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会見発言記事

野田総務大臣閣議後記者会見の概要

平成30年1月12日

冒頭発言

 おはようございます。私の方から1件ございます。


フィリピンへの訪問結果

 1月9日から1月11日までフィリピンを訪問いたしました。
 今回の訪問では、昨年10月に安倍総理とドゥテルテ大統領との間で合意された「日フィリピン共同声明」に基づくICT分野の協力について、迅速かつ着実に実施し、両国の戦略的パートナーシップをより一層強化する観点から、特筆すべき成果がございました。
 まず、ドゥテルテ大統領への表敬訪問では、「日フィリピンICT総合協力パッケージ」を総務省として提案をし、ICT利活用の基盤となるICTインフラの整備について、両国で協力して進めていくことに合意いたしました。
 ドゥテルテ大統領からは、日本はアジアにおけるICTのリーダーで、非常に優れた技術を有しており、日本の方々に期待しているとの言及がございました。
 フィリピンの社会的課題の解決及び経済成長を目指すとともに、日本企業の海外展開の後押しにもつながるよう、今後も両国連携しながら、しっかり取組んでまいりたいと思います。
 また、我が国企業がフィリピン国営放送局に納入したデジタル送信機により、マニラ首都圏及び周辺地域で本格的な地上デジタル放送が開始されました。
 この開始に伴い開催された地上デジタル放送開始式典において、私が開始スイッチを押すとともに、これまでの日本の貢献及び今後の協力についてアピールしてまいりました。
 国営放送の地デジ化により、例えば台風等の際に、より正確な情報が、より早く、より多くの人に伝わるようになるなど、フィリピン全国の視聴者は無料で地デジ化による様々な恩恵を享受することができるようになります。
 加えて、ブロードバンド網や地上デジタル放送を担当する複数の閣僚と会談を行い、フィリピン全土へのICTインフラの整備やICT利活用の促進に向けて、両国が、日本の知見を活用しつつ、協力して進めていくことで一致いたしました。
 今回の訪問を日フィリピン間の協力関係の強化につなげる大きな一歩とし、海外展開を促進する様々な施策を推進してまいりたいと考えております。
 私の方からは、以上です。

 

質疑応答


年賀葉書の料金にかかる混乱の把握

問:
 52円に据え置かれていました年賀葉書の料金が8日投函分から元どおり62円になりました。昨年の大臣の記者会見でも、料金不足が起きないようにと注意喚起があったわけですけれども、ここまでのところ、トラブルの発生など把握していればお示しください。
答:
 今おっしゃったとおり、年賀葉書の料金については、日本郵政株式会社及び日本郵便株式会社に対して、利用者への周知徹底等をお願いしたところです。この場でも、私自身もお話をさせていただきました。
 年賀葉書の料金が1月8日以降62円となったことで、現時点では大きな混乱はないと、日本郵便株式会社から報告がございました。2月までに改めて総括的な報告を受けることになっています。
 これから料金不足の年賀葉書の返送を受けた利用者から問い合わせがあることも考えられます。総務省としては、引き続き状況をしっかり注視していきたいと思っております。

フィリピン出張の成果及び家族の同伴の感想

問:
 フィリピンの出張なんですけれども、まず、当初想定していたのとは違うような、想定していなかった成果がもしあれば教えてくださいということと、行かれる前に、お子様をお連れになるということで、同じような悩みを持つ方の参考になればというお話もあったんですけれども、その面においても何か御見識ですとか、あるいはトラブルですとか、もしございましたらお聞かせくださいというのが1点です。
 もう1点、今回のお子様連れの出張に関して、前例になればということもあったと思うんですけれども、むしろお部屋の代金などを全面的に大臣が私費から出されるということで、一般の方からすると、お金がある人にしか難しいというような声も、我々の会社にも寄せられておりまして、その辺について、ルール作りとか、大臣が全部出すのが前例になってしまうと、あとに続く方が難しくなるんじゃないかという声もあるんですけれども、それに対してどのようにお考えかもお聞かせください。
答:
 まず、今回のフィリピン出張で、ドゥテルテ大統領はじめ、直接関係閣僚とお目にかかって、いろいろと想定していたよりも、良い意味で前向きなお話をいただけたことは大変うれしかったと思います。
 ドゥテルテ大統領におかれましては、当初の会見の予定時間を大幅に超えて、大変日本に対して、安倍総理との関係の深さから始まって、そして、日本のICTというのは大変、先ほどの繰り返しになりますけれども、素晴らしいということを、却ってこちらが謙遜するぐらい評価をいただいたこと。
 また、個人的にいろいろと、ダバオ市長からずっとご苦労されてきたお話とか、非常にフランクにお話いただきまして、大統領は大変日本に対して好意を持っておられるということを直接受け止めさせていただきました。その中にあって、フィリピンが抱える様々な課題の解決のために、ぜひ日本の素晴らしいICTを使うんだという意欲を感じたところです。
 また、例えば地上デジタル放送日本方式を採用しているのはASEANでフィリピンだけなんですが、そのやり取りの中で、相当国内で日本方式を採用するということに対して、担当、現場の皆さんがご苦労されたということを聞きました。何しろ100回以上プレゼンテーションしたということで、いかに日本方式がいいかということを国民、各界、各所に伝えることに相当力を入れてくださって、結果として、フィリピンの皆さんが、他国に日本の方式は良いということをセールスしていただいたというお話を聞きまして、本当にありがたかったと思います。
 そのプレゼンテーション、どう多くのフィリピン国民を、日本方式を採用することに賛同してもらうかについてのプレゼンテーション資料はいただけるということになりましたので、しっかりそこで勉強させていただければありがたいなと思っています。
 いずれにしましても、パッケージを提案することによって、両国首脳で決めた重要項目の1つであるICTを、とにかく迅速に、着実に具体化させていくということで、御承知のように、「日フィリピン経済協力インフラ合同委員会」とか、「総務省−情報通信省技術ICT協力委員会」といった、政府間協議の枠組みがあるんですけれども、そこを通じてしっかり形にしていければと思っています。
 あとは、今回の出張についてですけれども、初めての海外出張でありますし、2泊家を空けるということは、24時間、基本的に夜、2人体制で看護をしている家庭では極めて厳しいということで、官邸を含めて様々な方と相談した結果、このような手はずとなったわけです。おかげさまで、家族ともども元気で昨日帰国することができました。
 これから開かれる国会の大きな主要課題の1つに「働き方改革」があると思っています。とりわけ女性の活躍と相まって、女性の働き方が大きく変わっていかなければ、日本の生産性、または経済成長が促されないということは、多くの方たちのコンセンサスとなっています。
 ただ、現状、現実、子どもを抱えた女性が子どもを家に置いたまま長期の出張に出るとか、そういうことは、事実上不可能という形になっています。子どもを預ける場所もない、または、預かっていただける人もいない中で、この担当である人が、そのことについてしっかり仕事ができる女性たちが、それゆえ貢献できないということは、非常に、我が国にとっても損失であろうかと思います。
 そういう現実の中で、特に私の場合は重度の障碍児ということで、私の息子のような子どもを抱える家庭では、ほぼほぼすべての女性が、どんな有能な女性であっても仕事を辞めざるを得ません。なぜなれば、そういう子どもたちを預かってくれる施設も大変少ないですし、当然法律の下で、医師ないしは看護師ないしは親以外は、この子どもをケアできないという括りになっているわけですね。そういうことをぜひ知っていただくことも大切だろう。
 そういうことで、今回様々なサポートと取組を変えることによって、私自身も総務大臣として、または国務大臣として、与えられた仕事をきちんとできたということをぜひお伝え申し上げたかったと思います。
 金銭につきましては、私は今回のことだけでなく、これまでを振り返ってみますと、不妊治療を公表した時もそういう言われ方をされましたし、最近では、そういう子どもを保育園に預けるに当たって、自費で看護師さんを雇用しなければならないということも、同様な批判を頂きました。
 ただ、結果として、そののち、多くの御夫婦が取組んでいる不妊治療に助成制度が始まって、負担が軽減されたことは良かったと思いますし、この度の様々な福祉における改定によって、重度の子どもたちも、保育園、幼稚園、そして、小学校等において看護師さんを配置することで、障碍を抱えていてもしっかり学校で教育を受けられるという、そういう環境整備ができた。これはもちろんお金はかかりませんから。
 そういうことができたことで、今後、今回の働き方についても、現状そういうことを言われますけれども、今後の、より多くの女性たちの働き方の多様化に向けて一石を投ずることができればと。私の役割は、時々そういうものを「見える化」させて、そして、「できる化」させて、多くの人、とりわけ女性たちにそういう道を開いていくことが、苦しいけれども、試練だと思っていますので、そういうことでご理解いただければと思います。

インターネット投票の検討状況

問:
 昨日一部報道で、ネット選挙に関して、在外だとか洋上とか、そういったところをまずやっていくというような方針だという記事がありましたけれども、事実関係を教えてください。
答:
 昨年12月に第1回目の会合を開かせていただきました。次回のテーマとして、今お話があったような、例えば障碍のある方とか、海外居住者、要は投票しにくい状況下にある有権者の投票環境をどう向上するかというテーマで議論されることになっていて、その1つの手だてとして、インターネット投票についても検討されるというふうに考えています。
 ただ、報道にあるような決定事項というか、具体的な方向性というのは、まだ全く示されていないので、ご了解いただきたいと思っています。

海外出張の家族の同伴の参考とした事例、主権者教育の取組

問:
 2点あります。先ほどの関連で、海外出張に夫と子どもを同伴されるのに、様々な方にご相談なさったというお話がありましたけれども、国内外、民間含めて、何か参考にされた事例というのはあったのでしょうか。
 あともう1点なんですが、年末に発表された投票率、18歳、19歳の件でちょっと、前の話で恐縮なんですが、19歳の投票率が18歳に比べて10ポイント以上低かったということがありまして、住民票の問題とか、いろいろ指摘はされていますけれども、今年、国政選挙がない年ということで、主権者教育をするチャンスの年でもあるんじゃないかという指摘もありまして、今年、何かそういった、19歳、18歳の問題に関して考えておられることが今の時点でありましたら教えてくださいますでしょうか。
答:
 まず最初の相談や参考というのですけど、基本的にはオリジナルでございまして、何かを参考にしたことはありません。ただ、昨年トランプ大統領の娘さんのイヴァンカ・トランプさんにお目にかかった時に、彼女の国内でのアクティビティ・活動を見ていると、割と子どもさんを同伴して視察を行っているということは垣間見た。それが直接の参考になったわけではないですが、日頃から働く女性たちの中の様々な悩みの中に、子どもを置いてはという、なかなか男性にはない発想かもしれませんが、そういうところをどう解消していくべきかということを常に念頭に入れておいたので、これまでも国内の、例えば地元に帰る時に、2泊以上になる場合は必ず家族を帯同して地元に、マニラの前も実はずっと岐阜にいましたので、その時も連れ帰っていたので、私とすると、国内だろうと海外だろうと、きちんと仕事を、成果を出す環境を作ることはどうあるべきかということを、常に念頭に置いて取組んでまいりました。
 いまおっしゃった主権者教育については、大変良い指摘だと思います。先ほどの研究会も、投票率を上げることが第一義になるわけですけど、その中にも、若年層の低投票についてどういうことができるかということも検討課題になってくると思っています。主権者教育は行われているんですけれども、積極的に、今のお話を踏まえて今年何ができるか検討してみたいなと思います。ありがとうございます。

テレビ放送が視聴できない状態に対する所見

問:
 北陸の方でですね、民放2波が長時間にわたって停波するという事態があったかと思うんですけれども、落雷が原因とも見られているということなんですが、このことについての受け止めと、今後、対応など取るようなお考えがありましたら教えてください。
答:
 今の御指摘は、石川県の石川テレビ及び北陸放送より、現在、一部地域を除く広いエリアで10日の夜19時から停波をして、約38万世帯の方たちが影響を受けたという報告を受けたところです。
 原因としては、送信鉄塔への落雷に起因する鉄塔内部の火災が考えられると聞いています。火災の方はもう既に鎮火しておりますが、11日10時23分時点で、影響世帯数は約2.7万世帯まで復旧したと聞きました。
 各放送事業者においては早期の完全復旧に向けて、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 なお、この件は重大事故に該当することから、放送法に基づき、事故原因や再発防止策等の詳細について、30日以内に報告を受けることとなります。総務省としてはそれを踏まえて、しっかり対応を検討していきたいと思います。

問:
 ほか、よろしいでしょうか。では、ありがとうございました。
答:
 どうもありがとうございました。

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