会見発言記事

視察後の所感

問：

　今日、基金を活用した南海トラフ対策の実情から視察をされたわけですけれど、共通していたのは、三位一体改革の影響ですとか、人件費を削ってまでも将来の要因に備えて積み立てる自治体の姿があったかと思うんですけど、年末の閣僚折衝、財務省との折衝になると思うんですけど、今回現場の声をどのように反映させていくか、どのように活かしていくかというのを教えていただきたい。

答・野田大臣

　ご承知のように、最近しばしば会議が開かれたり、又はみなさんマスメディアのほうで、これからの地方税のあり方とか基金のあり方とか、いろいろと地方に関する税財政の議論が起きてくるわけですけれども、私自身も岐阜の県議会出身で、ある程度地方行政を分かったつもりできましたけれど、今現実にいろんな困難に直面している、そして誰よりも努力をされている首長さんたちに出会ってお話を聞くことが一番の答えだと思って、今日はお休み日曜日です、急遽この出張を立ち上げたところ、高知県の知事には快く引き受けていただきまして、皆さまご同席されていたと思うんで、やはり本当のことがよく分かったと思います。　
　まずは、基金に関しても、いろいろ言われているように、余ったお金をただ持っているわけではなくて、まずはやはり自らの人件費を削減するなど、職員を減らすなど、相当な力のいる仕事をしてお金を蓄えている。それは何のためにかと言うと、行政サービス、住民の皆さんの安心・安全確保のために、万が一のために必要とされるお金を常に持っている、これが地方にとっては当たり前の姿勢で、まさにそれがやる気の見える化だと思っています。それをとり違えておられる人たちがいることは大変残念だなということで、それをしっかり知事さんはじめ、市長、大豊町長も教えていただいたことに感謝したいと思います。また、地方によっても取り組みは様々で、特に高知の場合は南海トラフの地震の想定というのが大変大きなものだと痛感しました。総務省としても、そういう県特有の案件については、しっかりお支えできるよう努力をしていきたいなと思っています。

問：

　大臣折衝にどう取り組んでいくのか。基金の話。

答・野田大臣

　私は、自分の頭で考えたことではなくて、実際に今日、知事、市長、町長と、今の地方税制、財政、そして行政サービス、さらには少子化による人口減少、高齢化、様々な都市部に比べてそこを抱えていながら果敢に取り組んでいる好事例をしっかりお示ししたうえで、今言われていることは決して正しい方向性ではないことをお伝えして、地方の皆さんの安心・安全のために、今日教わってきたことをしっかりお伝えすることが私の仕事だと思っています。そうやって戦います。

問：

　今日は大豊町とか実際全部ご覧になったと思うんですけれども、知事と大臣とにお伺いしたいんですが、今日の視察を振り返って、印象に残ったことであるとか、感想をいただければと思います。

答・野田大臣

　まず、知事から教わったことは、これまで中山間地域というのが何か手当をしてあげなければならない存在というふうに霞ヶ関の人たちは取り扱ってきたんじゃないかと。そうではなくて、そのものが、中山間地域そのものがこれからの日本を支えるポテンシャルを持っているところなんだという、そういう取組みに非常に感動しましたし、大豊町というのは高齢化率も50％を超えている、100年先の日本を見せていただいておるものですけれども、ただ、分かったことは、高齢化に対して悲壮感はないということです。私たちはやはり、高齢化について非常に悲壮感を持つけどそれは間違いで、やはり少子化に対してもっと抜本的に取り組んでいくことが大切だなという明るさをお見せいただいたと思っています。（高知）市に関しては、タワーというかその、津波から皆さんを守るためのところに連れて行っていただいたんですけれども、私の選挙区は岐阜市という中核市なんです。同じ中核市ですけど、やはりもう同じ中核市といっても、同一の取組ではないということを、明らかに教えていただいた気がいたします。これから地方といったときに、やはりそれぞれが全然違う個性なんだというもとで、そのカウンターパートである総務省がもっと丁寧に、それぞれに必要な、共に歩ける環境整備というのをしていかなければならないなと。地方、例えば町村とか市とか、中核市とか県とかいうことで束ねることではなく、やはりそれぞれに応じて柔軟に対応していく政治、行政、政策が必要だということを改めて教えていただきました。本当にありがたかったし、ただ共通していたことは、決してその基金ということに対して甘い気持ちではなく、むしろ厳しい状況に立たされたからこそ、しっかりと地域住民を守るために必要だということが、それぞれ共通でありましたので、それはしっかりと伝えていかなければならないと思います。

答・尾�ｱ知事

　私としては、大変ご多忙のところ、野田大臣に今日一日かけておいでいただいたことは本当に感謝申し上げたいです。また時間をかけてじっくりご説明させていただく際も、させていただきましたし、また実際現場に行っていただいてですね、それぞれ皆さんのお話をじっくり聞いていただいたことは、本当にありがたいことだと、そのように思っております。あの、地方というのは厳しい条件にあります。その状況下に置かれてはいますけど、決して文句ばかり言っているわけではない。その状況をなんとか打開しようとして多くの皆さんが今いろんな努力をされています。ゆえにもってして、こういうことをしたい、こういうことをしなければならん、色々仕事があるわけですよね。その仕事のために基金も積み立てて、そして的確に使ってきているということであります。やっぱり決して、様々な財政需要があるなかで、漫然と積み立てるなどということを逆に住民の皆さんが許してくれるわけはないわけであります。そういう姿というものをですね、本当に今回、大臣にも見ていただけたということは、中央にこういう声を届けていただくということでありまして、本当にありがたいことだと、そのように思っております。