よくある質問

電波伝搬障害防止制度 Q&A集(総合編)

Q0 電波伝搬障害防止制度とは、何ですか?

A0  公共性が高く、国民生活の安全に密接に結び付く重要無線通信(周波数890MHz以上の特定の固定地点間を結ぶ無線通信)を、31mを超える高層ビル等の建築による遮蔽(しゃへい)から未然に防止することを目的とする制度です。

 

Q1 総務大臣が指定する重要無線通信とは、何ですか?

A1 電波法102条の2第1項において、以下のものと定められています。

  • 電気通信業務用 (電気通信事業者の無線通信、主に携帯電話の基地局間の通信)
  • 放送業務用 (放送局が送信所へ番組を伝送する無線通信など)
  • 気象業務用 
  • 人命と財産の保護、治安維持用 (警察、消防、防災行政等のための無線通信)
  • 電気事業用 (電力の安定供給のための電力会社等の無線通信)
  • 鉄道事業用 (鉄道の安全運行のための鉄道会社の無線通信)
 

Q2 伝搬障害防止区域の範囲とは、どのように指定されますか?

A2 防止区域は、重要無線通信の電波伝搬路の地上投影面において、その中心線から両側50mの幅(合計で100m幅)で、かつ必要な区間で指定され、その区域は告示(官報に掲載)されます。

 

Q3 高層ビル等を計画していますが、どうすればよいのでしょうか?

A3 高層ビル等(以下「高層建築物等」という。)における最高部の高さが31mを超えるものを計画されている場合、当該高層建築物等が防止区域の範囲内で工事が行われるものか否かを確認することが必要となります。
 防止区域の範囲については、インターネットで防止区域図を縦覧することにより確認することができます。
 また、総合通信局又は施工地の都道府県(道にあっては、支庁を含む。)及び市町村(建築主事を置くものに限る。)の事務所で防止区域図を縦覧することにより確認することができます。

 なお、電波有効利用促進センターとして指定されている「電波産業会(ARIB)」の照会相談業務を利用することにより、防止区域の内外を確認することもできます。

防止区域内の場合

 「高層建築物等予定工事届」を管轄区域の総合通信局(沖縄総合通信事務所を含む。)に提出することが必要です。この届出により、重要無線通信の回線に対して,当該高層建築物等の遮蔽による影響があるかどうかを審査します。

 また、審査の必要上、新たに図面等の提出をお願いする場合もあります。

 なお、31mを超える場合であっても、届出が不要となる場合(避雷針、送電線等)があります。(電波法による伝搬障害防止に関する規則第4条)

防止区域外の場合

 建築物等の高さにかかわらず、届出は不要となります。

 

Q4 高層建築物等予定工事届を提出した後は、どうなりますか?

A4 届出を受理した総合通信局(沖縄総合通信事務所を含む。)は、当該高層建築物等が防止区域の重要無線通信に障害を与えるか否かを審査し、届出受理後3週間以内(障害がない場合)に、その結果を文書で通知します。

 また、電波法第102条の3第3項に基づき新たな資料(図面等)の提出をお願いした場合、その資料提出の受理した日から3週間以内となります。

障害がない場合

 障害の原因とならない旨を記載した文書を届出者(建築主)に通知します。

障害がある場合

 障害の原因となる旨を記載した文書を建築主(工事請負人等を含む。)と重要無線通信の無線局の免許人にそれぞれ通知します。

 
 

Q5 障害の原因となる旨の通知を受けた場合、どうなりますか?

A5 障害原因となる旨の通知を受けた建築主は、次の場合を除き、その通知を受けた日から2年間は、障害原因部分に係る工事を行うことができません。

 工事の計画を変更して、これを届け出た結果、障害原因とならない旨の通知を受けたとき。

 無線局の免許人との間に協議が調ったとき。

 なお、建築主及び無線局の免許人は、重要無線通信の確保と建築物等に係る財産権の行使との調整を図るため、必要な措置に関して協議すべき旨を相互に求めることができます。

 

Q6 防止区域の照会について、電話やFaxで教えてもらえますか?

A6 電話やFaxでの問い合わせについては、回答できません。

 伝搬障害防止区域図を、管轄区域の総合通信局(沖縄総合通信事務所を含む。)又は都道府県(道にあっては、支庁を含む。)及び市町村(建築主事を置くものに限る。)の事務所で縦覧するか、インターネットにより縦覧して確認して下さい。
 

 

Q7 高層建築物等予定工事届の提出時期は、いつですか?

A7 建築主が「その工事に着手する前に届け出ること」とされています。

 また、計画中においても防止区域の図面で確認していただけますが、年間、数回の防止区域の指定が追加される等の変動がありますので、常に最新のもので確認して下さい。

 なお、既に当該高層建築物等が確認申請中や工事施工中において、防止区域の照会をしていない場合は、速やかに伝搬障害防止区域図を管轄区域の総合通信局(沖縄総合通信事務所を含む。)又は都道府県(道にあっては、支庁を含む。)及び市区町村(建築主事を置くものに限る。)の事務所で縦覧するか、インターネット(電波障害防止区域図縦覧別ウィンドウで開きます)により縦覧して確認して下さい。

 

Q8 高層建築物等に係る届出とは、どのような場合に必要ですか?

A8 防止区域内において次に掲げる建築物等を建築しようとする建築主は、工事着工前にその敷地の位置、高さ、高層部分(地表からの高さが31mを超える部分)の形状、構造及び主要材料などを書面により総務大臣宛てに届け出ることが必要です。

 なお、届出は管轄区域の総合通信局(沖縄総合通信事務所を含む。)で受け付けています。

  • 地表高31mを超える建築物等の新築
  • 工作物の増築又は移築で、その工事後において地表高31mを超える建築物等となるもの
  • 地表高31mを超える建築物等の増築、移築、改築、修繕又は模様替え
 

Q9 「高層建築物等予定工事届」と建築確認申請とは、どのような関係がありますか?

A9 電波法に基づく高層建築物等予定工事届と、建築基準法に基づく建築確認申請は別個のものとして処理されます。
 なお、地方公共団体によっては、条例等により、電波伝搬障害の有無を、事前確認事項の一つに含めている場合もありますので、地方公共団体の指導内容をご確認下さい。

 

Q10 「高層建築物等予定工事届」を郵便で送付することは可能ですか?

A10 郵送は可能です。

 送付の際は、信書便を使用して下さい。郵便等の紛失の可能性がありますので、できるだけ「簡易書留」等でご送付ください。ただし、書類不備等の場合には、届け出を受理せず、修正を求めるか、お返しすることがあります。

 また、届出に対する審査結果の通知書を郵便で送付することも可能です。郵便での送付をご希望の場合は、A4版の通知書1枚を送付するための返信用封筒に簡易書留に係る切手を貼付の上、ご提出ください。
 
 なお、審査結果が障害ありの場合には、審査結果を説明しますので、ご来局いただくこととなります。
 

 

Q11 高層建築物等が重要無線通信の回線に影響を与える場合、どのような対処方法がありますか?

A11 例として、次のような場合があります。対策の選択、あるいは費用の分担などは、建築主と重要無線通信の無線局の免許人とで協議していただきます。

  • 建築物等の一部を変更して、重要無線通信への影響を回避する。
  • 重要無線通信回線の経路を変更(う回)して、高層建築物等を回避する。
  • 高層建築物等に中継無線局を設置する。(一時的な経路のう回が必要)
 

Q12 高層建築物等を予定している場所が防止区域内の場合、重要無線通信の伝搬路より高いものは建てられませんか?

A12 電波伝搬障害防止制度は、重要無線通信を行う無線回線が高層建築物等の建築によって、遮断されるのを未然に防ぐことを目的としています。よって、高層建築物等の高さを制限するものではありません。

 ただし、重要無線通信の伝搬路より高いものを計画しており、かつ障害原因となる可能性が高い場合は、無線局の免許人との事前協議等の対策をしておいた方がよいでしょう。具体的には「伝搬障害可能性判定依頼書」に基づく手続きがあります。(電波伝搬障害防止制度:各種書類ダウンロード

 

Q13 観覧車や風車等は、届け出が必要ですか?

A13 観覧車や風車等は工作物に該当しますので、最高部(羽根等)の高さが31mを超え、かつ防止区域内の場合、届出の対象となります。

 

Q14 建築物等の屋上に設けられる広告塔や遊覧設備等の工作物は、高さに含めますか?

A14 高さに含めてください。

 その広告塔等を含めて31mを超えるものが防止区域内の場合、届け出の対象となります。

 

Q15 高層建築物等に設置されている窓拭き清掃用ゴンドラは、届け出の対象となりますか?

 ゴンドラ自体は届け出の対象とはなりませんが、ゴンドラを吊下するクレーン等で常設のものは届け出の対象となります。

 

Q16 鉄塔を計画していますが、防止区域内の場合には届け出が必要ですか?

A16 31mを超える部分の形状により、届け出の対象となる可能性があります。また、高層建築物等に鉄塔を設置する場合、鉄塔を含めて31mを超える場合は、届け出の対象となります。

 この場合、既存の高層建築物等の高さを含めた図面等が必要となりますので、詳しくは、お問い合わせください。

 

Q17 高層建築物等の施工中における仮設クレーン等は、届け出の対象となりますか?

A17 仮設クレーンは工作物に該当しませんので、単独では届け出の対象とはなりません。(31m以下の建築物の建築に使用する仮設のクレーンで、その最高部の高さが31mを超える場合など)

 ただし、高層建築物の建築に使用する仮設クレーンの場合、高層建築物等予定工事届に、その最高部の高さを記載していただくほか、クレーンに関する仕様書の添付を求める事があります。

高層建築物等の届け出に関するご質問

Q18 届け出に建築主の押印は必要ですか?

A18 押印は不要です。

 

Q19 高層建築物等の海抜高及び地表高の求め方は、何を基準にしますか?

A19 海抜の高さは、東京湾の平均海面(T.P.)を基準(標高0m)としてください。

 なお、建築物等の地表高は、「工作物の敷地に接する道路の路面の中心の位置(当該工作物の敷地に接する道路がない場合、当該工作物が周囲の地面と接する位置)のうち最低のものからの高さ」となっています。

 また、高層建築物等の最高部(塔屋部分を含む。)の高さを記入してください。

 

Q20 傾斜地に高層建築物等を計画していますが、海抜高及び地表高の求め方は、どうなりますか?

A20 傾斜地の場合も、A19と同様に算定して下さい。
 

 

Q21 X値、Y値とは、何ですか?また、どの位置のX値、Y値を求めればよいのですか?

A21 伝搬障害(高層建築物等が重要無線通に与える影響)の審査をする際、当該建築物等と重要無線通信の第1フレネルゾーン(電波を送る最低限必要なゾーンとの相対的な位置関係(平面的・立面的)を求めるため、建築物等の位置を示す公共座標値(X値、Y値)が必要となります。

X、Y座標の概要

 平面直角座標における各座標系の原点を基準にX軸(南北)とY軸(東西)が垂直に交わるものを利用して、任意の点の座標値(X値、Y値の2点により座標における位置)を求めます。

 座標系のX軸は、原点において子午線に一致する軸として、原点から真北に向かう値を正(+)とします。

 Y軸は原点においてX軸と直交する軸とし、真東に向かう値を正(+)とします。

 また、各座標系原点の値は、

 X=Y=0.000メートル

 とします。

 なお、座標原点より東西130km以内として、全国を19の座標系に区分しています。

関東管内では、主にIX系が使われています。(山梨県のみVIII系)

 2千5百分の1の白地図の縦(南北)をX軸、横(東西)をY軸として、地図の枠外にそれぞれの座標原点からの距離がキロメートル単位の数値が記載されています。関東管内では、野田市にある座標系番号「IX」が原点となります。

 例えば、白地図の左上隅に

(-20.5:横書き(XX軸))、(-15.5:縦書き(Y軸)) 

と記載されている場合、野田市にある座標原点を基準として、南方向に20.5km、西方向に15.5kmの距離に位置していることを示します。

  なお、高層建築物等予定工事届の提出に際し、建築物の位置(敷地及び建物)を白地図に直接朱書きしたものを添付する場合は、座標値の記載は不要です。
 
 

Q22 防止区域の指定の際、現にその防止区域内で施工中の高層建築物等の場合、何か手続きする必要がありますか?

A22 「高層建築物等工事計画届」(法第102条の3第5項)の提出をお願いします。

 また、伝搬路の障害となるかどうかの調査や障害となる場合の措置等は、重要無線通信の免許人と建築主との協議により行われます。

 

Q23 「高層建築物等予定工事届」を提出しましたが、当該建築物等の譲渡により建築主が変わりました。何か手続きする必要がありますか?

A23 新しい建築主から、建築主の変更届「高層建築物等変更届」の提出をお願いします。

 この記載事項は、当該建築物等の位置及び名称、新旧建築主の住所及び氏名並びに変更の年月日、及び理由等を記載し、変更の事実を証する書類(写し)を添付して下さい。

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