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ドローンの位置情報を把握できる新たなシステムの公開実証試験を実施

平成30年2月22日

 東北総合通信局(局長:伊丹 俊八)は、2月7日(水)福島県南相馬市で、小型無人機(ドローン)の位置情報を電波により把握可能となる新たなシステムの実証試験を公開し、県内のドローン・復興関係団体を初め全国から約50名の参加者がありました。

 現在、ドローンは航空法で見通し(目視)外の飛行が禁止されていますが、長距離飛行へのニーズが高まる中、東北総合通信局は見通し外の地点を飛行するドローンの新たな位置把握システムの基本的構成や技術的条件を検討する「小型無人機の飛行位置把握に係る無線システムの調査検討会」(座長:加藤寧 東北大学大学院教授)を昨年7月に発足。今回、実証試験に使用した試作機はこの検討成果を基に製作されたものです。

 冒頭、検討会事務局からシステムの説明がありました。このシステムは次のような特徴を有しています。(1)GPSセンサーで取得したドローンの位置や、識別ID等のデータを、毎秒1回、400MHz帯の電波で地上に送信する。(2)地上では受信したデータをドローンマッパーシステムで加工し、タブレットの地図上に飛行位置等を表示する。(3)400MHz帯の電波を使用することで、地上受信機から半径10km程度の範囲にいるドローンの飛行位置を、同一周波数で最大50機程度まで把握できる。

 試作機を使用したデモンストレーションでは、会場から半径10km程度の範囲に配置された複数のドローンの位置や、会場近くを接近飛行する2機のドローンがお互いの飛行位置を把握しながら衝突を回避して飛行する様子を、参加者は会場内のモニター画面で確認していました。(操縦者は各自タブレットを携帯。お互いのドローンが一定の距離以内に接近するとタブレット画面に赤色で警告表示。操縦者は手動で衝突回避飛行。)

 このシステムが実用化されれば、例えば、携帯電話が使えない山間地での物流や災害時の捜索活動に役立つことが期待されます。報道機関の取材に対し、加藤座長は「ドローンのより安心で安全な飛行を確保するため、実用化を目指し引き続き検討を重ねたい。」と話していました。

 調査検討会では3月を目途に報告書を取りまとめることにしています。
 東北総合通信局では、調査検討会の活動等を通じて、今後とも新たな電波利用に向けた取り組みを推進してまいります。

ドローンマッパー(接近警告表示)

ドローンマッパー(接近警告表示)

ドローン(同型機)

ドローン(同型機)

取材を受ける加藤座長

取材を受ける加藤座長

※ドローンマッパーシステムとは
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発したシステム。GPSの位置情報や識別IDなどの各種データを一本化して、送信機よりデータ送信を行い、受信側では、複数の送信データを順次受信し、地図上に表示するシステムです。

連絡先

 東北総合通信局
 無線通信部 企画調整課
 TEL:022-221-0657

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