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大臣・副大臣・大臣政務官の動き

第47回国家公務員合同初任研修閉講式(平成25年4月5日)

平成25年4月5日、新藤総務大臣は、第47回国家公務員合同初任研修の閉講式に出席し、訓示を行いました。


新規採用職員に訓示を行う新藤総務大臣


 
【動画】新規採用職員に訓示を行う新藤総務大臣

新藤総務大臣訓示

総務大臣を拝命しております新藤義孝です。今日はこの国家公務員合同初任研修の閉講式に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
    ここにお集まりになったのは、総合職の選び抜かれた皆さんだと思います。535名の仲間で2泊3日の合宿を行い、今日閉講するわけであります。まずは、皆さん、入省・採用おめでとうございますと申し上げたいと思います。そして皆さんの活躍を、私たちは大いに期待しております。これから国家の礎となって、精一杯の努力とまた活躍をしてもらいたいと心から願うわけでございます。

皆さんは、これからこの国を良くしようという思いで公務員になられたと思います。研修の中で、色々得るものがあったのではないでしょうか。自分たちで思っていたこと、また、予想外のこともあったかもしれません。いずれにしても、色々な研修をこれからも続けていくことと思いますが、私は公務員の本質は、「全体の奉仕者」ここに尽きると思います。
    総理の訓示にもありましたように、皆さんは国家全体・国民のために奉仕するという役割をそれぞれの役所で分掌されると思います。自分の枠にとどまらずに、自分の仕事がいかに国全体・社会全体に役に立つか、そしてよりよい方向に改善できるか、こういった心意気を持って頑張っていただきたい。
    それにはまず自分のいる場所を良くしなければなりません。自分の仕事を頑張って、それがいかに全体のために役に立っているのか、全体のために自分が何をすべきか、この自問自答を繰り返しながら進めていくのが公務員の仕事だと思っています。

 今、日本の国は、皆さんが感じているようにかつての勢いを失っています。ここのところの何年間か、10年あるいは20年なのかもしれませんが、私たちの国のこの状態はどうしたものかと思います。あそこやここがだめだと問題点をたくさん指摘され、頑張っているにもかかわらず、改善することができないのは、どうしてなのでしょうか。今、安倍政権はその答えを出さなければいけない。日本をもう一回元気にしようじゃないかという思いでできた政権です。何々党だとかは関係ありません。責任をもって仕事を実行できる体制を作って、国民の皆さんから信任を得た上で進めていく。そのために我々は任にあり、そしてこの内閣の下で皆さんは公務員として奉職されるということであります。
    企業も人も一生懸命頑張っています。今、手を抜いたり、スローダウンして楽に、ゆっくり行こうと言っている人はそれほどいないと思います。しかし、力が発揮できないとするのならば、原因は絞られます。頑張っている力がバラバラか若しくは間違った方向に行っているため、力を集中することができないわけです。誤った方向に向かっている力は決していい結果をもたらすわけがありません。日本は国民全体が共有するこの国の目標を見失ってしまったと私は考えています。
    我々の先輩たちは、シンプルな言葉で国家の目標を表現してきたのではないかと思っています。近代国家となり、政府を作って国際社会に出て、発展して行きました。最初は、「明治維新」。4文字ですね。そのあとに「殖産興業」。そして戦争が起きました。その後は「戦災復興」。そして「高度成長」。「均衡発展」、「所得倍増」というのもありました。このことからも、その時々で私たちが何をすべきか、国家として目標を持ってきたと私は思っています。
   それでは今、日本の国の「国家目標は何だ?」。統一したものはなかなか見つかりません。皆さんそれぞれ考えてください。そして、そのために自分がどういう役割を果たすべきか考え、その一助となってもらいたいと思っています。 
    今の日本の現状を分析して、今何をなすべきなのか、そして何に可能性があるのかを考えたその先に、ビジョンというものが出てくると思っています。ビジョンができたならばそのビジョンを達成するための戦略を組みます。そして戦略を実行するための具体的な政策を作り、法律を変え、そして、官民全員でその目標に向かって頑張っていきます。皆さんはこれらの全てにかかわることになると思います。日本はどうやったらもう一度世界に誇れる国になるのか。そして、自分が大切に思う親や兄弟、妻や子供、夫、家族、郷土のために、どうすればこの国を、未来に自信があって希望の持てる国にできるのか、結局そこに行きつきます。それを成し遂げるのは政治だけではありません。行政だけでもありません。あらゆる人たちがそれぞれの役割を果たすのです。その中で国家公務員として、国家の中枢に入る皆さんの役割は極めて重いということを、自覚してもらいたいと思います。

皆さんは夢を膨らませて、希望に満ちて入ってきました。しかし、仕事を進めるに当たっては、皆さんの思っているとおりにうまくいくとは限りません。自分が行きたいと思っているところに回されないこともあります。大体において、これからの人生、いつでも一番でいつでも成功してうまくいくなどという人はいるわけはなく、そんなことを求める人は周りから信頼されません。
    どんな時にあっても自分に与えられた役割を果たしていくということ、そして仮に、はずれた仕事になったとしても、その仕事に自分なりに取り組んで、大きくして「ああ、あの仕事は重要だったんだ。あそこに行ってみたい。」と思われるそういう仕事に膨らませていく。自分のいる場所を最善、最適なものにする努力が求められると思います。

 皆さんは、いろいろなことをこれからやっていくことになります。国も世界も変わっていきます。でもどんな物事にも最初の一声があるのだと思いませんか。最初に考えた人がいます。すべての世の中の事象には、必ず何かの最初の一つがあるものです。大地を潤す雨にも、最初の一粒があります。皆さんは国家公務員として、法律を作り、世の中の仕組みを変え、いろいろなものを作っていくかもしれません。そういう時に、自分が最初の一粒になる。そのことは世間に知られないかもしれないし、自分がプレイアップされることはないかもしれない。しかし、あの制度は私が最初に変えたのだ、あの仕組みは私が最初に考えたのだ、それが内なる誇りではないでしょうか。また、いつでもうまく行くとは限りません。でも結果として一生懸命考えたものが、世の中を変える最初の一粒になり、最初の一人になるとすれば、それこそが最も生きがいのある、張りのある仕事となるのではないかと思っています。
    「ノブレス・オブリージュ」という言葉は、皆さんもよくご存知と思います。「高貴な者の務め」このように訳されております。しかし、私は「能力ある者の務め」このように考えるべきだと思います。皆さんは、自分を磨き、必死に努力した結果、国家の中枢に入る最も難しい職種の国家公務員として採用されました。皆さんの持てる能力は、育ててくれたご両親、家族や周りの人に報いつつ、世の中のために、より大きなもののために使うのだという気概を持って、頑張ってもらいたいと思います。

 これからは、限りない希望に向かって楽しい仕事、厳しい仕事が待っています。でもひとつひとつ乗り越えるたびに大きな喜びが見いだせるように、そういう仕事ができるようにしてもらいたいと思います。そして、なによりも得難いのは同期です。一緒の時期に入ってお互いに苦労し、大変なところを知っている同期を大切にしながら、日本国に生まれたことを誇りに思って頑張っていただきたい。

 大いに、皆さんに期待を致しまして、閉講式に当たっての私の激励の言葉といたします。
     皆さんどうぞ頑張ってください。

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