平成4年版 通信白書

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第3章 ゆとりと活力のある情報社会の形成と電波利用

2 電波利用の環境整備の促進

 (1)人にやさしいサービス、機器の開発・提供

 電波を利用した情報通信機器、サービスは、技術の進歩と社会の情報化の動きに従い急速に普及している。しかし、サービス、機器の普及と高度化がかえって利用者やその周辺に心理的負担や技術的負担を与える場合が生じてきている。
 暮らしの豊かさとゆとりが求められる21世紀に向けて、電波利用においても、人に負担をかけない、人にやさしいサービス、機器の開発・提供が重要となっている。
 ア 使いやすいサービス、機器の開発・提供
 電波を利用したサービス、機器が国民生活のあらゆる場面に普及することで、特定の人に限られていた電波の利用が、子供から高齢者まで幅広い年齢層に広がりつつある。一方、サービス、機器の高度化、多機能化により、複雑な操作を要したり高度な知識がないと利用できない場合もある。特に、今後、高齢化は急速に進展すると予測されており、テレビジョン、VTR、コードレス電話など放送機器や通信機器については、高齢者も含めだれにでも使える機器の開発が必要である。
 イ 生活環境と調和したサービス、機器の開発・提供
 サービス、機器のパーソナル化により、電波利用機器が社会の様々な場所や生活環境で使用されるようになってきたことから、家庭や職場などでの利用に支障が生じる場合がある。
 室内に機器のあふれる現代においては、室内においてがさばらないことも重要な要素となる。放送衛星による放送に加えて、4年度から通信衛星を利用する放送が始まったが、現状では2衛星対応のアンテナも開発されているが、衛星ごとに専用のパラボラアンテナとスクランブル方式によって異なるデコーダが必要であるなど利用者にとっては負担となる。また、携帯電話は場所を選ばずどこででも電話できる利便性が受け入れられ急速に普及しているが、車中、店内などで大声で電話する姿が問題ともなっている。
 職場においても、携帯電話、無線呼出し等多様な移動体通信機器の導入、利用の拡大が進められているが、情報通信機器を四六時中身に着けることが新たなストレスを生む場合がある。「いつでも、どこでも、だれとでも」という通信の目標に向かって、将来は一人一端末の時代も予想されており、電波を利用するサービス、機器と生活環境との調和においても、豊かでゆとりある新たな関係の構築が求められる。

 

 

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