第2部 特集 共生型ネット社会の実現に向けて
第3章 「共生型ネット社会」の実現がもたらす可能性

(1)ソーシャルメディアの利用状況


ア ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験

●ソーシャルメディアは、若年層ほど利用率が高く、複数利用の割合も高い

 まず、ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験について調査したところ、42.9%の回答者がソーシャルメディアを現在利用していた。そのうち、1つだけ利用している人が17.5%であるのに対し、複数利用している人は25.4%であり、ソーシャルメディア利用者の約6割9が複数利用をしていた。また、過去に利用したことがあるが現在は利用していない人が10.0%いた(図表3-2-3-1)。

図表3-2-3-1 ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験
図表3-2-3-1 ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験
回答者の約4割が現在利用し、約1割は過去に利用の経験あり
(出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年)

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 これを年代別にみると、現在の利用率には年代で大きな差があり、10代では71.7%、60代以上では22.3%と、若年層ほど利用率が高かった。また、若年層ほど複数利用者が多くなり、10代では、利用者の約7割が複数利用している一方、60代以上では複数利用は利用者の約半数にとどまった(図表3-2-3-2)。

図表3-2-3-2 ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験(年代別)
図表3-2-3-2 ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験(年代別)
若年層ほど現在の利用率が高く、複数利用の割合も高い
(出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年)

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イ 利用しているソーシャルメディア

●SNS、ブログ、Twitterは、ソーシャルメディアの利用者の半数以上が利用。利用組み合わせとしては、SNSの単独利用やSNSを含めた複数利用が上位に

 ソーシャルメディアの利用者に対して、利用しているソーシャルメディアの種類について複数回答を得たところ、SNSは利用者の75.2%が利用しており、以下、ブログ(54.8%)、Twitter(50.0%)、ネット上の掲示板(33.1%)、地域SNS(17.6%)、ミニブログ8(16.1%)という結果であった(図表3-2-3-3)。また、利用しているソーシャルメディアの種類の上位6通りの組み合わせ結果10図表3-2-3-4の通りであり、SNSの単独利用、SNS、ブログ、Twitterの併用、SNSとTwitterの併用、ブログの単独利用が上位の組み合わせだった。

図表3-2-3-3 現在利用しているソーシャルメディアの種類
図表3-2-3-3 現在利用しているソーシャルメディアの種類
SNS、ブログ、Twitterは利用者の半数以上が利用
(出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年)

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図表3-2-3-4 ソーシャルメディアの利用組み合わせ結果
図表3-2-3-4 ソーシャルメディアの利用組み合わせ結果
SNSの単独利用やSNSを含めた複数利用が上位
(出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年)

●男性の利用率が高いがブログは女性の利用率が高い。また、SNS、Twitter、ミニブログは若年層の利用率が高いが、地域SNSは高齢層の利用率が高く、ネット上の掲示板は中年層が高く、ブログは世代を問わず利用

 次に、利用しているソーシャルメディアの種類を性別でみると、男性の利用率が女性の利用率よりもおおむね高く、特にTwitter、ネット上の掲示板にその傾向がみられた。一方、ブログは女性の利用率が男性の利用率よりも高かった。ミニブログについては性差はみられなかった。
 「若年層」「中年層」「高齢層」11の世代別では、SNS、Twitter、ミニブログの若年層の利用率が他の世代に比べて高かった。一方、地域SNSは、高齢層の利用率が高く、ネット上の掲示板は中年層が高く、ブログは、世代間で利用率に大きな差はみられず、これら3類型は若年層以外でも多く利用されていることがわかった(図表3-2-3-5)。

図表3-2-3-5 現在利用しているソーシャルメディアの種類(性別、世代別)
図表3-2-3-5 現在利用しているソーシャルメディアの種類(性別、世代別)
男性の利用率が高い傾向/SNS、Twitter、ミニブログは若年層の利用率が高い
(出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年)

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ウ ソーシャルメディア利用に主に用いる端末

●どの年代でもパソコンを主に利用するが、若年層ほど携帯電話やPHS、スマートフォンを主に利用する傾向

 ソーシャルメディアを利用する際に主に用いる端末について年代別にみると、どの年代でもパソコンを主に用いるとの回答が大きいものの、若年層ほど主にパソコンを用いる比率が下がり、携帯電話やPHS、スマートフォンといったモバイル端末を主に用いる比率が高い。とりわけ、10代の半数近く、20代の約3分の1がソーシャルメディアを利用する際に携帯電話やPHS、スマートフォンを主に利用する等、これらの世代は、モバイル端末でのソーシャルメディア利用が一般化している(図表3-2-3-6)。

図表3-2-3-6 ソーシャルメディア利用に主に用いる端末(年代別)
図表3-2-3-6 ソーシャルメディア利用に主に用いる端末(年代別)
若年層ほど携帯電話・PHS、スマートフォンを主に利用する傾向
(出典)総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」(平成23年)

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エ ソーシャルメディアの利用を牽引する若者

●ソーシャルメディアでのN対Nのリアルタイムの情報流通を若者が牽引

 以上の結果を踏まえると、若年層ほどソーシャルメディアの利用率が高く、複数利用をしており、特に若年層はSNS、Twitter、ミニブログの利用率が高く、10代の約半数、20代の約3分の1がソーシャルメディアを利用する際に携帯電話やPHS、スマートフォンを主に利用する等モバイル端末でのソーシャルメディア利用が一般化している。つまり、Twitter、SNS等に代表されるソーシャルメディアでのN対Nのリアルタイムでの情報流通は、利用場所を問わず、隙間時間も活用可能なモバイル端末をより多く使い、また、複数のソーシャルメディアを使いこなす若者に牽引されているといえよう。


9 現在ソーシャルメディアを利用している人(42.9%)を母数とした、複数利用している人(25.4%)の占める比率
10 54通りの組み合わせの回答が得られた
11 「若年層」は10代〜30代、「中年層」は40代・50代、「高齢層」は60代以上の人として分類した(以下、世代別分析については、同様の分類で行っている)
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