2階に設置してあるテレビでは受信できるが、1階では受信できない。また複数台所有している受信器のうち、1台だけ受信不良となるケースでは、以下のような受信設備不良が考えられます。
アンテナ出力における受信レベルが十分でない場合、多数の端子に信号を分配するホームシステムを構築すると 、末端の端子において、受信レベル不足による受信不良が生じることがあります。
<改善策>
受信アンテナは地域の受信状況に即した機種を選定し、また、分配損失などを考慮し、必要に応じてブースターを 使用してください。また、デジタルチェッカーなどを使用して最適なアンテナ設置位置、高さの調整をしてください。
ブースターを使用している場合、調整不足により、ブースター出力で必要な受信レベルが確保できず、末端の端子において受信レベル不足による受信不良が生じることがあります。
<改善策>
ブースターの利得調整つまみを回して出力レベルを調整します。
ブースターの利得調整で改善されない場合は、ブースターの入力アッテネータ(減衰器:−10dB)のスイッチがオンになっていないか確認してください。
ブースターの調整により改善しない場合は、高利得・低雑音型ブースターへの交換を検討する必要があります。
また、ブースターの設置場所は、アンテナとブースター間のケーブルによる減衰を防ぐため、できるだけアンテナの近くに設置しますが、発振障害を防ぐ必要もあるので、ある程度間隔をあけてください。
※強電界地域では定格出力が高いタイプのブースターを使用し、弱電界地域では低雑音タイプや高利得タイプのブースターを使用してください。
建物内で使用している分岐・分配器や壁面端子に経年劣化や施工不良などがあると、受信機への入力受信レベルが不足するため、受信不良となることがあります。
また、信号の分配に、分配器を使用せず不適切な接続している場合も、信号が大きく減衰するため、受信不良の原因となります。
<改善策>
既設の分岐・分配器、壁面端子の状態を確認し、腐食や破損がある場合は、新しいものに交換します。
また、それぞれの機器と同軸ケーブルの接続部に図2のような不適切な接続箇所がある場合は、F型接栓(図2-1)を使用するなど適切な接続処理を行ってください。
【図2 不適切な接続】
建物の内の配線に3Cタイプのような細い同軸ケーブルを使用している場合やUHF帯の性能が保障されていない同軸ケーブル(5C2V等)を使用している設備の場合、経年劣化により信号の減衰量が増加することがあります。
その結果、受信機入力で受信レベルが不足して受信不良となることがあります。
また、配線の際、同軸ケーブルを極端に折り曲げたり、電源配線用のステップルを強く打ちこんで固定すると、被覆が傷ついて腐食しやすくなるほか、場合によっては断線やショートの原因となります。
<改善策>
建物内に配線された同軸ケーブルは一般的に交換が困難なため、UHF帯でも減衰の少ない種類の同軸ケーブル(S-5C-FBなど)を別配線で設置して改善を図る必要がある場合があります。
【老朽ケーブル事例】
テレビ受信向上委員会HPより引用
テレビ端子出力の受信レベル、CN比等が良好な場合、受信機の動作不良の故障が原因と考えられます
デジタル受信機に動作不良が生じると画面が表示されない、または機器操作ができなくなることがあります。
デジタル受信機に録画機など複数の機器が接続されている場合、接続されている機器の不具合により、受信レベルが低下することもあるため、デジタル受信機周辺の接続機器についても、動作状態や配線の確認が必要です。
<改善策>
受信機にリセットボタンがある場合には、リセット操作を行って改善するかどうか確認します。
または、主電源を切った後、コンセントから機器の電源ケーブルを抜くことにより、リセット状態となる場合があります。
詳しくは取扱い説明書を確認してください。