平成26年12月25日
12月12日(金)、秋田県秋田市において、「青少年のインターネット利用環境づくりフォーラムin秋田」が開催されました。
このフォーラムは、内閣府主催、秋田県、秋田県教育委員会及び国の行政機関等の共催により、各地方における青少年のインターネット利用環境整備を推進する関係機関・団体が連携し、自立的に各種取組を実施できるようにするための体制構築を目的として開催されたものです。
当日は、小中学校の教員や保護者など約150名の参加がありました。
フォーラムの概要は、次のとおりです。
【講演1】
「変わりゆく子どもたちのインターネット利用環境と段階的なネットデビュー」
子どもたちのインターネット利用について考える研究会 事務局
長谷部 一泰氏(ALSI アルプスシステムインテグレーション株式会社)
<講演要旨>
パソコン、スマートフォンだけでなく、音楽プレーヤー、携帯型ゲーム機、デジカメなどもWi-Fi機能でインターネットに接続が可能です。場所を選ばす、個人で使用可能であり、周りでも気づかないので注意が必要です。
子どもの能力に合わせて、家庭で利用時間に関するルールや利用範囲制限(フィルタリング)などを行い、スキルが身についたら次ステップに移行する「段階的利用」を心掛けるようお願いします。
長谷部 一泰 氏(子どもネット研)
【講演2】
「疑似体験で学ぶスマホにひそむ危険」
デジタルアーツ株式会社 経営企画部 コンシューマ課
工藤 陽介氏
<講演要旨>
「ケータイ」では、携帯事業者の回線のみでネットに繋がるので不適切サイトへの接続などを事業者が制限できました。
スマートフォンは、小さなパソコンなので、十分なセキュリティ対策が必要であり、特に子どもたちには不正アプリの使用や危険サイトへの接続を行わないよう保護者が利用実態を把握しコミュニケーションをとることが重要です。
工藤 陽介 氏(デジタルアーツ)
【講演3】
「ケータイ・スマホの進化とネットセキュリティ」
KDDI 株式会社 渉外・広報本部 渉外部 業務グループ マネージャー
渡邉 昭裕 氏
<講演要旨>
「ケータイ」では、携帯事業者の回線のみでネットに繋がるので不適切サイトへの接続などを事業者が制限できました。
スマートフォンは、小さなパソコンなので、十分なセキュリティ対策が必要であり、特に子どもたちには不正アプリの使用や危険サイトへの接続を行わないよう保護者が利用実態を把握しコミュニケーションをとることが重要です。
渡邉 昭裕 氏(KDDI)
【基調講演】
「地域における保護者啓発 ―秋田県の取り組み―」
お茶の水女子大学 教授
坂元 章 氏
<講演要旨>
秋田県の「インターネットセーフティ委員」委員長を務めており、秋田県では「大人が支える!インターネットセーフティの推進」事業において、「ネットに少し詳しい大人」を地域に増やす運動を行っており、保護者への啓発の効率性と実効性を追求した先進的な取組です。
保護者などの大人には、大きく分けてネットに興味関心があり学習意欲が高い[第一層]、興味はあるが学習行動に結び付き難い[第二層]、そして興味関心が低い[第三層]がいます。青少年のインターネット利用環境づくりのためには、[第二層]の方々を如何に行動してもらうか重要なポイントです。
この取組を市町村に引き継ぐ「持続可能性」、地域から指導者を出す「地産地消」、「ネットに少し詳しい大人」の育成などが今後の課題となります。
【パネルディスカッション】
「青少年のインターネット利用環境整備に関する地域連携の取組について」
コーディネーター
曽我 邦彦 氏 社団法人日本PTA全国協議会 元会長
パネリスト
坂元 章 氏 お茶の水女子大学 教授
高橋 大洋 氏 子どもたちのインターネット利用について考える研究会事務局
加藤 寿一 氏 秋田県PTA 連合会会長
森川 勝栄 氏 秋田県教育庁生涯学習課社会教育班社会教育主事
岡 元紀 総務省東北総合通信局情報通信部電気通信事業課長
コーディネーター 曽我 邦彦 氏
パネリストの皆様
秋田県が行っている「大人が支える!インターネットセーフティの推進」に関わりある方々と東北6県の地域連携を推進する当局の担当課長がパネリストとして登壇し、冒頭に各パネリストからそれぞれの立場から以下の問題意識についての発言がありました。
加藤:PTAでは、「携帯を学校には持ち込まない」から、「携帯を正しく使う」と方針が変わりました。保護者も、「ダメなものは、ダメ」では無く、どうしてダメなのか説明できるよう変わらなくてはならない。全体的な底上げが必要です。
森川:県が行っている「地域サポーター養成」は、まさにそのニーズに応えるもの。県内を9地域に分け、3地域を3年掛けて「ネットに少し詳しい大人」を養成しており、周りの誰かに聞けば分かるようにしたいです。
高橋:「地域サポーター養成」に講師として参加できるは、民間企業の協賛があってのことです。息の長い取組みのために、企業の協力が欠かせない。
岡 :秋田県では、県がサポーターの養成を行っているが、他県では市が講師養成まで行っている事例もあります。また、岩手県では、匿名の書き込みでも個人を識別する情報がネットワーク管理者に把握できることを、仮想空間による実機体験により行っています。各地の取組を、地域を越えて共有することが必要です。
坂本:行政によるネットコンテンツの規制は、行うべきでない。自由の剥奪や利用者の思考停止につながるので慎重に行うべきです。
この提起を受け、パネリストによる意見交換が行われ、その中で、「秋田県は、全国学力調査で必ず上位に入るため、特別な教育をしているのか聞かれると、「早寝、早起き、朝ごはん」と基本的生活習慣が、当たり前のこととして取り組むことができている家庭環境が、子どもの家庭学習の充実に結びつき、学力向上を支えていると考えています。ネットの安心安全についても同様と考えています。」といった、秋田県ならではの発言もありました。
最後にコーディネーターから、「青少年が安全に安心してインターネットを利用するために、学校(教育関係者)と家庭(保護者)が協力したつなぎ目のない見守りが必要です。秋田県ではネットに少し詳しい大人を増やして、保護者のスキルを向上し、子どもたちの見守りに努めていますが、その方法が全国どこでも通用するわけではありません。ここに至る過程を理解し、各地域の状況にあった方法で対処していくことが重要です。」とのまとめがあり、フォーラムを終了しました。
パネルディスカッションの模様
連絡先
東北総合通信局
情報通信部 電気通信事業課
TEL 022-221-0626