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報道資料

平成21年3月11日

電波法施行規則、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の各一部を改正する省令案等に係る電波監理審議会からの答申

3.9世代移動通信システムの導入及び2GHz帯TDD移動通信システムの追加等に伴う制度整備

 総務省は、3.9世代移動通信システムの導入及び2GHz帯TDD移動通信システムの追加等に伴う制度整備のため、電波法施行規則、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の各一部を改正する省令案並びに周波数割当計画の一部変更案について、本日、電波監理審議会(会長:濱田 純一 東京大学副学長)から原案を適当とする旨の答申を受けました。
 また、上記省令案等について、平成21年1月21日から同年2月20日までの間、意見募集を行ったところ7件の意見をいただきましたので、提出された意見に対する総務省の考え方を併せて公表します。
 総務省は、電波監理審議会からの答申及び意見募集の結果を踏まえ、速やかに上記省令案等の制定を行う予定です。

1 諮問の背景

 我が国の携帯電話及びPHSの加入数は1億1,064万加入(平成21年1月末時点)に達し、このうち、携帯電話に占める第3世代移動通信システム(IMT-2000)の割合は91.3%であり、第2世代からの移行が着実に進行してきています。
 他方、社会・経済活動の高度化・多様化を背景に、インターネット接続や動画像伝送等、携帯電話を利用したデータ通信利用が拡大傾向にあり、より高速・大容量で利便性の高い移動通信システムの導入に期待が寄せられています。これらの需要に対応すべく、国際的には、第3世代移動通信システム(IMT-2000)の高度化システムとなる3.9世代移動通信システムの標準化作業が完了し、国内においても、2010年頃の商用化を目指した取組が活発化してきています。
 このような背景を踏まえ、国内外の技術の動向及び周波数の一層の有効使用を考慮した上で、上記の3.9世代移動通信システム及び3.5世代移動通信システムの高度化システムを導入するとともに2GHz帯TDDバンド(2010-2025MHz)の利用を促進するため、新たに5方式の2GHz帯TDD移動通信システムの追加に必要な制度整備を行うものです。

2 改正の概要

  • 電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)

  •   3.9世代移動通信システム及び2GHz 帯TDD移動通信システムを特定無線局の無線設備の規格に追加するための制度整備を行います。
  • 無線設備規則(昭和25年電波監理委員会規則第18号)

  •   3.9世代移動通信システムの導入及び2GHz 帯TDD移動通信システムの追加並びに3.5世代移動通信システムの高度化に係る制度整備を行います。
  • 特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則(昭和56年郵政省令第37号)

  •   3.9世代移動通信システムの導入及び2GHz 帯TDD移動通信システムの追加に係る技術基準適合証明等のための審査方法等に関する制度整備を行います。
  • 周波数割当計画(平成20年総務省告示第714号)

  •   3.9世代移動通信システムの導入及び2GHz 帯TDD移動通信システムの追加に係る制度整備を行います。

3 意見の募集の結果

提出された意見及び総務省の考え方については別紙のとおりです。

4 今後の予定

総務省は、電波監理審議会からの答申及び意見募集の結果を踏まえ、速やかに上記省令案等の制定を行う予定です。

【関係報道資料】
・2GHz帯におけるTDD方式を活用した新たな移動通信システムの導入に向けて(情報通信審議会からの一部答申)(平成20年7月29日)

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/080729_2.html

・3.9世代移動通信システムの導入に向けて(情報通信審議会からの一部答申)(平成20年12月11日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/080501_1.html

・電波法施行規則、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の各一部を改正する省令案等に係る意見募集(3.9世代移動通信システムの導入及び2GHz 帯TDD移動通信システムの追加等に伴う制度整備)(平成21年1月21日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2009/090121_1.html
連絡先
・「無線設備規則等」について
担 当:総合通信基盤局電波部移動通信課山口課長補佐、遠藤第二技術係長、杉本官、田中官
住 所:〒100−8926東京都千代田区霞が関2−1−2 中央合同庁舎2号館
電 話:(直通)03-5253-5893(代表)03-5253-5111内線5896
FAX:03-5253-5946
E-mail:enhanced-imt-2000_atmark_ml.soumu.go.jp※スパムメール対策のため、「@」を「_atmark_」と表示しております。送信の際には、「@」に変更してください。


・「周波数割当計画」について
担 当:総合通信基盤局電波部電波政策課星周波数調整官、工藤第二計画係長
住 所:〒100−8926東京都千代田区霞が関2−1−2 中央合同庁舎2号館
電 話:(直通)03-5253-5875(代表)03-5253-5111内線5875
FAX:03-5253-5940
E-mail:frequency-plan_atmark_ml.soumu.go.jp※スパムメール対策のため、「@」を「_atmark_」と表示しております。送信の際には、「@」に変更してください。

別紙

電波法施行規則、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の各一部を改正する省令案等に対し提出された意見及び総務省の考え方

意見 総務省の考え方

意見公募対象である本改正省令案は、情報通信審議会の一部答申(平成20年12月11日)に示された、「第3世代移動通信システム(IMT-2000)の高度化のための技術的方策」に基づき、3.9世代移動通信システムの技術的条件等を定めるものであり、適当と考えます。

また、当社は、2007年3月よりHSDPA方式を採用したモバイルブロードバンドサービスを開始し、本改正省令案の検討対象であります3.9世代移動通信システム方式による更なる高速なモバイルブロードバンドサービスの提供を検討しているため、本意見募集後、本改正省令案に基づく改正が、速やかに実施されることを希望します。      

【イー・モバイル株式会社】

本省令案等を支持する意見として承ります。

意見公募対象である、「電波法施行規則、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の各一部を改正する省令案等」は、平成20年12月11日に情報通信審議会より一部答申された、「第3世代移動通信システム(IMT-2000)の高度化のための技術的方策」に基づき、3.9世代移動通信システム等の導入に必要な技術基準等の制度整備を行うものとなっております。
昨今における携帯電話を利用したデータ通信利用の拡大傾向に対応すべく、より高速・大容量で利便性の高い3.9世代移動通信システムを円滑に導入するため、これらの制度整備は適当と考えます。     

【株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ】

本省令案等を支持する意見として承ります。
携帯電話が扱うデータトラヒック量が益々増大していくと予想されるなかで、より高速・大容量の通信環境の整備が期待されています。本省令案等はIMT-2000システムの高度化によってこのような期待に応えていくものであり、本省令案等に賛成いたします。              

【KDDI株式会社】

本省令案等を支持する意見として承ります。

電波法施行規則、無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の各一部を改正する省令案並びに周波数割当計画の一部変更案は、最新の国際標準化状況を踏まえた適切な内容であると考えられ、以下のように賛同いたします。
標記の規則の一部改正案には、平成20年12月に3GPPにおいて凍結された、LTE方式の技術仕様内容が盛り込まれております。技術基準には、国際的な整合性を確保する観点から、適切かつ速やかに国際標準の内容が反映されることが望ましいと考えており、今回の省令改正(案)に賛成いたします。

【社団法人電波産業会】

本省令案等を支持する意見として承ります。

3.9世代移動通信システムの導入に伴う省令等の本改正案について、賛同致します。
但し、移動通信システムの技術は日々刻々と進化しており、新しい技術が標準化された場合は、速やかに利用可能となる様、引き続き技術的条件等の早期の検討開始をお願い致します。

【ソフトバンクモバイル株式会社】

本省令案等を支持する意見として承ります。

第十四条(空中線電力の許容偏差)の第十三項に挙げる送信設備(シングルキャリア周波数分割多元接続方式携帯無線通信を行う無線局)で許容されるべき偏差は、上限109%、下限52%とすべきと考えます。これは、無線設備規則が定める規定値は、設備の動作が保証される温度範囲の全範囲において満たされるべき値であるという考えに基づいています。3GPP標準の当該規定では、空中線電力の許容偏差をNormal condition(常温)において±2.7dB以内と規定しておりますが、Extreme condition(動作保証温度範囲)では±3.2dB以内と規定しております。
一方、3GPP2標準では、3GPP標準のExtreme conditionに相当する動作保証温度範囲で規定値を設定しており、我が国の無線設備規則においてもそれと同じ値を規定値としていると理解しております。
従って、無線設備規則が設備の運用中を含む動作保証温度範囲全範囲において適用される規則であるという前提に立てば、3GPPにおけるExtreme conditionでの規定値すなわち±3.2dB(上限109%、下限52%)が国際標準の観点から観ても適正な値と考えます。

或いは周波数の偏差を除く特性試験法の一般条件として常温5〜35℃が設定されていることから、無線設備規則に定める規定値はこの常温範囲にて満たされるべきものであり、全温度範囲保証を求めているものではないとの認識に立つものであれば、上述の空中線電力の許容偏差が上限109%下限52%であるべきとの意見は誤りであるということになりますが、弊社ではこの点について関係規則から確認できなかったため、上述の意見を提出していることを付記させて頂きます。

【モトローラ株式会社】

ご指摘の空中線電力の許容偏差については、情報通信審議会において、既存無線局との共用の可否に加え、3GPPの動向も考慮して検討がされ、その後、本件に係る意見募集の手続きを経た上で、適切な技術的条件として答申を受けたものです。

本省令案は、当該答申を踏まえたものであることから、原案が適当であると考えます。

1468MHz〜1477MHz/1516MHz〜1525MHzを使用していたアナログMCAシステムは既に停波しており、現在は空き帯域となっております。ここを有効に利用し、例えば基地局側520.9MHz、移動局側1472.9MHzまで3.9世代移動通信システム用として割り当てることで、帯域幅が広がり、多くの利用者の利便につながります。
また、デジタルMCAシステムが導入されている帯域では、一部の地区では2014年3月31日まで使用が制限される案となっていますが、このうち、北海道、中国、九州においては、利用者、局数は極端に少なくなっています。
(北海道:制御局数2、ユーザー数10、移動局数335)
(中国:制御局数1、ユーザー数2、移動局数1100)
(九州:制御局数3、ユーザー数10、移動局数622)
(上記数値は 総務省 無線局免許情報 2008年12月20日時点)
にもかかわらず、2014年までデジタルMCAシステムを利用可能とすることは、結果的に、これら少数のMCA利用者のために、2014年まで3.9Gの導入が足止めされることになり、多くの携帯電話、モバイル通信利用者に不利益となります。
上記地区においては、移行促進のため、デジタルMCAシステムの使用期限を前倒しするべきだと考えます。それ以外の地区(関東、東海、近畿)においても、MCA事業者は早期に帯域を開放するようより一層利用者の移行に尽力すべきと考えます。

また、MCA利用者の移行に際し、特定周波数変更対策業務を適用するなどし、費用負担を軽減するよう対策を行うべきと考えます。                     

【個人】

ご指摘の1468〜1477MHz/1516MHz〜1525MHzの帯域については、情報通信審議会からの答申において、15MHzのチャネル幅で3.9世代移動通信システムを使用する場合には陸上移動局と基地局との間に13MHz幅のガードバンドを確保する必要があるとされていることを踏まえ、本省令案等のとおり、陸上移動局側は1462.9MHzまで、基地局側は1510.9MHzまでとすることが適当と考えております。
また、1.5GHz帯のデジタルMCAシステムの使用期限については、利用者の他のシステムへの円滑な移行等のための十分な期間を確保する必要があること、情報通信審議会において、3.9世代移動通信システム等を2010年頃に可能な地域から導入可能とし、2010年代中頃に全国に拡大すべき旨の報告がされていること等を考慮し、本省令案等の使用期限のとおりとすることが適当と考えております。

なお、他のシステムへの円滑な移行等のため、免許期間を考慮した十分な期間を確保していることから、特定周波数変更対策業務等とする必要はないと考えております。

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