1 日時等
日時:平成24年1月16日(月)から20日(金)
開催場所:スイス・ジュネーブ国際会議場
参加国:102か国の情報通信関係省庁、電気通信事業者、メーカーなど526名が参加。日本からは、総務省、電気通信事業者を始め28名が参加
2 主な結果
1.研究委員会(SG)から提出された勧告案の承認
3件の新規勧告、1件の改訂勧告が承認され、1件の改訂勧告がSGに差し戻されました。その概要は以下のとおりです。
(1) 第4世代移動通信システム(IMT-Advanced)の詳細無線インターフェースに関する新規勧告
1Gbpsの高速通信を実現する第4世代移動通信システムの無線インターフェースを定める新規勧告において、LTEを基本技術とする「LTE-Advanced」及びWiMAXを基本技術とする「WirelessMAN-Advanced」の2つの方式が採用されました。
(2) 「うるう秒」の調整の廃止に関する改訂勧告
「うるう秒」による調整を廃止する改訂勧告案については、賛成、反対、本件についてさらに情報が必要であるとの3つの異なる意見が表明され、審議の結果、改訂勧告案は科学業務を担当するSG7に差し戻して検討を継続するとともに、1月23日から開催される世界無線通信会議(WRC)において、将来のWRCで検討することが提案される予定です。
2.SGから提出された決議案の承認
新規に6件の決議が承認されました。主な決議は以下のとおりです。
(1) コグニティブ無線システムの導入に向けた研究に関する新規決議
電波の利用ニーズの増大に伴う周波数のひっ迫に対応するため、電波の有効利用を可能とする技術であるコグニティブ無線システム(※)に関して、その技術条件などについて今後、無線通信部門(ITU-R)での研究を促進するための新規決議が承認されました。
※:コグニティブ無線システム:端末や基地局などが周囲の電波状況をチェックし、その状況に応じて、周波数や通信方式を変えて通信を行う技術を用いたシステム
(2) 温室効果ガス削減のための無線通信デバイスの電力消費削減に関する新規決議
無線通信業務によって放出される温室効果ガスの削減に寄与するため、無線システム/アプリケーションの省エネルギー策の検討を求める新規決議が承認されました。
3.次期研究会期における研究課題案の承認
次期研究会期(2012年〜2015年)における各SGの223件の研究課題が承認されました。主な研究課題は以下のとおりです。
(1) スーパーハイビジョンに関する研究課題
我が国が先行している技術である、ハイビジョン放送(現在のHDTV)を超える超高精細度画像(スーパーハイビジョン)について、ハイビジョン放送よりも高い臨場感の実現方法、さまざまなアプリケーションとの調和、映像の制作・伝送・表示の基礎となる映像信号形式などの研究課題が引き続き承認されました。
(2) パワーグリッドマネジメントシステムに使用する無線/有線データ通信から既存無線通信への影響に関する研究課題
パワーグリッドマネジメントシステム(スマートグリッド)に使用する無線技術及び装置の特性、並びに当該システムから既存の無線通信に与える影響などの研究課題が引き続き承認されました。
4.SG議長・副議長の任命
我が国から推薦していた以下の3名全員が次期研究会期の議長及び副議長に任命されました。
・ SG5(地上業務) 議 長 橋本 明(NTTドコモ)
・ SG4(衛星業務) 副議長 河合 宣行(KDDI)
・ SG6(放送業務) 副議長 西田 幸博(NHK)
3 今後の予定
総務省は、この結果を踏まえ、我が国の無線通信システムの発展、国際競争力強化に向けて努力するともに、国際標準化活動が円滑に行われるよう、引き続きITUへ積極的に貢献します。