電波監視システムの概要

最新の電波監視システム“DEURAS”

 総務省では、正しいルールに則って電波を適正に利用していただくための電波利用環境を守るため、他の無線局の運用を妨害したり、放送の受信に障害を与えたり電波利用環境を乱す不法無線局などを探知する施設“DEURAS(デューラス)システム”を整備しています。

 DEURASとは電波監視システムの通称で、“無免許の無線局を探知する”という意味の英文“DEtect Unlicensed RAdio Stations”の表記を部分的に組み合わせたものです。

 DEURAS(デューラス)は、電波を受信して強さや到来方向などを計測したり、モニターしたりするための受信設備を備えたセンサ局とこれらのセンサ局を遠隔操作するセンタ局によって構成されています。

 センサ局は管内各地に設置されており、総合通信局に置かれているセンタ局からの操作でいろいろな電波を受信し、その情報がセンタ局に集められます。センタ局では、これらの情報から電波発射源の位置などを特定しています。

 また、ビルの屋上や鉄塔に設置されているセンサ局の他に、車両に搭載された移動するセンサ局(不法無線局探索車)が配備されており、機動性のある不法無線局の探索を行っています。

 このようにDEURAS(デューラス)には、不法無線局を探したり、通信をモニターしたりする機能があります。また、その他に自動観測機能による電波発射状況のデータ収集・分析などに使用されています。

【DEURASシステムのイメージ図】

ビルの屋上や鉄塔などに設置されているセンサ局からの方位線情報を組み合わせることによって移動している無線局についてもリアルタイムに位置を特定することができます。

【DEURASアンテナ】

受信する周波数帯ごとに複数のアンテナを使用しています。

【センタ局の制御表示装置】

専門の担当職員が画面に表示される方位線などの情報を分析、また、受信した電波をモニターするなど、不法無線局の探索や無線局の運用監査、電波の発射状況調査などの業務を行っています。

【不法無線局探索車の制御表示装置】

不法無線局探索車は、ビルの屋上や鉄塔に設置されているセンサ局と同等の機能を持った設備を搭載して、移動しながら不法無線局などの探索を行っています。また、センタ局と同様に他のセンサ局の情報を表示することができます。

DEURAS-H

 DEURAS-Hは、全国5ヵ所に電波の到来方向を検知するセンサ局と、これを高速デジタル回線で遠隔制御する地方センタ局を設け、さらに、これらの地方センタ局を三浦電波監視センターに設置する集中センタ局から高速デジタル専用回線で遠隔操作して電波の発射地点を特定するシステムです。

 測定周波数は、100kHz〜30MHzで船舶の航行の援助等に使用される長波帯から国際放送や国際通信等に使用される短波帯までの監視を行い、電波の混信源や不法無線局の位置の特定に活用されます。特に短波帯においては、我が国のみの監視に止まらず、外国からの電波の監視も実施して、国際社会の一員として求められる「国際監視」を実施しています。

 このシステムは、効率的・効果的な監視を行うため、混信があっても有効な方位測定を可能とする等、実現可能な最先端技術を導入して構築しています。

【DEURAS―Hの構成図】

【DEURAS-Hの空中線】

【DEURAS-Hの操作卓】

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