平成4年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第2章 情報通信政策の動向

(4)移動通信における周波数の利用効率の向上

 ア 簡易型携帯電話システムの技術的条件の検討
 近年、携帯型の自動車電話及びコードレス電話は飛躍的な勢いで伸展してきているところであるが、現在の方式では、限られた周波数の利用効率の面で将来的な需要の増大に対応することが困難になる恐れがあり、また、通話の盗聴対策等、システムの信頼性の向上についても課題を有している。
 このような状況を勘案し、周波数の利用効率を上げるとともに、サービスの多様化を図るため、2年5月以来、電気通信技術審議会において、[1]個人が携帯できる小型端末を使用し、[2]同一の端末装置により、事務所、家庭、屋外等で共通使用を可能とし、[3]通信のデジタル化を図った簡易型携帯電話(パーソナル・ハンディーホン)システムを早期に実現するための技術的条件について検討が行われてきた。
 3年5月には、同審議会において簡易型携帯電話システムの無線設備について、必要な機能、望ましい周波数帯等の技術的条件に関する中間とりまとめが行われた。現在、この中間とりまとめに基づき、伝播特性、通話品質及び干渉回避機能等の実証実験が1年間程度を目途に行われている。
 イ デジタル方式MCA陸上移動通信システムの技術的条件の検討
 近年の社令・経済活動の多様化、広域化、自動車の役割の増大等に伴い、陸上移動通信は飛躍的な発展を遂げ、自動車電話等の電気通信事業用陸上移動通信システムとともに自営用陸上移動通信に対する需要が急速に増加している。
 デジタル化は良質で豊富な機能の提供はもとより、周波数利用効率、通信の秘匿性確保等にも有効であることから、MCA陸上移動通信システムの本格的な普及に備え、デジタル方式によるMCA陸上移動通信システムの早期導入を図るため、伝送方式等システムの各種条件等についで検討を行なう必要がある。
 以上のことからミデジタル方式MCA陸上移動通信システムの伝送方式、送信設備及び受信設備等の技術的条件等について電気通信技術審議会において検討が行われており、4年6月に答申の予定となっている。
 ウ 「マイクロセル移動通信システムに関する調査研究会」の開催
 郵政省では、移動通信のパーソナル化に対応して、周波数の利用効率を一層高めた将来的なマイクロセル(注)タイプの移動通信システムの在り方及びシステム概念について、技術的な見地から研究を行うため、3年4月から「マイクロセル移動通信システムに関する調査研究会」を開催し、検討を行っているところである。
 本研究会における検討項目は、以下のとおりである。
[1] パーソナルコミュニケーションの今後の在り方
[2] システムの概念整理
[3] システムの技術的条件

 

 

(3)電波の有効利用の促進 に戻る (5)電波利用における安全・信頼性の向上 に進む