大臣・副大臣・大臣政務官の動き

世界ICTサミット(平成25年6月10日)

平成25年6月10日、新藤総務大臣は、日経ホールで開催された世界ICTサミット2013において、冒頭、主催者挨拶を行いました。
世界ICTサミットは、ICT分野に関する国内外の企業経営者や政府関係者等が日本に集まり、情報交換を行う場を設け、国際連携や海外への情報発信を強化することを目的に、総務省と日本経済新聞社との共催により開催しているものです。


主催者挨拶をする新藤総務大臣(1)



主催者挨拶をする新藤総務大臣(2)



会場の模様


 
【動画】主催者挨拶をする新藤総務大臣



新藤総務大臣挨拶

 みなさんおはようございます。わたくしご紹介いただきました、今回の世界ICTサミット主催の一員であります、総務省の大臣務めております新藤義隆でございます。まず今日はサミットにご参加いただいた皆さんに心から歓迎と御礼を申し上げたいと、このように思います。特に今回ですね、講師だけでも世界各国10カ国、17名の方々がお越しいただいております。その名のとおり、世界の中でICTを考える、こういうサミットでございますが、是非、この、今回の催しが意義あるものになるように、このように期待をしたいと思いますし、また、素晴らしい議論が展開されること、それを確信しているわけでございます。このサミットそのものは、只今、ご挨拶をされました喜多社長の日本経済新聞社ずっと、手がけていただきました。私たち総務省、情報通信を担当する日本政府の省として、ご一緒させていただいている、こういうことであります。
 私たち日本は、日本を取り戻す、長期にわたって低迷いたしました経済、そして社会の不安、これをもう一度立て直して、リセットして、これから強い経済、優しい社会、そして、信頼される外交、こういったものを、日本を取り戻していこう、このように考えております。安倍内閣はそういうためにできた、そういう内閣だと私たちは思っているわけでございます。そして今この、経済立て直しのための、日本は、三本の矢を放つと、これが、安倍総理の考えであります。まず最初に大胆な金融緩和、そして、機動的な財政政策、これらの2つの矢によって、今、日本の株、ここのところ上下しておりますが、しかし、素晴らしい回復を遂げています。この10年間で最も株が上昇したのは小泉内閣のときでした。そのときの株価の上昇、これまでの記録は、1年間で5割なんです。1年間で5割の上昇、これがこれまでの記録であります。今回の安倍内閣、半年で7割の上昇です。ですから、長い間のですね、低迷を受けて、そしてまた国民の蓄えていた力、これが今爆発しようとしてるんではないかと、このように期待をしているわけであります。しかしこの、2本目の矢までは、これは、臨時の、そして、ここのところでの刺激するための策でありました。日本を取り戻すために本当に必要なのは、持続可能な成長戦略です。しかもそれは、政府だけではなくて、民間の皆さんも一緒になって、投資を喚起できる、みんなで参加する、そして日本が経済のサイクルをきちんと作れる、こういう持続可能な成長戦略、これが成功するかどうか、それが、日本の成功の鍵を握っていると、私は確信しています。そしてその成長戦略のまさに鍵を握るのが、ICTだと、私は思っているんです。今までの暮らしや今までのサービス、物づくり、これに革新をもたらす。それが、イノベーションです。ですから、そのイノベーションを実現させるために、その鍵となるのが、ICTです。そしてベースになるのも、ICTだと、このように思っています。ですから、その意味において、今回議論されること、今、実験中のものもあるでしょう、将来の希望もあるでしょう、しかしそれらが実現できるかどうか。それが、私たちの国の成長の鍵を握っていると、このように思っております。
 例えば、ビッグデータ。トンネルの崩落事故が起きました。あのトンネルのコンクリートの板、1つ1つにセンサーをつけていて管理したらどうなるでしょうか。橋桁ですとか、土手ですとか。社会資本に沢山の、センサーをつけて管理しよう、今、日本はそれを本気で取り組もうと思っています。農作物の葉っぱの1枚1枚に至るまで、センサーをつける、育成管理する。そして、プロの農家の人たちが動かす目の動き、それから作物に手を加える動き、これらをコンピューターできちんと管理をして、プロの農家がやることと同じようなことを、そのコンピューターで新人の農家の方々に貸し出すと。最適な育成環境を作り、最善の収穫時期をとる、それを最も効率のいい方法で出荷流通までできる、これもICTの技術だと思っています。
 宇宙の衛星から正確な位置情報を得て、そしてそれを電子地図と組み合わせて、正確な測位情報と、電子地図を組み合わせて、新しいサービスができないか。移動体の運行管理ができると思います。それから津波の予測もできます。どこに逃げたらいいかも、できます。そして、仮に地上で地震が起きて、停電が起きて、携帯電話が通じなくなっても、衛星とのメールのやりとりができたらどうなんでしょうか。今、私たちが進めているG空間プロジェクト。これは人の命を今までとは違う次元で守り、助けていく。これも根っこにあるのは、ICTでございます。私はこういう、今まで自分たちでできなかったこと、それを、ICTを使って、新しいサービスや産業が作れないか、それに挑戦してみよう、今総務省の中で、沢山の研究開発を作ってそんなことをやっているわけであります。今日ここに、これからセッションの中に出てくるのも、それらの基盤となる技術のことだと思います。是非、お集まりの皆様方で、これを機会にですね、さらにビジネスチャンネルを広げる、それから新しいアイディアを得て、皆さんの取組に活かしていただく、そのために、これが寄与することを、期待するわけであります。そして併せて最後に、補足ですね、私たち日本は日本を取り戻そうとしています。でも併せて、その日本の技術、新しく開発したこのICTのこの分野は、世界に共有するものでなければなりません。私たちは日本のためを考えるとともに、その新しい技術を世界に提供できるのではないかと思っています。そして、ここにいる皆さんは国を超えた展開をされています。ICTに国境はありません。ですからそういった意味で、これからは、いかに世界が共通してこれらの技術の恩恵を受けることができるか、そういった取組が必要だと思います。したがってそれには共通のルールが必要ですし、当然のごとく、セキュリティ、プライバシー、こういったものを確保した上で、このICTを使っていく環境を作らなければいけない、こういうことだと思っています。私たちやるべきことは沢山ありますけれども、しかし、ここを突破すれば、新しい世の中が作れるのではないかと。日本はこの国を立て直すとともに、世界に貢献する準備がある、こういったことも考えております。先般、わたくしはインドネシアに行って参りましたが、インドネシアも、この30年間で、災害で命を落としたうちの9割の方は、地震と津波なんですね。アジアには日本と同じ気候帯を持つ、地形を持つ、そして同じような災害を持つ国々があります。アジアだけではありません、世界中でそういったことが起きます。是非、私たちはこのICTを通じて世界を変えていこうじゃないかと。この意気込みで、皆さんに頑張っていただきたいと思いますし、私たちもご一緒させていただきたい、このように思います。どうぞこの度のサミット、すばらしいものになりますよう、重ねて、重ねてご期待を申し上げまして、私のご挨拶とかえさせていただきたいと思います。どうも皆様本日はありがとうございました。よろしくお願いいたします。

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