資金調達にも配慮いたしまして、また、経済対策の迅速かつ円滑な実施ができるようにということで、私どもといたしましては、「地域の元気臨時交付金」、これを創設することといたしました。この元気交付金は、真に必要な事業に厳選すべく、平成21年度補正予算に比べまして、平均交付率を9割から8割に引き下げるということにいたしましたが、厳しい財政状況におかれている地方公共団体には、前回の平均交付率と同等の9割を措置するということであります。財政力の弱い、厳しい自治体にはですね、きちんと手厚く見れるようにしたということでございます。  
 併せて、総務省から緊急経済対策予算の関連補正予算といたしまして、総額5,321億円要求いたしました。そのうちの目玉といたしましては、まず、震災復興の特別交付税、これを増額いたします。一つは、津波被災地域の住民の定着促進ということで、これまで支援対象でなかった地域に、この住宅の再建のですね、費用を交付税としてみるという新しい政策を打ち出しました。併せて、復旧・復興事業が追加しておりますから、その追加に伴う地方負担分への増額、こちらは100%の充当になりますが、この交付税を出します。またですね、スーパーハイビジョンの推進ということで、これを実証実験をですね、予算を増額いたしまして、2年ほど、実用化を早めようと、こういうことも考えております。また、コンテンツの海外展開の促進ということで、これは特に日本のコンテンツ市場、世界で第2位の市場規模を持っておりますが、海外展開比率というのが、まだまだ改善の余地がございますので、ここにですね、海外に、我が国の優れた放送番組を出せるように、その支援をしていこうというふうに思っています。それから、ICTを活用した新たな街づくり。これも、地方を、地域を元気にしつつ、新しい街づくりをそこに導入していきたいと、このような思いがあります。例えば、東北メディカル・メガバンク構想。これは、いずれは日本中にやろうと思っていますけれども、病院のですね、診療カルテ、個人のですね、診療情報を、ある地域で共有をすると。それが共有できていれば、仮に被災をしても、避難をしても、何が起きてもですね、そのデータを共有できれば、適切な治療が迅速にできるではないかと、そういうネットワークを組もうと思っています。いろいろなところ、どこかでモデル的に始めていくわけなのでありますが、私としては、是非ですね、あれだけの苦しみの中にいる東北に、そういった新しいものを組み込んでですね、皆様のお手伝いができればなと、このように思っております。また、防災関係では、今回の経験を踏まえまして、災害時の緊急支援、消防隊の緊急援助活動を更に継続的にできるようにということで、拠点形成車両車であるとか、それから、水陸両用バギーというような特殊車両、こういったものもですね、整備いたしまして、緊急消防援助隊の即応体制の強化、こういったものも入れさせていただいております。国際競争力の強化、それから、地域の活性化、こういったものにですね、メリハリを付けて結果が出るように、取り組んだところであります。補正予算の閣議決定が、来週15日火曜日ということでありますので、閣議決定後にですね、改めて事務方から資料の配付はさせていただきたいと、このように思っています。
 それから、25年度の予算要求の関係でありますが、これは、昨年末の安倍総理からの御指示を受けまして、「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」、この三つの分野に重点化した来年度予算、これ、総額17兆7,931億円、この要求を、本日財務省に提出をする予定であります。これは、補正予算と合わせまして、いわゆる「15か月予算」として、切れ目のない編成の中からですね、経済対策を実行しようと、こういうことであります。そして、私としてはですね、先に取りまとめをいたしました総務省のミッション、五つのミッションですね、「元気をつくる」、「命をまもる」、「便利な暮らしをつくる」、「みんなの安心をまもる」、「国の仕組みをつくる」。この、私たちの目的に沿った形で予算要求の体系を作りまして、そこから、いろいろな施策を盛り込んでいきたいと、このように思っております。

【地方分権改革推進室への改称(1)】
 それと、もう一つ、これは御報告でございますが、本日1月11日付けで、内閣府にございます「地域主権戦略室」、これを「地方分権改革推進室」に改称をいたしました。この、私どもの新しい「地方分権改革推進室」でございますが、私の内閣府特命担当大臣としての担務は「地方分権改革」でございます。そして、党の方針に沿ってですね、これは、活動内容をしっかりと表現できる、そういった名称にするということで変えさせていただきましたので、御報告をいたします。

私からは以上であります。

質疑応答

国家公務員の新規採用抑制方針の見直し

問:
 幹事社、時事通信、丸山からお願いします。国家公務員の新規採用について、先日、官房長官が、抑制方針を見直すというお考えを示したのですけれども、所管大臣としてどう対応なさるか、どのように緩和するか、その辺をお願いいたします。
答:
 これは、やはり、過度な採用抑制というものは、組織の活力低下、それから、要するに、職員の構成のですね、ゆがみを招くおそれがあるということであります。また、若い人で、国のために尽くしたいと、このようにお考えの方がたくさんいる中でですね、そういう門はきちんと開いていたいと、こういう思いがあります。ですから、私たちは、今の我々の政権にとって必要な枠はどうしたらいいのかということをですね、その原点に立って、きちんとした見直しをしていきたいというふうに思っています。簡単にですね、大きく変えることができるかどうか分かりませんが、しかし、今、デフレ政策をインフレに変えようとしているわけでございますから、ですから、必要なものはきちんとやはり手当てしていかなければいけないと、こういうことだと思います。
問:
 今のお考えでは、26年度採用からということでよろしいでしょうか。
答:
 基本的にはそういうことに、実務的になっていくと思います。

元気交付金

問:
 朝日新聞の河口です。まず、元気交付金についてお尋ねしますが、これはかなり、財務省と言いますか、財政当局というのは、かなり難色を示した点もあろうと思いますが、この辺りの経過につきまして、財政上のですね、厳しい、国としての厳しい中で、あえてこういう点を入れた点について、どういったやり取りがありました、と言うか、交渉経過についてお話しいただける範囲で。
答:
 財務当局としてはですね、これは極めて抑制的な、財政規律という観点からですね、いろいろなお考えがあったということだと思います。しかし、一方で、今回の補正予算は、これはまず、追加される公共投資の地方負担が大規模になるということ。それから、そもそも政治の都合で選挙があり、予算編成をし、年度末の時点で政権が交代したと。こういうですね、予算編成の遅れという異例な状況の中で、この補正予算を組むことになりました。したがって、地方の資金調達に配慮すること。それから、経済対策をいかに迅速、かつ、円滑に実施させるかと。こういう観点でね、特別の措置として作ったわけであります。そして、正に名前のとおり、地域の元気を作るための交付金だということであります。ですから、負担率もですね、やや、平均的には下がっておりますが、しかし、それは、地域の実情に合わせて手厚い支援ができるように、こういうふうにさせていただいたということがあります。

地方公務員の給与削減

問:
 京都新聞の小川と申しますけれども、地方公務員のですね、給与の関係でですね、ちょっとお聞きしたいのですけれども、財務省側はですね、やはり国家公務員に合わせて下げろというふうな発言が、大臣なんかは言っているのですけれども、総務大臣としてのですね、今の、現時点での御見解を教えてください。
答:
 これ、地方公務員の給与に係る対応というのは、これは、臨時特例法におきまして、自主的かつ適切に対応されると、このような法律がございます。ですから、そういったことと、それから、地方自治体の実情、こういうものも踏まえつつですね、どのような対応を取れるのか、私たちも検討していきたいと思いますし、これは、政権全体としてのですね、方針等がございますから、それに合わせて、私たち、総務省としては、まずは地方の実情を聞き、地方の声を聞く中で、取り得る対応について検討していきたいと、このように思っています。
問:
 そうすると、今の時点では、前の民主党の政権のときとのですね、大臣としての、総務省としての考えは、別に変わっていないということでよろしいでしょうか。
答:
 現時点では、変わっていないというよりも、まだ対応を検討中ということでありますので、内容については、順次詰めていかなければならないと、こういうふうに思っています。
問:
 今の関連でお尋ねします。自民党は公約でですね、人件費2兆円削減というのを掲げていらっしゃいますけれども、現在の安倍政権の脱デフレという方向感からするとですね、地方の人件費を削減するということについては、逆に、デフレを進める政策にもなりかねないという部分もありますけれども、この辺りについてはどのようにお考えですか。
答:
 国がですね、国家公務員の人件費をなぜ削減しているかというと、それは、復興のために国が身を切っていこうではないかと。それから、消費税を導入し、国民に、生活にですね、新たな負担を加えることになると。それに対して、まずはかいより始めようではないかということて、国家公務員、国会議員、我々大臣も含めてですね、そういった給与体系の見直しを行ったわけです。これは、臨時的な措置であると、このように思っています。ですから、その中で、やはり地方公務員の皆さんもですね、同じく全体の奉仕者として、そういったものを一緒に考えていこうではないか。これが自民党の公約のですね、趣旨だというふうに思っています。ですから、そういう、党と、また、内閣の方針と、我々は、総務省として地方の支援をする立場としてですね、では、現状、どういった、その中で対応ができるのか。また、この地方公務員の人件費を仮に削減することになるとすれば、それは何のために使われるべきなのか。こういったものも含めて、しっかりとした検討をなされなければならないだろうというふうに思っています。ただ、今のところは、まだ地方の皆さんと正式な、そういった話合いをしておりませんから、我々の対応は、今、全方位に対してですね、どのように対応していくか検討中だと、こういうスタンスにしているところであります。
問:
 読売新聞の八角と申します。先ほどの質問の関連で、概算要求段階では、地方公務員の給与引下げについて、こちらの方と言うか、総務省として、交付金の削減といったような措置は、今のところは考えていないということでよろしいのか。
答:
 それは、物理的に、事務的にできる範囲でやっていかなければなりませんので、現状においてですね、そういった、中身がまだ詰まっているわけではありませんから、お答えは差し控えなければなりませんが、やるにしても、それは事務的にきちんとした、整合性がとれたものでなければならないと、こういうふうに思いますね。

道州制の立法形式

問:
 自民党の道州制本部の方針というか、議員立法で道州制を導入していきたいという考えを表明されていますが、その点については、大臣としては、議員立法が望ましいというお考えかどうか、お聞かせ願えますでしょうか。
答:
 これは、議論がですね、どう推移していくかを見守っていくということであります。法律を出す前に内容が煮詰まらなければなりませんので、道州制を含める地方の在り方、そして、国の統治、こういうものをですね、見直さなければならないと、私も問題意識持っておりますし、これまでも、内閣として歴代政権が取り組んできたことであります。ですから、その手段、方法につきましてはね、これは、議論の中から必然的に生まれてくるものだというふうに思っています。私たちは私たちの役割をきちんと果たし、何よりも国民の代表である議会でですね、議員の皆さんがしっかりとした議論をしていただいている。このことを、我々はきちんと見ていくということだと思います。

地方分権改革推進室への改称(2)

問:
 NHKの伏見です。今日の緊急経済対策の、閣議決定されました緊急経済対策の中にもありましたが、一括交付金が廃止されると。今日、地域主権戦略室ですか、これも無くすということで、政府にあった地域主権戦略会議も含めて、今後、どういう取組をされていくのかという辺りをお聞かせ願えればと思います。地域主権という言葉が民主党政権のものだったかとは思うのですが、それに対してどう対応されるのかという辺りをお聞かせ願えればと思います。
答:
 私たちの方向は変わっていなくて、国の統治機構を見直す中で、地方のですね、活性化、それから、住民サービスの向上、そして、行政の規制改革だとか、行政改善、こういったものをやっていこうと。それには、やはり国の強化とそれから地方の分権だと、こういうことだと思うのですね。別に無くしたわけではなくて、地域主権戦略室は、名称を地方分権改革推進室に、私の担任しているものにきちんと整合させたということでありますし、それから、地域主権戦略会議というのは、もともとは地方分権改革推進会議だったのですね。それを一時、別の政権が名前を変えておやりになりましたが、それは、それぞれの政権の意向に沿ってね、仕事というのは進むものでありますので、これは、今後も地方分権の推進というのは、しっかりやっていかなくてはいけないと。これは変えるつもりはありません。
問:
 関連でお尋ねしたいのですが、地域主権という表現とですね、地方分権という表現、大臣から見てですね、この違いと言いますか、この名称の違いというのを、分かりやすく御解説いただければ。
答:
 シンプルに言うと、主権というのは国家にあると思っています。国の中でいろいろな権限をですね、移譲し、また、主体的な判断ができるような、そういう、分権をして、しかし、それは国と分かれるものではないのだと。国と地方の役割分担と、それぞれの機能を強化させるためにあるという意味においては、国家主権というのは国家にあるわけであります。ですから、それに基づいて、より良い統治ができるようにですね、そして、それぞれの地域が、個性ある、魅力ある生活が送れるような、そのための分権という位置付けを私はしているということであります。
問:
 ほか、よろしいでしょうか。では、ありがとうございました。
答:
 ありがとうございました。

ページトップへ戻る