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【ICT訪問記】AI/IoTを活用したレモン栽培に取り組む農園

 とびしま柑橘倶楽部は、ひろしまサンドボックス事業により、エネルギア・コミュニケーションズをはじめとする5団体とコンソーシアムを組み、「レモン栽培へのAI/IoT実証」に取り組んでいます。令和元年6月10日に、実際に実証地域の農園を訪問し、とびしま柑橘倶楽部の代表末岡氏、エネルギア・コミュニケーションズの武田氏にお話を伺いました。
 
●取組の背景
 レモンは古くから傾斜地栽培されており、背負子を背負い、急勾配を上り下りして収穫をしていました。そのようなこともあり、レモン栽培は一般的に重労働といわれています。また、現在では担い手不足の問題が顕著となっています。
 そこで、IoTを活用することにより、レモンの生産性向上を図り、農業は儲からないというイメージを一新し、また、作業面での栽培のハードルを下げることで、地域内外から就農者を獲得し地域活性化を目指すことを目的に、様々な取組を進めているそうです。
 
●取組の内容
・栽培のデジタル化
 レモン栽培の作業を効率化させるため、センサー類を活用して、温湿度、土壌、照度などあらゆるデータを可視化させることにより、栽培に反映させます。木にくくりつけてあるQRコードを読み取りデータ化することで各木の状態を把握し、迅速かつ適切に管理出来るといいます。
 またLPWAのネットワークを活用し、直接通信が不可能な、離れている農園同士の通信を、向かいの島を経由して行うことにも成功しています。これは全国初の試みだそうです。
 
LPWAのアクセスポイント

アクセスポイント

センサ類

センサ類

QRコード

QRコード

・ロボットの活用
 作業者の身体負担軽減のために、作業内容を代替するロボットの導入を行っています。今後は、急傾斜で栽培するレモン畑から収穫物をドローンで中継小屋まで運び下ろし、そのまま人手を介さず集荷場へ運搬するという取組にも着手するといいます。

・地域活性化について
 竹チップを土壌にまいて土壌の違いが生育の違いに関係しているかを検証しています。竹チップをまいた木の周辺は除草剤を使わずともあまり雑草が生えず、またその周辺の木も心なしか生長が早いようです。また、竹チップは、広島のかきいかだの廃材を利用していることから、地域資源の有効的な活用法であるといえます。 また、IoTを観光等へ応用することも検討しており、地域活性化に向けた活用も視野に入れているといいます。

・課題と今後の展望
 レモンの収穫シーズンである10月以降から新実験も徐々に公開し、担い手の確保も見据えた収穫体験も民泊等と併せて始めていきたいとのことで、今後のさらなる取組の加速、観光面での展開も期待ができます。 お話をお聞きしたお二人からは、レモン栽培のやりがいと楽しさ、これをぜひ若者に伝えたいという熱意が伝わってきました。IoTの導入により、身近に手軽になったレモン栽培がたくさんの人々を惹きつけていくことを期待します。
取材の様子

取材の様子

栽培中のレモン

栽培中のレモン

連絡先
  総務部企画広報室/電話:082-222-3445

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