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会見発言記事

高市総務大臣閣議後記者会見の概要

平成27年5月15日

冒頭発言

 おはようございます。
 今日は、官邸で、物価問題に関する関係閣僚会議、閣議、閣僚懇がございました。


【国際電気通信連合(ITU)150周年(1)】

 今年は、電気通信に関する国連の専門機関でございます国際電気通信連合ITUの創設150周年に当たりまして、明後日、17日にジュネーブで記念式典が開催されます。
 私からは、ジャオITU事務総局長にお祝いのメッセージを送るとともに、150周年の記念として、ITUに桜を贈呈させていただくことといたしました。
 また、記念式典では、世界中から選ばれた6名に、「ITU150周年賞」が授与されることとなっておりまして、我が国から、坂村健先生が受賞されることになりました。大変喜ばしく思います。
 グローバルに情報の流通が活発化する中で、国際機関としてのITUの役割は益々高まっております。日本としても最大の分担金拠出国として、今後ともITUをしっかりサポートしていきたいと考えております。


【平成27年度「異能ベーション」の公募開始】

 それから、総務省の独創的な人向け特別枠「異能(いのう)べーション」プログラムにつきましては、昨年度、大変話題となりましたけれども、今年度の取組について発表いたします。
 具体的には、平成27年度分の研究支援について、本日より公募を開始することといたします。
 本プログラムにおきましては、「失敗を恐れずに、大いなる可能性がある野心的な技術課題に挑戦する個人」からの幅広い応募を期待しております。
 なお、昨年度は、7月14日からの公募開始ということもありまして、全体では710件の応募をいただいたのでございますが、そのうち10代からの応募は1%程度に過ぎませんでした。
 今年度は、これらの教訓も踏まえまして、学校、大学からの生徒・学生の皆さんに対して情報提供が容易な、この時期より公募を開始することといたしました。
 なお、全国全ての大学、高等学校、高等専門学校等に、ポスター、チラシを配布できますように、文部科学省にも御協力をいただいておりまして、この場をお借りして、お礼を申し上げます。
 本年度の公募に際しまして、昨年度を上回る応募があることを望みますとともに、本施策の実施を通じて、厳しい国際競争の中で我が国の発展のためには、失敗を恐れずに挑戦することがいかに重要であるかについて、若い世代も含めて、広く伝わることを期待いたします。
 そして、このプログラムが国内で様々な技術課題に挑戦する人々に勇気を与え、我が国発の破壊的なイノベーションの実現に資することを期待しております。
 なお、詳細につきましては、この会見後に事務方より説明をさせていただきます。

 私からは、以上でございます。


質疑応答

経済財政諮問会議

問:
 幹事社の読売新聞から1問お伺いします。財政健全化計画の取りまとめに向けて、12日の経済財政諮問会議、13日の自民党財政再建特命委員会で、相次いで議論が行われました。諮問会議に提出された民間議員ペーパーでは、「歳出改革」が大きな柱の一つとされるとともに、「国と地方のバランス」として、国と歩調を合わせた地方の改革が論点に掲げられています。地方行財政を所管する総務大臣として、諮問会議における今後の議論について、どのような姿勢で臨むかお考えを伺えればと思います。
答:
 我が国の財政は、国・地方を通じて巨額の公的債務が累増するなど、大変厳しい状況にございます。経済再生と財政健全化の両立を目指すということは、重要な課題であると認識をいたしております。
 このため、地方財政におきましても、国の歳出の取組と基調を合わせて、メリハリを効かせた歳出の重点化・効率化に最大限努力をしてまいります。
 先般の経済財政諮問会議でも申し上げたのですけれども、地方財政につきましては、歳出の大半が法令等により義務づけられている経費、それから国の補助事業であるということから、国・地方を通じた財政健全化のためには、まず国の補助金、制度などの見直しを行う必要がございます。
 また、公的分野の産業化、公共サービス分野でのインセンティブ改革などを進めていく必要があると考えております。
 なお、5月12日の諮問会議の民間議員ペーパーにおきまして、「財政健全化における国と地方のバランス」についての言及がございましたが、地方は、国と異なり、金融・経済・税制等の広範な権限を有しておりませんため、国と地方の財政状況を単純に比較するということはできないと考えております。
 今後、諮問会議において地方行財政について議論する機会があると思いますので、総務省としての考え方をしっかりと整理をして、お示しをしたいと考えております。

大阪都構想

問:
 共同通信社の渡邉と申します。よろしくお願いします。大阪都構想に関連してお尋ねしたいのですけれども、住民投票が近いので、この期に及んで構想自体の評価はお尋ねしませんけれども、ほかの地域や、ほかの地域の大都市制度や自治制度に対する影響というか、この投票が与える影響についてどのようにお考えかと、地政調などを通じて二重行政の解消というのを政府は進めてきたはずですし、一方で、東京の特別区23区では、この機に乗じて権限の拡充論を言ったりとか、逆に、政令市は政令市で、特別自治市制度で政令市の強化を訴えたりしているわけなので、投票が与える影響が一定程度あるのかなと見ていますが、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。
答:
 これまでも、指定都市というのは、人口規模が非常に大きくて、行政能力も高うございますから、都道府県との間で二重行政の問題が生じやすいということがございました。
 それで、総務省としましても、第30次地方制度調査会の答申を踏まえまして、指定都市と都道府県との間の二重行政の問題の解消を図るために、「第4次分権一括法」において、都道府県から指定都市への権限委譲を行うとともに、平成26年の「地方自治法改正」におきまして、「指定都市都道府県調整会議」を設置するということにしました。
 あと、「地方自治法改正」におきまして、住民に身近なところで住民に身近な行政を包括的に行えるように、議会の同意を得て選任される特別職の総合区長を置くということが選択できる「総合区制度」を設けることにいたしました。
 平成26年に改正した「地方自治法」ですけれども、施行日が平成28年4月になっておりますので、それに向けまして、各地で大都市地域の在り方について議論を深めるということは、非常に望ましいと考えております。
 総務省としましては、指定都市に対しまして、必要な情報提供を行ってまいりたいと考えております。
問:
 住民投票が、こうした議論を加速するとお考えですか。
答:
 私も、先般久しぶりに、父の法事がありまして関西に戻りました。東京とテレビでやっている番組の内容がだいぶ違います。東京でしたら、この動きについては、いくつかのニュースの中の一部として報道されておりますが、どのチャンネルを見ても多くの時間を割いて報道しておられましたので、かなり議論が盛り上がっているのだなという気はいたしました。私も報道で知る範囲でございますけれども、よその自治体の首長さんなども参入されて、活発な議論が行われているやに聞いております。
 そういう意味では、非常に多くの方々が興味を持ち、行政を預かっておられる方々も興味を持ち、今後の大都市制度の在り方について、何がベストな選択肢なのか、選択肢は二つございますから、そういった意味では、色々お考えになっていただける機会になっているのではないかなと感じました。
問:
 もう1問だけ、すみません。現地の動きですけれども、自民党大阪府連は反対の立場なのですが、合同演説会で、民主党や共産党と一緒に合同演説をされたりしていて、菅長官がこれに関しては、個人的に全く理解できないと発言をされていたのですけれども、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
答:
 少なくとも私は、本件に関しましては、所管大臣でもございますので、個人的な考え方を申し上げる立場にはございません。活発な議論が展開されればいいと考えております。

国際電気通信連合(ITU)150周年(2)

問:
 日本テレビです。細かいことで恐縮なのですけれども、このITUへの桜の贈呈なのですけれども、これもし大臣のお考えか何かでお進めになっているのであれば、具体的に桜をどこに植えるとか、その思いみたいなものがあれば伺えますでしょうか。
答:
 例えばワシントンD.C.のポトマック沿いの桜は、大変歴史のあるもので、日本から贈られた桜でございますけれども、やはり土壌と苗木の関係がございまして、なかなか日本から運んでいっても枯れてしまうというような事情もありますので、現地で調達をして、植えていただくということになります。
 具体的にどの位置にというところまで、今、私は把握しておりませんけれども、それでも日本にとってシンボリックな花でございます。
 日本は最大の拠出国でもありますし、これまでITUの活動には多くの貢献をしてまいりましたので、皆さんに桜を楽しんでいただくとともに、日本の存在感を示すものにもなるのではないかなと思っております。

NHKに対する行政指導文書

問:
 もう一点、昨日の参議院の総務委員会でも話題になりましたけれども、NHKに対する行政指導文書ですが、中で書き込まれている、誰が、いつ、具体的に、その再発防止策に取り組むのかと、そこを明示しなさいという内容でしたけれども、その部分の進展がもしあればお教えいただけないでしょうか。
答:
 進展はございません。今、私が承知している限りでは、報告を頂いておりませんので、進展はございません。
 当日、発表されましたNHKの最終報告書を隅から隅まで1行残らず読ませていただいて、その上で、明らかになった事実関係もあります。
 これは、堂本副会長はじめ調査委員会の皆様が大変な努力をされて、もう去年のことですから、相当御苦労されながら明らかにしてこられた事実だと思います。
 他方で、まだ事実関係がはっきりしていない、言い分が食い違っているのだろうなと感じる部分もございました。
 併せて最終章の部分には、再発防止に向けてということで、いくつかの提言が書き込まれてありました。いずれももっともな提言でございますけれども、民間委員も入った調査委員会でございますから、提言の域を出ているものではなく、それぞれの改善策について、どのようなタイミングで、どのような方法で進めていくのかというところについてまでは、踏み込まれておりませんでした。
 私といたしましては、やはり多くの国民の受信料によって運営されている公共放送としてのNHKの使命を考えますと、いつまでもこの「クローズアップ現代」の問題で振り回されるということではなくて、今回の調査報告書、最終報告書に書かれた再発防止策を、もっと踏み込んで具体化して、一刻も早く取り組んでいただきたい、そういう思いで行政指導文書を作らせていただいておりますので、できるだけ早い具体的な取組を期待いたしております。
問:
 時事通信の橋本です。今の問題についてなのですけれども、昨日、総務委員会の方で答弁されたと思うのですが、いろいろ総務省の職員の方を外で待たせたりとか、いろいろ受け取る際に非常に混乱したような感じがするのですが、それで籾井会長もそこについては申し訳ありませんという話で謝罪をされたと思うのですが、その受入れについての不手際みたいなところについて、改めてどう考えておられるのかというのと、あと、今、再発防止策について、昨日、会長の記者会見があったのですけど、特にこれに対して、いつ、期限に何をしなければいけないということがなかったものですから、特に対応を考えてないという話だったのですけど、これについて改めてNHKに対して何か要請することとかありましたら、よろしくお願いします。
答:
 まず、行政指導文書の位置付けでございますけれども、これはもう皆様も御承知のとおり、法律に基づいて、あくまでも私どもからの助言的な位置付けでございます。
 この行政指導文書の内容を実行するかどうかというのは、その文書の発出を受けた相手方の協力によるものであり、これを全く実行せずに拒否してもいいわけです。対応するか、されないかは、受け取られた方の自由でございます。
 ただ、やはり多くの視聴者の皆様がお感じだと思うのですけれども、一刻も早く再発防止策を講じて、しかも放送法第4条に明らかに抵触する行為があったわけでございますから、正確な報道をして欲しい。そのように思っておられると思います。私も同じ思いでございますので、できるだけ早く再発防止策をもっと具体化して欲しいという思いから、最終報告書が発表されたタイミングで、全てを読み込んだ上で行政指導文書を作らせていただきました。
 ゴールデンウィーク前に発出をいたしまして、それほど時間が経っておりませんので、今、NHKがどのように具体化をし、進めておられるのか報告も受けていませんし、承知はいたしておりません。再度文書で何かを求めるというようなことは、現時点では考えておりません。
 最終報告書に関しては、当方が読み込んだ上で、あと、どのように改善していただけたらありがたいと思う内容を入れ込んだつもりでございますので、追加的なものを発出するつもりはございません。
 そして、受け取りに際してあった様々なトラブルでございますけれども、私どもといたしましては、十分に手順を踏み、礼を尽くした対応をしようと、精一杯の工夫をしたつもりでございました。
 報告書を読み込み、行政指導文書を作りました。そしてまた、皆様御承知の通り、翌日から私はタイ王国に出張する予定でございました。
 ですから、そういう意味では、翌日から私が記者会見に答えることはできませんので、もしかしたら官房長官記者会見等で官房長官が記者から尋ねられることもあろうと思いましたので、文書発出前には、官邸に「この後、文書を発出しようと考えている。こういう趣旨である」ということ、まさかプラユット首相との約束をキャンセルするわけにもいきませんので、「私は予定通りタイの方に向かいますけれども、よろしくお願いします」ということでお話をし、そして、6時に井上理事が局長のところに説明に来られるということは事前に聞いておりましたので、せっかく総務省に役員たる理事の方が来ておられるのでしたら、私自身から直接この行政指導文書を発出する趣旨を説明しながらお渡しするのが礼儀であろうと考えましたので、6時に来ておられるのでしたら、6時半ぐらいには局長とのお話も終わるかと思いましたので、「大臣室でお待ちをしています」ということを、局長を通じてお伝えをいたしましたら、「大臣室には参りません。行政指導文書の受け取りはできません」ということで、お帰りになったということを聞きました。
 その後でございますけれども、きちんとNHKの秘書室の方に総務省から連絡を前もって入れまして、「高市大臣から籾井会長宛ての文書を職員がお届けをするので」ということでお伝えをした上で、原本を持った職員をNHKに向かわせました。
 現場に着いてみたら、事前に連絡を取ってから伺ったにもかかわらず、中に入れていただくことはできず、19時に職員がNHK放送センターに向けて出発をして、19時半に放送センターに到着したのですけれども、その後、22時20分までゲートの外でずっと待たされるということになりました。ずっとゲートの外で待たされたままであり、また、お渡しする手段もないということでございました。
 最初は、事前に電話を入れてあるわけですから、受付の方にお渡しをして、そして受取証明でも頂いて帰る、その後、会長にお渡しいただくような方法はないのかなど、細かく電話で、大臣室経由で指示をしておりましたけれども、受付にも受け取っていただけないということで、ずっとゲートの外で10時20分まで待たされているということを聞きまして、それでは職員があまりにもかわいそうだと思いましたので、役所に帰ってくるように指示をいたしました。
 もうお渡しする方法がございませんものですから、役所に原本を持ち帰らせ、その後、配達の証明ができる書留で発出をしたということでございます。基本的に、総務省といたしましては、順序を踏んだつもりでございます。

ドローンに係る無線従事者資格の取得義務付け

問:
 毎日新聞の山口と申します。先日、一部報道でですね、高性能のドローンについて、無線技士の免許を取得するというように方針を固めたという報道がありました。その事実関係と、方針は固めていなくても検討されていることがあれば教えてください。
答:
 昨日も総務委員会で一部御質問いただいたのですけれども、報道にあるように、小型無人機の操作に無線従事者の資格取得を義務付けるという決定をしたということはございません。
 そもそも現在市販されている小型無人機ですけれども、この無線操縦は出力が非常に小さくて、1ワット以下ということでございますので、無線局免許を必要としない、そういうものが大多数でございます。
 ただ、仮に、一般的に5キロメートル以上の距離で安定的に通信をするということになると、高出力の電波が必要になりますので、その場合には、現在でも、無線局免許の取得は必要となっております。無線従事者は操作が可能であるということになっております。
 ただ、なかなかこれも難しいのですけれども、資格の必要性ということについてですけれども、無線従事者の資格は、コントローラーなどの無線設備について電波を発射するための操作を行うためのものでありまして、小型無人機を飛行させるという操縦の技能とは無関係のものでございますので、例えば何か資格が必要だということになりますと、現在の無線従事者の資格とは異なったものになるのだろうと思います。現在のところは、そういう決定はしていないということです。
問:
 ほかはよろしいでしょうか。ありがとうございました。
答:
 はい、どうもお疲れ様でございました。

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