IP化が進展する中、ネットワークの利用の公平性(通信レイヤーの他のレイヤーに対する中立性)やネットワークのコスト負担の公平性(通信網増強のためのコストシェアリングモデルの中立性)といった、いわゆるネットワークの中立性の在り方について検討を行う。
このため、ネットワークの中立性原則を軸として、IP網への本格的な移行を想定した競争政策上の検討課題を抽出・整理する観点から、関係各方面の参画を得て検討する場を設け、07年9月に第一次の取りまとめを行った。
これを踏まえ、引き続き検討を継続し、08年夏を目途に検討結果を取りまとめる。
06年11月から「ネットワークの中立性に関する懇談会」(座長:林敏彦放送大学教授)を開催し、07年9月、その報告書が取りまとめられた。
当該報告書では、ネットワークの中立性に関する3原則を整理し、ネットワークの中立性を確保するための基本的視点として、「ネットワークのコスト負担の公平性」と「ネットワーク利用の公平性」の2つの項目を掲げ、前者を確保する観点から、P2Pによるトラフィック分散に関する技術的・社会的な実験の展開、帯域制御に関するガイドラインの策定等が提言され、また、後者を確保する観点から、NTT東西の次世代ネットワークに係る接続ルールの速やかな検討、ドミナント規制の見直しに向けた具体的検討の着手等が提言された。
これを受け、同年8月、P2Pネットワーク実験協議会(会長:浅見徹東京大学大学院情報理工学系研究科教授、総務省はオブザーバー参加)が設立され、P2P映像配信モデルや共同コンテンツ配信センターモデルの在り方について具体的な検討が開始された。
また、帯域制御に関するルール策定については、07年9月、電気通信事業関連4団体(日本インターネットプロバイダー協会、電気通信事業者協会、テレコムサービス協会、日本ケーブルテレビ連盟)による検討が開始された。