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会見発言記事

野田総務大臣閣議後記者会見の概要

平成30年6月8日

冒頭発言

 皆さん、おはようございます。
 私の方からは、2件報告がございます。

 
平成29年度政策評価等の実施状況等の国会報告
 
 本日の閣議において、政策評価法に基づき、「平成29年度政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告」を決定いたしました。
 証拠に基づく政策立案、すなわちEBPMを推進していくためにも、各府省においては客観的な情報や、データに基づく政策評価を行い、政策の見直し・改善に一層活用していただきたいと考えています。
 総務省としても、関係府省等との共同研究を進めてまいります。
 詳細な点は、行政評価局にお問い合わせください。
 
 
平成29年度公害等調整委員会年次報告
 
 本日の閣議において、公害等調整委員会の平成29年度の年次報告を決定しました。
 公害というと、例えば水俣病のような大規模な産業型公害を想起される方が多いと思いますが、最近では、「隣のコンビニエンスストアの室外機からの騒音」とか、「飲食店からの悪臭・騒音」といった、身近な生活環境の中で発生する「都市型・生活環境型の公害」が問題となっています。
 このような「暮らしの中の公害」を含め、公害でお困りの場合は、お住まいの地方公共団体の公害苦情相談窓口に御相談いただくとともに、公害等調整委員会も活用していただくことができますので、この機会に、改めて国民の皆様にお知らせをいたします。
 詳細については、担当にお問い合わせください。
 
 私の方からは、以上です。
 
 

質疑応答


規制改革推進会議答申の「放送を巡る規制改革」に対する所見

問:
 放送制度改革に関してですけれども、先日の規制改革会議の答申の中で、通信と放送の枠を越えたビジネスモデルの構築の中で、テレビ番組のインターネット同時配信は避けられないとし、番組のネット配信、共通のプラットフォームへの期待が示されました。また、その先として、通信と放送の枠を越えたプラットフォームへの環境整備の必要性が指摘されました。大臣の御所見をお聞かせください。
答:
 規制改革推進会議の第三次答申で、「通信・放送の枠を越えた新たな環境に対応したプラットフォーム・配信基盤の構築」に関する提言が行われたということは承知しています。
 答申の詳細についてコメントすることは、ここでは差し控えたいと思いますが、会議におけるこれまでの検討結果が示されたものだと受け止めているところです。
 いずれにしても、総務省としては答申を踏まえた「規制改革実施計画」、これの閣議決定に向けて引き続き協力をしてまいります。とともに、この答申において示された項目については、内閣府をはじめとする関係府省等、しっかり連携しながら検討を行ってまいります。


同時配信に対応する連絡協議会の設置

問:
 もう1問お尋ねします。総務省の放送サービスの未来像を協議する有識者会議が、先日、放送と通信の関係者などで構成する連絡会議の設置を提案する案をまとめました。どのようなメンバーとか、どのようなスケジュールをお考えなのかお聞かせください。
答:
 有識者検討会が、放送と通信にまたがる技術的課題を解決するために、関係者による情報共有等を行う体制の整備に関する提言を含む報告書案について議論を行ったということは承知しています。
 今、現時点では、とりまとめに向けて議論を行っている段階です。ですから、「連絡協議会」という形態をとるかどうかは具体的に決まっていません。
 一般論として申し上げれば、視聴環境が変化して、動画配信サービスとか放送番組のネット配信等の取組が進んでいます。大容量のデータ流通を支えるネットワークの運用等、放送と通信にまたがる技術的課題の解決や、利用者にとって便利で使いやすいサービスの実現に向けて関係者が協力し、課題の共有や解決を図っていくことは重要だと考えているところです。


規制改革推進会議答申におけるNHKの常時同時配信の受け止め

問:
 規制改革会議の放送に関する質問なんですけれども、インターネットの同時配信は「推進」すると明記した一方で、NHKの常時同時配信については、「是非について早期に結論を得る」という表現になっていたかと思います。   
 これは必ずしもNHKの常時同時配信を導入にするという前提ではないというふうにも読めるんですけれども、大臣の受け止めをお聞かせください。
答:
 NHKの常時同時配信については、総務省の有識者検討会で現在とりまとめに向けた検討を進めているところです。
 まず、公共放送としてのあるべき姿について活発な議論をしていただいて、放送全体として新たな技術に対応した発展を目指していただくことも期待しているところです。
 今の段階では、常時同時配信については、特段のスケジュールを決めているわけではありません。受信料制度を含めて、公共放送のあり方については、何よりも国民・視聴者の理解を得ていくことが重要であり、引き続き丁寧に議論していきたいと思っています。
 昨日も参議院の方のNHK決算の質疑がございましたけど、様々な、野党とも問題提起もございましたので、しっかりとそういう議論を積み重ねていきたいと思います。


NHK常時同時配信の3条件の考え

問:
 もう1点なんですけれども、NHKの常時同時配信については、高市前大臣が、いわゆる3条件として、放送の補完的な位置づけとして実現することや、既存業務の適正化を検討すると。あるいは、関連団体への業務委託の透明性を高めることという条件を示されて、野田大臣も理解を示されていたと思うんですけれども、現状の認識をお聞かせください。
答:
 現状の認識も変わっていません。引き続き高市前大臣の3つのポイントはとても重要だと考えています。
問:
 高市さんは、時期尚早というか、まだ議論が煮詰まっていないとおっしゃっていたんですけれども、それについても認識は変わりませんか。
答:
 時が流れていますから、あの時から10か月が少なくとも経っているので、議論は積み重ねてこられている。検討会で議論はされているということは、そこは若干違いはあると思います。


女性活躍推進法施行3年が経過し中小企業の取り組み

問:
 女性活躍推進法の施行から3年目に入って、301人以上の企業は行動計画99%達成済みという状況なんですけども、中小はまだあまり進んでいないという状況で、今後の見直しのタイミングで計画の義務づけを含めて、その対応をお聞かせください。お願いします。
答:
 少し丁寧に説明したいと思います。企業における女性活躍を推進するため、女性活躍推進法においては、中小企業の事業主行動計画の策定は努力義務とされているところです。
 この行動計画の策定の届け出企業数は、平成30年3月末現在で4,568社となっております。労働者の6割以上は中小企業で働いておりまして、中小企業における女性活躍を促進することは大変重要であると考えています。
 政府としては、私から日商等への要請や企業トップの理解促進のための事業を行うなど、きめ細やかに中小企業への働きかけを日々行っているところです。
 こうした企業の施行状況も踏まえながら、(施行後)3年の見直しに着手をして、女性活躍の取組が一層促進するよう検討をしっかり行ってまいります。


地域おこし協力隊の目標を8000人とする狙い

問:
 地域おこし協力隊についてなんですけども、地方創生の基本方針で、新たに隊員を平成36年度8,000人にしたりとか、あと、シニア層や在住外国人の隊員を増やすことが掲げられました。これらの狙いや意義や、大臣が期待される効果は。
答:
 地域おこし協力隊の隊員数の目標については、これまでは平成32年に4,000人という目標を掲げていましたが、28年度に、4年前倒しで達成できました。そのことから、地方自治体の取組状況を踏まえて、この度6年後の36年度に8,000人と前向きに変更したところです。
 隊員数が大きく増加した理由のその1つは、テレビドラマ「遅咲きのヒマワリ〜ボクの人生、リニューアル〜」、こういう番組や、移住や地域振興に関する記事が番組で隊員の活動とかを取り上げていただいたことがあると思っています。ここにいるメディアの皆様に感謝するとともに、これからも、しっかりと隊員たちを応援していただければとありがたいなと思います。
 地域おこし協力隊は、約6割の隊員さんが任期終了後も同じ地域に住み続けています。そして、同一市町村内に定住した方の3割が起業するなど、地域への新しい人と仕事の流れを着実に生み出していることは事実であります。
 今回の目標を引き上げるに当たっては、定住を希望される隊員が1人でも多くの方が定住できる、地域の担い手として一層活躍していただけるよう、今御指摘があったように、社会経験が豊富で、様々なスキルを地域に生かしていただけるシニア層などの参加を働きかける。そして、任期終了後の起業に加えて、今問題になっている事業継承、これも支援する。また、隊員OB・OGも相当数増えてきたので、そのネットワーク化して、その人たちの力で受け入れサポート体制の充実を図りたいといった取組を進めていくことにいたします。
 本年度は、制度が創設されてから10年目の節目ということになります。制度の発展に携わっていただいている有識者の方の御意見もしっかり伺いながら、更なる拡充に向けた取組の方針を年内に取りまとめる予定にしています。
 これからも、隊員の皆さんが地方への新しい「人」と「仕事」の流れをつくり、全国各地で、文字通り「地域おこし」の更なる力を発揮していただけることを切に期待しているところです。


職場でのハラスメント防止の国際基準策定に対する見解

問:
 セクハラ問題の関連なんですけれども、現在、国連の専門機関である国際労働機関の方で、職場でのセクハラや暴力を防止するための国際基準の条約化に向けて議論が進められています。この条約化に関してはセクハラ防止の取組を各国推進するということに期待されているわけでありますけれども、欧州各国の多くの国が条約化に賛同している中、日本は条約化に関しては態度を保留するなど消極姿勢が指摘されておりますけれども、これらについて受け止めをお願いいたします。
答:
 6月6日、ILO総会の「労働の世界における暴力とハラスメントに関する委員会」において、報告書が採択されたことは存じております。
 本委員会ではセクシュアル・ハラスメントの問題だけではなくて、仕事の世界における暴力とハラスメントの基準策定に関して、様々な議論がなされたと聞きました。
 政府としては、それぞれの国の実情に応じた柔軟な対策を促進するような基準が策定されることが重要との立場から、これまでも積極的に議論に参加してきているところです。
 仕事の世界における暴力とハラスメントについて、新たな国際基準が設定されること自体は望ましいとの認識の下、今後もILOにおける議論に対して、引き続き積極的に参加していくことになるものと考えています。
 私としては、まず日本において実効性のあるセクシュアル・ハラスメント対策のとりまとめに向けて全力で取り組んでいるところです。
問:
 国際基準の条約化に関してはいかがでしょうか。
答:
 これもまさに議論の最中で、いろいろと各国の出されたあれを、日本だけでなく、すべての国々が精査している段階ではないかと思っています。決して後ろ向きではなく、積極的に関わっていることを御理解いただければと思います。


参議院の選挙制度改革に関する公職選挙法改正案の受け止め

問:
 参院の選挙制度改革についてなんですが、自民党が参院の比例選、一部ですけど、拘束名簿式の特定枠を導入する。その上で定数を4増やすことを提案する公選法の改正案をまとめました。選挙区については一票の較差の是正の観点から、埼玉で2、改選は1ですけど、2を増やすという内容です。合区の対象で選挙区の候補になれなかった人の事実上の救済じゃないかですとか、地方議会、議員定数削減だとか、身を削る取組をしている中で、逆行するんじゃないかとか、いろいろ、批判も含めていろいろありますけども、議員立法ですが、選挙制度を担当する大臣としての御見解を。
答:
 そもそものスタートは、合区解消の見通しが立たないという中で、参議院の選挙制度に関して、選挙区間の最大較差を3倍未満にする、そういう取組の中で、今般比例代表選挙においては名簿にあらかじめ順位を付す拘束式の特定枠を設けることができる制度を導入する、公職選挙法の改正案が自民党において議論されているものと承知しています。平場の議論が終わって、政審まで来ているというところまでは聞いています。
 選挙制度の在り方については、定数を含めた参議院の議会政治の根幹に関わる非常に重要な問題でありますから、これはまさに各党・各会派において御議論いただく事柄でありまして、総務大臣としてのお答えは、この場では差し控えたいと思います。
 でも、前にも私申し上げたと思いますけれども、私自身の考え方とすると、政治を司る議員は多様性が必要なんじゃないか、政治において多様性が必要なんだなということは常にあります。ですから、それぞれ都道府県と括られているけれども、それぞれの積み上げてきた歴史とか文化が違う中、独自性というのがあるわけですね。
 そういうものが政治の中で十分生かされるような環境整備というのは、これからもますます重要、特に地方創生の面においては重要になってくるのかなと思っていまして、より良い、国民有権者にとって良い政治環境を作ることが一番大切なことだと思っています。


郵便局活性化委員会の答申(案)の受け止め

問:
 今週の初めに郵便局の活用についての答申が出されまして、薬の販売とかいろんな提言が出ていますけども、そういった活用の提言についての有効性ですとか、実際にできるかどうかの利便性とかについての受け止めをお願いします。
答:
 総務省の中で、2040(自治体戦略2040構想研究会)の議論の中で、相当人口減少とか少子化で小さな基礎自治体は、このまま無策でいれば大変厳しい環境になってくるだろう。でも、そこは、まだ持っているポテンシャルをしっかり引っ張り出してあげることも大事だし、そこで暮らしていく人たちが誇りを持ってふるさとで生きていける環境というのは、総務省がしっかり、地方創生の肝として取り組んでいかなければならないと思っているわけです。
 その中で、これは私自身が特に敏感に感じたのかもしれないけど、総務省にいて、地方で非常に活用されている郵便局の存在が、なかなか地方自治の政策の中でプレイヤーとして出てこないなということを気にしていました。
 そこは合体する形で、これまで郵便局が、とりわけ地方で重宝されているわけですよね。なぜかというと、金融機関が、ほぼほぼ撤退する中、そこだけあるとか、または、概ね、お年寄りであっても歩いて行ける距離にあるとか、郵便局のネットワークを持っている魅力というのを、しっかり地方のニーズとかみ合わせていくことが大事なんじゃないか。
 そういうことで、いわばこれまで別々に歩んで、それぞれの地方を良くしたいという気持ちで歩んできた2つの勢力が合体して、何ができるかというコラボレーションが始まったと思っています。いろんな御意見も聞きながら、何を必要としているかという、利用者目線に立って、実現性の高いものから優先順位をつけて、具体的に進めていければと思います。

問:
 ありがとうございました。
答:
 ありがとうございました。

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