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島根県松江市で「オープンデータセミナーinしまね」を開催
〜使おう!変幻自在のオープンデータ〜


 中国総合通信局(局長:黒瀬泰平)は、平成26年11月20日(木)、島根県松江市内において、中国超高速ネットワーク連絡協議会及び中国情報通信懇談会との共催で、オープンデータの利活用による活力ある地域社会の創生に寄与することを目的に、「オープンデータセミナーinしまね」を開催し、官公庁、大学、ICT関連企業など90名の参加がありました。
 講演に先立ち、主催者を代表し、黒瀬局長は、「国内では、オープンデータの活用に関するアイディアソン・ハッカソンなどのイベントが開かれ、行政サイドにおいてカタログサイト の整備が進められているが、今後は、地域住民や企業の方がオープンデータの効果を実感できるよう、これらの取組みの定着・拡大を図る必要がある。本セミナーが、中国地域におけるオープンデータの取組みを拡げていく契機としたい。」と挨拶しました。
 基調講演では、政府IT総合戦略本部電子行政オープンデータ実務者会議構成員 川島 宏一氏から、「オープンデータ:公開からインパクトへ」と題し、オープンデータの国際的なムーブメント、我が国のオープンデータ戦略、事業化のポイント、今後の方向性などについて、講演されました。その中で、川島氏は、「行政が把握した地域課題やニーズ、統計といったデータを公開することで、より議論が深まり、建設的な回答が出てくる。行政保有データは、内部にあるままではその価値は潜在的だが、公開し、多くの人が使ってアイディアや解決策を考えることで、新しい価値を生み出す。そこにオープンデータの根本がある。」と述べられました。
 自治体における取組み事例紹介では、千葉市総務局次長(CIO補佐監)三木 浩平氏から、「千葉市が取り組むビッグデータ/オープンデータ施策群」と題し、同市が取り組む事業戦略の背景やねらい、行政データ公開の留意点、自治体間連携の取組みなどについて、講演されました。
   三木氏は講演の中で、「96万人の人口を抱える千葉市では、行政やコミュニティーと接点がない人が増えている。そこで、市民と市役所が相互に能動的に関わり、共に考えるプロアクティブな社会の構築を推進している。」と述べ、双方が都市環境データをマップ上に共有し、互いに対応を分担し合う、市民協働型事業「ちば市民協働レポート実証実験(通称:ちばレポ)」の取組みについて紹介されました。
 続いて、国立大学法人島根大学法文学部 野田 哲夫教授をコーディネーターに、川島、三木両氏も参加し、「オープンデータの活用による社会的価値の創生」をテーマにした5名によるトークセッションに移りました。
 冒頭、株式会社ネットワーク応用通信研究所上級研究員 清水 道雄氏から、松江市が進める産学官連携プロジェクト「松江ソーシャルネットワークマップシステム」の取組み概要について、松江市政策部政策企画課政策統計室長 花形 泰道氏から、その開発経緯や活用戦略などについて説明がありました。
 また、オープンデータを二次利用する立場から、株式会社テクノプロジェクト広域ソリューション事業部 部長 藤原 邦弘氏から、オープンデータを活用し、かつ、松江発のプログラミング言語Rubyを用いたビジネスモデルのアイディアを募集する取組みについて説明がありました。その後、オープンデータを公開する側、利用する側双方の視点から、活発な意見交換が行われました。
 参加者からは、地方自治体がオープンデータの取組みを始めるタイミングについて、政府が先導する公共クラウドの整備といった全国施策の展開を受けてからにするべきか否か、といった質問が出されました。
 最後に、コーディネーターの野田教授から、「データのオープン化を図りつつ、自治体間で相互に連携し、その利用価値を高めていく取組みがポイントとなる。」とまとめられました。
 本セミナーの終わりに、独立行政法人情報通信研究機構テストベッド研究開発推進センター参事 小村 和司氏から、同機構が運用する大規模な研究開発用テストベッドネット「JGN−X」の取組みについて紹介が行われました。
 中国総合通信局では、今後も地域のニーズにしっかりと耳を傾け、中国地方の自治体と連携し、オープンデータの取組みを積極的に推進して参ります。

 【講演資料】
 ●基調講演
  「オープンデータ:公開からインパクトへ」PDF[5,809KB]
    政府IT総合戦略本部電子行政オープンデータ実務者会議構成員 川島 宏一 氏
 ●自治体における取組み事例の紹介
  「千葉市が取り組むビッグデータ/オープンデータ施策群」PDF[8,078KB]
   千葉市総務局次長(CIO補佐監)三木 浩平 氏
 ●トークセッション
  「松江ソーシャルネットワークマップシステムのご紹介」PDF[935KB]
   株式会社ネットワーク応用通信研究所 上級研究員 清水 道雄 氏
  ●「JGN−Xの取り組みについて」PDF[4,631KB]
   独立行政法人情報通信研究機構テストベッド研究開発推進センター 参事 小村 和司 氏
 

 
 

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基調講演 川島 宏一 氏 

トークセッションの様子
(左から野田教授、川島氏、三木氏、
花形氏、藤原氏、清水氏) 

 

 

連絡先
 情報通信連携推進課/電話:(082)222−3408

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