採択事業 久米島町

沖縄離島G空間シティ構築事業

準天頂衛星の災危通報メッセージを利用した防災情報の送受信モデル、3次元地図を利用したナビゲーションアプリの構築など、G空間情報の利活用で安心・安全の確保を実現。

実証地域

沖縄県久米島町、石垣市、与那国町

担当局

沖縄総合通信事務所

実現するモデル

  • (2)先進的・先導的なG空間利活用モデルの確立に関する実証事業
  • 5.3次元地図等を利用したバリアフリーナビの実現に関する実証事業

構築したシステムの説明

G空間情報と準天頂衛星の高精度測位サービス、3次元地図等を利用したナビゲーションシステムの構築のため、さまざまなスポット情報をSNS連携によって取り込み、G空間情報データベースに登録し、これを、タブレット端末を使用したナビゲーションシステムで利用しました。ナビゲーション時には、準天頂衛星の高精度測位サービスと3D地図等を利用することで誰でもわかりやすく目的地まで移動できるようにするための実証を行いました。この他、準天頂衛星の災危通報サービス、ソフトウェア無線機を利用した災害情報の集配信の実証において、今後の災危通報サービス及び受信端末の普及を考慮し、準天頂衛星の災危通報メッセージを防災利用のみならず、平時においてイベント情報の配信や観光利用目的等で利活用する実証を行いました。

実証事業の概要(全体構成図)

G空間情報と準天頂衛星の高精度測位サービス、3次元地図等を利用したナビゲーションシステムを構築し、さらに災危通報サービス、ソフトウェア無線機、Wi−Fiを利用した災害情報の集配信を行いました。

災危通報サービス受信モデル概要

準天頂衛星の災危通報メッセージを防災利用のみならず、平時においてもイベント情報の配信や観光利用目的等で利活用する実証を行いました。

活用するG空間技術、G空間情報

  • 準天頂衛星 測位機能(L1−SAIF信号)
  • 準天頂衛星 メッセージ機能を活用した災危通報サービス
  • Wi-Fi網を活用した災害時の情報伝達
  • 3次元地図

実施団体

  • 久米島町
  • NECソリューションイノベータ株式会社
  • NECエンジニアリング株式会社
  • 沖縄セルラー電話株式会社

インタビュー

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
猪野聰之輔さんに聞きました

アビームコンサルティング、IBMビジネスコンサルティングサービスに勤務後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に所属し、地域情報化プロジェクトを多数実施。


今回、G 空間シティ構築事業に提案した背景を教えて下さい。
今回メインの実証フィールドになって頂いた地域は久米島町になりますが、久米島町は元々先端技術の実証フィールドとして島を活性化していくという方針を打ち立てております。今回この事業で行う準天頂衛星の高精度測位サービスを使ったナビゲーションシステムの構築と、災危通報サービスとソフトウェア無線機を使った災害情報の送受信の実証実験は、久米島のこのような先端技術の実証フィールドとしての島の活性化の取組にマッチしたこととが一つ理由として挙げられます。また、久米島町は過疎化の進みつつある国境離島でもあり、災害情報の送受信の仕組みは国境離島の安心安全の確保に役立つと考えられたこと。離島は観光地であることも多いのですが、離島での観光客の移動手段は限られていてほとんどがレンタカーのみとなっています。しかし、このレンタカーのナビが地図の精度が低かったり、スポット情報が極端に少なかったりして使えない。こういったところで今回のナビゲーションシステムを導入することで地域の活性化に役立つのではないかということで応募させて頂きました。
事業におけるアピールポイントをお教え下さい。
離島や過疎地というのは自然が多く、環境が良いため、その多くが観光地となっています。今回は対象エリアが離島や過疎地というとことをある程度想定した上で、そこで使えるナビゲーションシステムの実証を行いました。今のカーナビの位置精度ですと、目的地に辿り着けないというケースが起こりえます。これが、準天頂衛星の高精度測位サービスを使うと解消されます。また、SNSの普及によって、口コミ情報の重要性が増していると考えられ、観光地でどこへ行くかという場合も口コミが重要になると考えました。そこで今回構築したナビゲーションシステムではスポット情報としてTwitterのツィート情報を使用しました。この二つの要素をナビゲーションシステムに取り込み、離島や過疎地域の観光地において観光目的で利用するというモデルは新規性があると感じています。
実証内容についてご説明下さい。
実証としては、災危通報サービスとソフトウェア無線機を使った災害情報の送受信の実証、高精度測位の技術実証、高精度測位サービスを使った次世代ナビの実証の三つ。一つ目と三つ目がコアになる実証です。一つ目の実証ですと情報の送信側で車載型のソフトウェア無線機2台を久米島町に持ち込み、実際に緊急モバイルネットワークを構築しました。一台は自衛隊のアンテナが置いてある久米島の一番高い山の上に設置し、もう一台は実際に車に積んで移動しながら情報を送るというテストを行いました。実証にあたっては、事前に試験無線機を開設の手続きをして受信を確認しました。データの受信側でいいますと、陸上では久米島町と与那国町と石垣市の三島でメッセージの受信テストを行いました。一つの島ごとに二つのチームが入り、静止状態と移動中のメッセージ受信を行いました。
今後の取組予定や期待を教えてください。
今回は運用まで見据えた上でサービスを企画しました。Twitterのデータを観光コンテンツの情報として使うようにし、コンテンツの更新に人手がかからないようなシステムを作り、ナビゲーションのスポット情報が放っておいても勝手に更新される仕組みにしています。また災害情報の送受信サービスの最大の強みは、電力・通信網が全く使えない状況になった時でも衛星経由で災害情報配信するため、地上でも海上でもそれが受け取れるということだと思います。そこに配信する情報はソフトウェア無線機と衛星通信を使うことで情報を吸い上げることができる。今後、災危通報に関してはアジアオセアニアの諸島地域においては、かなり使えるのかなと感じています。準天頂衛星が7機体制になれば普及すると思います。

ページトップへ戻る

G空間シティ構築事業
サイドナビここから
サイドナビここまで