衛星放送

 1 衛星放送の概要

 我が国の衛星放送は、放送衛星を使用するBS放送と、通信衛星を使用するCS放送の二種類があり、BS放送は、平成元年のBSアナログ放送の開始以来、準基幹的メディアとして、また、CS放送は平成4年の放送開始以来、多チャンネル専門メディアとして順調に発展を遂げてきました。いずれもひとつの送信点(軌道位置)から一波で全国をカバーし、簡易な受信設備を用いて受信することが可能であることから、経済的、効率的に大容量(高品質)の全国放送を実現できるという特色を有しています。また、CS放送は準基幹的メディアであるBS放送と同じ軌道位置に通信衛星を打ち上げることにより、平成14年から東経110度CS放送が開始されています。
 現在、CS放送については、東経110度CS放送と東経124/128度CS放送等があるところ、近年のBS・東経110度CS共用アンテナやいわゆる三波共用受信機の急速な普及によって、少なくとも受信環境の面においては、 視聴者にとってBS放送と東経110度CS放送との間には大きな差異はなくなっています。
 このような状況等を踏まえ、平成21年2月に所要の制度整備を行い、BS放送及び東経110度CS放送を制度上「特別衛星放送」として統合し、その普及政策を一体化するとともに、それ以外の衛星放送を「一般衛星放送」として位置付けることとしました。具体的な施策の一例としては、視聴者の高画質化に対するニーズ等を踏まえ、特別衛星放送全体として、高精細度テレビジョン放送を中心としつつ高画質化を推進するとともに、マスメディア集中排除原則を緩和する等の措置が執られています。
 その後、放送法等の一部を改正する法律(平成22年法律第65号)の施行(平成23年6月30日)に伴い、「特別衛星放送」は 、地上放送と同じ基幹放送に区分され、制度上「衛星基幹放送」となりました。また、「一般衛星放送」はケーブルテレビと同じ一般放送に区分され、制度上「衛星一般放送」となりました。

我が国の衛星放送に用いられている主な人工衛星(令和5年1月1日現在)
  衛星名 軌道位置 運用開始 放送種別
1 BSAT-3a 東経110度 平成19年10月 衛星基幹放送
2 BSAT-3b 東経110度 平成23年7月
3 BSAT-3c / JCSAT-110R 東経110度 平成23年9月
4 JCSAT-110A 東経110度 平成29年4月
5 BSAT-4a 東経110度 平成30年12月
6 BSAT-4b 東経110度 令和2年9月
7 JCSAT-4B 東経124度 平成24年8月 衛星一般放送
8 JCSAT-3A 東経128度 平成19年3月

写真:我が国の衛星放送に用いられている主な人工衛星

 2 衛星基幹放送

【衛星基幹放送の現状】
 BS放送及び東経110度CS放送については、平成21年2月に、制度上「特別衛星放送」として統合し、その普及政策を一体化しましたが、その後、放送法等の一部を改正する法律(平成22年法律第65号)の施行(平成23年6月30日)に伴い、地上放送と同じ基幹放送に区分され、制度上「衛星基幹放送」となりました。
 衛星基幹放送のうち、アナログテレビジョン放送については、NHKによる2番組及び株式会社WOWOWによる1番組が放送されていましたが、いずれも平成23年7月24日に終了しています。
 デジタルテレビジョン放送については、平成30年に4K8K実用放送が始まり、現在、18番組の超高精細度テレビジョン放送(4K8K)、71番組の高精細度テレビジョン放送(HD)及び12番組の標準テレビジョン放送(SD)が行われています。
 また、テレビジョン放送以外の放送については、現在、1番組の超短波放送(ラジオ放送)が行われています。

【衛星基幹放送の事業主体】
 衛星基幹放送を行う事業主体は、無線局の免許を取得して人工衛星等の管理運用責任を負う主体(基幹放送局提供事業者)と放送番組の編集について責任を負う主体(衛星基幹放送事業者)に分かれて放送を行う制度を採用しています。さらに、平成20年の放送法改正により、有料放送の契約の媒介、取次ぎ又は代理及びCAS業務等を行う有料放送管理事業者(いわゆるプラットフォーム事業者)についても、業務の適性確保のための措置が義務づけられることとなっています。
 基幹放送局提供事業者については、株式会社放送衛星システム及びスカパーJSAT株式会社の2社が衛星基幹放送局の無線局免許を取得し、無線局を開設しています。
 衛星基幹放送事業者については、41社が衛星基幹放送業務の認定を受けており、放送を行っています。
 有料放送管理事業者については、スカパーJSAT株式会社1社となっています。

(注:数値等について、特に注記のない場合は令和5年1月1日時点の状況。)

(参考:有料放送契約件数等)
(1)令和4年10月末現在のNHKの衛星放送受信契約世帯数は、約2264.7万件となっています。
(2)令和4年11月末現在の株式会社WOWOWの有料放送契約件数は、約257.6万件となっています。
(3)スカパーJSAT株式会社が提供する衛星基幹放送サービス「スカパー!(東経110度CS放送)」の令和4年11月末現在の個人契約件数は約209.4万件となっています。

 

3 衛星一般放送

【衛星一般放送の現状】
 東経124度CS放送及び東経128度CS放送については、平成21年2月に、特別衛星放送以外の衛星放送について、制度上「一般衛星放送」(特別衛星放送以外の衛星放送)とされましたが、その後、放送法等の一部を改正する法律(平成22年法律第65号)の施行(平成23年6月30日)に伴い、ケーブルテレビと同じ一般放送に区分され、制度上「衛星一般放送」となりました。
 衛星一般放送では、当初、標準テレビジョン放送を中心に放送していましたが、平成20年10月から新たに高精細度テレビジョン放送サービスが開始され、平成26年10月には、全てのデジタルテレビジョン放送が高精細度テレビジョン放送となりました。
 また、平成27年3月から、これまでの放送サービスに加え、新たに超高精細度テレビジョン放送(4K)サービスが開始されました。
 令和5年1月1日現在、1番組の超高精細度テレビジョン放送(4K)及び136番組の高精細度テレビジョン放送(HD)が行われています。
 テレビジョン放送以外の放送については、令和5年1月1日現在、991番組の超短波放送(ラジオ放送)が行われています。

【衛星一般放送の事業主体】
 衛星一般放送を行う事業主体は、放送番組の編集等について責任を負う主体(衛星一般放送事業者)が電気通信事業者の提供する電気通信役務を利用することにより放送を行うこととなります。
 さらに、平成20年の放送法改正により、衛星基幹放送と同様、有料放送管理事業者(いわゆるプラットフォーム事業者)についても業務の適性確保のための措置が義務づけられています。
 衛星一般放送事業者については、令和5年1月1日現在、4社が登録され、放送を行っています。
 有料放送管理事業者については、令和5年1月1日現在、スカパーJSAT株式会社1社となっています。

(参考:有料放送契約件数等)
 スカパーJSAT株式会社が提供する衛星一般放送サービス「スカパー!プレミアムサービス(東経124/128度CS放送)」の令和4年11月末現在の個人契約件数は、約71.7万件となっています。

詳細は「衛星放送の現状」PDF(PDF:4.45MB)を御覧ください。

問い合わせ先

近畿総合通信局 放送部 放送課
電話:06-6942-8566

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