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会見発言記事

新藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成25年9月27日


 9月27日の閣議後記者会見の模様です。冒頭、新藤総務大臣から、消費者物価指数について、農業水利施設の保全管理に関する行政評価・監視について、給与関係閣僚会議について、ホンジュラス共和国における地上デジタルテレビ日本方式採用、双葉消防本部支援調整会議の設置について、ドイツ、デンマーク及びフィンランド出張について説明した後、消費税率引上げに係る地方税の取扱い、国家戦略特区、官邸について新藤総務大臣が質問に答えました。


冒頭発言

《冒頭発言》
 それでは、本日の閣議後会見をさせていただきます。

【消費者物価指数について】
 まずは、消費者物価指数について、閣議に報告いたしました。その内容につきましては、統計局から既に公表しております資料のとおりでありますので、御覧いただきたいと思います。

【農業水利施設の保全管理に関する行政評価・監視について】
 それから、本日の閣議におきまして、私の方から農林水産大臣に対して、「農業水利施設の保全管理に関する行政評価・監視」の結果に基づく勧告を行う旨、発言をいたしました。
 本勧告においては、農業の生産基盤である農業水利施設の適切な保全管理・整備に資するため、長寿命化対策であるストックマネジメントについて、適切かつ効果的に実施することなどを求めております。
 農林水産大臣に対しましては、今回の勧告を受け、必要な措置を講ずるように求めました。
 詳細につきましては、担当課に御確認をいただきたいと思います。

【給与関係閣僚会議について】
 それから、続きまして、この閣議の後にですね、第2回の給与関係閣僚会議を開催いたしました。国家公務員の給与の取扱いについて協議をした結果、今年度の国家公務員給与については改定しないことが適当であると、このように意見の一致をみたところであります。
 私からは、平成26年4月以降の給与の取扱いについては、国政全般の観点から総合的な検討を行って、結論を出していただきたい旨を申し述べました。
 その際に、特例減額措置は、東日本大震災に対処する必要性等に鑑みた臨時異例の措置として、2年間に限って実施しているものであること、本年の人事院の報告において、平成26年4月以降の国家公務員の給与については、民間準拠による給与水準が確保される必要があると指摘されていることから、平成26年4月以降の給与については、臨時異例の措置であるとする給与改定・臨時特例法の立法趣旨を踏まえ、人事院勧告制度を尊重する政府の基本姿勢に立って検討していくことが必要であると申し上げたところであります。
 今後、適当な時期に、当会議において更に議論していくことになりました。
 併せて、地方公務員の給与についても、地方の意見を伺いつつ考えていくということになりました。

【ホンジュラス共和国における地上デジタルテレビ日本方式採用】
 それから、本日の朝8時のことでありますけれども、中米にございますホンジュラス共和国におきまして、地上デジタル放送の日本方式の採用が決定となりました。これを受けて、ただいま私の談話を発表したいと、このように思います。
 これによりまして、日本方式の採用国は、世界において16カ国目となりました。さらに現在、6カ国に対して、日本方式の採用の働きかけを実施中であります。まず中米では、エルサルバドル、ニカラグア、そしてアフリカのモザンビーク、アンゴラ、マラウィ、アジアではスリランカというようなことで、やらせていただいております。特にこのホンジュラスはですね、2007年に地デジのアメリカ方式を採用していたわけであります。しかし、この我々の総務省、折衝いたしまして、また技術的優位性や、もの等々ですね、交渉いたしまして、それを覆しての日本方式の採用ということでございまして、これは、これまでも数例ございますけれども、そういったことであります。日本方式が防災に極めて役に立つ、そして緊急時のですね、自動放送など、国民の命を守る、そういう仕組みを既に備えているわけでありますし、様々なデータ放送が使えますから、教育や医療なども含めて、いろいろな展開が期待できるのだと、こういうようなことを、私どもは世界に向かってですね、提案をしているわけでありまして、日本方式の優位性が認められたという意味においては、大変喜ばしいことであり、歓迎したいと思います。
 そして、この地デジを含めて、我が国の今、展開をしようとしているICT、イノベーションですね、この国際展開をしっかりと、更にまた進めていきたいと、このように考えているわけであります。

【双葉消防本部支援調整会議の設置について】 
 それから、今度は被災地の関係でありますが、福島県の双葉消防本部の支援調整会議を設置したいと思います。福島の第一原子力発電所の事故によりまして、管轄区域のほとんどが避難指示区域に指定されている福島県の双葉消防本部、本年4月より福島県内を含む全国22の消防本部から、約2週間交替で総人員195名の消防職員を「福島支援全国消防派遣隊」として派遣しているところでございます。火災の巡回警戒や消火活動を行っていただいているわけでございます。
 こうした中で、双葉消防本部では、10月以降、消防職員の新規採用により、職員数も震災前の水準に復するめどが立つなど、消防力は回復しつつあるところであります。
 このため、この双葉消防本部の意向を踏まえまして、4月1日から9月末までを活動期間としていた「福島支援全国消防派遣隊」については、当初の予定どおり9月30日をもって終了させていただくということにいたしました。
 一方、双葉消防本部管内における被災状況にかんがみまして、その消防活動上の課題を継続的に把握をして、必要な支援を行うために、消防庁、福島県、そして全国消防長会及び県内の消防関係者等から構成する「双葉消防本部支援調整会議」を9月末に設置することといたしました。
 引き続きまして、被災地の皆さんの安心・安全を図られるように、国としての支援体制を継続してまいりたいと、このように思っています。
 詳細につきましては、この会見終了後に事務方より説明をさせていただきます。

【ドイツ、デンマーク及びフィンランド出張について】
 それから、御報告の最後でございますが、9月15日から20日まで、ドイツ、デンマーク及びフィンランドを訪問をいたしました。
 ドイツにおきましては、マンハイム市及びハイデルベルク市を、総務大臣として初めて訪問をさせていただいたわけであります。
 ここでは、3州にまたがる広域行政圏、これ、ライン=ネッカー・シティリージョンと申しますけれども、このシティリージョンというですね、州を超えて、また、市町村が複合された中での広域的な連携、この地域開発の先駆的な取組でございますけれども、この現地の市長や、それから関係者の方々と、大変有意義な意見交換を行いました。実際にどのような運用がされているのかということを目の当たりにしてまいりましたし、これは私どもが進めております、この「地域の元気創造プラン」の中でですね、こういった概念は十二分に応用できますし、また、日本ならではのやり方も加えた新しい地域活性化、そして、広域の連携の在り方というものをつくっていきたいと、このように考えております。
 それから、デンマークにつきましては、総務大臣としては初訪問ということになります。
 まず、再生可能エネルギーを積極的に活用した地域振興に取り組むロラン島に参りました。このロラン島のすばらしさというのは、風力発電だけではなくて、水素燃料電池やバイオマス、藻ですね、藻の活用ですとか、更にはそれらも含めたリサイクルということで、様々な再生可能エネルギーやリサイクルシステムを連携させていくところに、非常に先進性があるわけであります。そして、人口が6万5,000人の合併をした市であって、造船不況の中でですね、ヨーロッパの経済が不振に陥った、そして、造船が駄目になった、そういう中で、どうやって地域を振興していくかというときに、彼らは、世界中がITで飛びついたと。でも、自分たちは、各国、各市がITで新しい活動を見出そうというときに、その次の流れを使おうということで、いち早く再生可能エネルギーのですね、展開というものに取り組んだ。このことが非常に成果を上げているわけなのであります。そして、人口6万5,000人の町と言っては恐縮ですが、はるか離れたデンマークにおいてですね、今考えているのは、日本の被災地、東北の東松島市を自分たちのノウハウで支援しようというようなことを、彼らは考えてくれているわけであります。それから、かつ、日本のですね、世田谷区ですとか川崎市とか、その他、日本の自治体で被災地の支援をしたい、新しい東北のまちづくりを支援したい、このように考えられている自治体が、一体どうすれば最も効率良く支援ができるか、しかも、復旧・復興だけではなくて、新しいまちづくりのための再生可能エネルギーを活用した東北のまちづくりを、どうしたらいいのかというのを、東京、関東の自治体がデンマークまで見に行って、そして、東北のための施策をやろうとしていると、そういう連携も始まっております。ですから、自治体間のこういった連携については、是非、デンマーク政府に対しても支援をしてほしいということを、私、大臣の方には申し上げてまいりましたし、我が国としても、こういったことはしっかりと見守っていきたい、また御支援をさせていただきたい、このように思っております。
 それから、フィンランドにつきましては、総務大臣として12年ぶりの訪問でございます。こちらでは、通信担当大臣と会談いたしまして、ICTの分野、特に高齢化社会。フィンランドにおいてもですね、単身の高齢化社会というものが出てくるわけでありますから、そういったところに向けてのICTの利活用、このことを話合いを行いました。そして、この、日・フィンランドのICT対策対話、こういったものの枠組みを進めていこうということで、その共同声明に署名をいたしました。フィンランドは非常にITが進んでいるところでありますし、我が国とのICT関連の連携が長い歴史をもっているわけであります。ですから、個別のものから総括的な協力体制をつくっていこうと、こういうことを今回合意をして、署名をさせていただきました。
 それから、首相府の、いわゆる日本の官房長官に当たる方と会談をいたしまして、このICTの分野における協力に加えまして、北極海航路、そして北極圏の開発の問題ですね、これについて、日本との協力ができないか、そして我々と連携をしようではないかと、こういうような話合いをさせていただきました。御承知のように、地球の温暖化によって、北極の氷が少しずつ溶けて、新たな航路が展開を期待をされています。それから、海底資源などもあります。さらには、このフィンランドからノルウェー、スウェーデン、デンマーク等とですね、この北欧の国々と日本というのは、近くなるわけですね。ですから、そういう中で、ICTも含めまして、我が国との関係を是非ですね、良好なものにしていきたい。その中で、フィンランドというのは、1国を挟んだ隣の国なのですね。フィンランドと日本には、間に1国しかありません。ロシアでございますけれども、実は近い国なんだというようなことをですね、話をしながら、今後の展開をですね、探ってまいりました。
 今回の出張は、私としては、総務省のテーマであります、まず地域の活性化、それから、ICTを活用したイノベーション、そして、それらを国際展開をしていくと、この三つが、今、総務省のキーワードであります。それは、日本全体のキーワードにもなると私は思っておりますけれども、そういった中で現地を見ながら、そして連携先をですね、いろいろと探りながらの、そういった視察として、大変有意義なものにさせていただいたと、このように考えております。

 私からは以上であります。

質疑応答

消費税率引上げに係る地方税の取扱い(1)

問:
 幹事社、NHKの伏見と申します。 1問、来年度の税制改正の地方税に関する議論について、 見解をお伺いしたいと思います。消費税の引上げを前提にですね、 来年度の税制改正で、償却資産ですね、投資した資産に関して 固定資産税を減税しようとかですね、自動車取得税を引き下げよう というような意見であったりとか動きが出てまして、 それに対して地方からはですね、安定した財源を失うというような 反発も出ているかと思います。地方税を所管する大臣としての、 こういった動きについての御見解をお伺いできればと思います。
答:
 まず、与党の税制調査会で、日本再興戦略に基づく民間投資の活性化、 そういうための税制措置については、議論が大詰めを迎えていると、 このように承知をいたします。そうした中で、今、御指摘のですね、 固定資産税の償却資産課税の見直し、これは、市町村の基幹税でありますし、 その堅持については、地方団体から非常に強い要請があると。 こうしたものを踏まえた上での議論をしてほしいということを、 我々は要請をしております。また、車体課税につきましては、これは秋の、 まだ税制改正のテーマでは締められずにですね、その先の方で 議論することになるというふうに思いますけれども、消費税率の引上げに伴う駆け込み需要、 そして反動減、こうしたものを緩和すべきと、こういう意見があるわけであります。 こうしたものも視野に入れつつ、税制の25年度の税制大綱に沿って検討が進められていくと、 このように考えております。

給与関係閣僚会議について(2)

問:
 読売新聞の高田です。すみません。先ほど、給与関係閣僚会議での特例、 7.8%の特例の引下げの来年度以降の対応についてなのですけれども、 すみません、先ほど、今後検討ということだったのですけれども、 先ほどの表現ぶりだと、基本的に、引下げを来年度以降も継続をしないニュアンス というふうにとらえていいのかですね、全く今、両方ともゼロベースで今後、 会議での方で考えていくととらえるのか、どういうふうにとらえていいのか、もう一度お願いします。
答:
 来年度におきましては、これは現状ゼロベースというよりも、 総合的に社会情勢等を検討しながら、政府の中で絞り込んでいくということでありまして、 まだ方向性が決めているわけではありません。これからのいろいろな政策展開も含めながらですね、 総合的な適切な措置をしたいと、このようなことで、今日、閣僚間が一致したわけであります。
問:
 朝日新聞、岡本です。今の質問に関連するのですが、方向性は決まっていないということですが、 今、総務大臣としてですね、民間との較差が出てきているというのはよく分かるのですが、 それ以外にですね、その特例減額を続ける弊害というのは、どういうものがあるのかというのは、 どういうふうにお考えなのかを教えてもらっていいでしょうか。
答:
 弊害というか、害があるかではなくて、これは、我々としてどのような選択をすべきか ということだと思います。ですから、人事院のですね、報告もございます。 それから、この経済情勢、そして私たちの政府がですね、選択する政策、 そういったものを総合的に勘案して結論を出していくということでありまして、 これによって何かの害があるからとか、そういうことで政策を選択するものではないと、 このように思います。

国家戦略特区(1)

問:
 時事通信の丸山です。国家戦略特区についてお伺いします。 今後のスケジュールについてなのですが、各省で今調整していらっしゃるとのことですが、 おおよそのめどとしては、臨時国会で特区の関連法案が成立した後に、 特区の諮問会議で正式に最終決定していくと、そのような感じでよろしいでしょうか。
答:
 これにつきましてはですね、まず、臨時国会に法案を提出すると、 こういう方向を確認をいたしました。その上で、現状、今、規制緩和をですね、 どれだけ実現できるか、そういったことを精力的に、日曜も、それから夜も含めて、 各省との調整をさせているところでありまして、その規制緩和の項目が出来上がってくると。 それらを使って、それも含めて、どのような国家戦略特区という日本経済に刺激を与える、 また、世界から期待される、そういう特区をですね、つくっていくかと。 そういう方向に進んでいくわけなのです。ですので、まだ現時点におきましては、 まず法案提出をきちんといたしましょうと。後は、状況が整い次第ですね、順次、 事を進めていくということになるわけでありますので、今のところは、 そうした方向性を確認したという状態であります。

消費税率引上げに係る地方税の取扱い(2)

問:
 京都新聞、日山と申します。先ほど、地方税のですね、減免の件なのですけれども、 固定資産税、車体税等ですね、地方側は、制度の維持等を求めているような気がするのですけれども、 大臣としてのですね、そもそも制度としてどうあるべきか見解と、 仮に減免があったときの国としての代替措置のありようについてのお考えを お聞かせ願いたいのですけれども。
答:
 地方税を所管する総務省といたしましては、また大臣としてですね、 自治体の基幹であるもの、これは堅持しなくてはならないということが、地方の強い要請です。 それを受けて、私たちも関係方面に意見を申し上げているわけでありまして、 やはり税を改正をする、また、経済を活性化させていく、そういう観点の検討が必要であります。 それと、市町村の財政基盤を安定させる、その上でですね、いろいろな工夫をしていくと。 こういうスタンスで私は進めていきたいと、このように考えています。
問:
 国としての代替措置等、何か検討していることがあればどういった。
答:
 それは、税調でですね、御議論いただくわけですが、検討するということは、 当然、代替措置も踏まえての検討でなければならないということでありまして、 その知恵を絞っていただいているところだと考えています。

国家戦略特区(2)

問:
 度々申し訳ありません。NHKの伏見ですが、先ほどの戦略特区の件なのですけれども、 当初のスケジュールではですね、10月の半ば頃に諮問会議を開いて、 そこで具体的なプロジェクトであり地域でありということも決定するというようなことが、 大体のスケジュールとして見ていたかと思うのですけれども、大臣が先ほどおっしゃった 法案の提出というのは、具体的な地域とか施策も含めたものになるのか、 それとも基本的な方針だけを前もってですね、法案として形にしていくということを想定されているのか、 若しくは。
答:
 そこは、要するに、議論の煮詰まり次第なのですね。計画がきちんと定まってくれば、 それに対してスピーディに適切な措置をするということであります。 それから、一番望ましい時期に決めていこう、それから、望ましいやり方で決めていこうと、 こういう考えもあります。ですので、今現状で明確に、いついつまでに何をするというのは決めていません。 それは、作業の途中だからです。その中でですね、作業をしながら、我々とすれば、 最速のスケジュールを考えて作業をしています。しかし、後は適切なタイミングで、 適切な手続を踏んで決めていくというようなことも加味しながら、 スケジュールは全体的に決まってくるのではないかと。今のところは、 そういうふうにお答えするしかないのですね。

官邸について

問:
 度々すみません。朝日新聞、岡本です。ちょっとざくっとした質問になっちゃうかもしれませんが、 例えばですね、今議論されている復興増税の1年前倒ししてやめるとかですね、 そういったことを例にとってもですね、これはちょっと印象論になってしまうかもしれませんが、 官邸のですね、意向というものが反映されやすくなっているのかなというふうに感じるのですが、 どういうふうに感じられているか、もしそういうふうに感じられているのであれば、 そういう状況は好ましいとお考えなのかどうかというのを聞かせてもらってよろしいですか。
答:
 官邸の意向ではなくて、政策の決定機能が強化されていると、私は思っているのですね。 それは当然、政府与党との連携が必要であります。政府内の連携も必要だと思います。 しかし今、安倍内閣は、従来のどこと比較するわけではありませんが、 しかし、ここのところを決められない政治と、また、方針が明確にならないと、 こういうところからはやや脱却しているのではないかと思っています。戦略をもって、 そして意志をもってですね、政策を決めていく。それを実行する体制というのを強力につくりつつある ということにおいては、私は望ましい方向だと思います。ただそれは、意思の疎通がですね、 図られていないと、これはまた、先に行って混乱の原因にもなりますから、そこは注意しながら、 しかし全体として、国をどのように再興していくかという観点からですね、それぞれ司、 司が協力し合って、そして議論しながら決めたことには、みんなで一致して従っていこうと、 こういう形をつくりたいと思っています。
問:
 よろしいですか。では、大臣、ありがとうございました。
答:
 はい。

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