(1) 過去の計数表(平成7年表及び平成12年表)について
本報告書に掲載されている平成7年表及び平成12年表の参考計数は、部門分類コードが変更された部門についてのみ平成17年表の部門分類コードに修 正し、組替集計した名目値である。なお、平成12年表から平成17年表にかけて部門の分割が行われている部門があるが、これについては、接続産業連関表 (平成21年度公表予定)の作成の際に分割比率を推計するため、今回の計数には反映させていない。
(2) 「再生資源回収・加工処理」部門の取扱い
平成12年表では、「再生資源回収・加工処理」部門を新設し、「屑・副産物」は一括して「再生資源回収・加工処理」部門に投入され、当該部門から需要部門に産出されることとし、「屑・副産物」の投入に回収及び加工に係る経費を加えたものを生産額として計上した。
しかし、平成17年表においては、「再生資源回収・加工処理」部門には「屑・副産物」の回収及び加工に係る経費のみを計上することとし、「屑・副産物」の取り扱いについては、平成7年表までと同様に、「マイナス投入方式」 によって計上している。
なお、「輸出(普通貿易)」部門における「屑・副産物」の投入額はFOB価格の評価となっており、確報までに、回収及び加工に係る経費分を除いた価格に修正することとしている。
(注) 「マイナス投入方式」とは、「屑・副産物」を、発生部門(列)にマイナス、消費部門(列)にプラスで計上する方法をいう。なお、「屑・副産物」の生産額は相殺されてゼロになる。
(3) 「分類不明」部門の取扱い
「分類不明」部門の概念・定義・範囲は、「他のいずれの部門にも属さない財・サービスの生産活動」とされ、「他の列及び行部門の推計上の誤差の集積 部分としての役割」もあるとされている。また、産業連関表の概念・定義上、他に産出先がないために「分類不明(列)」部門に産出している「金融(帰属利 子)」部門の例がある。
「分類不明」部門の推計方法は、「分類不明(行)」部門の合計の数値を国内生産額とし、「分類不明(列)」部門の合計の数値と国内生産額との不一致 額については、これまでも「分類不明(列)」部門と「営業余剰」部門との交点の取引額を調整することにより、バランスを取っている。
平成17年表(速報)では、「金融(帰属利子)」部門の「分類不明(列)」部門への産出額が約2兆円となり「分類不明」部門の国内生産額の約半分を 占めるまでに大きくなったこと等の要因から、「分類不明(列)」部門の合計の数値が「分類不明(行)」部門の合計の数値を上回ったため、「分類不明 (列)」部門と「営業余剰」部門との交点でバランスを取った結果、マイナスの額が計上されている。
(注) 「金融(帰属利子)」部門の産出額は、当該部門の国内生産額を金融機関別産業別貸出残高の割合に応じて配分して推計している。このうち、個人向け の貸出残高に応じて配分される帰属利子の産出額は、産業連関表では帰属利子の産出先を内生部門に限定し外生部門には産出しない(国民経済計算も同様)こと から、住宅ローン分は「住宅賃貸料(帰属家賃)」部門に、その他のローンの分は(他に産出先がないため)「分類不明」(列)部門に産出している。
(4) 社会資本等減耗分を計上する資本減耗引当、政府消費支出
道路・ダム等の社会資本減耗が平成12年表から新たに計上されており、これらは粗付加価値部門である資本減耗引当(社会資本減耗分を含む。)、最終需要部門である政府消費支出(社会資本減耗分を含む。)のみならず、国内生産額にも大きな影響を与えている。 ただし、これらの社会資本減耗の一部は、平成7年表以前でも既に計上済みであることから、平成7年表以前と平成12年表以降に計上された「社会資本減耗」のみを除外した計数の比較はできず、この点には注意を要する。
(5) 携帯電話機の取引に係る家計外消費支出(行)(列)
「携帯電話機」は、移動通信事業者の介在もあり、複雑な価格体系により販売されていることから、携帯電話機の生産者価格と購入者段階の価格に大きな差が生じている。 このため、産業連関表では、その価格差を移動電気通信部門の直接経費とみなし、家計外消費支出(行)として計上し、携帯電話機部門から家計外消費支出(列)に同額を計上している。
(6) 各種計数の表示について
各種計数については、100万円単位の計数に基づいて算出し、各表章の単位で四捨五入していることから、内訳は必ずしも合計とは一致しない。