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会見発言記事

松本総務大臣予算折衝・地方財政対策関係記者会見の概要

令和5年12月20日

冒頭発言

【令和6年度予算大臣折衝状況】
 
  それでは、令和6年度予算の大臣折衝について、ご報告を申し上げたいと思います。
 
◆地方財政対策
 
  先ほど、財務大臣と地方財政対策などについて折衝して合意いたしました。
一般財源総額については、交付団体ベースで前年度を0.6兆円上回る62.7兆円を確保いたしました。
  その中で、地方交付税総額については前年度を0.3兆円上回る18.7兆円、特例的な地方債である臨時財政対策債については、発行額を0.5兆円とし、前年度から0.5兆円抑制することができました。
  定額減税による地方税の減収額については、地方特例交付金により、その全額を国費により補填することとしました。地方交付税の減収については、繰越金や自然増収による法定率分の増により対応可能であり、その上で、先ほど申し上げたように、しっかりと地方財源を確保しておりますが、さらに後年度に0.2兆円の国の加算を行うこととしたところでございます。
  歳出面では、こども・子育て政策の強化について、加速化プランの実施に必要な地方財源を確保するとともに、必要な単独事業の経費について、ソフト分として1,000億円、ハード分として500億円を増額することといたしました。
  また、会計年度任用職員の勤勉手当の支給にかかる経費として、これは6年度からになりますので1,800億円程度、自治体施設の光熱費や施設管理費の委託料の増加を踏まえて700億円を、それぞれ計上することといたしました。
 
◆予算重要項目
 
  併せて、地方財政対策以外の予算の重要項目についても折衝いたしまして、電波遮へい対策事業について折衝を行いました。
  これは、国民生活に必要不可欠な通信インフラの整備でありまして、鉄道や道路などのトンネル内においても携帯電話がつながるようアンテナなどを整備し、通信環境を確保するものでございますが、これまで高速道路や国直轄国道を補助対象として整備を進めてきたわけですが、災害時において応急活動が円滑に行われるように、今回、地方自治体が管理する緊急輸送道路への補助対象の拡大及び同対策の取組の一層の推進を図るために10億円の予算を確保いたしました。
  現段階において予算の編成作業に合わせて計数整理中でございますので、詳細につきましては、政府予算案の閣議決定後に事務方からご説明申し上げる形になろうかと思いますので、よろしくお願いします。

質疑応答

令和6年度地方財政対策の中で力をいれた点等

問:
  今回の地方財政対策で力を入れた点と、大臣の評価をお願いいたします。
答:
  令和6年度の予算編成、地方財政対策につきましては、かなり様々な要素がございまして、いわば歳出が増えるプラス要素という意味では、これまでも進めてきた地域のデジタル化、脱炭素化などの推進に加えまして、今年は人件費が給与改定で変わる上に、会計年度任用職員、一般的に言えば非常勤の職員ということになりますが、この方々の勤勉手当の支給について制度を改めて行うことになったところでございまして、人件費が大きくプラスにならなければならない。また、こども・子育て政策を強化するということで、これを地方にもまたお願いするところがあるということで、地方歳出が大きく伸びる要因が大きく多々ありますので、必要な財源をしっかり確保して欲しいという声はたくさんいただいてきたところでございます。
  また、収入というか、入りの面でいくと、定額減税に伴う減収に適切に対応して欲しいという、こういうご要請もたくさんいただいてまいりました。 定額減税による影響については、先ほど、冒頭発言で申し上げたとおりで、財政運営に支障が生じないように適切に対応いたしたいと思っております。
  一般財源総額につきましても、先ほど申しましたが、かなりプラスの要素がいろいろありますが、そういった中で財政当局と事務方でも議論を重ねていただいて、交付団体ベースで前年度を0.6兆円上回る62.7兆円を確保しております。
  これは昨年度と比べても、かなり大きい額となってプラスとなっておりますが、そもそもプラス要因も様々あるということで、地方の皆様に何とかご理解をいただくところまでは来たのかなと思っております。
  それぞれの課題ということで申し上げれば、もう既に先ほど申しましたが、給与改定の増分、会計年度任用職員の勤勉手当の支給に要する経費、こども・子育て政策については加速化プランの実施に必要な経費に加えて、単独事業分も含めて地方財源を確保できたと思っております。なお、自治体施設の光熱費や委託料の増加を踏まえて必要な経費も計上することができました。 そのような意味で、自治体の皆様のご要望に応え、自治体の皆様が住民のニーズに的確に応えて行政サービスを安定的に提供できるようにするための財源を確保するため、できる限りの努力をして、何とかご理解をいただけるところまでは来たのではないかと思っております。
  自治体の皆様におかれては、今回の地方財政対策を踏まえて、地域の課題にまた対応していただくことをお願いしていきたいと思っております。

こども・子育て政策

問:
  重ねてになりますが、地方財政対策で、こども・子育て政策の強化についてですが、地方6団体からは全国一律で行う施策だけでなくて、自治体独自の事業についても財源を十分確保するよう要望がかなり強くありました。今回、単独事業も入っているということですが、改めて少子化対策を地方が独自に十分行っていくだけの財源が確保できたのかどうなのか、改めてお伺いします。
答:
  こども・子育て政策の強化は、本当に少子化対応も含めて、我が国の社会経済全体に関わる重要な、先送りできない課題であると考えておりまして、政府としても懸命に取り組んでいるところでありますが、年内に策定予定の、こども未来戦略のこども・子育て支援加速化プランにおける令和6年度の地方負担分は約0.2兆円と考えておりまして、これは地方財政計画に計上して必要な財源を確保いたしました。
  全国各地の地方公共団体が、地域の実情に応じてきめ細やかに独自のこども・子育て政策を実施できるようにという地方単独の事業でありますが、やはり現場に一番近い地方の皆さんのご判断でやる事業も大切にしていかなければいけないという考え方で、地方単独のソフト事業について、地方財政計画を0.1兆円増額いたしました。
  さらに、地方単独のハード事業については、こども・子育て支援機能強化や子育て関連施設の環境改善のための整備が実施できるように、地方財政計画を500億円増額しまして、こども・子育て支援事業債を創設したいと思っております。
  なお、加えまして、普通交付税の基準財政需要額の費目として、こども子育て費を創設し、関連政策全般を算定することといたします。
  引き続き、こども家庭庁等と連携して、地方団体のこども・子育て政策の強化の取組を支えて推進していきたいと思っています。

定額減税

問:
  定額減税による減収の対応について改めてのお伺いになりますが、まず個人住民税の減収額の方は、全額国費による補填という方針自体は出ておりまして、その方針に則った形での対応かと思いますが、地方特例交付金という対応を選択された理由といいますか、過去には補填債を発行されたこともあったかと思いますが、こうした交付金で手当てするということについて、考え方について改めて、措置を執られた理由を教えていただけますでしょうか。
  2点目ですが、地方交付税の減収の対応ですが、これは既存の財源をやり繰りして穴埋めするということで、新たな財源を作るということではないという理解でよろしいかどうか、その2点をお願いします。
答:
  定額減税の地方税の減収については、全額国費で補填するという考え方を、いわば形にしたのが地方特例交付金だとご理解をいただけたらと思います。
  地方交付税の減収については、繰越金や自然増収による交付税の法定率分の増加によって対応ができるところでありまして、減税の影響を含めても地方交付税については0.3兆円の増、一般財源総額については0.6兆円の増が確保できております。臨時財政対策債も0.5兆円抑制しておりまして、地方財源はしっかり確保することができたと申し上げられるかと考えているところでございます。
  なお、仮に減税がなければ、来年度はさらに地方債務の縮減が可能であったことがありますので、これを踏まえて、後年度0.2兆円の国の加算も行うこととしたとご理解いただけたらと思います。

電波遮へい対策事業

問:
  冒頭ご発言がありました電波遮へい対策事業についてお伺いします。デジタル基盤整備の観点で、どのような重要性や意義があるのか教えてください。お願いいたします。
答:
  やはり通信の重要性というのが、生活における重要性というのが飛躍的に増している中で、通信インフラもやはり国民生活には本当に必要不可欠なものであると思っております。特に災害時においては、国民の安全・安心を確保する手段として大変重要でもあります。
  ご承知のとおり、トンネル内では電波が遮へいされるために、トンネル内でも携帯電話がつながるようにアンテナの整備などによって通信の確保、通信環境を確保していかなければいけないわけですが、これまでもこの電波遮へい対策事業で山間部などにおけるトンネルを中心に通信環境の整備を行ってきておりますが、補助対象のさらなる拡大等の要望が届いていたところでございます。
  私ども自身も実はこの夏、具体的にやはり自治体が管理する道路に関する通信環境整備についてご要望をいただいてまいりました。 そこで、高速道路や国直轄国道のトンネルなどの通信環境の整備などの取組を進めてきたのですが、今回自治体が管理する緊急輸送道路のトンネルを補助対象に加えることとしまして、同対策事業の取組の一層の推進を図るために、総じて10億円を確保させていただいたというところでございます。
  実際にやはり、緊急輸送道路と位置づけられている自治体管理の都道府県道や自治体の市道ということになりますが、緊急輸送道路と位置づけられているものはかなり重要な路線が多いので、こういった道路が支援できるようになったことは大変よかったと思いますし、先ほど申しましたように、実際いただいた要望もこれに該当するものがやはりありますので、いわば自治体からの地域のご要望にお応えすることになっているのではないかと思います。
  これからもこういった対策を通じて、国民の生命・財産の確保、地域の安心・安全に寄与していきたいと思っているところでございます 。

問:
  終わります。ありがとうございました。
答:
  はい。ありがとうございました。

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