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会見発言記事

野田総務大臣閣議後記者会見の概要

平成30年9月28日

冒頭発言


 おはようございます。
 私の方からは、3点ご報告をします。

5G利活用アイデアコンテストの開催

 地域が抱える課題の解決や地方創生への寄与が期待できる5G(ファイブジー:第5世代移動通信システム)は、我が国全体の成長のエンジンとして、都市部だけでなく、社会の様々な場面への普及展開が求められています。
 総務省では、昨年度から5Gの総合的な実証試験を実施していますが、さらに幅広い分野で5Gを活用し、地域社会の課題解決の可能性を追求するため、5G利活用のアイデアを広く募集することとしました。
 合わせて「5G利活用アイデアコンテスト」を本年12月から年明けにかけて実施いたします。優秀なアイデアを来年度の実証試験に取り入れることも視野に入れています。
 本コンテストを通じて、これまでにない、5Gに対する新たなニーズや、埋もれている優れたアイデアに光を当てることにより、地域発・利用者発の5G利活用を実現してまいりたいと考えています。
 詳細については、移動通信課にお問い合わせください。


【「就労証明書作成コーナー」の開設】

 保育所などの入所申請に必要な「就労証明書」は、現在、入所申請をされる子育て世代の皆様が市町村から様式を入手して、多くの場合、企業の人事担当者が手書きで作成をしており、その負担を軽減してほしいとの要望が経済界から出されてきたところです。
 これを踏まえ、来月の1日から、内閣府が提供するウェブ上のサービスである「マイナポータル」に「就労証明書作成コーナー」を開設します。(1)企業の人事担当者が、各市町村の様式を検索して簡単に入手し、キーボード入力で就労証明書を作成できるようにするとともに、(2)マイナンバーカードを持っている保育所入所申請者は、自治体によっては、市町村に持参又は郵送することなく、電子申請できるようになります。
 今後、企業の人事担当者や保育所入所申請をされる皆様に広くご利用いただけるよう、経済界や地方公共団体を通じて、その周知に努めてまいります。


労働力調査結果

 本日の閣議において、私から労働力調査結果について報告しました。そのポイントを説明します。
 8月の完全失業率は、季節調整値で2.4%と、前月に比べ0.1ポイントの低下となり、約25年ぶりの低い水準で推移しています。
 また、15歳から64歳の就業率は、男女計で77.0%、女性で70.0%と、いずれも比較可能な昭和43年以降で過去最高となるなど、雇用情勢は着実に改善しています。
 詳細は、統計局にお問い合わせください。


 私からは、以上です。

 

質疑応答

基金における東京と地方の格差が拡大していることに対する受け止め

問:
 自治体の基金についてお伺いします。昨年度の基金の残高は、全国でおよそ22兆円で前の年度に比べて4,200億円余り増えていますが、増加分を詳しく見ますと、東京都の積み上げ分が大部分を占めていて、地方との格差が広がっているという見方ができると思うんですけども、大臣の受け止めをお願いします。
答:
 ただいまご指摘のとおりで、平成29年度に国費を財源として都道府県が積み立てた国民健康保険財政安定化基金の増加といった特殊要因を除いて、東京都及び特別区の合計は2,805億円の増、そして、東京都及び特別区以外の地方公共団体は444億円の減となっています。
 東京都の客観的な財政指標を見ますと、財政力指数、経常収支比率、実質公債費比率など、様々な指標について、他の道府県よりも良い数値になっていることは事実ですが、地方公共団体の基金は、東京都を含めて、各団体において様々な地域の実情を踏まえながら、それぞれの判断のもとで積み立てているものだということで認識しています。

NHKのネット常時同時配信

問:
 昨日、放送の諸課題検討会(放送を巡る諸課題に関する検討会)でNHKの常時同時配信についての議論がありまして、NHKからは期限をやや先送りのような、言葉を濁す説明がありまして、それに対して大臣どう受け止めていらっしゃいますか。
答:
 昨日の有識者検討会、私もずっとフルで出席させていただいたんですが、第二次取りまとめを受けたNHKのプレゼンテーションの中で、「適正な受信料水準や値下げを含む視聴者への還元」、そして、「衛星波の整理・削減」についての言及がありました。
 これに対して、構成員やオブザーバーの方々から様々な意見が出されたところです。NHKにおかれては、こうしたご意見も踏まえつつ、検討を急ぎ、できる限り速やかに、具体的な内容や考え方を示していただきたいと思っています。
問:
 関連で、総務省としては、放送法を所管していて、放送法の改正について、今後どう対応していくつもりでしょうか。
答:
 放送法の改正については現時点で結論は出ていませんが、昨日の第二次取りまとめでは、例えば常時同時配信については国民・視聴者の理解を得られることを前提に、一定の合理性・妥当性があるというふうにされてきたところです。
 改正については、まず、そもそも公共放送のあり方について、国民・視聴者の理解を得ることが重要ということが大前提と考えていまして、昨日の議論やNHKのこれからの取組を踏まえつつ、引き続き検討を進めていきたい。ですから、特段のスケジュールがあるわけではありません。

連携中枢都市圏構想

問:
 圏域を巡る議論について2つお伺いしたいんですが、昨日、指定都市市長会などが大臣に提言書を提出されました。連携中枢都市圏構想について、法定化と財政支援の強化を提言したと思いますが、それについてどう受け止められたかということと、小規模自治体では慎重な意見も出ていますが、基礎自治体間で温度差があるようにも見える圏域の議論について、どう捉えられているかお伺いします。
答:
 なかなか指定都市の皆さんが総務省にお出かけ来ることが少ないので、非常にありがたく思いまして、指定都市、そして、中核市等々のいまおっしゃったようなものは、わりとボリュームのある地方の皆さんのご要望を、いろいろ、いくつか承った中の1つのその話でありました。
 私たちは総務省で2040構想をやりまして、結論から言えば、今後の地方の行政のあり方というのは、まずは地方公務員のなり手が激減する中で相当厳しくなってくるし、人口減少もあるし、高齢化ということもあるので、相当思い切ったパラダイムシフトが求められている中で、その圏域の話というのはだいぶ前から進めているところですが、今後それをしっかり議論していこうということで、先般、地制調、地方制度調査会においてお話をさせていただいた。
 その場でも、地方自治の本旨でありますから、国が強制して取り組みなさいということではなく、それぞれの地方の、今後の様々な深く係る中での存続のために必要なものは何かというものをじっくり議論していただく中で、ある程度大きさがある地方が、核となって支え合うような流れを作っていくために、昨日のそれぞれの皆さんのご意見では、法定化もご検討いただきたいという話がありましたけど、それはまさに地制調等でしっかりと、同じ地方でも格差がありますから、それぞれの地方自治がないがしろにならないような話し合いの積み重ねの中で、結論を出していただければいいかなと思います。

ふるさと納税に係る泉佐野市の主張に対する考え(1)

問:
 ふるさと納税の返礼品の関係で、今日午後から泉佐野市の副市長が都内で記者会見をされる予定で、おそらく総務省の通知とかに出ている3割ですとか、あと、地場産品に限るですとか、そういったことについて反論をされるようなんですけども、そういったことになっている状況についてとか、泉佐野市に対してのお考えですとか、そういった面を改めてお願いします。
答:
 これから会見されるということで、どのようなことを主張されるのかは私には全然分かりませんが、返礼品の取扱いについては、これまで二度にわたって総務大臣名で通知を発出してきました。そして、あらゆる機会を通じて、例えば好事例集を出しながらも、見直しの促しを要請してきた経緯もあります。泉佐野市に対しては、それに加えて個別の要請もずっと続けてきたところであります。
 前も申し上げたように、ふるさと納税制度、やはり地方、厳しい状況の中で、それに対して、そこの出身であったり、そこに愛情や友情を感じる人たちが、寄附をすることによってサポートしていこうという、日本にはなかなか根付かなかった寄附行為を根付かせた、大変良い動きがある中、その延長線上に、今年は多くの地域で自然災害がございまして、それのお見舞いという形でふるさと納税を活用した寄附行為があったことも、皆さんご承知のことと思います。
 そういうものをしっかり守っていけるかどうかという非常に厳しい局面に来ている。つまり、それを促すはずだったのが、そもそもはなかった返礼品のことによって、いろいろと批判の声が高まってきている。世論調査でも、やはり見直しが必要だという声が高まってきている中、一部の人たちの突出した行動によって、本来のふるさと納税が目指していた姿が失われることになってしまうことは、一生懸命頑張ってくださっている地域にとって、本当に不幸な結果を招くことになってしまいます。
 ぜひとも泉佐野市においても、そういう最初のスタートの志を思い出していただきまして、もう既に他の地域では返礼品を、モノからコトに変えていくこと、いわゆるガバメント・クラウド・ファンディング型のような、それぞれの地域の政策に関して寄附をしてほしいという形で取組が進んでいますので、多くの地方自治体がそういう方向で知恵を使った地方創生のパートナーとして、このふるさと納税を活用していただきたいなと願うばかりであります。

ふるさと納税制度の見直し

問:
 ふるさと納税についてですけれども2点あります。まず、今お話になった、本来スタートの当時は返礼品という考えはなかったわけですけれども、今後の検討で返礼品をなくすということにも検討課題に挙がるのかと言うことが1点。
 それと、地場産品についてなんですけれども、泉佐野のほうからも、この定義をどういうふうにお考えなのかということを疑問として上がっているんですが、これに対する大臣のお考えをお願いします。
答:
 「存続の危機」と申し上げたのは大げさかもしれませんけど、今ご指摘になったようなことも、そういうことをおっしゃっている方も声が大きくなってきていますので、そこも踏まえてほしいということであります。
 私も、ですから、そこまでに至らないようにふるさと納税でルールを守り、そして、自らの地域で、自らの人が汗をかいて作成されたもの、作られたものを、私たちのふるさとはこれを通じて関係性を持ってくれというものは、いろんなところに行ってきましたけど、必ず1つ、2つはあります。なかったところはありません。そういった意味で、自ら地域の中であるものに付加価値をつけていくとか、おそらく、今、地場産品がないところってあまり地方では聞いたことないんですけど、そういうものにもう1回、新たな、新鮮なまなざしで着目してもらって、それを活かしていけるというような流れを作っていただければいいなと。
 その定義とか、そこまで四角四面に私としては望んでないわけですね。ですけど、まずは、そういうものがないというご意見を1回打ち消してもらって、自分の地域を見回してもらって、地域に住んでいる人たちがいろんなものを作ったり、コトをなしていると思うんですね。そういうものをもう一度、リストに挙げるようなご尽力をいただければいいなと思います。

ふるさと納税に係る泉佐野市の主張に対する考え(2)

問:
 今の関連で1点ですけれども、泉佐野市の市長はですね、地場産品が多様な自治体との間に格差が生じるという反論コメントをこれまでにも出してきたんですけれども、これについて改めていかがでしょう。
答:
 地場産品というのは地元が作るものですから、格差という考え方も、例えば大変人数の少ない地域にあっても、高齢化が進んでいても、その土地ならではの特別なものがあるわけですね。だから、まずそういう前提を立てる前に、それぞれの地域を見回してもらって、そういう小さな輝きかもしれないけど、そういうことをやっている人たちを見つけ出して、それを伸ばしていくってことも、ふるさと納税の返礼品に対する地場産品という考え方よりも、地方創生の担い手という意識の下で取り組んでいただければいいなと思います。


問:
 以上で終わります。

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