報道資料

令和5年10月13日
中国総合通信局

放送事業者に対する行政指導

  中国総合通信局(局長:小原 弘嗣)は、広島テレビ放送株式会社の特定役員が、日本テレビホールディングス株式会社との間で基準を超える特定役員の兼任関係を生じたことにより、放送法関係法令に規定するいわゆる「マスメディア集中排除原則」に抵触したことを確認したため、本日、広島テレビ放送株式会社に対し行政指導を行いました。

1 行政指導の対象者

 広島テレビ放送株式会社 代表取締役社長 飯田 政之

2 指導に至った理由

  広島テレビ放送株式会社は、令和3年6月から、同社の特定役員と日本テレビホールディングス株式会社(以下「日本テレビHD」という。)の特定役員を兼ねる者の人数が日本テレビHDの特定役員の総数に対して5分の1を超える状態であったことが確認されました。
  これにより、日本テレビHDは、基幹放送の業務に係る特定役員及び支配関係の定義並びに表現の自由享有基準の特例に関する省令(平成27年総務省令第26号)に規定される認定放送持株会社の特例が適用されないこととなり、日本テレビHDが支配関係を有する同社を含む基幹放送事業者が、いわゆる「マスメディア集中排除原則」に抵触する事実が認められました。
 なお、本年10月3日付けで同社をはじめとする兼任割合超過の基幹放送事業者及び日本テレビHDから特定役員の変更に係る届出が行われたことにより、当該抵触の状態は解消されたことが確認されています。
 今後このような事態が生じることがないよう、再発防止に向けた関係法令の理解・遵守等の徹底について、本日、同社に対し行政指導を行ったものです。
 

【関係条文】

放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)
(定義)
第二条 この法律及びこの法律に基づく命令の規定の解釈に関しては、次の定義に従うものとする。
一〜三十一 (略)
三十二 「支配関係」とは、次のいずれかに該当する関係をいう。
イ 一の者及び当該一の者の子会社(第百五十八条第一項に規定する子会社をいう。)その他当該一の者と総務省令で定める特別の関係にある者が有する法人又は団体の議決権の数の当該法人又は団体の議決権の総数に占める割合が十分の一以上三分の一以下の範囲内で総務省令で定める割合を超える場合における当該一の者と当該法人又は団体の関係
ロ 一の法人又は団体の特定役員で他の法人又は団体の特定役員の地位を兼ねる者の数の当該他の法人又は団体の特定役員の総数に占める割合が五分の一以上三分の一以下の範囲内で総務省令で定める割合を超える場合における当該一の法人又は団体と当該他の法人又は団体との関係
ハ イ及びロに掲げるもののほか、一の者が株式の所有、役員の兼任その他の事由を通じて法人又は団体の経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして総務省令で定める場合における当該一の者と当該法人又は団体の関係
(認定)
第九十三条 基幹放送の業務を行おうとする者(電波法の規定により当該基幹放送の業務に用いられる特定地上基幹放送局の免許を受けようとする者又は受けた者を除く。)は、次に掲げる要件のいずれにも該当することについて、総務大臣の認定を受けなければならない。
一〜四 (略)
五 当該業務を行おうとする者が次のいずれにも該当しないこと。ただし、当該業務に係る放送の種類、放送対象地域その他の事項に照らして基幹放送による表現の自由ができるだけ多くの者によつて享有されることが妨げられないと認められる場合として総務省令で定める場合は、この限りでない。
イ 基幹放送事業者
ロ イに掲げる者に対して支配関係を有する者
ハ イ又はロに掲げる者がある者に対して支配関係を有する場合におけるその者
(基幹放送の業務の認定等の特例)
第百六十二条 総務大臣が認定放送持株会社の関係会社について第九十三条第一項の規定による認定の審査を行う場合における同項第五号の規定の適用については、同号ただし書中「当該業務に係る」とあるのは「認定放送持株会社の関係会社であることの特性を勘案しつつ、当該業務に係る」と、同号ハ中「ロに掲げる者」とあるのは「ロに掲げる者(申請をした者がその関係会社である場合における認定放送持株会社であつて総務省令で定めるものを除く。)」とする。
2〜4 (略)
基幹放送の業務に係る特定役員及び支配関係の定義並びに表現の自由享有基準の特例に関する省令(平成二十七年総務省令第二十六号)
(支配関係に該当する議決権の占める割合)
第五条 法第二条第三十二号イの総務省令で定める割合は、十分の一とする。
2 前項の規定にかかわらず、法第二条第三十二号イの一の者が地上基幹放送の業務に係る次のいずれかに該当する者であり、かつ、同号イの法人又は団体が当該地上基幹放送の業務に係る放送対象地域と重複しない放送対象地域において地上基幹放送の業務を行う者である場合における当該業務に係る同号イの総務省令で定める割合は、三分の一とする。
一 申請者
二 一の者及び当該一の者の子会社その他法第二条第三十二号イに規定する特別の関係にある者が有する申請者の議決権の数の当該申請者の議決権の総数に占める割合が十分の一を超える場合における当該一の者(認定放送持株会社を除く。)
3 第一項の規定にかかわらず、法第二条第三十二号イの法人又は団体が衛星基幹放送又は移動受信用地上基幹放送の業務を行う者である場合における当該業務に係る同号イの総務省令で定める割合は、三分の一とする。
(支配関係に該当する兼任役員の占める割合)
第六条 法第二条第三十二号ロの総務省令で定める割合は、五分の一とする。
(法第二条第三十二号ハに定める場合)
第七条 法第二条第三十二号ハの総務省令で定める場合は、一の法人又は団体の代表権を有する特定役員又は常勤の特定役員が他の法人又は団体の代表権を有する特定役員又は常勤の特定役員の地位を兼ねる場合とする。
(認定放送持株会社であって総務省令で定めるもの)
第九条 法第百六十二条第一項の規定により読み替えて適用する法第九十三条第一項第五号ハの認定放送持株会社であって総務省令で定めるものは、次の各号のいずれにも適合する認定放送持株会社とする。ただし、基幹放送の普及及び健全な発達のため特に必要があると認める場合その他特別の事情がある場合は、この限りではない。
一〜三 (略)
四 基幹放送の業務を行う者(当該認定放送持株会社の子会社を除く。)の特定役員で当該認定放送持株会社の特定役員の地位を兼ねる者の数の当該認定放送持株会社の特定役員の総数に占める割合が五分の一を超えないこと。
五 (略)

連絡先
放送部放送課
電話:(082)222−3382

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